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第2章 ポエトロの町と花園伝説

設定集 ポエトロの町の冒険者

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 メラン王国領ブルム地方。画家や踊り子、吟遊詩人などが集まる芸術の町ポエトロ。この町では中心にある踊り子ギルド、画家ギルド、吟遊詩人ギルドに隠れてひっそりと冒険者ギルドが建っている。森の守護者のおかげで魔物被害も少ないこの町ではあまり冒険者は多くないが、最近ポエトロ出身の冒険者が有名になったことで彼に憧れる若者が冒険者になる例が増えてきているという。引退した超凄腕の冒険者が隠居しているという噂もある。
―――出展:『冒険者のススメ』



冒険者ランク目安
Sランク以上――英雄級。冒険者歴3年以上であれば功績次第で飛び級可能。国家の危機を対処できるレベル。
Aランク――国家戦力級。冒険者歴5年以上。国家の防衛に十分貢献したもの。国家防衛の要。例外なく二つ名を与えられる。
Bランク――有名級。冒険者歴3年以上で、都市の防衛に十分貢献したもの。都市防衛の要を担う。ベテランが多い。二つ名を与えられる者もいる。
Cランク――中堅級。冒険者歴1年以上で、一定の功績を上げたもの。壮年か実力のある若者が多い。
Dランク――一人前級。討伐・撃退クエストで一定の功績を上げたもの。平時の防衛を担える。
Eランク――駆け出し級。弱い魔物なら一人で相手取れる。
Fランク――入門者級。採集が主。
Gランク――一般人級。身分のみ。




◯冒険者パーティ「三つ子の魂」

「白鬼」ヨルダ・ブレイトル 59歳・男・ヒューマン・Bランク
 「三つ子の魂」のリーダーの一人。白髪の刈り上げに盛り上がった筋肉、青いジーンズジャケットがトレードマーク。威厳のある風格に違わずポエトロギルド最強の冒険者。レベル40を超えるBランクの二つ名冒険者だが実力は十分Aランク。かつて棍棒1本でムーンハウンドの群れの襲撃を退け、白鬼の二つ名を得た。

ユクトル・ジュヴネール 31歳・男・ヒューマン・Bランク
 「三つ子の魂」のリーダーの一人。茶髪の短髪を丁寧に撫で付けた壮年男子。つぶらな瞳が愛らしい。白い騎士風のマントはかつて共に戦った友の形見。銀製のメイスを振るう治癒魔法士ヒーラーで水属性の魔法も得意とする。ギルドの受付嬢トルネを2年がかりで口説き落として嫁にした。

モルト・プレミオール 47歳・男・ヒューマン・Bランク
 「三つ子の魂」のリーダーの一人。普段は呂律の回らない酔っ払いだが、実は超凄腕の鑑定士兼魔導師。炎属性と風属性を同時に操り空中に浮いて移動することもできる。奥さんは町一番の美人と評判の吟遊詩人ダフネ。いつも肌見離さず持ち歩いている木製の杖はダフネからのプレゼント品。

トット・プルース 25歳・男・ヒューマン・Dランク
 ヨルダに弟子入りしたプルース三兄弟の長男。赤茶色の長髪を靡かせる美少年。右手に棍棒、左手に盾を構えるが、鉄製のブーツで繰り出す回し蹴りが1番威力が高い。しっかり者だが人見知りなので、人と話すのはほとんど妹のリットに任せきりである。

ポット・プルース 21歳・女・ヒューマン・Dランク
 ユクトルに弟子入りしたプルース三兄弟の長女。赤茶色のポニーテールを揺らす美少女だが切れ長の目を本人は気にしている。メイスどころかハンマーを振り回す剛力。治癒魔法の適正はあるがまだまだ初級のヒールしか使えないので常に薬草を持ち歩いている。

リット・プルース 18歳・女・ヒューマン・Dランク
 モルトに弟子入りしたプルース三兄弟の次女。赤茶色のふわふわヘアーを風に靡かせる美少女。姉に次ぐ剛力と兄を凌ぐキック力を有する格闘少女だが、魔法少女になりたくて毎日ロッドを振っている。身体強化魔法が得意だと言い張るが大して効果はない。



◯冒険者パーティ「グレイシア」

シルビィ・コオル 26歳・女・ヒューマン・Cランク
 「グレイシア」のリーダー。氷属性魔法を操る姉御肌の冒険者。銀髪ショートに真っ白な肌が焼けた人の多いポエトロでよく目立つ。白い毛皮で作られたへそ出しルックは「グレイシア」の統一衣装である。「グレイシア」メンバーは全員氷属性魔法を扱える女性であるが、すべてシルビィが適正のある女性をスカウトして教育した賜物である。

ルリィ・グラース 26歳・女・ヒューマン・Cランク
 氷属性魔法を操るお淑やかな冒険者で「グレイシア」の参謀兼会計担当。亜麻色の柔らかい髪を編み込みにしている。ポエトロの町の大商人ゼオンの妹で頭がよく、絵画の才能もあるため冒険先の風景を描いた絵を売りさばいて活動資金を作っている。13歳のとき兄の行商に同行した先の雪国でシルビィと出会った。

ティルダ・フルースト 22歳・女・ヒューマン・Dランク
 氷属性魔法を操る明るい性格の冒険者。ナイフの使い手で魔力を通したナイフを使ったり氷の刃を飛ばして攻撃する。茶色の髪を緩く束ねているが、激しく動くとすぐにほどけてしまう。実はアストが倒したテラグリズリーに両親を殺された過去がある。

ヒルダ・フルースト 19歳・女・ヒューマン・Dランク
 ティルダの妹で氷属性魔術の天才。過去のトラウマから常に俯いており軽く冷気が漏れているが、姉の前では笑顔を見せる。その笑顔のあまりの美しさに虜になった男がちらほらといる。雪女の異名を持ち、彼女が起こした吹雪は彼女が立ち去ってからもしばらく続いている。

ドリー・エリオール 15歳・女・ヒューマン・Fランク
 ドルトンの妹。栗色の長髪にサイドだけ小さく結んでユリの花を象った髪飾りで留めている。幼い頃からシルビィに憧れ氷属性魔法を練習した。今年成人して念願の「グレイシア」入りを果たしたが、まだ採集クエストをしてランクを上げている段階である。8年前まで町にいたエナナとはよく遊ぶ仲だった。



◯冒険者パーティ「花園の妖精ガーデンフェアリー

エミル・リーヴァイン 26歳・男・ヒューマン・Dランク
 エルモの息子でエナナの兄。「花園の妖精」の現リーダー。茶髪、長身の剣士。元は剣を振っていたが、アストに憧れて長剣に変えた。水属性の魔法に適正があるがまだ魔法を発動できたことはない。意外と良い年だがうだつの上がらない冒険者稼業を続けているのは、父エルモに対する意地。

ドルトン・エリオール 25歳・男・ヒューマン・Dランク
 「花園の妖精」のメンバー。二人だけのパーティだがやる気は一流。栗色、長身の剣士。アストに憧れて長剣を始めた。その腕はエミルを凌駕する。火属性魔法に適正があり、もうすぐ火炎剣を習得できると豪語している。エミルとの仲を密かに噂されている。

「幻のアイドル」デミ・グラース 32歳・女・ヒューマン・元Dランク
 「花園の妖精」の元リーダー。今はもうやめているが、かつて踊り子と兼職して半年ほど冒険者をしていた。アストの記録を抜いて最速Dランク昇格記録を保持する。10年前冒険者になりたてだったエミルを助け、彼と冒険者パーティ「花園の妖精」を結成。その名前の由来は自身の2つ名候補として挙がっていたもの。



◯冒険者かつ吟遊詩人パーティ「神楽」

吟遊詩人ポール・ヴィクトル 23歳・男・ヒューマン・Cランク
 「神楽」の若きリーダー。「神楽」はパーティ全員が吟遊詩人ギルドにも所属している変わり種パーティである。土属性と水属性の魔法を操る。魔法で作った土笛を口に固定して吹き、リュートという弦楽器を弾き、足で太鼓などを叩くスタイルが人気。茶色の長髪にうぐいす色の帽子とマントを被っている。

吟遊詩人マーガレット・ガル 18歳・女・アイルーロス・Eランク
 「神楽」メンバーで専ら歌を歌う猫の獣人アイルーロスの少女。黒髪のボブカットに真っ白な肌、小柄でスレンダーな体型。寒がりでずっと毛皮のコートを着ている。歌声に様々な効果を乗せることができる。冒険者としてはまだ駆け出しだが、高いジャンプ力とナイフ捌きを生かして戦う。

吟遊詩人イザベラ・ロック 17歳・女・アレクトリデウス・Dランク
 「神楽」メンバー。リュートを激しく弾く新たな音楽ジャンルを作ろうとしている。鳥獣人アレクトリデウスの少女。金髪をゆるふわに結って右肩から前に垂らしている。お喋りだがその歌声は至宝と称される。魔力が高く高度な魔法を高速で編める。火属性の中でも爆発系統を多用する。
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