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ラファエル・バーンズその1

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ラファエル・バーンズを説明するのはとても難しい。
ラファエルは独特な感性と価値観を持っていたからだ。
彼を語るにはその生まれから説明しなければならない。
彼はアメリカのサンフランシスコに生まれた。
丁度、守が日本にその生を受けたのと同時に。
期せずして二人の生年月日は同じだった。
ここに何かしらの因果が生れていたのかもしれないが、それは二人には窺い知ることはできないことだ。

ラファエルの幼少期は街の悪ガキのボス的な存在だった。
多くの下っ端を従えて、自分は強いのだと喧嘩に明け暮れた。
ラファエルは同年代の者達に比べて身体も大きく、力も強かった。
でも時にはラファエル以上にデカく、頑丈な者もいた。
でも彼は喧嘩で負けなかった。
実は彼の喧嘩のスタイルは独特だったのだ。

虚を突くのが上手かったのだ。
ラファエルの喧嘩のスタイルは力で押している様に見えて、実は巧みに言葉で誘導するスタイルだった。
これは本能的なものなのか、彼が気づいて生み出したものなのかは分からない。
喧嘩相手にしてみると気が付いたら顎に一発を貰っているのだ。
これは堪ったもんじゃない。

始めはなんてことない会話から始まる。
やれ肩が触れただとか、唾が掛かったとかよくある喧嘩の切っ掛けだ。
其処での会話が彼はとても巧みだったのだ、その会話で自分のペースに持っていき、虚を突いて一発を入れるスタイルだ。
これをやられた者は堪らない。
虚をつかれた一発というのは、体力よりも理解力を持っていかれるのだ。
何が起こったのかと一瞬訳が分からなくなるのだ。
喧嘩の最中にそんな隙をみせたら致命的だ。
この一発が入ればもうラファエルのペースになる。
ここから巻き返すには尋常じゃない精神力が求められる。

そしてあまり知られていないことなのだが、その虚を突くスタイルは実は催眠に通ずるものがあった。
催眠には実は二つの誘導方法が存在する。
守が好きなのは呼吸法とイメージを駆使した誘導による催眠誘導だ。
そしてもう一つは速攻催眠と呼ばれる催眠誘導法である。
これは虚を突いたものであり、脳の隙を突いたものであるのだ。

具体的には、ビックリさせることにある。
大声を出してビックリさせてもいい。
いきなり虚を突いて後ろから押してもいい。
要はタイミングを外してビックリさせることに意味がある。
即ち虚を突くということだ。
虚をつかれた時、実は人間は潜在意識が剥き出しになってしまう。
人間はその様に出来ているのだ。
この状態で命じられると、命じられるままにしてしまうのが特徴的だった。
なんなら信頼できる身内で一度試してみて欲しい。
ビックリさせた瞬間に、眠れ!と強く命じてみると、被験者はあっさりと眠りに落ちてしまう。
安全を確保してから行うことをお勧めしたい。
いきなりバタリと倒れるから心して欲しい。
マットを配置することをお勧めしたい。

実はこの速攻催眠は、守もM氏から伝授された催眠誘導法でもある。
ただ雰囲気を大事にしたい守はあまりこの方法を取って来なかっただけで、やろうと思えば出来る方法ではある。
守にしてみればちょっと強引な催眠誘導法であるこの方法を、あまり好んでなかっただけに過ぎない。
だがその有効性を守はよく理解している。
そしてこれが問題なのが、ラファエルがこれに気づいてしまったことだった。
本能的なのか作為的なのか、虚を突くことを得意としていたラファエルがこれを知ってしまったのだ。

ラファエルの中で、一つの人攻略方が出来上がってしまった。
人は虚を突く時に命じると、そのままに従うのだと。
そしてラファエルはこれを誰にも教えることも無く、自分だけの人攻略法として後生大事に秘密にしていた。
ラファエルは独占欲が強い、そんなラファアエルが簡単に人攻略法を誰かに教える訳がなかった。
そしてラファエルは催眠に興味を持つ事になる。
その動機は人を従えるには催眠が有用であるのでは?
というものだった。
これが彼の人生、更には彼の運命を決定づけることになっていたのだが、この時のラファエルはそれを知る由もない。

実は既にこの時点において、速攻催眠は確立された理論であったのだが、ヒプノセラピーは狭い世界である。
一般人に知れ渡るほどの影響力は無い。
それを知らないラファエルは独自の方法で催眠を研究することになった。

彼はこれまでのガキ大将の側面を一旦捨て、催眠や心理学に関する本を読み漁ることにした。
そして自分なりの解釈で自分独自の理論を構築していく。
これが教えを請って誰かに師事していたら、また違ったかもしれない。
だが自分に異常な自信を持っている彼が、誰かから教えを乞う事はあり得ないことだった。

彼はこれによって、何かを学ぶことに一定の価値観を得ることになる。
それは単純なことで、勉強する姿が家族に喜ばれたからだった。
家族にしてみれば改心したのだと勘違いしてしまったのだろう。
それぐらい遠目には彼は変わったと見えていたのだ。
それにより、ラファエルはこれまでの素行とは違い、知識を得ることに価値を得ることになった。
それによって彼の学力はそれなりの評価を得ることになる。
結果、彼は大学に進学することになったのだった。
これは異例の話だ。
急に学力が挙がったことに訝しがる教師も数名いたが、実際にテストの点数が彼の実力を証明しているのだから物言いは付けられなかった。
優等生とまではいかないが、それなりの秀才と言えるぐらいの評価を得ていたのだ。
だがラファエルにとっては、それは興味を突き詰めてみた結果でしか無かった。

でも自分の事を低く見ている大人達を驚かせることに、爽快感は感じていたのだ。
彼は欲望に忠実だ。
そしてそんな自分に酔っていた。
俺は何でもやれば出来ると・・・
俺は天才なのだと。

実際彼は器用だった。
それなりに何でも熟してしまっていた。
というもの彼はコツを掴むのが上手かった。
大体の事が出来てしまったのだ。
これを彼は誇りに思っていた。
俺は他の者とは違うと・・・
俺は選ばれた存在であると。

これが不味かった。
この評価が彼の本当の実力以上であることを、彼は理解していなかったのだ。
彼は自分の実力や有益性を疑わない。
それが彼の誇りだったのだから。

彼は異常にプライドが高い。
本人はそれを認めないが、彼を知る者は皆、そのプライドの高さを指摘する。
でも彼はそれを認めない。
俺が間違える訳は無いと、俺を俗物扱いするなと、その指摘を受け入れることは無かった。
それ程に彼は孤高だった。
悲しいまでに・・・
でも彼はそれに気づいていない。
彼は自分が完璧だと信じていたからだ。
それほどに彼は自分の完璧性を疑わなかった。

ラファエルは、大学卒業後に大手保険会社に就職した。
彼の父は税理士であり、税理士事務所を経営している。
誰もが父の跡継ぎになるものだと思っていたが、彼はその道を選ばなかった。
父の税理士事務所は弟が継げばいいと、その道を選択しなかったのだ。
それにそもそも彼の父は放任主義者である。
ラファエルの弟にすらも税理士事務所を継いでくれなくてもいいと、考えていたぐらいだった。
結果的にはラファエルの弟がその会社を継ぐことになるのだが、ラファエルにとってはどうでもいいことだった。

ラファエルが保険会社を選択したことには理由があった。
それは営業の場において、彼がこれまでに学んできた心理学や催眠が有効なのかを検証したかったからだ。
もしこれが有効だった場合、巨万の富が得られるのではないか?とラファエルは考えたからだった。
この頃に彼はどうしたら巨額の金額を稼ぐことが出来るのかを、常に考えるようになっていた。
ラファエルは金銭欲に取りつかれ出していた。
ことある事に、どうしたら大きく稼ぐことが出来るのかを考えていたのだ。

動機は些細なことでしかない。
多くの金銭を持っていれば、凄いと思われるからだ。
そして世間的にも富豪を持て囃す風潮にあった。
ラファエルの本質は実はここにある。
彼はとにかく凄いと思われたいのだ。
俺は凄いということを、他者に認められることに大きな喜びを感じている。
本当の成功者にはあり得ない、醜い感情なのだが、彼はそれを正義と疑わない。
事実、本当の成功者と呼ばれる者達は、そんなことは微塵も考えてはいない。
でも彼は自分の完璧性を疑うことなくその考えを一切改めない。
これがラファエルがラファエルたる所以である。

保険会社の営業での彼の検証が始まった。
彼は営業活動に愚直に取り組んだ。
それはそうだろう、この検証如何では巨万の富が手に入る可能性があるのだから。
彼は寝る暇も惜しんで、営業活動に明け暮れた。
彼の知る心理学や催眠の手法を駆使して。
その努力は認められるものだった。
現に社内ではラファエルは働き者だと絶賛されていた。

そして一年が経った時、その成果が現れた。
彼は月間MVPの営業マンになっていた。
新規契約数の月間ランキング一位を獲得したのだった。
その時のラファエルの歓喜は凄まじかった。
でもそれは異質な喜びだった。
それはやっと自分の理論が結果として現れたのだと、自分を納得する為のものだったのだ。
同僚の賛辞も彼の心には響いていない。
俺はやはり天才なのだと、頷いていたのだ。
言葉ではありがとうと言いつつも、当たり前の結果だと、上から眺めていたのだ。

そしてこの結果が彼を助長させる。
要らない自信をつけさせたとも言える。
実際ラファエルは有頂天だ。
一つの結果がついてきたことに傲慢にすらなりつつあった。
ことある事にそれを周りに自慢し、その経緯を語って聞かせた。
成功とはこういう物だと自画自賛のオンパレードだ。
その時のラファエルは世界すらも我物にしたと言わんばかりの勢いだった。
そして語れば語るほど、その自己陶酔は深まっていった。
それは正に自分に酔っていたのだ、溺れる程に。

そうと知る第三者からしたら、これほど気持ち悪い者はいない。
だがそれを指摘できる様な人物を、彼は自分の周りにおいてはいなかった。
彼の言う事を素直に聞いて、それを凄い凄いと賛辞する者達しか、彼の周りには残っていなかった。
不審感や違和感を覚えた者達や、彼に苦言を呈する者達は、とっくに彼から離れていっていた。
それは、全く聞く耳を持たない彼に嫌気がさしていたからだ。

だが結果的にはラファエルの心理学と、催眠のテクニックを用いた営業活動は、上手くいった。
彼が睨んだ通り、その有効性が認められたのだ。
こうなるとラファエルは次の一手を考えだしていた。
彼独自のメソッドで何ができるかのかと・・・
検証結果が良かったいま、次に何を行うべきかを検討し出していたのだ。
そして彼は会社の設立を目論みだす。
だが、何を売ろうかとその商品が定まらない。
保険の代理店を開くのも手だったのだが、あまりその気にはなれなかった。

ラファエルは既に保険の業界を制覇したと考えていたからだ。
たった一度の栄光でしかないのに。
だがそれも彼の性格からしたら当たり前のことでしかない。
彼は何処か世間を舐めている節があったのだ。
それは人や物、何に対してもそうだ。
常に心の中では上から眺めていたのだ。
そして彼の行きついた結論は、今はまだその時ではないというものだった。
ある意味冷静な判断だと言えた。

そして彼はとあるビジネスと出会うことになる。
ネットワークビジネスと呼ばれる口コミ商法だった。
名前をベルーザと言う。
その手段はねずみ講に似ている。
厳密には違っており、合法ではあるのだが印象はあまりよく無い。
アムウェイという一世を風靡したネットワークビジネスを参考に造られた、ビジネスモデルである。
化粧品や健康食品をメインに、口コミで販売するビジネスであった。
そして彼が勤めていた保険会社は副業を認めていた。
彼は夜な夜なネットワークビジネスに明け暮れた。
結果、彼の収入は数倍に膨れ上がっていた。
もはや副業の粋を超えていた。
本業の数倍もの月収になっていたのだ。
そして彼は脱サラし、ネットワークビジネスを生業にすることにしたのだった。

この閉鎖された世界は彼にとっては独壇場だった。
実際に王様になった気分だった。
部下では無いのだが、自分から派生した枝葉の者達を顎で使い。
そして凄い凄いと持て囃されていた。
それは彼がそう仕向けたからだ。

そう、それは彼が最も望んだ世界だった。
彼は凄いと賛辞を浴びたいのだ。
それは彼の生きがいである。
実際彼は凄かった、傘下の枝葉をどんどんと広げていった。
その秘訣は彼主催のセミナーにあった。
彼は独自のメソッドでセミナーを開き、そこに人を集めさせた。
そしてまるで演説の様な講習を行う場であった。
それは如何に自分が優れていて、富を得ているのかを語る場となっていた。
彼は有頂天だった。
成功とは何なのかを声高に説明し、悦に達していたのだ。

ここで彼は上手く心理学を駆使することになる。
それは天才的とも言えた。
話の口調や声量、タイミングに拘り、人を惹きつけるテクニックを惜しげもなく駆使していたのだ。

更に彼はミーティングと称して、枝葉の主だった人物を厳選して集め、会議を行いだしていた。
これは彼にとっては暇つぶし程度に始めたことではあったのだが、これが彼を大きく道を踏み外させることになる。
ここで彼はこともあろうか、洗脳の実験を行い始めたのである。
その手法は多岐に渡る。
先に述べた速攻催眠や、過剰なストレスを与えて無意識を剥き出しにした状態で、暗示を与える方法など、様々な方法を使って洗脳を行っていったのだった。

だがあくまでそれは素人に毛が生えた程度の催眠である。
もしその場に守がいたらブチ切れていただろう。それぐらいの禁じ手である。
だが、そうとは知らないミーティングの参加者は、どんどんと彼の洗脳に掛かっていくのだった。
そして彼の信者とも呼べる者達がどんどんと増えていった。

彼は更に自分の組織を拡大していく。
最早大樹と呼ばれる程の巨木へと成長していた。
結果、彼はベルーザで五本の指に入るほどの収入を叩き出していた。
こうなってくると更に彼の周りの者達はヒートアップする。
彼に教えを請いたいと集まる者が後を絶たなかった。
それを助長させたのは彼の信者達である。
それを彼は満足して受け入れていた。
ラファエルはこの世の春を謳歌していたのだった。

だがそんな幸運は続かない。
人生は甘くないのだ。
次第にネットワークビジネスが下火になっていったのだった。
世間の風潮はどんどんと変わり始めていた。
これまでは富を得ている者を敬う風潮にあったが、それが多様化の社会にシフトしていったのだ。
流石のラファエルもこれを止めることは出来なかった。
日に日に彼から人が離れていった。
高収入を得ることが全てでは無いと、人の価値観は変わり出したのだ。
それに彼の洗脳実験を垣間見て、これはおかしいと指摘する者達が現れたのだ。
その者達の指摘は的を得ていた。
ラファエルの勢いはどんどんと鈍化していった。

彼の行うセミナーも、もはや人が集まる気配はなく。
閑古鳥が鳴いていた。
それを彼は受け止められず、洗脳した者達に教育と称して当たり散らしていた。
いくら洗脳を受けているといっても、限界はある。
それはそうだろう、洗脳とはいっても彼のそれはプロの所業では無い。
脇が甘いのだ。
簡単にその洗脳は解けるのだ。

彼の周りの者達は徐々に彼に不信感を抱き始めていた。
そして日に日に彼から人が離れていった。
それを繋ぎとめようと奔走するラファエルだが、功を奏していなかった。
時には脅すかの如く止めに入っていた。
そうすればするほど、ラファエルから人が去っていたのだ。
ラファエルにとってはどうしてそうなるのかを理解出来ていない。

気が付くと、もはや彼の周りには片指で数える程しか人は残っていなかった。
それに彼の収入も保険会社に勤めていたころの半分に成り下がっていたのである。
その現実をラファエルは受け止められない。
僅かに残った洗脳の抜け切らない者達に当たり散らし、無理難題を押し付けていたのだった。
何が何でも自分の王城を守ろうとラファエルは必死だった。
でも現実は残酷だ。
いつしか誰も彼に取り合わなくなってしまっていた。
ラファエルはこうなっても自分の間違いを見直さない。
自分に間違いは無いのだと、その矜持は捨てられなかった。
そしていつしか彼の人生はこれまでの煌びやかな人生とは、真逆な方向へと走り始めるのだった。

それはある一本の電話から始まった。
労働組合からの一報だった。
内容としては、数々の労働を押し付けられたことへの、労働の対価を支払えというものだった。
当然彼は労働契約も結んでなければ、社員を抱えたこともない。
だが彼は実は会社を設立していたのだった。
それはベルーザの商品を仕入れる際に法人を有していた方が、手数料を貰えると知ってのものだった。
そしてベルーザにおける労働が、それに当たると判断した労働組合が、組合員を通じて彼を断罪しようと動きだしたのだ。

彼はとにかく逃げることにした。
実はラファエルは攻めることは得意だが、攻められるとあり得ないぐらい弱いのだ。
敵わないと思う者や、理解に及ばない者から攻められると、逃げるという特性をもっていた。
本当の彼は虚弱である。
余りに弱かった。
実際のところ、彼は第三者から見れば実に哀れだった。
敵わないとみるととにかく逃げるのだ。
ここで立ち向かえるだけの精神性は有していない。
そして逃げ切ることは叶わず、彼は多額の借金をすることになってしまっていた。

彼の転落人生はここから始まったのかもしれない。
もし立ち向かっていたなら違った結果であったかもしれないが、そうは成らなかった。
その後彼は完全に自分を見失う。
だがその強固なまでのプライドをまだ捨てきれないでいた。
でも限界はあった。
気が付くと多額の借金に追われる生活に成り変わっていたのだ。

そしてラファエルは気が付くと高層ビルの屋上にいた。
もはや精神を病んでいたのだ。
自分で自分を制御できる状態になかった。
それは異常に高すぎるプライドがそうさせたのかもしれない。
だが彼はそうとは気づけない。

ここで彼はふと何でだろう?と思い付く。
でも心と体のバランスを崩している彼の歩みは止まらない。
否、止められないのだ。
ラファエルは屋上の縁に一直線で歩んでいた。
彼は心では止まれと命じているのだが、それを全く身体が受け付けない。
徐々に屋上の縁が迫ってくる。

ラファエルはここで完全にパニックになっていた。
(何でだ‼畜生‼何で俺にこんな仕打ちをするんだ‼)
誰ともつかない誰かに責任を押し付けていた。
(嫌だ‼まだ終われない‼こんなところで俺は終わってはいけない‼俺にはもっと恵まれた人生を歩むだけの能力や実力があるのに‼まだ何かあるだろうが‼)
ラファエルは諦めない。
でもじわじわと縁が近寄ってくる。
(くそぅ‼これで終われるか‼まだだ‼まだ何かあるはずだ‼止まれ‼止まれよーーー‼‼‼‼)

この思いに世界が共感した、否、してしまった。
ラファエルの強い情念が奇跡を呼び起こしていた。
高層ビルの最上階から身を投げだしたラファエルは、異世界に転移していたのだ。

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