神様のサウナ ~神様修業がてらサウナ満喫生活始めました~

イタズ

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神様会議

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俺はサウナ島をマークとランド、ロンメルに任せて、日本で一週間過ごすことにした。
休暇という側面もあるが、本命の目的としては、俺がサウナ島に居なくても無事に済むのかを確認する為だ。
あいつらなら問題無い事は分かっているが、一応試してみたくなったのだ。
それに自分の考えを纏めてみたいとも思った。

一度じっくりとサウナ島を離れてみようということだ。
まあ一週間がじっくりなのかは分からないが・・・
適当に考えてみた。
俺らしいということで許してくれ。

これまでのことを振り返り、今後の方針を今一度整理してみたいと思う。
状況整理ってやつですね。
大事ですよ、状況整理は。

俺は考えを纏める時には、サウナを多用する。
蒸されながらだと、考えが纏まり易いことは経験則から分かっている。
これが一番俺には合っているとも言える。
だがサウナ島のサウナでは、どうしても常連達から話し掛けられることが多い為、なかなかそうはいかない。
というより、何故だか俺と一緒にサウナに入りたがる者達が急増した。

どうしてんなのか?と一緒に入ってきた獣人に聞いてみたところ、
「島野さんと一緒にサウナに入ると、幸運が訪れるみたいです」
などという、根も葉もない噂が経ってしまっているようだった。

オーマイガー!
非常に迷惑している。
というか、無茶無茶困っている。
いい加減にして欲しい。
そんな訳がないだろう!
俺のサウナ満喫生活を脅かす、あってはならない噂だ。

噂を流した犯人を炙り出そうかとも思ったが、止めておいた。
本当は犯人を引きずり出して、お仕置きをしてやろうと思ったのだが・・・
ここは穏便にすますことにした。
どうせ他意の無い虚言なのだろう。
サウナの神様と呼ばれている弊害が、まさかこんな所に現れるとは思ってもみなかった。

その為、俺は日本に帰ることにしたのだ。
とは言っても『おでんの湯』では、飯伏君達から話し掛けられるのだが・・・

その為、今回はいつもの来店時間をずらして『おでんの湯』に行くことにした。
それでもサウナフレンズに捕まったら、それはその時だ。
会話に花を咲かせよう。
サウナ談義は楽しいしね。

俺はいつものルーティーンを終え、サウナ室に入った。
程よい湿度が俺を迎えてくれる。
今日も良い温度だ。
お!上段が空いている。
残念!

俺は考え事をする時は、下段に陣取ることにしている。
その理由はパフォーマンスを求めていないことと、じっくりと時間が欲しいからだ。
上段ではそうはいかない。
直ぐに汗をかきだすからだ。
名残惜しさに後ろ髪を引かれながらも、俺は一番温度が低い最下段に陣取った。

体感としては七十度ぐらいだろうか?
まだオートロウリュウには時間がある。
タイミングはばっちりだ。

まずはこれまでを振り返ってみることにした。
定年退職を機にサウナ満喫生活を送って、余生を過ごすつもりが、異世界で神様修業をすることになろうとはな・・・
なんという人生だろうか?
奇想天外にも程がある。
現実は小説よりも奇なりとはよく表現したものだな。
まぁ、マイサウナにつられてしまった俺が悪いのだが・・・

もし断っていたらどんな生活を送っていたのだろうか?
俺の性格からしたら、断ることはなかったとは思うけどね。
たぶんそこまで見越しての創造神様のスカウトだったのだろうな。
創造神の爺さんは、俺の性格まで分かっていたみたいだったし。

にしても、まさかこんな事になるとは思ってもみなかった。
無人島にノンと二人で放り出されてからの事を思い出していた。
最初は何かと苦労した。
特に最初の一週間は酷かったな・・・
ノンがいなかったら、お陀仏だったかもしれないな。
特に万能種には困ったものだった。
ほんとにちゃんと説明書を造っておけよな、まったく。

でも家族が出来、仲間が出来、会社を設立し、スーパー銭湯を造った。
よくもまあこんなにもいろいろと、出会いや物事があったものだ。
だいたいが向うからやってきたような気もするけど・・・
そしてたくさんの神様達に出会い、多くを俺は学んだ。

思い出したら限がない出来事の数々、たくさん笑い、大いに楽しんだ。
今では最高の人生を過ごしていると感じている。
創造神の爺さんに感謝しないといけないな。
爺さんあざっす!
出会いに感謝だ。

そして遂に俺は人では無くなってしまった。
実感は全く無いけども・・・
ステータス上のことでしか、今は受け止められていない。
自分が神だと、どうしたら実感できるのだろうか?
ここは考えるところでも無いのかもしれないな。
考えてどうにかなるとも思えない。

おそらく神様修業も折り返し地点に差し掛かっているような気がする。
半人半神とはそういう事なんだと思う。
これから先はどうなることだろうか?
なる様になるしかないよな。

依然として北半球の情報は薄い、オリビアさんが語ってくれた百年前の戦争の話ぐらいしか知らない。
あとは眉唾ものばかりだ、前にエンゾさんが北半球には宗教があるというようなことも言っていたが、本当の所は分からない。
神様が顕現しているあの世界では、正直考えられないことだ。

北半球への旅は行き当りばったりになるのは否めないだろう。
でも行かない訳にはいかない。
良い出会いがあることを祈るばかりだ。

北半球に行く第一目的はエリスの捜索だ。
ギルのことを想うと、歯痒く感じてしまう。
ギルはエリスの事をどう想っているのだろうか?
ただ生存は間違いない事が分かった今となっては、そこまで急ぐ必要は無くなったが、俺としてもエリスには早く会いたい。
無茶苦茶興味がある存在だ。

エリスはどうやら豪快な性格のドラゴンのようだ。
そして戦争を止めようと挑む、気概のある人物のようだ。
人物?ドラゴン物?
どうでもいいか。
まぁちょっと無謀な性格でもあるとは思うけどね。

それにしても、北半球へは長い船旅になりそうだ。
でも新クルーザーならば、最高時速百キロ近くまで出る為、もしかしたら数日で済むのかもしれない。
でも焦らず行こうと思う。

いろいろ暇つぶし出来るように、準備をしておかないとな。
絶対にやりたいのはトローリングだ。
やっぱり大物を釣り上げたいものだ。
ロッドはカーボン製にして・・・

後にしておこう。
汗をかきだしたな。
今では俺達が北半球に乗り込むことは噂になっているみたいだ。
噂になっていることは別に気にしてないけど。
後日神様ズと会議を行い、北半球に乗り込むことを俺はちゃんと宣言するつもりだ。

神様ズはどんな反応をするのだろうか?
間違っても反対はされないだろうとは思うが・・・
もしかして誰か連れていけとか言い出すのかな?
勿論、連れていかないけどね。
安全かどうかも分からないのに連れていけないでしょう?
安全第一で努めたいでしょう。

第二の目的は神気減少問題の対応だ。
いい加減原因を突き止めなければならない。
神気減少問題の最大の理由が、北半球に眠っていると俺は考えている。
南半球では、できる限りのことをこれまで行ってきたが、もう打てる手はないだろう。

これまでに行ってきたことは、世界樹の件を除いては、神気を増やす方法であって、減少している原因を突き止めた訳ではない。
どうして減少しているのかを突き止める必要がある。
神様ズからの話としては、神気の濃さはそれなりに持ち直したとのことだが、減少している原因を突き止め、対処しない限り、決して安心はできない。
いつこの世界の崩壊が始まってもおかしくはないのだ。
今は一時凌ぎであることは間違いない。

一度、創造神の爺さんを呼び出して、あと何年持つのかを聞いてみようかとも思ったが、どうせ真面に答えてはくれないだろうと、止めておいた。
今となっては、あの人に頼るのは筋違いだとも俺は思う様にもなってきていた。
これは神になってきている俺の自覚なのだろうか?
よく分からないが、そんな気もしないでもない。

そして第三の目的は神様に会いに行くことだ。
北半球にも神様はいるだろう。
新たな出会いに期待したい。
ああ、そろそろサウナ室を出よう。
だいぶ汗をかいたみたいだ。

時計をみると、入室してから十分以上が経過していた。
サウナ室を出て、掛け水をしてから水風呂に入る。
タオルで身体を軽く拭いて、外気浴場に向かう。
嬉しい事にインフィニティーチェアーが空いていた。
インフィニティーチェアーに掛け湯をしてから腰かける。

心拍数に耳を傾け『黄金の整い』を開始した。
複式呼吸を始め、深い自己催眠の状態に入っていく。
この時ばかりは頭の中を空にする。
整うことに集中する。
呼吸を整え、身体を神気で充満させる。
そして程なく余韻を堪能した。
本日も良い整いでした。
サウナって最高だな!
どうしたらこれを止められるのやら・・・止める気は全くありませんけどね。

俺は二セット目を開始した。
その後サウナフレンズに捕まってしまい、自己問答は出来なかった。
でも俺はサウナ談義を楽しむことができた。
これはこれで楽しかった。

結局俺は、一週間の全日をサウナに費やした。
『おでんの湯』以外にも『キャッスルリゾート』や『花しょうの湯』『竜泉の湯』などにも通った。

サ飯にも積極的にトライした。
台湾まぜそばは本当に辛かった。
汗をかき過ぎたので、もう一度風呂に直行してしまった。
俺って潔癖症なのかな?
じっくりと休暇を楽しむことができたと思う。

サブスクもたくさん観ることができた。
俺はおおいに休暇を満喫することが出来ただろう。
楽しい休暇はあっと言う間に終わってしまった。
名残惜しくも楽しい時間の経過は早い。
そして休暇は終わってしまった。

一週間が空け、サウナ島に戻ると、いつのも日常が帰ってきた。
まずはマーク達から報告を受けることになった。

特にこれと言って問題はなかったみたいだ。
唯一あった事件としては、俺がいない事を嗅ぎ取ったフレイズが。
サウナビレッジの食堂に予約無しで転移して現れて、台湾ラーメンを注文。
通報を受けたアクアマリン様に、とっちめられたらしい。
フレイズは台湾ラーメンを食べること無く、サウナビレッジの食堂を退場する事となったようだ。
勿論お代は貰ったみたいだ。
台湾ラーメンは出来上がっていたからね。

「せめて食わせてくれー!」
とフレイズは懇願していたらしい。
そんなことは知らないな。
前以て察知していた俺は、マークにフレイズが予約無しにサウナビレッジの食堂に来たら、アクアマリン様に通報しろと言っておいたのが功を奏したようだ。

アクアマリン様にはバイトとして頼んでおいたのだ、彼女はとても喜んでいたのを覚えている。
まったく、フレイズはアホだな。
というか、そろそろ食堂の辛みと甘味の棲み分けは無くそうかな?
まぁまたでいっか。

外には特に何もは問題なく、マークは商人の相手をしたことが、思いの外疲れたと言っていた。
その気持ちは良く分かる。
あいつらは正直いってウザい。
まあ頑張ってくれ、マークよ。
俺の気苦労を知ってくださいな。



神様ズを集めて会議を行うことにした。
ついでに月に一度の報酬を渡すことにした。
いつのも様に纏まりなく、神様ズはぞろぞろと集まってきた。
場所は事務所の会議室だ。

今回は上級神達にもオブザーバーとして参加して貰う事にした。
そしてマークとランド、ロンメルも同席している。
こいつらは、ほどんとの神様が顔見知りだとは思うが、紹介はちゃんとしなければならないだろう。

まずは神様ズに報酬を渡すと共に、感謝の言葉を添えていく。
最近はこのやり取りも慣れたもので、従業員に給料を払う感覚と勘違いしそうになる。
ちゃんと敬意を持って接しないといけないな。
人間関係の基本ですね。

報酬を貰う神様ズを羨ましそうにフレイズが眺めていた。
「島野!我にも報酬をよこせ!」
と宣っている。

誰がお前に報酬を渡すってんだよ!
締めてやろうか?こいつ。
懲りてないのか?

「アホか!お前が誰をサウナ島に連れて来たっていうんだ?五郎さん達は転移扉を使って街の人達をサウナ島に連れてきてくれているから、報酬を貰っているのだぞ。それぐらい分かるだろう?」

「そうなのか・・・」
フレイズは意気消沈していた。
分かってなかったみたいだ。
馬鹿が、いい加減学べ!
にしても何と勘違いしたんだ?
俺が神様ズにお小遣いでも配っていると勘違いしたのか?
ほんとに神界から眺めていたのか?
こいつ、自分に都合の良い事しか見て無いのか?
こつならあり得るな・・・多分・・・

「フレイズよ、お前え儂のところでもバイトするか?儂のところにも炭酸泉はあるからな」

「本当か五郎?助かるぞ!」
喜々としているフレイズ。

「フレイズや、儂の所でもどうだ?鍛冶仕事に火は欠かせんからのう」

「ゴンガスもか!ナハハハ!我人気者!」
フレイズに新たなバイト先が見つかったみたいだ。
人気者って・・・調子に乗ってやがるな。
やれやれだ。

「そんなことはいいとして、今日は皆さんにお話があります」
俺は神様ズを見ると、好き放題にがやがややっていた。
駄目だこりゃ、もう帰ろうかな?
という訳にもいかないよね。

「おーい!静かにしてください!」
やっと静まりかえってくれた。
この人達は小学生の集まりかっての。

「今日は皆さんに折り入って話があります」

「どんな話しなんだ?」
親父さんは相変わらずせっかちだな。

「だから親父はせっかちなんだよ!黙って聞いてろよ!」
五郎さんが親父さんを叱っている。
このやりとりは何度目だ?

「噂で聞いているかとは思いますが、俺は近々北半球に乗り込みます」

「遂にですか?島野さん、行くんですね?」
オズがしみじみと言った。

「ああ、準備もほとんど済んだし、行かない訳にはいかないだろう?」

「ですが・・・」
オズは心配してくれいているみたいだ。

「結局よう、北半球の情報は集まったのか?島野?」
ゴンズ様が尋ねてきた。

「全くと言っていいほど無いです。先日オリビアさんから百年前に起こった戦争の話は聞きましたが、それ以外では何も分からないです。ちょこちょこ話はありましたが、全て眉唾ものばかりです」
ほんとにそう、困ったものです。

「そうなのか、百年前の戦争の話を俺にも聞かせて貰ってもいいか?」
オリビアさんが答える。

「いいわよ」
オリビアさんが掻い摘んで百年前の戦争の話をしだした。
全員が話に引き込まれている。
この人も熱弁の能力があるのでは?
と思える程の話ぶりだった。
話は二回目だから上手く話せるようになったのかもしれないな。
ていうか、元々吟遊詩人だったんだから、これぐらいできて当然かな?

「そうか・・・オリビアも苦労したんだな」
ゴンズ様は関心していた。

「それで、戦争は今ではどうなっているのだ?」
ガードナーが質問した。

「知る訳無いじゃない」
軽くオリビアさんが答える。
まあ知る訳はないよな。

「だよな」
ゴンズ様が相槌を打っている。

「話を戻しますね。それで俺がいない間は、マークとランド、ロンメルに代わりを務めて貰います。皆さん三人のことは知っていますよね?」
三人は立ち上がって、お辞儀をしていた。

「ああ、知っているぞ」

「儂もな」

「私も」
三人とも認知されているみたいだ。
よかった、よかった。

「お前達座ってくれ」
三人は着席した。

「何かお困りごとや、相談事も三人に相談してください、今日渡した報酬も俺が居なければ、彼らが代行して行います」

「「「よろしくお願いします!」」」
三人は声を合わせていた。
少し緊張しているみたいだ。
表情は硬い。

「それは構わないけど、島野君。長旅になりそうなのね?」
エンゾさんが尋ねてきた。

「長旅になるでしょうね、でも転移扉がありますので、しょっちゅう帰ってきますよ。毎晩帰ってくる予定です」
風呂とサウナは欠かせませんからね。
ここは譲れないですよ。
俺のライフワークですから。

「そうか、でも日中はおらんということだの?」
親父さんが言った。

「そうです、何日の船旅になるのかは分かりませんし、北半球についてからも何があるか分かりませんので」

「ねえ守ちゃん、北半球と転移扉は繋げるつもりなの?」
マリアさんは不安そうな顔をしていた。
百年前の戦争のことを聞いた所為か、マリアさんは北半球にいいイメージを持ってないみたいだ。

「今の所はそのつもりはありません、まずは現地に行ってみないとなんとも言えないですね」

「そう・・・」

「誰といくのですか?」
オズが聞いてきた。
メンバーを知りたいみたいだ。

「島野一家でいくよ」

「レケも行くのか?」
ゴンズ様が心配そうな顔をしている。

「レケは行きません、彼女は居残りです。養殖場から離れられないみたいですからね」

「そうか・・・」
安心したみたいだ。
ゴンズ様は親バカだな。
まあ気持ちは分からんでもないが。

「私も付いて行きたいけど・・・駄目よね?」
オリビアさんから申し入れがあった。
だろうなとは思っていたが・・・

「まずは俺達に任せて貰えませんかね?」

「でも・・・」
オリビアさんは懇願するような表情をしている。

「安全が担保できるまでは任せてくださいよ。その後ということでどうですか?」

「分かったわ・・・」
オリビアさんは引き下がってくれた。
まだ百年前の件が尾を引いているかもしれない。
いやエリスに会いたいのかもしれないな。
でも危険が無いとは言えない状態で、彼女の同行を許す訳にはいかない。
断固として拒否だ。

それに今では彼女はメルラドの一柱だ。
メルラドを空けさせるのは良くない。
エルフの村に里帰りした時とは勝手が違う。
それなりに身体能力は高いと言っていたけど、確認しようが無いからね。
『鑑定』させてくださいとは、紳士な俺としてはとても言えない。
女神の個人情報ですよ、そりゃあ駄目でしょ。
ちょっと見たい気もするが・・・

「それで島野、いつから行くんでえ?」
五郎さんが話を進めてくれた。

「三日後には出発しようと思います」

「三日後?早くねえか?」

「そうか・・・」

「もうすぐね」
数名の神様ズは動揺していた。
特にオズの意気消沈ぶりが半端ない。
そう嘆くなよ。
ありがとうなオズ、心配してくれて。
嬉しいよ、でも俺を信じてくれよな。
これでも上級神をボコれるぐらいは強いんだからさ。

「オズ、心配してくれてありがとうな」
オズは涙目だった。

「・・・」

「今生の別れじゃないんだからさ。大丈夫だ、任せてくれ。それに神気減少問題の本質が俺は北半球にあると睨んでいるんだ」

「そうだね、島野君と言うとおり、そうとしか考えられないね」
ドラン様も同意見だ。

「そうだのう、儂もそう思うぞ。南半球が全て繋がったいま、そうとしか思えんのう」

「だな」

「だろうな」
同意は続く。

「なのでいっちょ乗り込んで来ますよ!」
俺は再度宣言した。

「お前さん軽いのう」

「らしくて笑えるな」

「そうよね」
俺の宣言に神様ズは表情を緩めた。
さて、ちょっと行ってきましょうかね、でいいでしょ?
会議はお開きとなり、恒例の月一の宴会が始まった。

上級神達も参加することになった。
オブザーバーとして参加して貰ったからには、今日は俺の奢りだ。
随分賑やかな宴会となってしまった。
フレイズが必要以上に騒いでいたので、懲らしめてやった。
でもこれからは、こんなことは出来なくなるかもしれないな。
北半球・・・三日後には出発だな。
期待と不安の入り混じった気分だった。
でも島野一家なら大丈夫だろう。
ギルではないが、俺達は最強だからな。
北半球・・・
無知の領域に挑むことになるな。
はぁ、やれやれだ。
でもちょっとワクワクしている俺がいた。
さーてと・・・やってやりましょうかね。
俺は根拠のない自信に満ち溢れていた。

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