神様のサウナ ~神様修業がてらサウナ満喫生活始めました~

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俺は納品で五郎さんのところに来ている。

「五郎さん、いつものところでいいですか?」

「ああ、そうしてくれ。島野そういやあ、エンゾが来てるぞ、会っていくか?」
エンゾさんか、お地蔵さん大作戦の結果が気になるから会ってこようかな。

「そうですね、せっかくですので」

「茶屋にいるから、覗いてみてくれや」

「分かりました」
納品を終え、俺は茶屋に向かった。

中に入ると、窓際の席で、エンゾさんが一人お茶を飲んでいた。
窓からの光を受け、エンゾさんはその美貌を隠すことなく、佇んでいた。
絵になるなー、と心の中で呟いた。

「エンゾさん、ご無沙汰です」

「あら、島野君」
手を振るエンゾさん

「お元気ですか?」

「ええ、ありがとう」

「この前は大変だったわね」

「ほんとですよ、無茶振りですよ、もう止めてくださいよね」
エンゾさんが微笑んだ。

「何言ってるの?島野君なら朝飯前でしょ?」

「だから、エンゾさんは俺を買い被り過ぎなんですよ」

「フフフ」
店員が注文を取りにやってきた。

「お茶をお願いします」
軽く一礼し、立ち去る店員。

「それで、お地蔵さんの効果のほどはいかがでしょうか?」
俺の体感としては、少し持ち直したと思うのだがどうだろう?

「神気の件ね、一段と濃くはなっていると感じるけど、百年前に比べれば、まだまだ神気の濃さは届かないわね」
やはりか。

「そうですか、まだまだですか」

「ええ、残念ながらね」

「それで、他の動きの方はどうなってますか?」

「これといった報告は無いわね」

「そうですか、話は変わりますが『温泉街ゴロウ』にはよく来るんですか?」

「ええ、五郎の影響で私は温泉好きになっちゃったからね」

「そうなんですか?」
これぞ湯煙美人だな。

「ええ、温泉には一時間は入るわね」
いるんだよね、たまにそういう人、俺には無理だな。
『おでんの湯』の常連さんで、炭酸泉に一時間以上入ってるおじいさんがいたな。
入浴中に何度も寝ちゃって、お湯に顔を付けては起きるを繰り返してたな。水面にキッス爺さん元気かな?話したこと無いけど。

「『温泉街ゴロウ』はいろんな温度の温泉があるわ」

「へえー」
知らなかったな。

「あら?知らなかったの?」

「ええ、松風旅館の温泉にしか入ったことないんですよ」

「それはもったいないわ。各旅館で温泉の温度を変えて、一番好きな温泉を選んで入るのが通の入りかたよ」
通って、はまってんなー。

「エンゾさんは、どれぐらいの温度の温泉が好きなんですか?」

「私は低めね、長いこと入るには高い温度は駄目ね」
ここで店員がお茶を運んできた。
会話が止まる。
お茶を置くまで待つしかない。

「ごゆっくりどうぞ」
店員は一礼して去っていった。

「『温泉街ゴロウ』はね、いろいろな所に気配りがされているのよ、なにもそれは温泉に限った話ではないわ」

「どんなところですか?」

「なにより目を引くのは接客ね、ここまで丁寧なのは外ではまず無いわ」

「確かにそうかもしれないですね」

「あとは、旅館によっては無いところもあるけど、おしぼりを渡してくれたり」

「ああ、向うの世界では一般的なんですけどね」

「そのようね、ただこの世界ではない気配りよ」

「なるほど」

「あと私が好きなのは浴衣ね、あれは軽くて着やすいわ」
エンゾさんの浴衣姿か、似合うんだろうな。

「あとは、なんと言っても料理ね、特に最近更に美味しくなったわ」
意味深に見つめられているような気がするが・・・何か知っているのかな?

「確かに温泉宿の料理は美味しかったです、日本酒も良かった」

「そう、日本酒は良いわ。あと、最近見かけるようになった、味噌というのもいいわね、あれは格別に美味しいわ」

「味噌と醤油は日本人の心ですから」

「みたいね、五郎はこれまでに、何度も挑戦してたみたいだけど、完成したのは誰のお陰かな?」

「ハハハ、誰でしょうね」
絶対にバレてる・・・

「あなた以外にいる?」

「バレてますよね・・・」
喉が渇いたのでお茶を飲んだ。

「じゃあ、エンゾさんそろそろ行きますね」

「もう行くの?」

「ええ、ちょっと用事があるので、ああ、ここは奢りますね」

「そう、ごちそうさま、またね」
俺は会計を済ませて五郎さんのところに戻った。



「五郎さんちょっといいですか?」

「おお、どうした島野」

「これなんですけど」
といって、俺は『収納』から、なんちゃって冷蔵庫を取り出した。

「ほう、なんでえ?これは」

「これは、なんちゃって冷蔵庫と言う家電です、野菜や肉などの長期保存が可能なものです」

「なに?本当か?」
五郎さんの目が輝いている。

「ええ、ここの扉を開きますと」
俺はなんちゃって冷蔵庫の扉を開いて、中を見せた。

「ここに氷を作製して入れて置きます。数時間後には、このなんちゃって冷蔵庫内は、キンキンに冷えます、その状態が結構な日数続きます」
と説明すると、五郎さんはニヤリと笑った。

「凄えじゃねえか!島野おめえ、またやってくれたな!」

「ハハハ」
そんなことを言われると思ってましたよ。

「で、いくらだい?」

「それを聞きたくての、相談なんです」

「なるほどな、まあこれはこの世界にとっては、最先端の技術だ。これは生活を大きく変える。難しいが、このサイズなら金貨十枚以上出してもおかしくねえな。うーん、どうしたものか・・・」
金貨十枚か。結構するな。

「金貨十枚ですか、俺の予想では、もう少し低く見積もってましたけど」

「いや島野、これは最低金貨十枚だ、よく考えてみてくれや。これまでは、食料の長期保存は出来ないものとして生活が行われてきている。卵一個とってみても、これまでは一週間以内に喰わなくちゃあいけないのが常識だった。だが、これはそれを大きく変えるぞ、どこまで期限が伸びるかは分からねえが、儂の見立てでは、三週間はいけると思うぜ、間違えねえな」

「消費期限が長くなるということが革命的だと?」
俺は元々冷えたビールを皆が飲めるようにする為に造った、ということは決して言わないでおこうと思った。
五郎さんの呆れた顔が想像できる。

「だから、儂の感覚では、これは金貨一五枚だ」
おお!それは凄いな。

「分かりました、で、五郎さんはいくつ必要ですか?」

「お前え、分かってんじゃねえか、ええ!」
それぐらいのこと、言われるぐらい分かってますって、ハハハ。
もう付き合い長いんですから。
ズブズブの関係じゃないですか。
ハッハッハッ!

「ちなみにサイズはカスタマイズできますよ」

「カスタマイズ?ってなんでえ?」

「ああすいません。サイズはご希望道りに、変えれますよってことです」

「本当か?お前え凄げえじゃねえか、よし、となりゃあ、サイズは儂の方で考える。決まったら、その時はよろしく頼むぜ」

「ええ、お買い上げありがとうございます」
さてさて、稼がせてもらいましょうかね。
しめしめ。これであれが造れるぞ。
なんちゃって冷蔵庫を一台置いて、俺は島に帰った。



なんちゃって冷蔵庫の素材だが、これまではアルミを使用していたが、頑丈さを重視してステンレスに変更した。
おそらく五郎さんの発注は、業務用になるだろうと考えたからだ。
ただ、そうしたことで、なんちゃって冷蔵庫の重量は上がるので、運ぶのが大変だが、俺は『収納』があるので問題はない。その先のことは、先方に任せるつもりだ。
納品後のことはお任せしまーす、ってこと。

ひと先ずは、一般家庭用として、今俺達が使っているものを五十台ほど作成した。
素材はどっちがいいのか悩んだが、運んだ時に傷がついて、なんちゃって冷蔵庫が駄目になっては良くないと思い、頑丈なステンレスにした。

販売価格は一台金貨十五枚と、五郎さんの意見に従うつもりだ、販売も五郎さんのところで一括にて行う。それ以外の場所での販売は今のところ考えてはいない。

販売先を増やさない理由は、いろいろな所に飛び周るのは勘弁して欲しいからだ。
それに価格が高いので、それなりの収入がある者しか買えないだろうと考えている。
その点、温泉街『ゴロウ』にくる客は、懐事情の良い人達が多い。

結局なんちゃって冷蔵庫を五十台作成するのに、金貨百枚近く材料費として掛かった。
結構な先行投資となったが、売れないとは思えない。
それに実際に販売するのは五郎さんだ。
問題は五郎さんにいくらで卸すかということだ。
利益は折半にしたいと考えているが、五郎さんはなんと言うか?



再び、五郎さんのところに来ている。

「早速だが、島野、前回預かったものの倍の高さと、倍の横幅の物を十台頼む。およそ、四倍となるが、値段は金貨四十枚でどうでえ?」
単純計算では金貨六十枚だが、手間はほとんど変わらないから、金貨四十枚でも十分だと思う。

「ええ、いいですよ、明後日には持って来れると思います」
ありがたい、いい売上になる。

「普通サイズの方はどうするんでえ?」

「五郎さんに販売の全てをお任せしますよ、独占販売ってやつですね」
他では売りたくありませんのでね。

「そうか、金額と卸値はどうするよ?」

「販売価格は予定道り金貨十五枚、卸し価格は金貨九枚でどうですか?」
ほとんど折半なのがこれぐらいかなと思う。

「そうか、妥当だな、だが本当にそんな卸し値で本当にええのか?」

「大丈夫です、充分に利益はありますので」

「そうか、ならいい、で、いつから始めるんでえ?」
前のめりな五郎さん。

「そうですね、ひとまず普通サイズは手始めに五十台作成済です」

「そうか、販売方法はちっと考えさせてくれ、ひとまず十台置いていってくれや」

「分かりました」
五郎さんに指定された場所に、なんちゃって冷蔵庫を十台置き、さっそく特注品の作成の為に島へ帰ることにした。



特注品の作成には、サイズが大きいこともあり、なかなか時間が掛かった。
手間は変わらないと考えていたが、そうでも無かった。
結局作成には二日間掛かり、何とか約束の日以内に引き渡すことができた。
納品日は、今後はゆとりを持って設定しようと反省した。

これにより、普通サイズで金貨九十枚と、特注品で金貨四百枚の売上げを確保できた。
合計で金貨四百九十枚になった。

今後は、普通サイズが定期的に販売できることを期待したい。
これで、あれが造れるぞ。やった!



実は、この様な金策に走ったのには、理由があった。
レケが島に来たことにより、全員で十二人となり、これを気にいろいろな建設を行うことを考えたからだ。

今考えているのは、新たな寮の建設と、遊技場の建設だった。
他にも細かい改築などもあるが、お金が掛かるのはこの二つだろう。

特に急ぎたいのは、寮の建設。
今は、俺の住んでいる家の二階の物置部屋を片付けて、その部屋にメルルが寝ており、マーク達は、ゴンが元々使っていた家に住んでいる、始めのログハウスはアイリスさんが使っている状態。

特にマーク達が手狭であるに違いない。
なので、レケには部屋がなく、ゴンの部屋で一緒に寝ている。

ゴンが言うには、レケは俺達の家じゃないと都合が悪いので、今メルルが使っている元物置部屋に移り、メルルが新たに作る寮に住んだ方がいいとのことだった。
どんな都合があるのかというと、レケは毎日深酒をする為、朝は起こさないと、起きれないらしい。

いい加減にせい!
でも、あれは治らんな。多分・・・
やれやれだ。

従って新たに寮を作る必要があると考えた。
皆には、今でも十分だと言われたが、福利厚生はもっと充実させたい。
寮には、今の俺達が住んでいるものと、同等のサイズの物をと考えている。

寮には『ロックアップ』一同と、アイリスさんに住んでもらいたい。
ログハウスは物置小屋に、ゴンの家は備蓄倉庫にしようと思っている。

早速マークとランドには、寮の建設を行う様に指示を出してある。
あいつらなら上手くやるだろう。

マークからは、お手本があるので、問題なくやれますよと、心強い返事を貰ってる。
他の皆にも、手が空いた時に手伝う様に伝えてある。

遊技場に関しては、ビリヤード台やらが、リビングにあり、少し窮屈に感じる時があるので、建設を決意した。
どれぐらいで出来るのか、完成を待とうと思う。



『漁師の街ゴルゴラド』で刺激を受けた俺は、マグロの養殖が出来ないかと考えている。
今の俺は海への興味が止まらない。
養殖場を設けることと、マグロを取ってくることは出来るが、問題はエサをどうするかということだった。

俺の覚えでは、マグロのエサはイワシなどの魚や魚粉がエサであったと覚えている。日本に帰って調べてみたが、概ね同じ内容だった。
小魚がエサとなると養殖は難しい事になる。
だがここは異世界、どうにかなるかもしれないと考えてしまうのだ。
さてどうしようか?

上手くいかなかったとしても、網などは漁で使い回しが出来るから、特に困ることはない。
マグロが死んでしまっても凍らせて置いて、食べたい時に食べればいいだけ。
決して損は無い。

まあ費やした時間は返ってこないが。
まずはやってみるか。
と安易な考え。



早速網の作成を行う。
ものすごい数の草が必要だった。
木からも出来ることを思い出したので。木からも網を作成していく。
なんだかんだで、網の作成には十日間近く掛かってしまった。

網の先端に、ゴムで造った浮を『合成』で付ける、網の下には鉄で造った重りを『合成』で付けておいた。

上から見ると円を描くように網を広げるが、波で形状が変わらないように、網の上部には形状を固定するように、アルミの棒を繋げてある。
アルミにしたのは、軽いことと、ステンレスよりも柔らかい為、形状維持に向いていると考えたからだ。

早速、ロンメルと、レケと共に海上に出て、養殖場を設置した。
次に前回の漁と同じ方法で、中サイズのマグロを十匹捕まえて。養殖場に放逐した。

そして、この日はとりあえずエサを与えずに様子見とした。
マグロに養殖場に慣れて貰う必要があると、考えたからだ。



翌日、ロンメルとレケと一緒に船に乗って、養殖場に向かった。
今はあくまで実験の段階なので、エサとなりえそうな物をいくつか準備している。
養殖場に到着した。
養殖場の中を覗き込んでみる。

「うん、泳いでるな」

「旦那、この先はどうするんだ?」

「この先は、何がエサになるかを実験することになる」

「へえー、実験か、面白そうだな」
レケは興味があるようだ。

「まずはこれだな」
俺は、ニンニクを取り出した。

「ニンニクは釣りのエサになるんだよ」

「えっ、ボスそれって野菜じゃないのか?」

「ああ、そうなんだ。何度かこれで魚を釣ったことがあるんだ。マグロは釣ったことはないけどな」

「へえー、野菜で魚をねー、凄いなボス」
俺はニンニクをばら撒いてみた。
すると、マグロがニンニクを食べていた。
おっ、いけるか?

全てのニンニクが無くなっていた。
マグロの様子を見てみたが、特に変化はない。
もう一度ニンニクを撒いてみた。

マグロは反応しなかった。

「あれ?どういうことだ?」
ロンメルが呟いた。
そう簡単にはいかないよな。

「これはもしかして、匂いにつられて食べただけってことなのかな?」
俺も理由は分からないが、そういうことだと考えるのは間違ってないと思う。

「ボス、匂いに反応して、一度は食べたが、マグロにとっては上手く無かったってことか?」

「おそらくな」
それ以外は考えられないな。

釣りでエサにできたのも、そういうことなのか?
まあいいだろう、これは実験だ、次に行こう。

「そうなると、次はこれだな」
前もって浄水池から捕まえておいた『プルコ』を用意した。

『プルコ』を十匹ほどばら蒔いてみる。
すると、マグロは『プルコ』を食べていた。

「これは、正解だな」

「お!てえと、早くも実験成功ってことなのか?」
ロンメルが目を見開いている。

「いやロンメル、そうじゃないんだ。マグロは小魚を食べることは、分かっていたことなんだ。これは念の為の確認でしかない」

「でもこれでエサは判明したんだろ?」
それはそうなのだが・・・

「そうであって、そうでは無いんだ」

「どういうことだ?」
ロンメルは気になって、しょうがない様子だ。
眉間に皺が寄っている。

「プルコはエサにするには数が足りなさすぎるんだよ」
的を得た感じのロンメル。

「ああ、そういうことか」
納得しているようだ。

「ボス、俺にはいまいちよく分からねえ、詳しく教えてくれよ」

「ああ、レケはまだ島に来て間もないから分からないかもしれないけど、島の浄水池で、プルコを飼っているのは知っているか?」

「いや知らねえな」
やっぱり知らないか。

「そうか、まずは島には水道があるだろ?」

「ああ、知ってる。あれは凄げえと思う。ゴルゴラドには無かったからな」

「あの水道は、実は川から水を引いているんだ、それでダイレクトに川の水を飲むのは衛生的にも良くないから、その途中で浄水池を設けることにしたんだ」

「へえ、それで?」
レケは興味は止まらない。

「その浄水池には、水のゴミや、微生物を食べてくれるプルコという、今ばら蒔いた魚を飼っているんだ」

「へえ、そうなんだな」

「そのプルコが成長して、繁殖して数が増えるんだが、その数が、マグロを飼えるほどの数が無いということなんだ」
レケは納得した様だ。

「なるほどな、そういうことか、だったらそのプルコをもっとたくさん飼ったらどうなんだ?」

「いい質問だ、それを行ったとしても、プルコの数は多くはならない、何故だと思う?」
レケは考えこんでいる。

「あー、分かんねえ!ボス教えてくれよ」

「ロンメルはどうだ?」
レケと同様に考え込んでいた、ロンメルにも振ってみた。

「旦那、俺にも分からねえな」

「そうか、プルコ自体の数は増えても、プルコのエサの数はどうだ?」
レケが手を叩いた。

「そうか、プルコのエサの数が増えないと、プルコの数は増えないってことなのか!」
ロンメルもレケも理解できた様子。

「だから、マグロのエサとしては、成り立たないということなんだ」

「そうか」

「なるほど」
だから他を当たるしかないんだよね、今は。

「なあボス、なんでボスはそんなに賢くて物知りなんだ?」

「賢くて、物知りか?それは異世界で得た知識があるし、異世界ではそれなりに俺も勉強をしてきたからな、それに俺はいろいろなものに、興味を持ってしまう性格だからじゃないかな?」

「勉強か・・・なあボス、勉強すれば俺でも賢くなれるかな?」

「ああ、間違いなくなれるぞ」
嬉しそうにしているレケ。

「本当かい?ボス、俺にいろいろ教えてくれよ、俺、賢くなりてえよ」

「ハハハ、そうか、よし、どうするかちょっと考えてみるよ」

「ありがとなボス、俺頑張るよ!」
嬉しい申し入れだった。
レケの向上心を感じる出来事だった。俺には養殖が上手くいく以上に、大事なことであると思えた。
こんな副作用があるとは思わなかったな。
良かった、良かった。
レケ頑張れ!

さて、次はどうするか?
準備してある中で、あり得そうなのは、獣の肉だった。

ジャイアントボアの肉を取り出して、ばら蒔いてみた。
すると、動きがあった。
マグロが近づいてきた。
しかし、食いつかない。肉が海面にプカプカと浮かんだあと、ゆっくりと沈んでいった。

駄目か・・・

「これは、どうなんだ?」
海下を良く見てみる必要がある。
こんな時の為に作っておいた、水中眼鏡を取り出し、装着して、海中を眺めてみた。

マグロが、肉の周りをぐるぐると周っている、興味はありそうだ。
するとその内の一匹が食いついた。
そして、吐き出していた。

駄目だったかー。
でも興味はあったようだな。要チェック。

「残念ながらジャイアントボアの肉は駄目なようだ、食ったことは食ったが吐き出していたよ」

「それは、駄目だな」

「次はどうするんだ?ボス」

「まずは、野菜を手当たりしだい試してみようと思う」

「おお、そうなのか」

「これぞ実験というところだな、大事なのはただエサをやるだけではなく、マグロの動きをよくみることだ」

「どういうことだ?」

「興味を示したかどうかを見極めるってことだ、興味を示した物は、エサの候補になりえるってことだよ」

「いまいちよく分かんねえな」
ロンメルが疑問を口にした。

「今日はひとまず、野菜をそのままで、試してみるが、興味がありそうな物を見極めて、その野菜を加工してみたら、エサになるかもしれないだろ?」

「そうか加工か・・・旦那は何手先まで考えてるんだ?適わねえな、まったく」

「何を言ってるんだロンメル、これが実験の面白いところなんだぞ」

「そういうものなのか?俺には分かんねえよ」
呆れているロンメル。

「俺にもなんのことだか分かんねえけど、面白いなボス、なんだかワクワクしてきたぞ!」

「そうか、それはよかった」
レケが変わってきていることを感じた。嬉しい変化だ。
この日は、ありったけの野菜を試して、夕方を迎えたので実験を止めた。
帰ると本日の内容を、木から造った再生紙に、炭で、記憶を記していく。
その様子をレケが熱心に眺めている。

記録を終えると、風呂に向かった。
本日もサウナを満喫している。
三セット目のサウナに、レケが入ってきた、

「ボス、期待してるぜ、養殖は上手くいくんだろ?」

「どうだろうな?でもなレケ、まずは基本からやっていくことが大事なんだ。苦労するかもしれないけど、頑張ろうな」

「ああ、ボス、俺は酒以外で、こんなに興味を覚えたのは初めてだ。ワクワクしてるぜ、本当にこの島は刺激が溢れてるな」

「そうか、それはいいことだ、お前の好きな事を好きなだけやればいい、俺はそんなレケを見てみたいと思うぞ」

「ボス・・・ありがとう」
レケが泣いた様に見えたが、汗が邪魔をしてよく分からなかった。



そして、晩御飯の時間となった。
最近では、俺は料理に加わることは少なくなってきている。
メルルに加えて、ギルとエルが、料理を作ってくれる様になっていた。
ギルは何かと、ピザを作りたがるが、それはまた後日、俺が教えることにしている。
まずは、その他の料理を学んだ上で教えることとなっている。

本日のメニューはシチューとパンといった。シンプルな晩飯。
良いじゃないか、シチューに隠し味として、醤油と、チーズが入っているのは俺直伝のレシピだ。
上手い、ノンとロンメルは早々にパンを食べ終え、ご飯をシチューに混ぜている。
こいつら、どんだけ混ぜたいんだ?気持ちは分かるけど・・・
さて、大事な話をしようか。

「なあ皆、聞いてくれ」
皆がどうしたと、俺の方を見ている。

「この中で、読み書きと計算ができる者はどれだけいるかを知りたい、出来る者は手を挙げて欲しい」
ノン、エル、ギル、ゴン、メタンが真っ先に手を挙げた。
遅れて、メルルが手を挙げる。
それ以外の者は何とも言えない反応。

「今手を挙げなかった者には、読み書きと計算の授業を受けて貰う、講師はメタンに任せていいか?」

「お任せください」
メタンは仰々しく一礼した。

「夕食後の三十分間勉強を受けて貰う、これは決定事項だ」

「「「ええー」」」
との反応。
手を挙げて俺はそれを制する。

「いいか、俺達は商売を行っている、商売人が計算をできないことはあり得ないし、文字が読め無いは話にならない、だから、これは強制的に学んでもらう。俺もサポートに回るから頑張って欲しい。これは今後の人生において、必ず役に立つことだと考えている、だから俺を信じて学んで欲しい」

「分かりました」

「そこまで言うなら」

「あたりまえだ」
どうやら合意を得られたようだ。
これで、皆が少しでも学んでくれたならいいと思う。
最低限の知識は学んで欲しい。

この日より、勉強会が行われるようになった。
全員がやる気に満ちた表情であることに安堵した俺であった。
まさか、レケの一言からこうなるとは。
人生は面白いと思う出来事だった。



また、養殖場に来ている。
エサの実験の時間だ。

まずは興味を示した。野菜に手を加えた物を使ってみる。
興味を示したのは、大豆とトウモロコシだった。
その二つを茹でてから潰して、混ぜ合わせた物を、大福ぐらいの大きさに丸めた物。
割合はちょうど半分ずつ。
これをエサとして使ってみる。

エサを撒くと、マグロが寄ってみきた。

「おお、食べてるぞ」
嬉しそうに観察しているレケ。

「うん、良い食いつきだな」
よく観察すると、ちゃんと吐き出さずに飲み込んでいる様子だった。

「でも、一つ二つしか食べないようだな」
ロンメルが言う通りだった。

「体の大きさからの推測だと、もっと食べると思えるが、何か違うのかもしれないな」

「何が違うんだろう?」

「今回のは、大豆とトウモロコシの割合を半分ずつにしてあるから。割合を変えてみるのも一つの手かな」

「なるほど」

「あと、こんな物も用意している」
俺は『収納』から違うエサを取り出した。
これは、先ほどのエサに、干し肉を粉にした物を混ぜているエサだ。

「先ほどの物に干し肉を混ぜてある、肉も興味を示していたからな」

「でも、確か肉は吐き出したんじゃなかったか?」

「ああ、そうだ、あれは生肉だったし、一度は口にしたんだから。可能性はあるかと思ってな」

「そうか、干し肉なら良いかもな、ボス早くエサをやってくれよ」
レケの表情からワクワクしているのが読み取れる。

「そう焦るなって、レケ、お前がやってみるか?」

「いいのか、やったぜ」
レケは俺からエサを受け取ると、養殖場にばら撒いた。

マグロが寄って来た。
勢いよく食べている。
バシャバシャと水飛沫を挙げていた。

「これが、今の所一番正解のようだな」

「凄い、ボスたくさん食ってるぞ!」

「じゃあ、これからはレケ、お前が引き継いでくれ」

「えっ、俺でいいのか?」

「ああ、先ほど言った様に、今後は大豆と、トウモロコシと干し肉の割合を変えて、どの割合が良いか、全部メモを取るようにしてくれ」

「ああ、ところで割合ってなんだ」
船の上じゃなかったら、確実にずっこけてたな。
そうだった、こいつはまだ勉強中だったな。

「帰ってから教えるよ」
マグロの養殖の道筋が、少し見えて来た気がした。
まだまだこれからだけどね。

帰ってからレケに割合を教えた。
興味があるからか、すんなりと理解したようであった。
興味ってすごいね。



メルルとの体力回復薬の研究も大詰めを迎えている。
様々な調理法を試し、様々な組合わせで野菜を試した。
最終的に出来上がったのは、野菜ジュースだった。

正直こうなるとは思ってたんだけどね。
遠回りしたのは、ご愛敬ということで、勘弁してください。

「やっと、出来あがったな」

「そうですね」

「ただ、問題がいくつかあるな」

「ええ、ここからは今の私では埋めようがありません」

「まずは、消費期限問題だな、結果はどうだった?」

「はい、日の当たるところで放置した場合では、十五日が限界でした」
これは俺の『鑑定』で見定めた結果だ。

「日の当たらない場所では三十日間持ちました」

「通常のハンター達が使う物と考えると、マジックバックに入れておくことが、多いんだよな?」

「はい、そうです」

「すると、最大三十日、安全性を考えると、二十日といったところか・・・」

「そうなりますね」

「これは長いと見るのか、短いとみるのかだが、どう思う?」

「正直判断に迷うところです。販売先は温泉街『ゴロウ』のみですよね?」

「ああ、そうだ、外では考えていない」

「そうですよね、そうなると微妙なところですね」

「そうだな・・・」
日数的に微妙ということだ。

「温泉街『ゴロウ』から二十日間歩きで行くとなると、どこまで行けるんだろうか?」

「それなら、ロンメルに聞いてみたほうが、いいですね」

「すまないが、ロンメルを呼んで来てもらえるか?」

「分かりました、行ってきます」
メルルが、ロンメルを呼びに行ってくれた。

需要が無いとは言えないが、あるとも言いづらい。
実験的に販売してみるしかなさそうだが・・・
使用に関しての説明書も付ける必要がある。
食当たりを起こしたとクレームが入るのも困る。

メルルがロンメルを伴って入室してきた。

「ロンメルすまない、ちょっと教えて欲しいことがあってな」

「ああ、旦那、ちょうどこっちも用事があったんだ、後で頼むぜ」

「そうか、じゃあ先にこちらからでいいか?」

「ああ、構わない」

「温泉街『ゴロウ』から、二十日間歩きで向かうとなると、どこぐらいまで行けると思う?」

「そうだな、足の速い遅いはあるかもしれないが、南に向かうなら『コロン』か『カナン』ぐらいまでかな、東になら『メッサーラ』までだろう。北なら『大工の街』ぐらいまでだな」
『大工の街』マークとランドの出身地だな。

「そうか、わかった『温泉街ゴロウ』で体力回復薬を買ったとして、今言った国に行くまでに、狩りを行うことはありそうか?」

「それは、あるとは思うぜ、ただ、ハンターってのは、ある程度腰を据えて街に滞在することが多いから、移動がてら狩りを行うことは、あまり無いな」

「そうなのか、分かった、ロンメルありがとう」
となると『タイロン』のハンター以外は、需要は無いかもしれないな。
どうしたものか・・・

「で、ロンメルの用事は何だったんだ?」

「実はマグロが一匹死んじまったんだよ」
マグロが死んだ?何でだ?

「そうなのか?」

「ああ、エルがいたから氷漬けにはしてあるが、レケが滅茶苦茶落ち込んじまって、これは旦那じゃねえと、話にならねえと思ってな」

「そうか、後で様子を見にいくよ」

「悪いが頼むぜ、旦那」
ロンメルが退室していった。

「マグロの養殖は上手くいっていると、聞いていたんですが」
メルルが心配そうにしている。

「生き物相手だと、こういうこともあるんだよ」

「そうなんですね、レケは大丈夫かしら?」

「レケは大人ぶってはいるが、案外心は子供だからな、まあ、俺に任せといてくれ」
メルルはコクリと頷いた。

「で、体力回復薬だが、どうする?」

「そうですね、さっきの距離などを考えると『タイロン』周辺で狩りを行うハンターには需要がありそうですね」

「そうだな、五郎さんと相談して実験的に販売してみるか?」

「そうですね」

「後、実験的に一つやってみたいことがあるんだが」

「実験的にですか?」

「小型のなんちゃって冷蔵庫を作って、回復薬を保存したら、どうかと思ってね」

「ええ!それ凄いアイデアじゃないですか?無茶苦茶良いアイデアですよ」

「だろ、で、どうする?その結果を待ってから、なんちゃって冷蔵庫とセットで販売を開始するってのも、有りだと思うが?」

「そうですね、そうしましょう、せっかくならセットで売ったほうが、画期的な商品として販売が立ちそうですね」

「ああ、それに中途半端に初めて、微妙な評判が付くもの良くないしな」

「ええ、まったくその通りです」

俺はさっそく小型のなんちゃって冷蔵庫を造った。
サイズとしては、高さ三十センチ、横幅三十センチ奥行が十五センチの物、体力回復薬の瓶が四本入る設計にした。
体力早速回復薬を入れて、あとは何処まで消費期限を延ばせるのかを検証することになった。



おれはレケの所に向かった。
レケは養殖場から帰ってきており、いつもの食事をする席に座っていた。
俺を見つけると駆け寄ってきた。
レケはそのまま土下座を始めた。

「ボスごめん!俺が引き継いだばっかりにマグロが死んじまった。すまねえ」
涙を流していた。
レケを地面から引き剥がすと椅子に座らせた。
かなりショックだったようだ。
悲しさが顔一面に張り付いているか

「なあ、レケ、マグロが死んでどう思ったんだ?」

「それは・・・せっかくボスが任せてくれたのに、下手打っちまったって・・・」

「そうか」

「ごめん、ボス」

「何で謝るんだ?」

「何でって・・・期待を裏切っちまったから・・・」

「期待を裏切った?何で?」

「死なせちまったから・・・」

「レケ、お前は期待を裏切ってなんかいないぞ」

「えっ・・・」

「だからお前は期待を裏切ってなんかいないんだよ」

「そう・・・なのか?」

「ああ、生き物、ってのはな、案外簡単に死んでしまうものなんだよ」

「・・・」

「俺達人間や、お前達聖獣だってそうだろう?意味も無く、いきなり死んでしまうことがあるんだよ」

「・・・」

「それにマグロには悪いが、あれは実験なんだ。死ぬことだって想定済みなんだ」

「そうなのか?」

「それにな、今回の出来事で、レケは何に気づいて、何を感じて、どう想ったのかが重要なんだよ」

「・・・」

「それを今後に生かしていく、それを俺は期待している。だからお前は俺を裏切っちゃいない。まだまだ俺はお前に期待してるんだぞ」
レケの表情が明るくなった。

「何を気づいて、何を感じて、何を想ったのか、だよな?」

「ああ、そうだ、で、どうなんだ?」

「気づいたのは、食事が原因とは思えないってことだ、食事が原因なら、もっとマグロが死んじゃうだろ?」

「ああ、そうだな」

「次に感じたのは、悲しかった。俺がマグロ達を育ててる気になってたんだ。最終的には食べるってことは、分かちゃいるんだが、愛着っていうのか、なんていうか、辛かった・・・」

「そうか」

「最後に想ったのは、ボスの期待を裏切ったって思った」

「で、今はどう思ってるんだ?」

「今回のことを次に生かそうと思う、マグロが死んだことは悲しいけど、何で死んだのかを考えてみたいし、もっとエサのことも、いろいろとやってみたい」
レケに笑顔が戻った。

「ああ、それでいいじゃないか、期待してるぞ」

「ああ、やってやるぜ!」
レケの目に光が帰ってきた。
成長していく様を目の前に、俺は嬉しさが込み上げて来た。
こうやって成長していくといい。
俺は、暖かく見守ろう。
そう切に想うのだった。
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