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29 もふもふ返して
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明くる日。
ゴンちゃんの道案内の元、狐神様の神社を目指す。
「狐神にあうのは久しぶりじゃな」
「かぐや、狐神様と知り合いなの?」
「うむ。
母上が狐神と仲が良かったのじゃ」
「そうなんだ。
それじゃあ、ゴンちゃんともどこかで会っていたのかもしれないね!」
『いや、それはないな。
我々眷属は、地位的に神々の集まりには参加出来ない。
精霊の王族は地位で言うと神と同じだ』
かぐやってそんなに身分が高かったんだ。
でも、それにしては、ゴンちゃんのかぐやに対する態度は最初から割と雑だったような.......
同じことを思ったのだろう。
かぐやがジトッとした目でゴンちゃんを見下ろしていた。
「まあ、良い。
そなたとは同じソラの仲魔同士。
そこに地位や種族は関係ないからー
『着いたぞ』
ー妾が今話しておったのにー!!」
ぷんすこ、と怒るかぐやを宥めながらゴンちゃんに続いてお賽銭箱下の隠れ階段を降りる。
あの日からあまり時間は経っていないのに、懐かしく感じるなあ。
壁の炎が照らす道を抜ければ、爽やかな風がぶわっと吹き抜ける。
前と変わらぬ壮大な景色が私たちを迎え入れてくれた。
「何度来ても素敵な場所だね」
ーお、来たか。
待っておったぞ
ぐるり、と緑溢れる景色を見渡していると、耳に心地よい声が届いた。
『ただいま、戻りました』
「狐神様、こんにちは!
遊びに来ました!」
狐神様がどこにいらっしゃるかわからないので、とりあえず舞殿に向かって一礼する。
ーうむうむ、よく来た。
して、お主の首にへばりついているのは、宝霊か?
「久しいのう、狐神。
今の妾には、かぐやという立派な名前があるのじゃ。
これからは宝霊ではなく、そう呼ぶのじゃ!」
ーハッハッハ!
お前もソラに名を貰ったか。
宝霊まで仲間にするとは、お主は本当に面白いのう。
さあさあ、これまでの冒険を爺に聞かせておくれ
それから、狐神様にこれまでの冒険のことを話した。
貰った武器の威力がぶっ飛んでいて驚いたこと、竹林でかぐやに出会ったこと、レイドボスを倒したこと、竜宮城に行ったことなどなど。
狐神様は、始終笑い声をあげていた。
ー乙姫とはまた懐かしい名前だ。
奴からは何を貰ったのだ?
そう言えば、乙姫様から貰った箱の中身見ていないや。
何が入っているんだろう。
アイテムボックスから箱を取り出す。
ゴンちゃんとかぐやが興味深そうに手元を覗き込んでいる。
どこからどう見ても絵本に出てくる玉手箱なんだよなあ。
乙姫様も否定していたし、開けたらおばあさんになっちゃった、なんてことはないはず。
「.......開けるよ?」
蓋をずらすと、できた隙間から白い気体が流れ出す。
一瞬身構えたが、何も起こることなく気体は空気に溶けて消えていった。
目隠しの気体がなくなった箱を覗くと、透明な拳銃が2丁入っていた。
片方は真夏の海を閉じ込めたような、もう一方は神秘的な深海を閉じ込めたような繊細なデザインだった。
舞殿に射し込む光を受けてキラキラと輝く拳銃のあまりの美しさにほう、と感嘆のため息が漏れる。
「綺麗.......」
ーまたどえらいものを貰ったようだな。
乙姫もよっぽどお主のことを気に入ったらしい
「え!?」
慌てて武器の詳細を確認する。
『清澄な蒼海:乙姫の加護を受けたユニーク武器。魔力を動力源とする。水魔法との相性抜群』
『海淵の海神:乙姫の加護を受けたユニーク武器。魔力を動力源とする。氷魔法との相性抜群』
.......ン?マタチート武器増エタゾ?
ーハッハッハッ、愉快愉快!
全く、お主は予想できないことをしでかすなあ!
狐神様の笑い声が止むまで、私はかぐやの頭を無心で撫で続けた。
ああ、私の心のオアシス。
虚空を見つめて放心する私を現実に引き戻したのは、ゴンちゃんの愛ある尻尾ビンタだった。
「はっ、そうだった。
今日は狐神様に聞きたいことがあって来たんです」
ー我に聞きたいこと?
「はい。
これまではレベルが上がるにつれて、ゴンちゃんが元々持っていた力やスキルが復活していたんですけど、突然リミットでもかかっているかのように力が出なくなったそうなんです」
ーなんだ、そのことか。
ゴンの力が強すぎるとソナタの成長を妨げると思ってな、我が制限しておったのだ。
『そういう大切なことは、必ず連絡してくださいといつも言ってるではありませんか!』
ーハッハッハ!言ってなかったか!
そりゃあ、すまなかった!
だが、力を解放するために必要なものは既にソラの手元にあるだろう?
ゴンちゃんの力を解放するために必要なもの?
アイテムボックスを確認するが、それらしきものは見つからない。
「ソラ、ソラ、これは何じゃ?」
後ろからウィンドウを覗き込んでいたかぐやが指さした先には、おばあちゃんからもらったお稲荷さんがあった。
もしかしてこれ.......?
アイテムボックスから稲荷寿司を取り出す。
かぐやがキラキラした目で私の手元を見つめている。
ーうむ、それだ。
我はたくさん食べたから、お前たちで分けるといい。
当代の巫女は稲荷を作るのが上手いぞ
「ありがとうございます。
それじゃあ、いただきます」
ハランに包まれた稲荷寿司はちょうど3つあったので、ゴンちゃんとかぐやにそれぞれ渡し、自分も口に含む。
「んー、美味しい!」
味がしっかり染み込んだ油揚げと具沢山の寿司飯の組み合わせが絶妙で、つい口元がほころぶ。
「ゴンちゃんどう?
力は戻ってー」
隣を見ると、ゴンちゃんが発光していた。
光はどんどん強くなり、あまりの眩しさにぎゅっと目を瞑る。
光が収まったようなので、ゆっくり目を開けると隣に見知らぬ美丈夫がいた。
腰まで届く真っ直ぐな髪はクリーム色で、所々に銀色が混じり光を反射してキラキラと輝いている。
こちらを流し目で見つめるワインレッドの瞳は、胸元が開いた着流しと相まって色気がすごい。
極めつけに、フサフサした尻尾と狐の耳まで生えている。
男性だけど、和風美人という言葉は、この人の為に誂られたんじゃないだろうか。
「えーっと.......どちら様でしょうか?」
狐神様の従者だろうか。
でも、なんで突然現れたのだろう。
もしかして稲荷寿司が食べたかったのかな?
しまった、もう全部なくなってしまったよ。
「ソラ、お主本気で言っておるのか.......?」
かぐやが、何言ってるのこの子、とでも言いたげな顔で私を見ている。
ーヒィッハッハッハッ!
ど、どちら様ときたか.......!ハッハッハ!
チッ、と隣の美丈夫から舌打ちが聞こえた。
美形の舌打ち怖っ!
「す、すみません!
私失礼なことを.......!」
慌てて失礼を詫びようとしたら、美丈夫のもふもふの耳がシューン、と下がった。
不覚にも可愛いと思ってしまった。
「.......主、私だ」
「その声.......もしかしてゴンちゃん!?」
ゴンちゃん(仮)がコクリ、と頷く。
「ええええええええ!?
本当に、本当にゴンちゃん!?」
「ああ。本来の力が戻ったようだ」
あんぐりと口を開けて固まる私と、手を開いたり閉じたりして満足そうに頷くゴンちゃんを名乗る男性。
そして狐神様の愉快そうな笑い声が響いている。
かぐやは興味がないようで、あちらこちら自由に飛び回っている。
そんな.......ゴンちゃんが.......私のもふもふゴンちゃんが.......
「.......もうチベットスナギツネの姿には戻れないの?」
「そのチベなんとかが何か知らんが、獣化もできるぞ」
「じゃあ、戻って?」
「え、しかし.......」
「ほら、早く戻って?」
「だが……」
「ゴンちゃん」
今まで表情筋が動かなかったゴンちゃんの顔に動揺が走る。
だが、これは譲れない。
人型ではもふもふ要素が足りない。
「こっちの方が主を守りやすいだろう?」
「今は敵がいないでしょ?
もふもふのゴンちゃんに戻って欲しいな。
ね、お願い?」
じーっと顔を凝視しながら圧をかけていくと、ゴンちゃんは大きくため息をついていつものゴンちゃんに戻ってくれた。
ゴンちゃん(人)は、ものすごく背が高いから助かった。あのままの体勢だと首を痛めていたよ。
私は、嬉嬉としてもふもふのゴンちゃんに抱きついた。
狐神様の笑い声が一層大きく響いた。
ゴンちゃんの道案内の元、狐神様の神社を目指す。
「狐神にあうのは久しぶりじゃな」
「かぐや、狐神様と知り合いなの?」
「うむ。
母上が狐神と仲が良かったのじゃ」
「そうなんだ。
それじゃあ、ゴンちゃんともどこかで会っていたのかもしれないね!」
『いや、それはないな。
我々眷属は、地位的に神々の集まりには参加出来ない。
精霊の王族は地位で言うと神と同じだ』
かぐやってそんなに身分が高かったんだ。
でも、それにしては、ゴンちゃんのかぐやに対する態度は最初から割と雑だったような.......
同じことを思ったのだろう。
かぐやがジトッとした目でゴンちゃんを見下ろしていた。
「まあ、良い。
そなたとは同じソラの仲魔同士。
そこに地位や種族は関係ないからー
『着いたぞ』
ー妾が今話しておったのにー!!」
ぷんすこ、と怒るかぐやを宥めながらゴンちゃんに続いてお賽銭箱下の隠れ階段を降りる。
あの日からあまり時間は経っていないのに、懐かしく感じるなあ。
壁の炎が照らす道を抜ければ、爽やかな風がぶわっと吹き抜ける。
前と変わらぬ壮大な景色が私たちを迎え入れてくれた。
「何度来ても素敵な場所だね」
ーお、来たか。
待っておったぞ
ぐるり、と緑溢れる景色を見渡していると、耳に心地よい声が届いた。
『ただいま、戻りました』
「狐神様、こんにちは!
遊びに来ました!」
狐神様がどこにいらっしゃるかわからないので、とりあえず舞殿に向かって一礼する。
ーうむうむ、よく来た。
して、お主の首にへばりついているのは、宝霊か?
「久しいのう、狐神。
今の妾には、かぐやという立派な名前があるのじゃ。
これからは宝霊ではなく、そう呼ぶのじゃ!」
ーハッハッハ!
お前もソラに名を貰ったか。
宝霊まで仲間にするとは、お主は本当に面白いのう。
さあさあ、これまでの冒険を爺に聞かせておくれ
それから、狐神様にこれまでの冒険のことを話した。
貰った武器の威力がぶっ飛んでいて驚いたこと、竹林でかぐやに出会ったこと、レイドボスを倒したこと、竜宮城に行ったことなどなど。
狐神様は、始終笑い声をあげていた。
ー乙姫とはまた懐かしい名前だ。
奴からは何を貰ったのだ?
そう言えば、乙姫様から貰った箱の中身見ていないや。
何が入っているんだろう。
アイテムボックスから箱を取り出す。
ゴンちゃんとかぐやが興味深そうに手元を覗き込んでいる。
どこからどう見ても絵本に出てくる玉手箱なんだよなあ。
乙姫様も否定していたし、開けたらおばあさんになっちゃった、なんてことはないはず。
「.......開けるよ?」
蓋をずらすと、できた隙間から白い気体が流れ出す。
一瞬身構えたが、何も起こることなく気体は空気に溶けて消えていった。
目隠しの気体がなくなった箱を覗くと、透明な拳銃が2丁入っていた。
片方は真夏の海を閉じ込めたような、もう一方は神秘的な深海を閉じ込めたような繊細なデザインだった。
舞殿に射し込む光を受けてキラキラと輝く拳銃のあまりの美しさにほう、と感嘆のため息が漏れる。
「綺麗.......」
ーまたどえらいものを貰ったようだな。
乙姫もよっぽどお主のことを気に入ったらしい
「え!?」
慌てて武器の詳細を確認する。
『清澄な蒼海:乙姫の加護を受けたユニーク武器。魔力を動力源とする。水魔法との相性抜群』
『海淵の海神:乙姫の加護を受けたユニーク武器。魔力を動力源とする。氷魔法との相性抜群』
.......ン?マタチート武器増エタゾ?
ーハッハッハッ、愉快愉快!
全く、お主は予想できないことをしでかすなあ!
狐神様の笑い声が止むまで、私はかぐやの頭を無心で撫で続けた。
ああ、私の心のオアシス。
虚空を見つめて放心する私を現実に引き戻したのは、ゴンちゃんの愛ある尻尾ビンタだった。
「はっ、そうだった。
今日は狐神様に聞きたいことがあって来たんです」
ー我に聞きたいこと?
「はい。
これまではレベルが上がるにつれて、ゴンちゃんが元々持っていた力やスキルが復活していたんですけど、突然リミットでもかかっているかのように力が出なくなったそうなんです」
ーなんだ、そのことか。
ゴンの力が強すぎるとソナタの成長を妨げると思ってな、我が制限しておったのだ。
『そういう大切なことは、必ず連絡してくださいといつも言ってるではありませんか!』
ーハッハッハ!言ってなかったか!
そりゃあ、すまなかった!
だが、力を解放するために必要なものは既にソラの手元にあるだろう?
ゴンちゃんの力を解放するために必要なもの?
アイテムボックスを確認するが、それらしきものは見つからない。
「ソラ、ソラ、これは何じゃ?」
後ろからウィンドウを覗き込んでいたかぐやが指さした先には、おばあちゃんからもらったお稲荷さんがあった。
もしかしてこれ.......?
アイテムボックスから稲荷寿司を取り出す。
かぐやがキラキラした目で私の手元を見つめている。
ーうむ、それだ。
我はたくさん食べたから、お前たちで分けるといい。
当代の巫女は稲荷を作るのが上手いぞ
「ありがとうございます。
それじゃあ、いただきます」
ハランに包まれた稲荷寿司はちょうど3つあったので、ゴンちゃんとかぐやにそれぞれ渡し、自分も口に含む。
「んー、美味しい!」
味がしっかり染み込んだ油揚げと具沢山の寿司飯の組み合わせが絶妙で、つい口元がほころぶ。
「ゴンちゃんどう?
力は戻ってー」
隣を見ると、ゴンちゃんが発光していた。
光はどんどん強くなり、あまりの眩しさにぎゅっと目を瞑る。
光が収まったようなので、ゆっくり目を開けると隣に見知らぬ美丈夫がいた。
腰まで届く真っ直ぐな髪はクリーム色で、所々に銀色が混じり光を反射してキラキラと輝いている。
こちらを流し目で見つめるワインレッドの瞳は、胸元が開いた着流しと相まって色気がすごい。
極めつけに、フサフサした尻尾と狐の耳まで生えている。
男性だけど、和風美人という言葉は、この人の為に誂られたんじゃないだろうか。
「えーっと.......どちら様でしょうか?」
狐神様の従者だろうか。
でも、なんで突然現れたのだろう。
もしかして稲荷寿司が食べたかったのかな?
しまった、もう全部なくなってしまったよ。
「ソラ、お主本気で言っておるのか.......?」
かぐやが、何言ってるのこの子、とでも言いたげな顔で私を見ている。
ーヒィッハッハッハッ!
ど、どちら様ときたか.......!ハッハッハ!
チッ、と隣の美丈夫から舌打ちが聞こえた。
美形の舌打ち怖っ!
「す、すみません!
私失礼なことを.......!」
慌てて失礼を詫びようとしたら、美丈夫のもふもふの耳がシューン、と下がった。
不覚にも可愛いと思ってしまった。
「.......主、私だ」
「その声.......もしかしてゴンちゃん!?」
ゴンちゃん(仮)がコクリ、と頷く。
「ええええええええ!?
本当に、本当にゴンちゃん!?」
「ああ。本来の力が戻ったようだ」
あんぐりと口を開けて固まる私と、手を開いたり閉じたりして満足そうに頷くゴンちゃんを名乗る男性。
そして狐神様の愉快そうな笑い声が響いている。
かぐやは興味がないようで、あちらこちら自由に飛び回っている。
そんな.......ゴンちゃんが.......私のもふもふゴンちゃんが.......
「.......もうチベットスナギツネの姿には戻れないの?」
「そのチベなんとかが何か知らんが、獣化もできるぞ」
「じゃあ、戻って?」
「え、しかし.......」
「ほら、早く戻って?」
「だが……」
「ゴンちゃん」
今まで表情筋が動かなかったゴンちゃんの顔に動揺が走る。
だが、これは譲れない。
人型ではもふもふ要素が足りない。
「こっちの方が主を守りやすいだろう?」
「今は敵がいないでしょ?
もふもふのゴンちゃんに戻って欲しいな。
ね、お願い?」
じーっと顔を凝視しながら圧をかけていくと、ゴンちゃんは大きくため息をついていつものゴンちゃんに戻ってくれた。
ゴンちゃん(人)は、ものすごく背が高いから助かった。あのままの体勢だと首を痛めていたよ。
私は、嬉嬉としてもふもふのゴンちゃんに抱きついた。
狐神様の笑い声が一層大きく響いた。
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