運極ちゃんの珍道中!〜APの意味がわからなかったのでとりあえず運に極振りしました〜

斑鳩 鳰

文字の大きさ
上 下
33 / 38

28 ゴンちゃんの悩み

しおりを挟む
宴も終盤に差し掛かり、プレーヤーは一人また一人と離脱していき、街の人達も一人また一人と眠りに陥っていく。

かぐやはイカ焼きがお気に召したようでぐるぐると屋台を回っている。
人間を怖がったり憎んだりしていないようで安心した。ゴンちゃんが言うには、精霊は元来人間を好きな種族らしい。
かぐやが笑っているのを見て、思わずこちらの笑みも零れてしまう。

それから、私は、海辺に座り海を眺めているゴンちゃんの元へ向かった。

「浮かない顔しているけど、どうかしたの?」

声をかけて、ゴンちゃんの隣に座る。
ゴンちゃんは、ファサと尻尾を1度揺らしただけで、こちらを見ることなく海を見つめていた。
チベットスナギツネって元々浮かない顔してる動物だけど、なんとなく、ゴンちゃんの元気がない気がする。

『……本来の力が戻りつつある実感はあるが、蓋でもしてあるかのように力を出そうとしても出ないのだ』

しゅん、と耳と尻尾を垂らしたゴンちゃんを撫でながらステータスを確認する。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
名前 ソラ
種族 鬼っ娘
Lv 25
HP 2550/2550
MP 2550/2550
攻撃 0
防御 0(+250)
速さ 0(+250)
知力 0(+250)
運     490

スキル【羅刹化 lv4 8min】【雷魔法lv4】【打撃 lv4】【料理 lv7】【釣り lv5】【テイムlv3】【ヒール(小)※】【付与】【鑑定】【細工 lv5】
AP 0
SP 34

装備:狐神の加護を受けた巫女服一式
アクセサリー:身代わりの指輪、白狐の御守り、天の羽衣
            
ーーーーーーーーーーーーーーー
わお、レベルが一気に上がっている。
レイドボスを倒したから経験値がたくさん入ってきたのかな。
ドロップアイテムのイカをひたすら焼いたものだから、料理スキルのレベルも大幅に上がっている。

レベルアップ報酬とレイドボスの発見報酬として貰ったAP300をすべて運に振り分ける。
今更他のものに振り分けてもねえ。

.......うん、私はとことん運を極めよう!

この運がなければ、ゴンちゃんやかぐやとは出会えなかったと思うんだ。
これからも期待してますよ、素敵な巡り合わせを運んできてくれる運に。

ウィンドウを下にスワイプしてゴンちゃんのステータスを見る。
ーーーーーーーーーーーーーーー
名前 ゴン
種族 白狐
Lv 23
HP 1650/1650
MP 1650/1650
攻撃 94
防御 32
速さ 118
知力 40
運     5

スキル【狐火】【紅牙】【紅爪】【雷爪】
AP 0
ーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーー
名前 かぐや
種族 宝霊
Lv 20
HP 1350/1350
MP 1950/1950
攻撃 33
防御 48
速さ 56
知力 128
運     5

スキル【メテオール】【ゼロ・グラビティ】【アマ・デトワール】【パンタグラム】
AP 0
ーーーーーーーーーーーーーーー

【パンタグラム:上級星魔法。魔法攻撃大。低確率で混乱付与】

2人のAPは、戦い方に合わせて適当に振り分ける。
ボスを倒したことで3人ともレベルやその他の力が急激に上がっているが、かぐやが新しいスキルを習得している一方で、ゴンちゃんのスキルには何の変化もなかった。

「うーん、何でだろう。
狐神様のところに行ってみようか。
何か知っているかも知れないから」

『そうだな。よろしく頼む』

「今日はもう遅いから、明日行こうね」

『ああ』

「かぐやー、そろそろ帰るよー!」

むぐむぐと頬にイカ焼きをパンパンに詰めたかぐやの顔を拭き、ガロンさんとコランさんに挨拶をして、そのままログアウトする。
こうして、私の濃く長い一日は終わりを迎えた。
しおりを挟む
感想 155

あなたにおすすめの小説

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

愛されない皇妃~最強の母になります!~

椿蛍
ファンタジー
愛されない皇妃『ユリアナ』 やがて、皇帝に愛される寵妃『クリスティナ』にすべてを奪われる運命にある。 夫も子どもも――そして、皇妃の地位。 最後は嫉妬に狂いクリスティナを殺そうとした罪によって処刑されてしまう。 けれど、そこからが問題だ。 皇帝一家は人々を虐げ、『悪逆皇帝一家』と呼ばれるようになる。 そして、最後は大魔女に悪い皇帝一家が討伐されて終わるのだけど…… 皇帝一家を倒した大魔女。 大魔女の私が、皇妃になるなんて、どういうこと!? ※表紙は作成者様からお借りしてます。 ※他サイト様に掲載しております。

絶対に間違えないから

mahiro
恋愛
あれは事故だった。 けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。 だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。 何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。 どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。 私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。

【完結】精霊に選ばれなかった私は…

まりぃべる
ファンタジー
ここダロックフェイ国では、5歳になると精霊の森へ行く。精霊に選んでもらえれば、将来有望だ。 しかし、キャロル=マフェソン辺境伯爵令嬢は、精霊に選んでもらえなかった。 選ばれた者は、王立学院で将来国の為になるべく通う。 選ばれなかった者は、教会の学校で一般教養を学ぶ。 貴族なら、より高い地位を狙うのがステータスであるが…? ☆世界観は、緩いですのでそこのところご理解のうえ、お読み下さるとありがたいです。

私、平凡ですので……。~求婚してきた将軍さまは、バツ3のイケメンでした~

玉響なつめ
ファンタジー
転生したけど、平凡なセリナ。 平凡に生まれて平凡に生きて、このまま平凡にいくんだろうと思ったある日唐突に求婚された。 それが噂のバツ3将軍。 しかも前の奥さんたちは行方不明ときたもんだ。 求婚されたセリナの困惑とは裏腹に、トントン拍子に話は進む。 果たして彼女は幸せな結婚生活を送れるのか? ※小説家になろう。でも公開しています

無能なので辞めさせていただきます!

サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

あなたがそう望んだから

まる
ファンタジー
「ちょっとアンタ!アンタよ!!アデライス・オールテア!」 思わず不快さに顔が歪みそうになり、慌てて扇で顔を隠す。 確か彼女は…最近編入してきたという男爵家の庶子の娘だったかしら。 喚き散らす娘が望んだのでその通りにしてあげましたわ。 ○○○○○○○○○○ 誤字脱字ご容赦下さい。もし電波な転生者に貴族の令嬢が絡まれたら。攻略対象と思われてる男性もガッチリ貴族思考だったらと考えて書いてみました。ゆっくりペースになりそうですがよろしければ是非。 閲覧、しおり、お気に入りの登録ありがとうございました(*´ω`*) 何となくねっとりじわじわな感じになっていたらいいのにと思ったのですがどうなんでしょうね?

侯爵家の愛されない娘でしたが、前世の記憶を思い出したらお父様がバリ好みのイケメン過ぎて毎日が楽しくなりました

下菊みこと
ファンタジー
前世の記憶を思い出したらなにもかも上手くいったお話。 ご都合主義のSS。 お父様、キャラチェンジが激しくないですか。 小説家になろう様でも投稿しています。 突然ですが長編化します!ごめんなさい!ぜひ見てください!

処理中です...