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5月10日
谷さんとのデートは思いのほか楽しい。
元々話が合うから、ただドライブしているだけでも退屈はしない。
谷さんが好きになれそうな気がしてくる。
「今日はどこに行くの? 」
「ちょっとだけ家に寄ってもいいかな? 付き合ってる子がいるって言っても、中々信じてもらえてなくてさ」
「う、うん、いいよ」
病院から家までは車で15分位とのこと。
「谷さんのご家族って、何人だったっけ?」
「兄が一人いるから4人だけど、もう結婚して西区に住んでる。だから今は両親と3人で暮らしてるよ」
「ふ~ん、谷さんは一人暮らしってしたこと
ある? 」
「大学が東京だったから、六年間一人暮らししてたよ。自由でいいけどね。でも面倒なことが多すぎるだろう。ゴミ出しとか、食事のこととか」
「じゃあ、結婚したらそういうのは全部奥さんにしてもらいたいんだね」
「そういう訳でもないよ。奥さんが家事よりもしたい事があるなら協力するよ。まぁ、出来ればしたくないのが本音だけどね。楽しい仕事とは思えないからな」
おしゃべりをしているうちに車は、宮の森の閑静な高級住宅街に入った。
公園を抜けて谷さんの家に到着した。
電動式のシャッターが上がり、ガレージに車を入れると、ベンツが2台もあって驚く。
立派な門から中に入ると、広い庭はセンス良くガーデニングされていた。
まだ五月で花もさほど咲いてはいないけれど、専門の庭師に手入れしてもらっているのだろう。
こんな家に嫁ぐなど、とても無理な気がした。
「今さらだけど、谷さんのお父さんってなにしてる人だっけ?」
「病院経営」
「そ、そうなんだ。知らなかった・・・」
私のような取り柄もない庶民なんて、とんでもないって感じ。いくらでもすてきなお嬢様がもらえるんじゃない。
「谷さん、やっぱり帰りたくなった」
カードキーをかざした谷さんに呟いた。
「えっ、どうして? 」
「ちょっと、気後れしちゃって」
「有紀ちゃんらしくないなぁ。せっかく来たんだし、玄関だけでもいいからさ」
ドアを開けて中に入ると、大理石が敷かれた玄関は、私の部屋と変わらないほどに広く感じられた。
「ただいま~」
谷さんがスリッパを揃えて出してくれる。
リビングのドアを開けると、大きな胡蝶蘭の鉢植えや、アレンジされた豪華な生花が見えた。
30畳以上ありそうなリビングは吹き抜けになっていて、高台から望む大きなベランダから夕暮れの夜景が見えた。高級家具と調度品、壁に掛けられている絵画は著名な画家のものなのだろう。
はぁ、わが家のリビングとはあまりに違いすぎる。
「あれっ、うちのお袋さんはどこに行っちゃったのかな? 」
谷さんがキッチンの方を覗き込みながら、違う部屋へ探しに行った。
「有紀ちゃん、ソファーにでも掛けて待っていて。ちょっと、2階を見てくるから」
「うん……」
面接官にでも会うような落ち着かない心持ちで、ソファーに腰をおろす。
澄んだ高い笑い声が聞こえてきた。お母様は2階にいたようだ。
「本当にそんな子がいたなんてねぇ、嘘に決まってると思ってたけど、うふふっ」
リビングのドアが開いて谷さんとお母様が並んで入ってきた。50代後半と思うけれど、華やかな明るい顔立ちの美人だ。
機械のように立ち上がり、コチコチになりながら挨拶した。
「はじめまして、藤沢有紀と申します。今日は突然お邪魔いたしまして」
「あら~ 本当に可愛らしいお嬢さんね。修二がいつもお世話になりまして。お楽になさってね。お腹がすいたでしょう。今、晩ご飯の用意するわね」
「あ、あの、お構いなく。ちょっとご挨拶だけと思って寄らせていただいただけで・・・」
「あら、いいじゃない。ゆっくりしてらして。せっかくいらしたんですもの。いつになったらこういう日が来るのかしらって、ずっと待ってたのよ」
セレブなマダムには違いないけれど、内面的にも成熟した余裕と豊かさが感じられた。
「あ、じゃあ、なにかお手伝いします」
突然の来客には慣れているのか、とてもテキパキとあっという間に豪華な夕食ができた。
マリネやローストビーフなど、日頃から色々とストックしているようだ。
鶏のつくねを青じそで巻いて焼くのを手伝った。
新鮮な海老や魚介をつかったエスニック風のスープに、彩り鮮やかなサラダとフルーツの盛り合わせ。
「簡単なものばかりで悪いわね」
「すごいご馳走ですよ。レストランよりも美味しそうです。それにボリュームがあるわりにはカロリー低そうで嬉しい」
「ありがとう。じゃあ、頂きましょうか。主人は今晩遅くなるって連絡があったから、また次の機会でね」
思ったほど緊張もせずに、すぐにうちとけられた。
谷さんも安心したようで、思いのほか楽しく美味しい夕食をいただくことができた。
お母様は調理師の免許を持っておられるとのことで、低カロリーのレシピをたくさん教えてくださっだ。
「ねぇ、谷さんはどうしてお医者さんにならなかったの? 医学部だって入れたでしょ?」
帰りの車の中で聞いてみた。
「医者って休みがないでしょ。時間だって定時に帰れることなんか少ないからね。その仕事を好きでやってるのならいいけど、僕には無理だな。
もっと色々なことして、人生を楽しみたいからなぁ。うちの親父なんか見てたら、いくらお金があっても使う暇がないくらい忙しそうだったから。
それに贅沢ってそんなに興味ないんだよな。貧乏は嫌だけれど、それなりの暮らしで十分なんだ。
だから、母が持ってくる見合い相手なんか無理だな。贅沢するのが当たり前のお嬢様なんかはさ。
だから有紀ちゃんがいいって言ったら、失礼なんだけど・・・。有紀ちゃんだって、どうせ結婚するなら金持ちの方いいよね?」
「お金持ちにはやっぱり憧れるよ。庶民の経験しかないんだもん。でも私って仕事してるのが好きなんだよね。贅沢でもヒマなのは退屈でつまらない気がして。それに、どう見ても有閑マダムってタイプじゃないでしょ」
「そうだね。家で退屈してたら益々太りそうだな。ハハハッ」
「そうだよ~ 有閑マダムはヤバすぎだよぉ~ 」
「やっぱり、有紀ちゃんがいいなぁ」
「もう桜も終わりそうだから夜桜でも見て帰ろうか?」
「うん、でも、どこで咲いてたっけ?」
「そうだなぁ、家の近くの公園でもいいかな?」
「うん、いいよ」
谷さんの家からさほど離れていない、道路沿いの公園に車を停めた。
公園の桜だからライトアップされているわけもないけれど、外灯の明かりで中々きれいにみえた。
夜はまだ肌寒いので、外には出ず車窓から眺めた。
「ふ~ん、すご~くきれい。夜桜なんてあんまり見たことなかったかも。花より団子だしね、私の場合。フフフッ」
振り向いて笑いかけたら、目の前に谷さんの顔が迫っていたので驚いた。
じっと見つめられて、肩に手をかけられた。
キスされそうになっていることに気づき、慌てふためく。
「あっ、、わっ、わ~~~っ!!」
谷さんの背後を指さして叫んだ。
「ど、どうしたんだい?」
「向こうの木の下に人が立ってる」
「えっ?」
谷さんが運転席の窓から見える街路樹に目をやった。
「どこに? 誰もいないよ」
「えっ、そう? 見間違いかな? 白い顔した人が見えたような気がしたんだけど……」
自信なさげにオドオドと視線をそらせた。
「ふっ、アハハハッ、かわすのが上手なんだなぁ」
「………」
返事の方はうまくかわせなくて、仕方なくうつむいた。
「いいなぁ、そういうところも。軽すぎる女の子は好きじゃないから。ほんとに面白いなぁ」
その後、気まずくなるわけでもなく、危なげなムードにもならず、ホッとした。
谷さんとのおしゃべりは楽しいけれど、結婚となると踏ん切りがつかない。
これで20代後半だったら、違っていたと思うけど。
勢いで結婚するには愛が足りなすぎる。
佐野さんをあきらめられたら、もっと谷さんが好きになれそうな気がするのだけれど……。
谷さんとのデートは思いのほか楽しい。
元々話が合うから、ただドライブしているだけでも退屈はしない。
谷さんが好きになれそうな気がしてくる。
「今日はどこに行くの? 」
「ちょっとだけ家に寄ってもいいかな? 付き合ってる子がいるって言っても、中々信じてもらえてなくてさ」
「う、うん、いいよ」
病院から家までは車で15分位とのこと。
「谷さんのご家族って、何人だったっけ?」
「兄が一人いるから4人だけど、もう結婚して西区に住んでる。だから今は両親と3人で暮らしてるよ」
「ふ~ん、谷さんは一人暮らしってしたこと
ある? 」
「大学が東京だったから、六年間一人暮らししてたよ。自由でいいけどね。でも面倒なことが多すぎるだろう。ゴミ出しとか、食事のこととか」
「じゃあ、結婚したらそういうのは全部奥さんにしてもらいたいんだね」
「そういう訳でもないよ。奥さんが家事よりもしたい事があるなら協力するよ。まぁ、出来ればしたくないのが本音だけどね。楽しい仕事とは思えないからな」
おしゃべりをしているうちに車は、宮の森の閑静な高級住宅街に入った。
公園を抜けて谷さんの家に到着した。
電動式のシャッターが上がり、ガレージに車を入れると、ベンツが2台もあって驚く。
立派な門から中に入ると、広い庭はセンス良くガーデニングされていた。
まだ五月で花もさほど咲いてはいないけれど、専門の庭師に手入れしてもらっているのだろう。
こんな家に嫁ぐなど、とても無理な気がした。
「今さらだけど、谷さんのお父さんってなにしてる人だっけ?」
「病院経営」
「そ、そうなんだ。知らなかった・・・」
私のような取り柄もない庶民なんて、とんでもないって感じ。いくらでもすてきなお嬢様がもらえるんじゃない。
「谷さん、やっぱり帰りたくなった」
カードキーをかざした谷さんに呟いた。
「えっ、どうして? 」
「ちょっと、気後れしちゃって」
「有紀ちゃんらしくないなぁ。せっかく来たんだし、玄関だけでもいいからさ」
ドアを開けて中に入ると、大理石が敷かれた玄関は、私の部屋と変わらないほどに広く感じられた。
「ただいま~」
谷さんがスリッパを揃えて出してくれる。
リビングのドアを開けると、大きな胡蝶蘭の鉢植えや、アレンジされた豪華な生花が見えた。
30畳以上ありそうなリビングは吹き抜けになっていて、高台から望む大きなベランダから夕暮れの夜景が見えた。高級家具と調度品、壁に掛けられている絵画は著名な画家のものなのだろう。
はぁ、わが家のリビングとはあまりに違いすぎる。
「あれっ、うちのお袋さんはどこに行っちゃったのかな? 」
谷さんがキッチンの方を覗き込みながら、違う部屋へ探しに行った。
「有紀ちゃん、ソファーにでも掛けて待っていて。ちょっと、2階を見てくるから」
「うん……」
面接官にでも会うような落ち着かない心持ちで、ソファーに腰をおろす。
澄んだ高い笑い声が聞こえてきた。お母様は2階にいたようだ。
「本当にそんな子がいたなんてねぇ、嘘に決まってると思ってたけど、うふふっ」
リビングのドアが開いて谷さんとお母様が並んで入ってきた。50代後半と思うけれど、華やかな明るい顔立ちの美人だ。
機械のように立ち上がり、コチコチになりながら挨拶した。
「はじめまして、藤沢有紀と申します。今日は突然お邪魔いたしまして」
「あら~ 本当に可愛らしいお嬢さんね。修二がいつもお世話になりまして。お楽になさってね。お腹がすいたでしょう。今、晩ご飯の用意するわね」
「あ、あの、お構いなく。ちょっとご挨拶だけと思って寄らせていただいただけで・・・」
「あら、いいじゃない。ゆっくりしてらして。せっかくいらしたんですもの。いつになったらこういう日が来るのかしらって、ずっと待ってたのよ」
セレブなマダムには違いないけれど、内面的にも成熟した余裕と豊かさが感じられた。
「あ、じゃあ、なにかお手伝いします」
突然の来客には慣れているのか、とてもテキパキとあっという間に豪華な夕食ができた。
マリネやローストビーフなど、日頃から色々とストックしているようだ。
鶏のつくねを青じそで巻いて焼くのを手伝った。
新鮮な海老や魚介をつかったエスニック風のスープに、彩り鮮やかなサラダとフルーツの盛り合わせ。
「簡単なものばかりで悪いわね」
「すごいご馳走ですよ。レストランよりも美味しそうです。それにボリュームがあるわりにはカロリー低そうで嬉しい」
「ありがとう。じゃあ、頂きましょうか。主人は今晩遅くなるって連絡があったから、また次の機会でね」
思ったほど緊張もせずに、すぐにうちとけられた。
谷さんも安心したようで、思いのほか楽しく美味しい夕食をいただくことができた。
お母様は調理師の免許を持っておられるとのことで、低カロリーのレシピをたくさん教えてくださっだ。
「ねぇ、谷さんはどうしてお医者さんにならなかったの? 医学部だって入れたでしょ?」
帰りの車の中で聞いてみた。
「医者って休みがないでしょ。時間だって定時に帰れることなんか少ないからね。その仕事を好きでやってるのならいいけど、僕には無理だな。
もっと色々なことして、人生を楽しみたいからなぁ。うちの親父なんか見てたら、いくらお金があっても使う暇がないくらい忙しそうだったから。
それに贅沢ってそんなに興味ないんだよな。貧乏は嫌だけれど、それなりの暮らしで十分なんだ。
だから、母が持ってくる見合い相手なんか無理だな。贅沢するのが当たり前のお嬢様なんかはさ。
だから有紀ちゃんがいいって言ったら、失礼なんだけど・・・。有紀ちゃんだって、どうせ結婚するなら金持ちの方いいよね?」
「お金持ちにはやっぱり憧れるよ。庶民の経験しかないんだもん。でも私って仕事してるのが好きなんだよね。贅沢でもヒマなのは退屈でつまらない気がして。それに、どう見ても有閑マダムってタイプじゃないでしょ」
「そうだね。家で退屈してたら益々太りそうだな。ハハハッ」
「そうだよ~ 有閑マダムはヤバすぎだよぉ~ 」
「やっぱり、有紀ちゃんがいいなぁ」
「もう桜も終わりそうだから夜桜でも見て帰ろうか?」
「うん、でも、どこで咲いてたっけ?」
「そうだなぁ、家の近くの公園でもいいかな?」
「うん、いいよ」
谷さんの家からさほど離れていない、道路沿いの公園に車を停めた。
公園の桜だからライトアップされているわけもないけれど、外灯の明かりで中々きれいにみえた。
夜はまだ肌寒いので、外には出ず車窓から眺めた。
「ふ~ん、すご~くきれい。夜桜なんてあんまり見たことなかったかも。花より団子だしね、私の場合。フフフッ」
振り向いて笑いかけたら、目の前に谷さんの顔が迫っていたので驚いた。
じっと見つめられて、肩に手をかけられた。
キスされそうになっていることに気づき、慌てふためく。
「あっ、、わっ、わ~~~っ!!」
谷さんの背後を指さして叫んだ。
「ど、どうしたんだい?」
「向こうの木の下に人が立ってる」
「えっ?」
谷さんが運転席の窓から見える街路樹に目をやった。
「どこに? 誰もいないよ」
「えっ、そう? 見間違いかな? 白い顔した人が見えたような気がしたんだけど……」
自信なさげにオドオドと視線をそらせた。
「ふっ、アハハハッ、かわすのが上手なんだなぁ」
「………」
返事の方はうまくかわせなくて、仕方なくうつむいた。
「いいなぁ、そういうところも。軽すぎる女の子は好きじゃないから。ほんとに面白いなぁ」
その後、気まずくなるわけでもなく、危なげなムードにもならず、ホッとした。
谷さんとのおしゃべりは楽しいけれど、結婚となると踏ん切りがつかない。
これで20代後半だったら、違っていたと思うけど。
勢いで結婚するには愛が足りなすぎる。
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