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義母のショック
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悠李が昼寝から目を覚ましたので、離乳食を食べさせ、おっぱいをあげた。
それから役所に行って離婚届の用紙をもらい、そして義母に電話をした。
「お義母さん、彩矢です」
「あら、どうしたの?」
「今、お話して大丈夫ですか?」
一大決心をして電話をしたものの、今から話さなければ重大な秘密を思うと、気持ちが萎えた。
「いいわよ、何かあったの? 毎日暑いわね、悠ちゃんは寝ているの?」
「あ、あの、お義母さん、突然で申し訳ないのですが、、潤一さんと離婚することになりました」
「えっ、彩矢さん、あなた突然なにを言い出すの。ちょっと待ってよ、まさか本気じゃないでしょうね?」
義母は当然といえば当然な反応を返した。
「潤一さん、よそに赤ちゃんが出来たみたいで」
「な、なんですって! それ、本当のことなの?……まったく、いつまでも何をやっているのよ、あの子ったら。とにかくこんな話し、電話でなんかで出来ないわ。三人でよく話し合いましょう。わたくし今からそちらに行くわ」
義母はそういうとすぐに電話を切った。
もらってきた離婚届の自分の欄に記名をして、潤一の机の上に置いた。
夕方の六時過ぎに、義母は額の汗をハンカチで拭いながら、やや興奮気味なようすでやって来た。
麻素材の、ゆったりとした涼しげなワンピースを着ていたけれど、急いできたせいか汗が額から噴き出していた。
「潤一はまだ帰ってないの?」
火照った義母の顔は、今度ばかりはただではおかないという、威厳と迫力に満ちていた。
ローテーブルに冷たい麦茶を置いて、姑の隣に腰を降ろした。
「まだ懲りてなかったのね。甘やかしすぎたわ。ごめんなさいね、彩矢さん。あの子にはわたくしから、きつく言いますからね。
前の時はあの子があまりにも可哀想で、なにも言えなかったのよ。言わなくても十分わかってると思ったわ。あんな目にあってもまだわからないなんて、ほんとにバカな子だわ。でも、よそに子どもが出来たからって、なにも離婚することはないでしょう。うちにだって悠ちゃんがいるのよ。あなたも落ち着いて、早まったことをしてはダメよ」
一気にそれだけ言うと、麦茶をゴクゴクと飲んだ。
「あの、違うんです。お義母さん、すみません。実はお義母さんに言ってないことがあって……」
「なに? 言ってないことって」
義母のショックを思うと、告白は想像以上につらいものになった。
「実は悠李は潤一さんの子どもじゃないんです」
義母は言ってる意味がよくわからないといった顔をした。
「どういうこと? あなた何を言ってるの?」
「悠李は潤一さんの子どもじゃないんです。今まで黙っていて本当にごめんなさい!」
ソファから降りて土下座をした。
「……自分がなにを言ってるのかわかってるの? あなたはそのことを知ってて潤一と結婚したの?」
義母の唇が震えて顔面が蒼白になっていた。
「…ごめんなさい」
「汚らわしい! なんてことを……可愛いお嫁さんが来てくれたと思っていたのに」
お義母さんのショックを思うと、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
「すみません。本当にごめんなさい」
「これ以上、一秒だって同じ部屋になんかいたくないわ!」
顔をそむけたままバッグをつかむと急ぎ足でマンションを出て行った。
それから役所に行って離婚届の用紙をもらい、そして義母に電話をした。
「お義母さん、彩矢です」
「あら、どうしたの?」
「今、お話して大丈夫ですか?」
一大決心をして電話をしたものの、今から話さなければ重大な秘密を思うと、気持ちが萎えた。
「いいわよ、何かあったの? 毎日暑いわね、悠ちゃんは寝ているの?」
「あ、あの、お義母さん、突然で申し訳ないのですが、、潤一さんと離婚することになりました」
「えっ、彩矢さん、あなた突然なにを言い出すの。ちょっと待ってよ、まさか本気じゃないでしょうね?」
義母は当然といえば当然な反応を返した。
「潤一さん、よそに赤ちゃんが出来たみたいで」
「な、なんですって! それ、本当のことなの?……まったく、いつまでも何をやっているのよ、あの子ったら。とにかくこんな話し、電話でなんかで出来ないわ。三人でよく話し合いましょう。わたくし今からそちらに行くわ」
義母はそういうとすぐに電話を切った。
もらってきた離婚届の自分の欄に記名をして、潤一の机の上に置いた。
夕方の六時過ぎに、義母は額の汗をハンカチで拭いながら、やや興奮気味なようすでやって来た。
麻素材の、ゆったりとした涼しげなワンピースを着ていたけれど、急いできたせいか汗が額から噴き出していた。
「潤一はまだ帰ってないの?」
火照った義母の顔は、今度ばかりはただではおかないという、威厳と迫力に満ちていた。
ローテーブルに冷たい麦茶を置いて、姑の隣に腰を降ろした。
「まだ懲りてなかったのね。甘やかしすぎたわ。ごめんなさいね、彩矢さん。あの子にはわたくしから、きつく言いますからね。
前の時はあの子があまりにも可哀想で、なにも言えなかったのよ。言わなくても十分わかってると思ったわ。あんな目にあってもまだわからないなんて、ほんとにバカな子だわ。でも、よそに子どもが出来たからって、なにも離婚することはないでしょう。うちにだって悠ちゃんがいるのよ。あなたも落ち着いて、早まったことをしてはダメよ」
一気にそれだけ言うと、麦茶をゴクゴクと飲んだ。
「あの、違うんです。お義母さん、すみません。実はお義母さんに言ってないことがあって……」
「なに? 言ってないことって」
義母のショックを思うと、告白は想像以上につらいものになった。
「実は悠李は潤一さんの子どもじゃないんです」
義母は言ってる意味がよくわからないといった顔をした。
「どういうこと? あなた何を言ってるの?」
「悠李は潤一さんの子どもじゃないんです。今まで黙っていて本当にごめんなさい!」
ソファから降りて土下座をした。
「……自分がなにを言ってるのかわかってるの? あなたはそのことを知ってて潤一と結婚したの?」
義母の唇が震えて顔面が蒼白になっていた。
「…ごめんなさい」
「汚らわしい! なんてことを……可愛いお嫁さんが来てくれたと思っていたのに」
お義母さんのショックを思うと、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
「すみません。本当にごめんなさい」
「これ以上、一秒だって同じ部屋になんかいたくないわ!」
顔をそむけたままバッグをつかむと急ぎ足でマンションを出て行った。
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