いつだって見られている

なごみ

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悪夢

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冬が来る前に母はいつもニシン漬けを漬ける。


乱切りした干し大根やキャベツなどを身欠きニシンと合わせ、塩と麹で漬け込む北海道ならではのお漬物だ。


物置で大きな樽に漬け込んだ母の背中が曲がっていた。


「清美、そこの漬物石を乗っけて」


母にそう言われ、漬物石を持ち上げて押しぶたの上に乗せる。


なにげなく目に止めた母の首に、赤黒い手の跡がくっきりと残されていた。


「う、うわ~~っ!!」


目が覚め、かばっと跳ね起きた。


心臓がバクバクと音を立てている。


隣では夫の貴之が軽くいびきをかいて寝ていた。


時計を見ると、まだ夜中の2時過ぎだ。


母の介護で夜間起きる癖がついているためか、必ず何度か目がさめる。


それでも以前なら、オムツを交換した後はそのまますぐに寝付くことができた。


最近は一度目がさめると、考え込むことが多すぎて、寝付くことができない。


母がいなくなっても、睡眠不足は解消されないのだった。


この先、どうやって生きていけばいいのだろう。





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