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いがみ合い
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*美穂*
運動神経の鈍いわたしだけれど、本免のほうも運よくスンナリと合格できた。
なので、教習所通いは今日でおしまいという事になる。
島村さんが合格のお祝いをしたいというので、遠慮なくご馳走になることにした。
わたしよりかなり後に入った島村さんも、来週本免だと言うので、その時にお祝いをしてあげればいい。
教習所からさほど遠くないイタリアンのお店。
二階への階段を上り店内に入ると、天井が高く、明るくて開放的なお店。ブラウンとモスグリーンのシルプルな内装も、落ち着いてくつろぎやすい空間を醸し出している。温かみがあってとても家庭的な感じだ。
わたしにとっては洗練されたお洒落な高級レストランより、そこそこ美味しければ、こんな庶民的なお店のほうが安心できて嬉しい。
潤一さんはなんでも一流を求める人だから、綺麗な夜景の観られるホテルの最上階などに行くことが多い。
吹き抜けの天井から大きなシャンデリアが吊るさているゴージャスなお店や、白と黒で統一されたシックでモダンなレストランだったり。
慣れてないわたしは場違いな気がして、緊張のあまり、せっかくのお料理を味わう余裕がなかった。
そう、…貧乏臭いわたしには似合わないのだ。
それはそれで、とても良い経験をさせてもらっているとは思うけれど。
メニューを見ながらナポリタンか和風スパで悩み、島村さんがナポリタンを選んだので、わたしは和風スパをオーダーした。
「仮免も本免も一発合格なんて凄いね。美穂さん、運動神経がいいじゃないですか」
ウエイトレスが置いていったお水を一口飲んで、島村さんが微笑んだ。
「たまたま運がよかったんです。でも、一回目で合格できて安心しました。わたしプレッシャーに弱いので」
「そうかな? 意外と本番に強いのかもしれませんよ。美穂さんはなんでも自分を卑下するクセがあるけど、僕はとても才能が豊かな人だと思う」
島村さんが言うと、お世辞じゃないように聞こえるから不思議だ。
島村さんと二人で他愛もない話をしながら過ごす、ゆっくりと流れる時間に平安を感じる。
「島村さんはわたしのことを買いかぶり過ぎですよ」
「そんなことないです。美穂さんは本当に聡明な人だと思う。色々なことに挑戦して欲しいな。きっと何をさせても上手ですよ。地頭がいいんです。話していればわかります」
「あ、、ありがとう。わたしのことをそんなに褒めてくれる人って島村さんだけです……」
ーー頭などいいわけがない。
もっと賢かったら、あんな過去を持つ自分ではなかったはずだ。
わたしにどんな才能があるのか見当もつかないけれど、島村さんは本当のわたしを知らない。
オーダーした食事が運ばれてきて、島村さんがナポリタンに粉チーズを振りかけた。
わたしの和風スパは細麺でお醤油の香ばしい香りが漂っていた。具にはキノコがたくさん入っていて、上に刻み海苔と大葉が乗せられている。
高級食材など使ってなくても、お醤油とバターで、こんなに美味しい味に仕上げられるのね。
ウニやキャビアなんかを使ったお料理はマネできないけれど、これならわたしにでも作れそう。
「このスパゲティ、すごく美味しい」
「それは良かった。こ、今度バイト代が入ったら、、レストランでディナーなんかはどうかな? いつもチープ過ぎて申し訳なくて……」
島村さんが遠慮がちながらも、熱っぽい視線でわたしを見つめた。
「あ、、次はわたしが奢りますよ。島村さんの本免の合格祝いをしないといけないでしょう?」
ディナーなどの誘いに乗ったら、もう引き返せなくなりそう。
「そうですよね。彼氏がいるんだからディナーなんか無理に決まってますよね……。だけど、困ったな。本免落っこちたらマジでカッコ悪いな。ハハッ」
わたしの胸の内を悟ったのかシュンとして見えた島村さんは、誤魔化すかのようにおどけて笑った。
「…落っこちてもお食事しましょう。島村さんは何が食べたいですか?」
「美穂さんの手料理。なーんてね、嘘ですよ。なんでもいいです。美穂さんとお食事ができるなら」
なんとなく空気が重くなってしまい、しばらくの間、無言のまま食事をした。
「あ、そうだ。LINEの登録させてもらってもいいですか? だってもう教習所には来ないでしょう?」
「あ、、そうですね。じゃあ」
スマホをバッグから取り出してQRコードを表示した。
「ありがとう。これで少し安心だな。美穂さんが本免合格したらおしまいになってしまうのかなって、ちょっと心配だったから」
「……島村さんにたくさんご馳走になってしまって。本を買ったりしないといけない学生さんなのにごめんなさい」
なんて答えていいのか分からず、話題を変えた。
「いえ、楽しいことがあると集中力が上がりますから。やる気も湧いてくるし」
島村さんは別にわたしを買いかぶっているわけではない。彼は普通の女の子と恋愛が出来ればそれで十分満足なのだと思う。
ただ、わたしがあまりにも酷すぎるだけ。
本当のわたしを知ったら、島村さんだって……。
決して言えない暗い過去。
島村さんのような純粋な人には絶対に聞かせられない。
「…美穂さん? どうかした? なにかあった?」
「あ、ううん、、昨日は緊張してあまり眠れなかったの。本免で落ちるような気がして、」
「ハハハッ、そうだったんだ。じゃあ、今日は安心してぐっすり眠れるね」
「え、ええ、、本当によかった…」
島村さんの本免の日に、また会う約束をして教習所の前で別れた。
送迎バスに乗り込み、これから島村さんとどう付き合うべきかを考えた。
潤一さんはわたしの過去をある程度知った上で付き合いを継続してくれている。
結婚の対象にはされていなくても十分ありがたいような気もした。
わたしの過去を知ったら、どんな男性だってみんな逃げ出すに違いないのだから。
島村さんとは綺麗な想い出のままでお別れするのが一番いい。
スーパーで買い物をしてからマンションに帰ると、もう午後三時になろうとしていた。
「…ただいま」
茉理さんがテレビを見ながら洗濯物をたたんでいた。
「あっ、美穂さん、おかえり~~!!」
いつでもテンションの高い茉理さんは、ニコニコ笑いながら返事をくれたけれど、わざとか? わたしの真っ赤なランジェリーをつかんだ手を上げてヒラヒラさせた。
「ま、茉理さん! 洗濯物はわたしが畳むからいいと前にも言っておきましたよね?」
茉理さんからランジェリーを引ったくり、非難めいた目で見つめた。
「だって茉理が他に出来るお手伝いってないじゃない。先生からは少しは家事を手伝えって言われているし」
茉理さんもかなり気を悪くしたのか上目遣いでわたしを睨みつけた。
「じゃあ、お部屋のお掃除でもしていてください! 気がついたところだけでいいですから」
派手な下着を見られたことが恥ずかしくて、トゲトゲしい言い方しかできなかった。
「茉理だってこれでも気を遣ってるのよ。居候、居候って言われてさ、邪魔者扱いされてメッチャ居心地悪いんだから」
それくらいのことは覚悟の上での同居じゃないのか?
居候なら居心地が悪くて当たり前じゃない、と言いたくなる。
やはり茉理さんにはライバル意識でも働くのか、優しい気持ちは湧いてこないのだった。
「美穂さんって優しいのか冷たいのかよくわかんない人だよね。茉理、美穂さんみたいなお姉さんが欲しいって思ってたけど、全然違った」
心底がっかりしたように言われ、優しさだけが唯一の取り柄と思っていたわたしは、その言葉にひどく傷つき、神経を揺さぶられた。
「清純で大人しい人なのかと思えば、真っ赤なランジェリーなんかで男の人を悩殺しちゃってさ、ホントに意外! 美穂さんって色々な顔を持ってるんだね。もしかして多重人格とか?」
見すかすようにわたしを見つめる茉理さんの視線に脅える。
「多重人格なんかじゃありません! とにかくお手伝いはしなくていいです。干渉されるの好きじゃないので、わたしのことは放っておいてください!」
高校生相手にムキになっている自分が情けなくもあったけれど、負けるわけにもいかなかった。
「確かにね。美穂さんは家事代行サービスなんだから、茉理に仕事取られちゃ困るよね。だけど最近の代行サービスって凄いのね。夜のサービスまでしちゃうんだから。茉理には絶対に無理~~」
茉理さんは大袈裟に首をすくめると、侮蔑的な薄笑いを浮かべた。
「勝手な想像で決めつけないで! わたしと潤一さんの関係を知りもしないのに」
わたしを売春婦のように言った茉理さんを、許すことが出来なかった。
「えーっ、じゃあ、代行サービスはタダなんですか? お金は貰ってないの?」
「そ、それは………」
とっさに嘘は思いつかなくて、口をつぐんだ。
「ほら、やっぱり貰ってるんでしょう? そんなの愛じゃないから。お金で繋がってる関係なんてさ」
「違いますっ!」
なんて説明していいのか分からないけど違う。
わたしと潤一さんは、お金で繋がってる関係なんかじゃない!!
落ち着いて平然と話す高校生の茉理さんに、わたしはすっかり取り乱していた。
「あ、そういえば茉理、前に先生から聞いてた。セックス付きの家事代行サービスの女を雇ってるから、俺のところには泊められないって。だから茉理、あの鬼ババのところへ連れていかれたの」
「………… 」
ーーセックス付きの家事代行サービスの女。
もう、なにも言い返すことは出来なかった。
買ってきたスーパーの食材を冷蔵庫にしまうことも忘れて、キッチンにうずくまった。
もう、、もう、無理………
運動神経の鈍いわたしだけれど、本免のほうも運よくスンナリと合格できた。
なので、教習所通いは今日でおしまいという事になる。
島村さんが合格のお祝いをしたいというので、遠慮なくご馳走になることにした。
わたしよりかなり後に入った島村さんも、来週本免だと言うので、その時にお祝いをしてあげればいい。
教習所からさほど遠くないイタリアンのお店。
二階への階段を上り店内に入ると、天井が高く、明るくて開放的なお店。ブラウンとモスグリーンのシルプルな内装も、落ち着いてくつろぎやすい空間を醸し出している。温かみがあってとても家庭的な感じだ。
わたしにとっては洗練されたお洒落な高級レストランより、そこそこ美味しければ、こんな庶民的なお店のほうが安心できて嬉しい。
潤一さんはなんでも一流を求める人だから、綺麗な夜景の観られるホテルの最上階などに行くことが多い。
吹き抜けの天井から大きなシャンデリアが吊るさているゴージャスなお店や、白と黒で統一されたシックでモダンなレストランだったり。
慣れてないわたしは場違いな気がして、緊張のあまり、せっかくのお料理を味わう余裕がなかった。
そう、…貧乏臭いわたしには似合わないのだ。
それはそれで、とても良い経験をさせてもらっているとは思うけれど。
メニューを見ながらナポリタンか和風スパで悩み、島村さんがナポリタンを選んだので、わたしは和風スパをオーダーした。
「仮免も本免も一発合格なんて凄いね。美穂さん、運動神経がいいじゃないですか」
ウエイトレスが置いていったお水を一口飲んで、島村さんが微笑んだ。
「たまたま運がよかったんです。でも、一回目で合格できて安心しました。わたしプレッシャーに弱いので」
「そうかな? 意外と本番に強いのかもしれませんよ。美穂さんはなんでも自分を卑下するクセがあるけど、僕はとても才能が豊かな人だと思う」
島村さんが言うと、お世辞じゃないように聞こえるから不思議だ。
島村さんと二人で他愛もない話をしながら過ごす、ゆっくりと流れる時間に平安を感じる。
「島村さんはわたしのことを買いかぶり過ぎですよ」
「そんなことないです。美穂さんは本当に聡明な人だと思う。色々なことに挑戦して欲しいな。きっと何をさせても上手ですよ。地頭がいいんです。話していればわかります」
「あ、、ありがとう。わたしのことをそんなに褒めてくれる人って島村さんだけです……」
ーー頭などいいわけがない。
もっと賢かったら、あんな過去を持つ自分ではなかったはずだ。
わたしにどんな才能があるのか見当もつかないけれど、島村さんは本当のわたしを知らない。
オーダーした食事が運ばれてきて、島村さんがナポリタンに粉チーズを振りかけた。
わたしの和風スパは細麺でお醤油の香ばしい香りが漂っていた。具にはキノコがたくさん入っていて、上に刻み海苔と大葉が乗せられている。
高級食材など使ってなくても、お醤油とバターで、こんなに美味しい味に仕上げられるのね。
ウニやキャビアなんかを使ったお料理はマネできないけれど、これならわたしにでも作れそう。
「このスパゲティ、すごく美味しい」
「それは良かった。こ、今度バイト代が入ったら、、レストランでディナーなんかはどうかな? いつもチープ過ぎて申し訳なくて……」
島村さんが遠慮がちながらも、熱っぽい視線でわたしを見つめた。
「あ、、次はわたしが奢りますよ。島村さんの本免の合格祝いをしないといけないでしょう?」
ディナーなどの誘いに乗ったら、もう引き返せなくなりそう。
「そうですよね。彼氏がいるんだからディナーなんか無理に決まってますよね……。だけど、困ったな。本免落っこちたらマジでカッコ悪いな。ハハッ」
わたしの胸の内を悟ったのかシュンとして見えた島村さんは、誤魔化すかのようにおどけて笑った。
「…落っこちてもお食事しましょう。島村さんは何が食べたいですか?」
「美穂さんの手料理。なーんてね、嘘ですよ。なんでもいいです。美穂さんとお食事ができるなら」
なんとなく空気が重くなってしまい、しばらくの間、無言のまま食事をした。
「あ、そうだ。LINEの登録させてもらってもいいですか? だってもう教習所には来ないでしょう?」
「あ、、そうですね。じゃあ」
スマホをバッグから取り出してQRコードを表示した。
「ありがとう。これで少し安心だな。美穂さんが本免合格したらおしまいになってしまうのかなって、ちょっと心配だったから」
「……島村さんにたくさんご馳走になってしまって。本を買ったりしないといけない学生さんなのにごめんなさい」
なんて答えていいのか分からず、話題を変えた。
「いえ、楽しいことがあると集中力が上がりますから。やる気も湧いてくるし」
島村さんは別にわたしを買いかぶっているわけではない。彼は普通の女の子と恋愛が出来ればそれで十分満足なのだと思う。
ただ、わたしがあまりにも酷すぎるだけ。
本当のわたしを知ったら、島村さんだって……。
決して言えない暗い過去。
島村さんのような純粋な人には絶対に聞かせられない。
「…美穂さん? どうかした? なにかあった?」
「あ、ううん、、昨日は緊張してあまり眠れなかったの。本免で落ちるような気がして、」
「ハハハッ、そうだったんだ。じゃあ、今日は安心してぐっすり眠れるね」
「え、ええ、、本当によかった…」
島村さんの本免の日に、また会う約束をして教習所の前で別れた。
送迎バスに乗り込み、これから島村さんとどう付き合うべきかを考えた。
潤一さんはわたしの過去をある程度知った上で付き合いを継続してくれている。
結婚の対象にはされていなくても十分ありがたいような気もした。
わたしの過去を知ったら、どんな男性だってみんな逃げ出すに違いないのだから。
島村さんとは綺麗な想い出のままでお別れするのが一番いい。
スーパーで買い物をしてからマンションに帰ると、もう午後三時になろうとしていた。
「…ただいま」
茉理さんがテレビを見ながら洗濯物をたたんでいた。
「あっ、美穂さん、おかえり~~!!」
いつでもテンションの高い茉理さんは、ニコニコ笑いながら返事をくれたけれど、わざとか? わたしの真っ赤なランジェリーをつかんだ手を上げてヒラヒラさせた。
「ま、茉理さん! 洗濯物はわたしが畳むからいいと前にも言っておきましたよね?」
茉理さんからランジェリーを引ったくり、非難めいた目で見つめた。
「だって茉理が他に出来るお手伝いってないじゃない。先生からは少しは家事を手伝えって言われているし」
茉理さんもかなり気を悪くしたのか上目遣いでわたしを睨みつけた。
「じゃあ、お部屋のお掃除でもしていてください! 気がついたところだけでいいですから」
派手な下着を見られたことが恥ずかしくて、トゲトゲしい言い方しかできなかった。
「茉理だってこれでも気を遣ってるのよ。居候、居候って言われてさ、邪魔者扱いされてメッチャ居心地悪いんだから」
それくらいのことは覚悟の上での同居じゃないのか?
居候なら居心地が悪くて当たり前じゃない、と言いたくなる。
やはり茉理さんにはライバル意識でも働くのか、優しい気持ちは湧いてこないのだった。
「美穂さんって優しいのか冷たいのかよくわかんない人だよね。茉理、美穂さんみたいなお姉さんが欲しいって思ってたけど、全然違った」
心底がっかりしたように言われ、優しさだけが唯一の取り柄と思っていたわたしは、その言葉にひどく傷つき、神経を揺さぶられた。
「清純で大人しい人なのかと思えば、真っ赤なランジェリーなんかで男の人を悩殺しちゃってさ、ホントに意外! 美穂さんって色々な顔を持ってるんだね。もしかして多重人格とか?」
見すかすようにわたしを見つめる茉理さんの視線に脅える。
「多重人格なんかじゃありません! とにかくお手伝いはしなくていいです。干渉されるの好きじゃないので、わたしのことは放っておいてください!」
高校生相手にムキになっている自分が情けなくもあったけれど、負けるわけにもいかなかった。
「確かにね。美穂さんは家事代行サービスなんだから、茉理に仕事取られちゃ困るよね。だけど最近の代行サービスって凄いのね。夜のサービスまでしちゃうんだから。茉理には絶対に無理~~」
茉理さんは大袈裟に首をすくめると、侮蔑的な薄笑いを浮かべた。
「勝手な想像で決めつけないで! わたしと潤一さんの関係を知りもしないのに」
わたしを売春婦のように言った茉理さんを、許すことが出来なかった。
「えーっ、じゃあ、代行サービスはタダなんですか? お金は貰ってないの?」
「そ、それは………」
とっさに嘘は思いつかなくて、口をつぐんだ。
「ほら、やっぱり貰ってるんでしょう? そんなの愛じゃないから。お金で繋がってる関係なんてさ」
「違いますっ!」
なんて説明していいのか分からないけど違う。
わたしと潤一さんは、お金で繋がってる関係なんかじゃない!!
落ち着いて平然と話す高校生の茉理さんに、わたしはすっかり取り乱していた。
「あ、そういえば茉理、前に先生から聞いてた。セックス付きの家事代行サービスの女を雇ってるから、俺のところには泊められないって。だから茉理、あの鬼ババのところへ連れていかれたの」
「………… 」
ーーセックス付きの家事代行サービスの女。
もう、なにも言い返すことは出来なかった。
買ってきたスーパーの食材を冷蔵庫にしまうことも忘れて、キッチンにうずくまった。
もう、、もう、無理………
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