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ミレーヌ1

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 その日の深夜。

 道中で野宿する一行だったが、寝静まった中で一人の男がこっそりとその場を抜け出した。

 レイズである。

 彼は、焚火の前に座っている見張りの目を盗んで、人気のない場所まで来ていた。
 その目的は・・・。


シュシュシュシュシュシュシュシュ!

「はぁ、はぁ、はあ・・・」

 彼は、木に寄りかかって、滾る肉棒を必死に扱いていた。
 日中の休憩時間中に何度も自慰を試みて失敗した彼は、悶々とした気分のまま寝付けずにいたのだ。
 その結果、ついに我慢できずに、こうして再度の自慰を試みていたのである。

 日中は時間が限られていたが、今なら十分な時間がある。

 彼はより興奮を得るために、服を全て脱ぎ捨てた状態で自慰に励んでいた。
 野外で全裸になって自慰をしているという行為に、開放感と背徳感の両方を得るレイズ。

 彼は、これまで淫呪によって受けてきた数々の変態的な性行為を思い出していた。
 それは悶々とする彼の興奮を高めるのには十分なオカズだったが・・・それでも射精にはあと一歩及ばなかった。

「くそ・・・射精したい・・・ザーメンを・・・浴びたい・・・」

 どんなに肉棒を扱いても、性感帯を刺激しても射精に至れない切なさに、そんなことを呟くレイズ。
 到底他人には聞かせられないような言葉だったが・・・その言葉を間近で聞いていた人間がいたことを、彼は気づかなかったのだ。

「・・・レイズ君、私が射精させてあげようか?」
「!?!?!?!?」

 急に自分に投げかけられた声に、レイズは硬直した。
 しかも、その声は、同じ馬車の中で何度も聞いていた声。

 彼の横には、いつの間にかミレーヌがいたのである。

「み、ミレーヌさん!どうしてここに!?いや、違うんです・・・これは・・・」

 誰もいないと思ってやっていた恥ずかしい自慰行為を見られたレイズは、混乱して言い訳をしようとした。
 しかし、この状況では言い訳などできるはずもなく、続く言葉も見当たらずに、彼は顔を真っ赤にして股間を隠して下を向くことしかできなかった。

 そんな彼に対して、ミレーヌは優しく声をかけたのだった。

「レイズ君、気にしなくていいのよ。君のことが心配で、こっそりついてきたんだけど・・・やっぱりそういうことだったのね」

 そしてミレーヌは、震えるレイズの胸にそっと触れた。

「あっ・・・」
「君は若いんだから、こうなるのは当然よ。馬車の旅が続いて溜っていたのよね?・・・良ければ私が手伝ってあげるわよ」
「み、ミレーヌさん・・・あっ!」

 ミレーヌの提案に戸惑うレイズだったが、その手が乳首に触れた時に、大きな快感にビクリと身体を震わせたのだった。
 その突然の刺激に思わず甘い声を出してしまった彼は、一層顔を羞恥で染めてしまうのだった。

「うふふ、かわいい♡・・・前にも話したけど、私は男相手の男娼なの。男を射精させるのには自信があるのよ。あなたを十分に満足させる自信があるの。勿論、お金は取らないわよ」
「で、でも・・・」

 今のレイズにとっては渡りに船だったが、それでも彼には抵抗があった。
 淫呪が発動していないのに、同性と交わるべきではない、という誓いを破りたくなかったのだ。

「それとも・・・男の私が相手じゃ、嫌かしら?」
「い、いえ!そんなことはないです!ミレーヌさんは・・その・・・すごく魅力的ですし・・・」
「じゃあ問題ないわね」
「あぁ!ミレーヌさん!あぁぅぅ!」

 レイズの返答を受けたミレーヌは、にっこりとほほ笑むと、やや強引に彼の身体を指で刺激した。
 爪先で乳首を小刻みに掻いたり、割れた腹筋の筋に指の腹を這わせたりしたのである。

 戸惑うレイズは、その刺激を受けて更に嬌声を上げてしまうのだった。
 淫呪の影響がない今は、ミレーヌを跳ねのけることもできたのだが・・・肥大化した性欲に支配された彼は、ただただ他者から与えられる快感に酔いしれて受け身になってしまっていた。

「はぁはぁ・・・あっ!・・・んっ!」
「うふふふ・・・可愛い♡」

 そんなレイズの様子を肯定の意思と認識したミレーヌは、淫靡な笑みを浮かべながら、艶やかな唇を舌でペロリと舐めたのだった。
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