【BL-R18】おバカ淫魔♂vs新人退魔師♂~ビーチの岩場で淫魔♂に負けて快楽調教されちゃいました~

ぬお

文字の大きさ
上 下
7 / 13

名前

しおりを挟む


 ごく普通の町。その町に、魂を悪魔に捧げた者がいると聞き、町は混乱に陥ったが、その者を町の者の手で裁くことで団結した。

 そして、月が昇って日付が変わった時、町の人は誰が悪魔に魂を売った者なのか思い出した。



「あの子だ。」

 金髪に青い瞳、笑顔が可愛らしいと評判だったスノー。しかし、その評判は作られたものだったのだ。



「俺たちが、あの罪人の娘を好きなはずがない。今まで、なぜあれを好きだったのか・・・答えは簡単だ。」

 悪魔に魂を捧げたのは、スノー。それが町の決断で、すぐに町は動いた。男衆を集めて、町のはずれの小屋に向かう。



「こんな不気味な場所に住むやつを、今まで何の疑いもなく接していたとは。」

「それが悪魔の力だろう。」

「だが、気づかなかった罪が問われる。教会に知られる前に・・・いや、神父が来たということはもう知られているのか。」

「しかし、神父様は言っていた。この町のものの手で終わらせろと。なら、今からでも遅くはない。」

 ぎらついた目で、男衆はスノーの家の扉を睨みつけた。そこからは何も言わず、一人の男が、工具を使って扉をこじ開ける。



 むわっと異臭が外に漏れだして、男たちは顔をしかめた。



「さすが、悪魔・・・いや、魔女の小屋と言ったところか。」

「ものすごい匂いだ。この匂いは・・・」

 ランプを持った男が、口を押えて先に進む。すると、声にならない声を上げた。



「これはっ・・・!?」

「どうした?なっ・・・」

 男たちは、目の前に広がる光景を目にして、吐き気がした。その光景は、自分たちがなそうとしたことと変わらないというのに。



 床に散らばる金髪、見開かれてむき出しになっている青い瞳。白い肌は、もう血の気など通っていない、青白く、その胸に赤い血が広がっていた。

 それは、明らかに死んでいるスノーだ。



「あぁ、スノー・・・もう終わりだよ。」

 スノーの死体の横で、心底残念そうに少年がつぶやく。

 あまりの異様な光景に、頭に血が上っていた男衆も顔を青白くさせた。



「今、追いかけるよ。もっと、君を楽しみたかったけど。」

 少年は握りしめていたナイフを持ち上げて、自分の胸に刃を向けた。



「何を・・・」

「やめるんだ!フォグ!」

 少年の背後で、青白く光る青年が叫んだ。その青年に今更気づいた男衆は、声も出せずにその光景を見守った。



「スノー、愛しているよ。」

「フォグっ!」

 青年の言葉など聞こえていないようで、少年は青年を振り返ることもなく、ナイフで自身の胸を貫いた。



 それは、呪われたナイフ。少年の力でも、骨をたやすく突き破り、心臓までその刃を届かせた。絵に装飾されたどくろが、にたりと笑うのを、男衆は見てしまった。







 男衆が気付いた時には、青年は姿を消していた。

 そして、念のために確認した2つの体は、完全に死体だった。



 町は、少年を英雄としてまつり、スノーを魔女としてさらすことにした。そうしなければ、罪に問われると思ったのだ。



 丁重に葬られた少年と野ざらしにされ、見るも無残な姿となったスノーは、当然離れ離れとなり、共に墓に入ることはなかった。



 それを、遠く見守っていた神父は、踵を返して笑った。



「ケタケタケタ!最高だな。最高だ。これからも楽しませてくれよ、かわいいおもちゃたち。」

 新たな契約を果たした神父の姿をした悪魔は、そう上機嫌に笑って消えた。







 悪魔と契約した魂は、悪魔に食われて輪廻の輪を外れる。しかし、2人の魂は別の世界へと転生し、命を繰り返すことになる。



 これは、2人の呪われたゲームの序章だった。





しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

魔王に飼われる勇者

たみしげ
BL
BLすけべ小説です。 敵の屋敷に攻め込んだ勇者が逆に捕まって淫紋を刻まれて飼われる話です。

飼われる側って案外良いらしい。

なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。 なんでも、向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。 「まあ何も変わらない、はず…」 ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。 ほんとに。ほんとうに。 紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22) ブラック企業で働く最下層の男。悪くない顔立ちをしているが、不摂生で見る影もない。 変化を嫌い、現状維持を好む。 タルア=ミース(347) 職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。 最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…?

ヤバい薬、飲んじゃいました。

はちのす
BL
変な薬を飲んだら、皆が俺に惚れてしまった?!迫る無数の手を回避しながら元に戻るまで奮闘する話********イケメン(複数)×平凡※性描写は予告なく入ります。 作者の頭がおかしい短編です。IQを2にしてお読み下さい。 ※色々すっ飛ばしてイチャイチャさせたかったが為の産物です。

美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜

飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。 でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。 しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。 秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。 美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。 秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?

名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。 そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________ ※ ・非王道気味 ・固定カプ予定は無い ・悲しい過去🐜のたまにシリアス ・話の流れが遅い

被虐趣味のオメガはドSなアルファ様にいじめられたい。

かとらり。
BL
 セシリオ・ド・ジューンはこの国で一番尊いとされる公爵家の末っ子だ。  オメガなのもあり、蝶よ花よと育てられ、何不自由なく育ったセシリオには悩みがあった。  それは……重度の被虐趣味だ。  虐げられたい、手ひどく抱かれたい…そう思うのに、自分の身分が高いのといつのまにかついてしまった高潔なイメージのせいで、被虐心を満たすことができない。  だれか、だれか僕を虐げてくれるドSはいないの…?  そう悩んでいたある日、セシリオは学舎の隅で見つけてしまった。  ご主人様と呼ぶべき、最高のドSを…

事故物件で暮らしてみた

ぽいぽい
BL
お金がない佐伯裕太(20)が選んだ部屋は事故物件だった。

年下くんに堕とされて。

bara
BL
イケメン後輩に堕とされるお話。 3話で本編完結です

処理中です...