桜花創生学園虚実戦争

にゃら

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その2

嫉妬・・・

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 殺された後教室に向かう俺は考え事をしていた。どう大輔に復讐するかだ。嘘を吐かせたら1番良いのだろうけれども。あいつはああ見えて嘘を吐く事自体少ない。おまけに頭がキレる。下手な手を打てば逆にこっちが殺される。流石トップ10の人間だ。このまま卒業すれば間違いなくエリート街道に進むだろう。だからだ。だから余計にムカつくし殺したくなる。何か弱点になる物でもあれば良いのだけども。
「俺たちDクラスはEクラスに戦争を申し込む!」
 そんな事を考えながら教室に入るや否Dクラスの人が入って来て一方的に宣言をしていく。
「理由は?」
「福山光だ!」
「え?俺!?」
「会長といちゃつきまくってこの手で殺さないと気が済まないんだ!!」
 なんで会長って人気あるのか不思議だ。確かに綺麗な人だけどドSなのに…。
「明日の放課後で構わないか?」
「大丈夫だ」
 そう言って教室から出て行く。
「大輔、なんで時間空けたの?」
「あれだ」
 そう言ってクラスを見渡す。
「あいつが死ぬならいいか」
「やる気起きねえな」
「さっさと死んでくれ」
「むしろ退学で」
「いや、いっそのことこの世界から消えてくれ」
「変態だしな」
 うっ!これは辛い状況だ。
「俺は負けるのは嫌いだ。だがこの状況だと確実に負ける」
 確かに。誰も助けてくれないだろ。
「だからお前には重要な役割を果たしてもらう」
「役割?」
「今日没収された品を取り戻せ。そしてそれを戦利品にする」
 なるほど。そうすれば皆の元に戻ってくるという気持ちが出来て俺を守ってくれる。
「で?俺の出番って?」
「その約束を会長に取り付けろ」
 なるほどね。確かにそれは俺にしか出来ない事だ。
「りょーかい」
「忘れるなよ。自分の命がかかっている事を」
「肝に銘じとくよ」
 さて。
『会長。今どこに居ますか?』
『生徒会室だが』
『話したいことがあるので行って良いですか?』
『構わないぞ』
 よし。
「それじゃ行ってくるよ」
 大輔にそう告げ教室を後にする。


「失礼しまーす」
 生徒会室に入る
「やぁ。朝ぶりだな」
「…なにしてんすか」
 男を吊るして拘束している。
「最近勉強しているのだが、上手くいかなくてな」
 だからって何もこんな場所でしなくても。
「で、いつも通りやられているのは」
「森田だ」
「先輩…そんな目に遭ってるのに嬉しそうですね」
「ご褒美だからな!」
 この先輩もほんと変態だよなぁ。
「会長2人っきりで話したい事が」
「なんだ?告白か?」
「違いますから!」
「そうか…がっかりだ」
 わざとらしく落ち込む表情を見せる。この人はどこまで本気なんだろうか。
「少し待ってくれ」
 そう言いながら縄をほどいていく。
「森田。私が良いというまで帰って来るな」
「仰せのままに」
 そう言って森田先輩は部屋から出て行く。
「さて、話を聞こうか」
「今日没収した品を返してください!」
 勢い良く土下座する。プライドなんてない!命が助かるなら。
「断る」
「そんな!」
「学校に不必要なモノを持ってくるのが悪いからな」
 正論だ…正論だけど。
「それだと会長の縄とか鞭とか蝋燭とかも没収ですよね」
「確かにそうだな…。1つ、いや…2つ条件がある」
「死ぬこと以外なら聞きますよ」
「1つは次の休みデートをしてくれ。2つ目は会長ではなく名前で呼んで欲しい。侑希会長と」
 思っていたのと全く違う条件で少し驚いた。
「それだけでいいんですか?」
「あぁ。構わない」
 助かった。これは助かった。もっと無理難題を言われると思っていた。
「分かりました」
「返すのは今でいいのか?」
「いえ。明日の戦争に勝ったらで」
「負けた場合はどうする?」
「最初から負けを思って戦うなんて考えないですよ」
「それもそうだな」
「負けた時はそのまま没収で構いません」
「分かった。負けても約束は果たしてもらうぞ」
「はい。侑希会長」
 名前で呼ぶのには慣れているけど会長、年上の人を名前で呼ぶとちょっとドキドキしてしまう。
「戦争頑張ってくれ」
「ありがとうございます」
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