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知恵比べ
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桜花創生学園校則⑦月に1度学生同士でテストと言う名の戦争を行う。
この学校は1クラス20人の5クラス1学年100名いるわけだが全員が国務に就けるわけではなく毎月1回学生同士で学力を競い合いビリの人は退学となる。
「光。今回は大丈夫なの?」
心配そうな顔で唯が話しかけてくる。
「大丈夫。勉強したし」
そう。前回はブービーだったから心配したくなる気持ちも分かる。
「じゃあ当たった時は難しい問題出すね」
全然心配してなかった。
「ははは。お手柔らかに」
「今回は誰が退学かな」
「案外大輔じゃない?」
「なんで俺なんだよ」
「馬鹿だし」
「お前よりましだ」
そんな会話をしながら体育館に向かう。体育館には既に人が集まっていた。
「さてと…ちゃちゃっと終わらせよう」
くじを引く。対戦相手はランダムだ。
「福山君はCの19ですね」
「はーい」
「千原さんはBの2です」
「あらら。光じゃないんだ。残念」
「ははは。そう上手くはいかないよ」
「じゃあまた」
「そうね」
えっとCの19か…あそこだ。対戦相手はまだ来ていないようだ。椅子に座り相手を待つことにする。さて、どんな問題にしようか。一般教養だけでなくなぞなぞでも、問題になっていればなんでも良いというのが問題を出す側に楽しみがある。
「お、光君が相手か」
「あ、理恵。よろしく」
「よろしく」
理恵が席に座る。これは助かった。気が知れている相手なら問題も出す側としても楽だし理恵もそんなに難しい問題を出さないだろう。
「それでは戦争を開始します!」
持ち点は1人10点。1問間違えるとマイナス1点。正解するとプラス1点。嘘を吐くとマイナス10点。持ち点が無くなった時点で戦争は負け。1番最初に持ち点が無くなった人が退学となる。それが月に1回。年間を通して12名が居なくなるわけだ。それが3年間。これだけで36人も退学になる。それと別に今日の岡田君みたいに途中で退学もあるから3年生の最後頃には1クラス残っていたら良いくらいだって入学時に説明を受けた。実際今の3年生は既に2クラス程度しか残っていない。
「じゃあウチからね」
「よしこい!」
「スペインで生まれた芸術家で代表作にゲルニカがありキュビスムの創始者と言えば?」
これは簡単だ。
「ピカソだね」
「フルネームで」
「えっと…パブロピカソ?」
持ち点が減る。
「え!?なんで!?」
「ピカソの正式なフルネームはもっと長いよーだ」
クソ!騙された!
「じゃあ次は俺だね」
「どうぞ」
「イギリスの正式名称は?」
「グレート・ブリテン及び北アイルランド連合王国」
理恵の点数が上がる。
「余裕だねー」
「やっぱ知っていたか」
そんな感じで問題を出し合うこと20分。勝負は佳境に迫っている。
「じゃあウチから10問目」
今の俺の点数が7で理恵が9。なんとしても答えたい。
「光君がベッドの下に隠してるものは?」
な、なんて問題を出すんだ理恵は!
「…くぅ!」
答えないと確実に嘘ということで10点引かれる。だけど…答えたくない…!
「ほら早く答えなよ」
このままだと…戦争に負ける…。時間的に答えなくてもビリにはならないだろうけれどもここはしっかり答えてポイントに繋げたい所でもある。
「…本」
「なんの?」
「エロ本です」
持ち点が上がる。上がったのになんだろうこの悔しさと涙は…。
「あはは。やっぱ光君は面白いね」
「俺は…白石理恵が好きだぁぁぁぁ!!」
急に体育館に響く男の声。あ、どうやら例のイベントが始まったみたいだ。
「だって理恵」
「え、ウ、ウチ!?」
「早く壇上に上がりなよ」
「こういうのあんま慣れてないんだけど」
そう言いながら壇上に上がっていく。
壇上にはさっき叫んだ男。確かB組の横田くんだ。
「ちょっと待ったぁぁぁぁ!!!!」
そう言いながら何人かの男も壇上に上がる。自分の気持ちに嘘を吐いたとされるから上がらなくてはならない決まりだ。
「「「付き合って下さい!!!!!!」」」
「えっと…ごめんなさい」
ペコリと頭を下げ壇上から降りてくる。
「な、なぜだ!」
「こうなったら…弟の徹でも良い!」
「徹出て来い!」
フラれたばかりなのに凄いな…双子の弟に乗り換える素早さがまさに馬鹿だ。
「ぼ、僕行った方が良いのかな?」
「行かなくていいだろ。それよりさっさと帰ろうぜ」
「そうだね」
徹コールが鳴り止まない中俺達は体育館を後にした。テストも終わったしさっさとお昼ご飯にしたい。あ、唯達も誘わないと。
この学校は1クラス20人の5クラス1学年100名いるわけだが全員が国務に就けるわけではなく毎月1回学生同士で学力を競い合いビリの人は退学となる。
「光。今回は大丈夫なの?」
心配そうな顔で唯が話しかけてくる。
「大丈夫。勉強したし」
そう。前回はブービーだったから心配したくなる気持ちも分かる。
「じゃあ当たった時は難しい問題出すね」
全然心配してなかった。
「ははは。お手柔らかに」
「今回は誰が退学かな」
「案外大輔じゃない?」
「なんで俺なんだよ」
「馬鹿だし」
「お前よりましだ」
そんな会話をしながら体育館に向かう。体育館には既に人が集まっていた。
「さてと…ちゃちゃっと終わらせよう」
くじを引く。対戦相手はランダムだ。
「福山君はCの19ですね」
「はーい」
「千原さんはBの2です」
「あらら。光じゃないんだ。残念」
「ははは。そう上手くはいかないよ」
「じゃあまた」
「そうね」
えっとCの19か…あそこだ。対戦相手はまだ来ていないようだ。椅子に座り相手を待つことにする。さて、どんな問題にしようか。一般教養だけでなくなぞなぞでも、問題になっていればなんでも良いというのが問題を出す側に楽しみがある。
「お、光君が相手か」
「あ、理恵。よろしく」
「よろしく」
理恵が席に座る。これは助かった。気が知れている相手なら問題も出す側としても楽だし理恵もそんなに難しい問題を出さないだろう。
「それでは戦争を開始します!」
持ち点は1人10点。1問間違えるとマイナス1点。正解するとプラス1点。嘘を吐くとマイナス10点。持ち点が無くなった時点で戦争は負け。1番最初に持ち点が無くなった人が退学となる。それが月に1回。年間を通して12名が居なくなるわけだ。それが3年間。これだけで36人も退学になる。それと別に今日の岡田君みたいに途中で退学もあるから3年生の最後頃には1クラス残っていたら良いくらいだって入学時に説明を受けた。実際今の3年生は既に2クラス程度しか残っていない。
「じゃあウチからね」
「よしこい!」
「スペインで生まれた芸術家で代表作にゲルニカがありキュビスムの創始者と言えば?」
これは簡単だ。
「ピカソだね」
「フルネームで」
「えっと…パブロピカソ?」
持ち点が減る。
「え!?なんで!?」
「ピカソの正式なフルネームはもっと長いよーだ」
クソ!騙された!
「じゃあ次は俺だね」
「どうぞ」
「イギリスの正式名称は?」
「グレート・ブリテン及び北アイルランド連合王国」
理恵の点数が上がる。
「余裕だねー」
「やっぱ知っていたか」
そんな感じで問題を出し合うこと20分。勝負は佳境に迫っている。
「じゃあウチから10問目」
今の俺の点数が7で理恵が9。なんとしても答えたい。
「光君がベッドの下に隠してるものは?」
な、なんて問題を出すんだ理恵は!
「…くぅ!」
答えないと確実に嘘ということで10点引かれる。だけど…答えたくない…!
「ほら早く答えなよ」
このままだと…戦争に負ける…。時間的に答えなくてもビリにはならないだろうけれどもここはしっかり答えてポイントに繋げたい所でもある。
「…本」
「なんの?」
「エロ本です」
持ち点が上がる。上がったのになんだろうこの悔しさと涙は…。
「あはは。やっぱ光君は面白いね」
「俺は…白石理恵が好きだぁぁぁぁ!!」
急に体育館に響く男の声。あ、どうやら例のイベントが始まったみたいだ。
「だって理恵」
「え、ウ、ウチ!?」
「早く壇上に上がりなよ」
「こういうのあんま慣れてないんだけど」
そう言いながら壇上に上がっていく。
壇上にはさっき叫んだ男。確かB組の横田くんだ。
「ちょっと待ったぁぁぁぁ!!!!」
そう言いながら何人かの男も壇上に上がる。自分の気持ちに嘘を吐いたとされるから上がらなくてはならない決まりだ。
「「「付き合って下さい!!!!!!」」」
「えっと…ごめんなさい」
ペコリと頭を下げ壇上から降りてくる。
「な、なぜだ!」
「こうなったら…弟の徹でも良い!」
「徹出て来い!」
フラれたばかりなのに凄いな…双子の弟に乗り換える素早さがまさに馬鹿だ。
「ぼ、僕行った方が良いのかな?」
「行かなくていいだろ。それよりさっさと帰ろうぜ」
「そうだね」
徹コールが鳴り止まない中俺達は体育館を後にした。テストも終わったしさっさとお昼ご飯にしたい。あ、唯達も誘わないと。
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