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1.草生える
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笑うことを「www」で表し、やがて草のように見えることから「草」という言葉が使われ始め、流石に草、草生える、草不可避、大草原不可避、草通り越して森、山生えるなど、草という文字は笑いの中で様々な形に姿を変えていく。
別にそんな若者言葉に対して否定的な考えは持たない。
だけどその「草」などの植物は光合成で酸素を作り、人間の生活を支えている。
なのになぜ草や植物は人間たちの都合によって刈られたりされてしまうのだろうか。
理由は簡単、「邪魔」だからだ。
そんな草の中でも特に邪魔とされ嫌われているのが「雑草」である。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
きらちゃま 「貯金全然貯まらなすぎてまじ萎える。」
たろう 「貯金か、偉いねー。ニートの俺には関係ない話だなww」
きらちゃま 「お前いい加減仕事しろよwwwめっちゃ今カッコ悪い大人だぞ?」
たろう 「カッコ悪い大人で結構。ていうか暇だから遊ばない?」
きらちゃま 「お前が金稼げるようになるまで遊ばないようにしよっかな。」
たろう 「冗談きついってww俺の友達お前くらいしか遊べるやついないんだから。」
きらちゃま 「まあ一回仕事さがしてみたら?探すだけでもお前の成長だよ。」
たろう 「実際それかもねwwwお前が言うんだったら探してみようかな?」
きらちゃま 「おっ!えらいえらい!!」
たろう 「仕事探すだけで誉められるなんてひょっとして俺ニートかもしんねえ。」
きらちゃま 「正真正銘立派なニートだよw俺が保証してやるww」
きらちゃま 「やべー、もう仕事始まるわ。またな!」
たろう 「おう!またな!」
きらちゃまというのは俺のほぼ唯一の友達であり、某国立大学卒業後、都内の立派なIT会社の営業として働いている。ちなみに本名は河村明だ。
一方の俺は高校卒業後、アニメや漫画に引き込まれてしまい大学進学を捨て、今では一日の九割は実家のベッドの上で生活している立派なニートだ。ちなみに本名は草野太郎だ。
俺ときらちゃまは高校で出会い、今でもこうやって定期的にメールをしている。
さーてきらちゃまに言われた通り仕事探してみるか。
「仕事 高収入」 検索っと。
うーんやっぱり大変そうな仕事ばっかだな。ニートでも出来そうな仕事は収入低いしな。なんかちょうどいい仕事ないのかなー。
そんなことを考えながら画面をスクロールすると、とあるバイトが目に入った。
((うちの屋敷の庭の雑草が多くて困っています。掃除していただけたらお礼として10万円差し上げます))
まじで!!雑草だけで10万円!!しかもこの屋敷すぐ近くにある!!最高かよ!!てか雑草だけで10万円とかこの人どんだけ金持ちなんだよwww
この10万円で10連ガチャ引きまくってやる!
この時の俺はまだ、この甘い考えであんな事になるなんて思ってもいなかった。
屋敷に到着すると立派な門が立っていて、その門をくぐるとボーボーな雑草が出迎えてくれて、少し奥におじいさんが立っていた。
「来てくれてどうもありがとね。どうもわしの力ではこの雑草をどうにもできなくてね。道具はそこに置いてあるからよろしくね。」
このおじいさん俺が道具を持ってない可能性を考えて事前に道具まで用意してくれてたのかな。仕事する側の俺が道具を用意するのが普通だけど。まあ用意してくれて助かったな。
屋敷の広さはそこまで広くはないので用意されていた除草剤を使えば簡単だろうと思った。
除草剤の使い方は知らないけど、なんとなくで大丈夫かな。
俺は除草剤をまんべんなくそこら中にまいた。まあこんなもんでしょ。
にしてもこんなに除草剤って紫色なんだな、、、知らなかった。
ていうか除草剤をまくだけならおじいさんでも出来そうだけど、なんで人に任せたんだろう。
俺の中にそんな疑問が生まれた時、
「「ビュゥゥゥゥゥウ/////!!!」」
急に強い風が吹いた。その風は一瞬だったが、風が吹き終わった後、俺はものすごい苦しさを感じた。
「うわあああああ!苦しい、苦しい!!」
俺はそこで意識を失った。その周りにはたくさんの紫色が散らばっていた。それは………
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
俺が意識を取り戻した時、その周りにはたくさんの緑色が広がっていた。それは、草。
つまり草原だ。そしてニートの俺にはすぐに理解できた。ここは異世界だと………
俺はニートのあのくそつまらない生活から自由になれたと思って最初はすごく嬉しかった。きらちゃまには少し申し訳ないなと思った。
しかしすぐに嫌な予感がした。
ーーーーー”動けない”ーーーーー
動けないということは自分の体ごと異世界に来たわけではないとすぐに分かった。
では何だろう?俺の頭には、まだ体が動かせない赤ちゃんの体に乗り移って動けない、意識のある人間に乗り移って自分では動けない、そんなパターンが浮かんだ。
しかし、人間では不自然な視界だ。それに常にゆらゆら揺れている。まるで風に揺られるかのように。動物じゃ、、ない?
これはもしかして、………いや、さすがにそれはないだろう。だって視界があるわけだし、ビュービュー音も聞こえる、それに自我がある”植物”なんて聞いたこともない。うん。俺は絶対に”植物”なんかじゃない!
恐る恐る下を見た。
草だ。wwwだ。分かりやすい”雑草”だ。
そして俺は叫んだ。心の中で。
「「「俺は絶対に、絶対に”草”な訳がない!!!!!」」」
こうして俺は草、”雑草”に転生したのだった。
別にそんな若者言葉に対して否定的な考えは持たない。
だけどその「草」などの植物は光合成で酸素を作り、人間の生活を支えている。
なのになぜ草や植物は人間たちの都合によって刈られたりされてしまうのだろうか。
理由は簡単、「邪魔」だからだ。
そんな草の中でも特に邪魔とされ嫌われているのが「雑草」である。
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きらちゃま 「貯金全然貯まらなすぎてまじ萎える。」
たろう 「貯金か、偉いねー。ニートの俺には関係ない話だなww」
きらちゃま 「お前いい加減仕事しろよwwwめっちゃ今カッコ悪い大人だぞ?」
たろう 「カッコ悪い大人で結構。ていうか暇だから遊ばない?」
きらちゃま 「お前が金稼げるようになるまで遊ばないようにしよっかな。」
たろう 「冗談きついってww俺の友達お前くらいしか遊べるやついないんだから。」
きらちゃま 「まあ一回仕事さがしてみたら?探すだけでもお前の成長だよ。」
たろう 「実際それかもねwwwお前が言うんだったら探してみようかな?」
きらちゃま 「おっ!えらいえらい!!」
たろう 「仕事探すだけで誉められるなんてひょっとして俺ニートかもしんねえ。」
きらちゃま 「正真正銘立派なニートだよw俺が保証してやるww」
きらちゃま 「やべー、もう仕事始まるわ。またな!」
たろう 「おう!またな!」
きらちゃまというのは俺のほぼ唯一の友達であり、某国立大学卒業後、都内の立派なIT会社の営業として働いている。ちなみに本名は河村明だ。
一方の俺は高校卒業後、アニメや漫画に引き込まれてしまい大学進学を捨て、今では一日の九割は実家のベッドの上で生活している立派なニートだ。ちなみに本名は草野太郎だ。
俺ときらちゃまは高校で出会い、今でもこうやって定期的にメールをしている。
さーてきらちゃまに言われた通り仕事探してみるか。
「仕事 高収入」 検索っと。
うーんやっぱり大変そうな仕事ばっかだな。ニートでも出来そうな仕事は収入低いしな。なんかちょうどいい仕事ないのかなー。
そんなことを考えながら画面をスクロールすると、とあるバイトが目に入った。
((うちの屋敷の庭の雑草が多くて困っています。掃除していただけたらお礼として10万円差し上げます))
まじで!!雑草だけで10万円!!しかもこの屋敷すぐ近くにある!!最高かよ!!てか雑草だけで10万円とかこの人どんだけ金持ちなんだよwww
この10万円で10連ガチャ引きまくってやる!
この時の俺はまだ、この甘い考えであんな事になるなんて思ってもいなかった。
屋敷に到着すると立派な門が立っていて、その門をくぐるとボーボーな雑草が出迎えてくれて、少し奥におじいさんが立っていた。
「来てくれてどうもありがとね。どうもわしの力ではこの雑草をどうにもできなくてね。道具はそこに置いてあるからよろしくね。」
このおじいさん俺が道具を持ってない可能性を考えて事前に道具まで用意してくれてたのかな。仕事する側の俺が道具を用意するのが普通だけど。まあ用意してくれて助かったな。
屋敷の広さはそこまで広くはないので用意されていた除草剤を使えば簡単だろうと思った。
除草剤の使い方は知らないけど、なんとなくで大丈夫かな。
俺は除草剤をまんべんなくそこら中にまいた。まあこんなもんでしょ。
にしてもこんなに除草剤って紫色なんだな、、、知らなかった。
ていうか除草剤をまくだけならおじいさんでも出来そうだけど、なんで人に任せたんだろう。
俺の中にそんな疑問が生まれた時、
「「ビュゥゥゥゥゥウ/////!!!」」
急に強い風が吹いた。その風は一瞬だったが、風が吹き終わった後、俺はものすごい苦しさを感じた。
「うわあああああ!苦しい、苦しい!!」
俺はそこで意識を失った。その周りにはたくさんの紫色が散らばっていた。それは………
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俺が意識を取り戻した時、その周りにはたくさんの緑色が広がっていた。それは、草。
つまり草原だ。そしてニートの俺にはすぐに理解できた。ここは異世界だと………
俺はニートのあのくそつまらない生活から自由になれたと思って最初はすごく嬉しかった。きらちゃまには少し申し訳ないなと思った。
しかしすぐに嫌な予感がした。
ーーーーー”動けない”ーーーーー
動けないということは自分の体ごと異世界に来たわけではないとすぐに分かった。
では何だろう?俺の頭には、まだ体が動かせない赤ちゃんの体に乗り移って動けない、意識のある人間に乗り移って自分では動けない、そんなパターンが浮かんだ。
しかし、人間では不自然な視界だ。それに常にゆらゆら揺れている。まるで風に揺られるかのように。動物じゃ、、ない?
これはもしかして、………いや、さすがにそれはないだろう。だって視界があるわけだし、ビュービュー音も聞こえる、それに自我がある”植物”なんて聞いたこともない。うん。俺は絶対に”植物”なんかじゃない!
恐る恐る下を見た。
草だ。wwwだ。分かりやすい”雑草”だ。
そして俺は叫んだ。心の中で。
「「「俺は絶対に、絶対に”草”な訳がない!!!!!」」」
こうして俺は草、”雑草”に転生したのだった。
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