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第2章

27皇后様ご立腹

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婚約者になってから今までのストレスが一気に襲ってきたわ。


頭を抱える陛下。目を逸らしてはいけませんよ。若かりし頃のあなたと同じ思考ではありませんか?


「エド!あなたはなんてことを!!」

怒りで顔を真っ赤にさせ、目には涙が浮かんでいる。こんなに怒るなんて…


「2代続けて、男爵令嬢が皇后ですって?国が終わるではないの。」


自虐…。



「でも、母上たちだって!!」


「小さなころから教育を受けているわけではない令嬢が皇后になるって大変なことなの。言っていなかったけど、いつだって馬鹿にされている空気を感じるし、結局できないことも多くって陛下がその分激務なの。外交は、言葉を理解できないからアイリーンが助けてくれなかったらうまくできないし。…ねえ、あなた、その男爵令嬢を支えてあげられるくらい優秀だったかしら、いえ、その男爵令嬢は、あなたを支えられるほど優秀なのかしら?そこの男爵令嬢が優秀ではないとしたら、そして本当に大事なら、手放しなさい!!」

「ああ、あなたには、苦労してほしくなかったのに…」

とうとう泣き出してしまった。


「家臣とて、支えてくれるはずで…そうだ、母上も一度クレアをお話しくだされば、きっとよさが…」

「よさの問題ではないのよ!国問題よ!それに、私は、アイリーンがいいの!!娘はアイリーンって…楽しみにしていたのに…。」

‥‥‥。

「エドガール…。お前は、光の部分しか見ていない。いや、知らない。私には、隣国に婚約者がいた。しかし、解消をしたため、多額の慰謝料、隣国との貿易停止を要求され、国が傾きかけたのだ。その時、尽力してくれたのはアイリーンの父、ノヴァック侯爵だ。このような愚かなことを起こす前に、お前に伝えるべきだった。罪はともに償おう。」


陛下も皇后様もこんな大勢の人の前で…


「…そんな…いやでも、罪なんて。…アイリーンは、クレアを虐げて…罪があるとしたら、アイリーンだ」

「もう、黙れ!エドガール。このことは場を改める。すまなかったフェリクス殿下、歓迎パーティなのにこのようなことに。」


肩をすくめ、悲し気に微笑むフェリクス様


「皆も申し訳なかった。いったんこの場は解散しよう。また別に償いの場を設けよう。気を付けて帰ってくれ。」



「では、関係者は、皆、別室へ。ああ、誰かノヴァック侯爵へ使いを出してくれないか?」


********************


絶対零度の空気をまとったお父様とお母様がやってきた。まだ隣国行く前でよかった…のか、悪かったのか


「やってくれたな。テオ、しっかりじっくり話し合おうではないか。」



今日の一日は長そうね。

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