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第2章

25攻略対象者5

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「そうだ、実は今度、隣国の王子が留学で来ることが決まってね。生徒会役員にお世話を頼みに来たんだよ。」


攻略対象者5ね。きっと。


「じゃあ、そういうことだから。」

軽い感じで大きな爆弾を置き、先生は出て行った…。お世話かあまり関わりたくはないのだが…。


「1年生ということですから、えーと、私たちですわよね。」

オレリア様が、おずおずと言いだした。


「まあ、身分的には、アイリーン嬢でいいん、じゃ、…ない?」

一斉にみんなに睨まれ、え?嘘?今のも駄目だったのと言う顔でおびえるブリス様。まだ口にしていないカヌレを急いで確保しましたわね。


「しょうがないですわよね。一応、エドガール様の婚約者ですし。学院もそうですが、歓迎のパーティーの手配もきっと私ですわね。いつ頃いらっしゃるのか聞くとよかったわ。まあ、明日皇后さまにお会いするので、その時聞きますわ。」


「アイリーン嬢…。パーティの警備は私から各方面に伝えておくよ。あとは、何か手伝えそうかな?」

ノエル様がお優しい!!


「私と、ブリス様は学院での手続きやカリキュラムの調整を行いますわ。あとは、えーと…。とにかく何でも言ってください。」

嬉しい!!流石、友。ブリス様…予想外だったのかカヌレをのどに詰まらせて咳込んでいるところは見なかったことにして差し上げますわ。

すごい、次々と私はこれを、じゃあ私はこちらをとどんどん仕事が分担されていく。さすが優秀な生徒会役員、さすが主席のお兄様、さすが私の推しノエル様!!


一番やらなきゃいけない皇太子殿下は、いったい何をやってくれるのか楽しみだわ。

********************


隣国の王子とは言え、三男と言うこともあり、結局歓迎パーティーはそこまで大々的にやらず、学院での開催ということになった。しかし、さすがに陛下と皇后さまも出席するとあって、手を抜くことはできない。


会場準備、食事、警護、王子の受け入れの準備、みんなの協力で抜かりなく終わったわ。


皇太子は、歓迎の言葉の準備だけ抜かりないそうだ…。おかしいわね。ホストは一応皇太子なのだが…ホストの仕事って何だったかしら。


『こんなに、私たちが苦労したのに、見てくださいあれ!』

オレリア様がご立腹だわ。いつも通り中庭の茂みの陰でいつも通りのメンバーでランチ中だ。


『すごい、素敵なご挨拶だわ。そうか、そんなことを言ってくれるのは、クレア君だけだ・・・。そんな、エドの頑張りはみんなが認めているわ。いや、生徒会ではいつも疎外感を感じている。エド…。私は、いつも味方よ。クレア…エド…』

すごいわ、ブリス様、完璧な読唇術。その内容、口に出すの恥ずかしくありません?


『くっ!!待っていろ、アイリーン嬢。私が今、戒めてくる。』


『よいのです。特に害はありませんから。さあ、気にせず食べましょう。』


今日はジャパニーズ風卵焼きを作ってみたわ。甘いものが好きなノエル様のために、しっとり甘い卵焼きよ。


『うまい!オムレツとは違うのだな。ふんわりしている。これは…幾重にも薄く巻かれていてすごいな。』



ふわふわの厚焼きたまごを挟んだボリュームのあるたまごサンドイッチも好評でよかったわ。


さあ、明日はパーティーよ。気合を入れて頑張るわよ!

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