若蕾燦華

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恥辱夜会

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「貴方は望んでいた。解放…、道なき道を行く、そんな無謀で愚かで、これっぽっちの利もない行為からの」
「違う!」
「違くない」

 溢れ出した粘液が部屋を満たし始めていた。既に一センチほどの深さをもっていた。
 涙を溜め、耳を塞ぐ。そうしなければならなかった。そうせざるを得なかった。
 だが容赦なく、遠慮なく、言葉はいやがおうにも耳に入る。細い針のように、心の隙間に差し込まれていく。

「自分を律し、手本となり、他人を導く…、堅苦しく窮屈な縛り!全身甲冑フルプレートで延々とマラソンをするかのような終わりの見えない愚行!」
「黙れ!黙れ!黙れ!」
 
 粘液は今や京香の腰に達している。ようやく男の摩羅から膣を引き抜いたはゆっくりと歩み、啜り泣く京香を抱きしめた。膨らんだ腹が押され、中の粘液が下品な音を立てて外に押し出される。

「自分を偽るな。貴方は何だ?宇津木家の長女?世界を守る魔法少女?違う。ワタシは私。ただの女だ。
 人が一人で背負えるものには限度があり、そして貴方はその限度を遥かに超えるものを背負おうとしていた」

 今や粘液の海は二人を飲み込まんばかりであった。京香は子宮の焼けるような疼きを頭の隅から追い出そうとするが、それは全くの徒労、むしろ逆効果。
 そうするほどに意識がそちらに向き、ますます熱くなる。

「分かるさ、怖いんだろう?自分が積み上げてきた全てが崩れ落ちるのが。でも、十分頑張ったじゃないか。十分傷ついたじゃないか」

 もはや、拒絶の言葉すら出なかった。

「幸い、考える時間はたっぷりとある」



 彼女の言うとおり、考える時間はたっぷりとあった。
 何せ数時間の間、催淫物質に漬けられていたのだ。それの排除は困難を極めた。
 救助された頃には京香の身体は空気の流れですら達するほどに敏感になっていたのだ。
 当然日常生活など送れるはずもなく、魔法少女専用の緊急病棟に軟禁されることとなる。
 ベッドに縛り付けられた京香は日がな、天井の染みを数える日々を送っていた。
 食事もままならないため点滴で済ませる。その間は常に魔法少女のままだ。
 催淫物質が抜けるまでの間、喉の渇きのように性欲が京香の身体を蝕んだ。
 その度に京香は身体をくねらせ、快楽を得ようとする。
 だが、当然ながら望んだものは得られない。
 過度な自慰によって復帰後、日常生活が送れなくなるなどあってはならない。
 ゆえに京香は性感帯に貞操帯を付けられていた。
 乳首を壁に擦り付けてまでも快楽を得ようとするその姿は発情期の獣。メスのヴァギナに一物を挿れることしか頭にないオスに等しい。
 脳みそのシナプスは焼き切れる寸前であった。
 魔力を根こそぎ奪われた事で休眠状態だったリェズィユを起こすのに一日。
 辛うじて自分を制御できるようになるまで二日。自力で食事をするまでに、更に二日。
 性欲が薄れ、正常な思考が戻ると、待っていたのは終わりのない問答。
 それは何も夢の中の事柄だけでない。全てへの疑念。疑念、疑問、不審。そして自分への嫌悪。
 なすべき事、やらねばならぬ事、その全てを投げ出し、自慰に耽る自分。
 ともすれば舌を噛み切ってしまいたくなるほどの、徹底的な敗北。
 いやという程に分からされた上下関係。何よりそれを考えただけで濡れる自分の股体が堪らなく嫌だった。
 皆を救う。助けル。手ヲ差シ伸べる。戦ウ。まモル。せキむをハタす。…オワラナイ。オワラナイ。オワラナイ。
 かつて自分が述べたであろうコトバ。行動、感情。その全てが嘘っぱちに感じられた。
 
「リェズィユ。私は、何なんだろう」

 その声は普段の京香からは想像が付かぬほどにか細く消え入りそうな声だった。
 目は焦点を合わせるカメラのように絶えず拡縮し、その顔は能面のように感情が抜け落ちている。
 
『…君は君だよ』
「違う!」

 リェズィユが言い終える前に、京香は叫んだ。ボロボロの両手で頭を掻き毟る彼女は狂ってしまったかと見まごうほどだ。
 だが、彼女が正気であることをリェズィユは誰よりもよく知っている。ゆえに壊れていることも。
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