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第三十九章 交わる刃

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「あぁ、もう。面倒なのが来た」

 うんざりした声音で、ロシャは溜息を吐く。
 シストを置いて、意識を失ったフィアを連れて、立ち去ろうとしていた二人の前に立つ、二つの影。片方はディアロ城騎士団の騎士服を、片方は白衣を身に付けた、二つの影。

「ディアロ城の騎士か」

 ノアールは静かに、そう呟く。表情は変えないまま、しかし何処か、計画を狂わされた不快感を声に滲ませながら。
 彼らの前に立ちはだかったのは、参謀部隊水兎統率官のアンバー。隣にいるのは、アルだ。暗殺者が抱えている親友を見て、泣き出しそうな顔をしている。

「酷いね。それが久しぶりに会った兄に言うべき言葉?」

 アンバーはそう言って、ロシャに微笑みかける。ロシャは心底憎々しげに舌打ちをして、アンバーを睨みつけた。

「え……」

 彼の言葉に、アルは驚いた顔をした。そして、アンバーとロシャを交互に見る。
 言われてみれば、確かに似ているような、気もする。カラーコンタクトの外れた琥珀色の瞳はアンバーのそれによく似ているし、今のロシャは酷く不機嫌そうな表情であるためにわかりにくいが、笑った時の雰囲気は、何処と無くアンバーと重なるところもあった。
 ロシャと、アンバーは、兄弟? そんな真実に思わず言葉を失うが……今はそんな話をしている場合ではない。アルもそれはわかっているため、グッと言葉を飲み込んだ。

「帰らないの? 目的はもう、果たしたんだよね」

 アンバーはロシャとノアールにそう問いかける。にっこりと微笑んで、緩く首を傾げながら。ノアールもロシャもそれに答えることはせず、ただアンバーを睨みつけた。
 やがてアンバーはふっと笑って、“出来ないんだよね”と言葉を紡いだ。

「僕が此処にいる限り、君たちは空間移動ができないよね。僕の魔力の所為で」 
「……だから面倒だって言ったんだよ」

 吐き捨てるように、ロシャは言う。ノアールは表情を変えないまま、一つそっと息を吐き出した。
 どうやら、アンバーは二人に魔術をかけて空間移動で逃げられないようにしているらしい。アンバーがいる限り、敵に逃げられてしまうことはない。フィアをこのまま連れ去られることはない。そのことに安堵して、アルはそっと、息を吐く。

「さて、と。フィア君はそこにいるけれど……」

 そう呟いたアンバーは、もう一人居るはずの仲間の姿を探して、辺りを見渡した。
 そして、見つける。ぐったりと地面に倒れたままの、紫髪の少年の姿を。

「シストさんッ!」

 悲鳴じみた声を上げ、アルは彼に駆け寄った。アンバーも少し遅れて、彼に歩み寄る。

「シストさん、シストさん!」

 アルが必死に呼びかけるが、返事はない。ぐったりしたシストを抱き起こし、アルは傷を見た。そして、顔を歪める。白い騎士服を染める土と、血液。傷が深いことは十分に窺えた。

「酷い傷……」

 意識を失くしているシストに、そして未だ敵に確保されたままの親友の状況に、アルは強く唇を噛む。そんな彼の肩をポン、と叩いて、言った。

「アル君、シスト君は君に任せるよ。此処でも応急処置くらいはできるだろう?」

 泣いている場合じゃないよ。アンバーは優しい声で、アルに言う。それを聞いて一度、二度と瞬いたアルはぐいぐいと目元を拭って、力強く頷いた。

「はい!」

 それを見て、アンバーは僅かに微笑むと、ロシャとノアールに向き直る。そしてそっと嘆息すると、呟くような声で言った。

「……若干、遅かったみたいだね。怪我をさせたくなかったんだけど……」

 予知は出来てもなかなか難しいものだね。そう呟くアンバーを見て、ノアールが鼻で笑う。

「俺たちがあの男を刺し殺す前に辿り着けると思っていたのか?」

 嘲笑うようなその表情を見て、アンバーは軽く肩を竦めた。

「あぁ。……でも、死なせないよ。アル君がいるから、シスト君は死なない」

 死なせはしないよ。そうアンバーが言うのを聞いて、ロシャはにやりと、笑みを浮かべる。

「どうだか、ね」

 そう呟くのと同時、ロシャは鎌を手に、アルとシストの元へ行こうとした。とどめを刺すつもりだったのだろう。

「そうは、させないよ」

 ロシャの動きを、何かが封じる。完全に動けなくなり、ロシャは目を見開いた。

「な……」
「拘束魔法……僕の十八番だ。忘れたの? 僕がいる以上、自由には動かせないよ。そっちのお兄さんも、ね」

 そう言って、アンバーはにこりと笑みを浮かべた。そして、ノアールに向かって手を差し伸べ、言った。

「さて、と。僕らの仲間、返してもらえるかな? 君らみたいに血に穢れた奴らが触って良いような子じゃないよ。その子は」

 声はあくまで、穏やかなもの。しかし、いつも通りを装い穏やかな笑みを浮かべるアンバーの琥珀の瞳には、確かな怒りが燃えていた。
 そんな彼を一瞥し、ノアールは口の端を吊り上げる。

「返すつもりはない。俺たちの任務は、此奴を主に届けることだ」

 そう言いながら、ノアールは抱えたフィアを乱暴に揺らした。アンバーは溜息を吐くと、すらりと、魔術剣を抜いた。

「やっぱり、戦わなきゃだめか……苦手なんだけどな。剣術は」
「戦わずとも、逃げれば良かろう?」

 ノアールはそう言いながらフィアを片手で抱え、もう一方の手で剣に触れる。明確な殺意を湛えた漆黒の瞳がアンバーを見据える。アンバーは苦笑し、肩を竦めた。

「それは無理な相談だね。フィア君を置いて逃げるわけにはいかない」
「俺は別にお前の相手をしてもいいが……そうすると、彼奴が死ぬぞ」

 ノアールが指差すのはシスト。アルが必死に治癒魔術を使っているが、それにも限界がある。呼吸は荒く、顔色も悪い。まだ血も止まっていないのだろう、傷口から流れた血が地面に模様を描いている。一刻も早くきちんとした環境で治療をしたほうがいいのは明らかだ。
 そんな彼の言葉を聞き、アンバーは慌てることなく答えた。

「アル君の腕は確かだよ。ジェイドのお気に入りだからね……どうにかしてくれるさ」
「フン……どうだか、なっ!」

 言葉の終わりと同時にノアールは剣を抜き、アンバーに斬りかかる。人間一人を抱えているとは思えない動きで。

「っ……あぁ、流石にこれは、まずいかな」

 アンバーはそう呟き、顔を歪める。彼は本気を出すことができない。下手に剣を振れば、ノアールが抱きかかえているフィアを傷つけかねない。それは現状、最も避けたいことだった。

「口ほどにもないな」

 そう言いながら、ノアールは剣を振るう。彼の漆黒の剣の勢いは緩まない。素早く、的確に急所を狙って突いてくる。黒い剣の切先がしばしばアンバーの身体を掠めた。
 対するアンバーは防戦一方。攻撃を仕掛けるどころか、ノアールの剣を防ぐだけで精一杯だ。

「く……!」

 必死に応戦していたアンバーの集中力が切れ、ロシャにかけていた拘束の魔術が解けた。

「あぁ、これで自由に動ける」

 拘束が解けるや否や、にやりと笑って、ロシャはアルとシストに近づく。さくり、と地面を踏む音が響いた。
 このままでは、シストもアルも間違いなく殺されてしまう。しかし、アンバーは慌てる様子を見せずに、ノアールと向き合い続ける。そして、ちらりとアルのほうを見た。

―― アル君、いけるね?

 テレパシーでアンバーがアルに訊ねる。アルは小さく頷いた。そして一度そっと息を吸い込み、此処にくるまでにアンバーに伝えられていたことを脳内で反芻した。
 アルに近づきながら、ロシャはにっこりと微笑んだ。親しげに笑いつつも、殺意を秘めた、瞳。

「さーてと。白いおチビさん。君もこの紫の人と同じ目に遭いたい? 僕、そいつ嫌いだからさ、殺したいんだよねぇ。僕のこと、雑種扱いしたし。……どいてくれない?」

 冷たく光る瞳でアルを見据え、彼は言う。アルはぎゅっと拳を握り、力強く首を振った。

「嫌です。どきません。シストさんには、指一本触れさせません……ッ!」

 アルは掠れた声でそう言うと、両手を広げてシストの前に立った。彼を庇うように立ちながら、深く、息を吸う。
 大丈夫、大丈夫、と自分に言い聞かせるように、心の中で呟く。シストの傷を癒す魔術は、発動させたままになっている。障壁で囲っているから、すぐに彼が傷つけられることは、命を落とすことは、ないはずだ。……自分が此処から退きさえしなければ。

「へぇ……いい度胸。見たところ、君は草鹿の騎士でしょ? 戦えるの?」

 馬鹿にしたようにロシャが嗤う。
 アルはシストを囲っている障壁を強化してから提げていたフルーレを手にして、ロシャと向き合った。剣を握ったままロシャを睨みつける彼の足は小さく震えている。

―― 僕だって……いつも守られるだけじゃ、嫌だ!

「シストさんは守る! フィアも取り返す! それまで僕は、絶対に逃げません!」

 微かに震える、しかし決して折れることのない意思を灯した声で、アルは叫ぶ。それを聞いて、ロシャは一瞬、きょとんとした。しかしすぐに声をあげて笑いだす。心底可笑しそうに。

「……ぷっ……あははっ! 君が? 君が守るって? そんな弱っちそうな顔して、よく言えるね? 今まで碌に戦ったことなんてないでしょ」

 それで、僕の相手なんて出来るの? そう言って、ロシャは口角を上げる。

「煩いですよッ!」

 アルはそう叫び、ロシャに向けて自身の武器を振るった。彼のフルーレの先がロシャのローブを斬り裂く。

―― 僕だって、フィアに教えてもらって、少しは強くなったんだ!

 親友の、フィアの指導を思い出しながら、アルは必死にフルーレを振り回した。しかし、ロシャにはまるで当たらない。ロシャは恐れるどころか、寧ろ、アルが必死に剣を振り回すのを面白がっているようであった。
 そもそも、アルの武器……フルーレは斬るための剣ではない。魔術で幾らか強化することは出来るとはいえ、アルたち草鹿の騎士はあくまでも護身用にこれを使うだけなのだ。
アルの攻撃を幾度か躱したロシャはふっと笑みを零して、言った。

「へぇ……なかなかやるじゃん。でも、フィアやそこで倒れてる奴ほどじゃないね」

 ロシャはそう言ってから、鎌を振るった。アルは魔術で強化したフルーレでそれを受け止める。ガツリ、と鈍い金属の音が響いた。

「っく、ぅう……」

 ロシャの小柄な体に似合わない重い一撃にアルの手が痺れる。それでも剣から手を離さず、ロシャを睨み、口を開く。

「フィアより弱くても、シストさんほど強くなくても、僕は、僕の精一杯で……!」

 小さく震える腕。今にも崩れそうな足。戦いに慣れてなどいない。戦いなど、望んでいない。それでも。

―― 大切なものを守りたい、から。

 その思いだけで、アルは剣を振るう。

「あ、そ」

 不意に、ロシャが声を漏らした。興醒めだ、と言いたげに。

「じゃあ、その精一杯じゃ足りないんだって、思い知らせてあげるよ!」

 そう叫ぶのと同時に、ロシャは、思い切り鎌を振るう。先刻までの戯れのような強さではなく、本気の強さで。
 ガキリ、と何度も何度も、重い衝撃がアルを襲う。アルはフルーレを取り落としそうになる度にぎゅ、と柄を握り直した。負けるものかというように、ロシャを見据えながら。
 その表情を見て、ロシャが険しい顔をした。

「僕さ、君みたいに純粋そうな奴、大嫌いなんだよね」

 そんな彼の言葉に怯まず、相手を睨み返しながらアルも言葉を紡いだ。

「僕も、あなたのように平気で人を傷つける人は大嫌いです」

 アルが求めた力は、人を傷つけるための力ではない。大切なものを守るための力だ。彼が今必死に守ろうとしている仲間が求める力も、そうだった。今こうして向きあって戦っている相手が持つ、酷く冷たい、恐ろしい力ではない。そんな力に負けはしない。そう思いながら、アルは必死に剣を握り続けた。

「……生意気」

 舌打ちしてそう呟くと、ロシャはアルの足を払った。

「あ……ッ」

 手に力を込めるのに必死で足ががら空きだったのだろう。バランスを崩し、アルが転ぶ。ロシャはそれを見て獲物を捕らえた獣のように、口角を上げた。残忍に。冷酷に。
 その表情を見て、アルは目を見開く。

「……死んじゃえ」

 冷たい声と同時に鎌が振りあげられる。避ける余裕も、障壁を張る余裕もない。殺される。そう思い、アルは眼を閉じた。
 刹那響いたのは、大きく、鈍い音。襲ってこない衝撃、痛み。
 何故? そう思いながらアルは、恐る恐る目を開ける。そして、鮮やかな黄色の瞳を大きく、見開いた。
 彼の瞳に映ったのは、ロシャの鎌を受け止めている白い剣。

「はっ、甘いのは、どっちだよ……っ」

 掠れた声で、剣の持ち主が言う。アルを庇い、前に立っているのは、美しい、紫色の髪の……――

「し、シストさん!」

 アルがその名を呼べば、振り返る彼。ふわりと吹き抜けた風に紫色の髪が揺れる。シストは微かに笑って、アルに訊ねた。

「大丈夫か? アル」

 間一髪だな、と彼は言う。一瞬茫然としていたアルははっとして、声をあげた。

「だ、大丈夫かはこっちのセリフですよ!」

 アルは慌てて起き上がり、シストの隣に立った。彼の呼吸は荒く、流れた血が地面に滴り落ちている。まだ青白い顔色は、お世辞にも調子が良いという風には見えない。
 シストはふっと息を吐いてから、真っ直ぐに前を見た。

「大丈夫、じゃねえけど……お前が殺されんのを、大人しく見てる訳には、いかねぇからな。お前の魔力の御蔭で、立ち上がれる程度にはなったし、戦えないことはない」

 完全に回復した訳ではない。大丈夫か、という問いかけに正直に答えるのなら、大丈夫ではないのだろう。しかし、だからといって倒れている訳にはいかない。

「それに……アンバー様があっちを足止めしてくれてる。一人だけなら……俺にも十分勝ち目はあるさ」
シストは茫然としているロシャの鎌を打ち返し、アルに向かってニッと笑いかける。
「フォロー頼むぜ、アル」

 そう言って勝気に笑う、シスト。しかしアルは不安げに彼を見た。普通なら、動くことなんてとても不可能な重傷者。ノアールの剣がシストに負わせた傷は、間違いなく深いものだった。魔力で治療したとはいえ、こんな短時間では傷も満足に塞がっていないだろう。草鹿の騎士として、そんな人間を戦わせる訳にはいかない。

「シストさ……」

 止めようとしたアルの言葉を遮り、シストは言う。

「平気だって。このクソガキ一人なら、片腕がなくたって勝てるさ。でも……俺一人じゃちょっとキツイ、から、防御は頼む」

 シストはそう言ってウインクした。アルは言い返そうとしたが、その紫色の瞳に宿る真剣な光を見て、口を噤む。

―― シストさん、本気なんだ……

 平気なはずがない。それでも、退く気はないのだろう。例え、アルが全力で止めたとしても。
 躊躇うように、暫し目を伏せた後、アルは微笑んだ。

「無茶は、しないでくださいね。って、戦おうとしてる時点で、十分無茶ですけど」

 そう言って、アルはぎこちなく笑う。

「はっ。そうだな」

 シストはアルの肩を叩き、前を向き、ロシャに向かって叫んだ。

「言ったろ、仲間に手ェ出したら許さねぇって!」

 言葉の終わりと同時、シストはロシャに突進した。剣を振り上げ、ロシャに斬りかかる。守りなしの攻撃。大きな剣の振り方。まるで、炎豹の騎士のような戦い方。シストらしくないスタイルだが、傷を負っている彼には普段のような器用で繊細な魔術による防御ができない。魔力を使えば、それに比例して集中力、精神力、体力も使う。傷を負ったこの状況で攻守両方をこなすのは、不可能に近いだろう。
 ロシャの頬をシストの剣が掠める。色の白い頬に一筋、赤い筋が浮かんだ。ロシャは頬を軽く指先で拭い、笑った。

「手負いの癖に、なかなかやるね。さっきのチビさんよりは楽しめそうだ。でも、キツイでしょ? ノアールの剣を受けた後で、その動きは」

 シストの傷は、浅くなどない。動けば痛みもあるはずだ。荒く息を吐きながら、シストは答える。

「はっ、そんなもん、今更だ。あの時の……フィアほどじゃないさ」

 そう言いながら、シストは唇を引き結ぶ。
 “あの時”というのは、ロシャとフィアが初めて接触した時のこと。あの時フィアは、傷の痛みを堪え、魔獣と戦っていた。倒れるまで、戦い続けた。自分の身体の限界まで。自分を一人で戦わせまいと、戦い続けたパートナーを思って、シストは剣を握りしめた。
 自分が今此処で倒れてしまえば、アルを守る人間はいなくなる。親友が傷つけられれば、殺されれば、フィアは悲しむ。否、それどころか彼自身が連れ去られてしまう。
 絶対に、それは嫌だと、シストは剣を振るい続けた。

「本当……仲間思いだね。反吐が出る」

 ロシャが吐き捨てるように言葉を紡いだ。

「君も、フィアも……その感情の所為で傷を負ったのにね。口を開けば、信頼、絆、仲間、協力……? 全部全部、弱者が馴れ合うために生み出した言葉ばかりじゃないか。……本当、人間って馬鹿だ」

 スッと細められるロシャの目。それには憎しみが宿っていた。消えることのない、憎しみ。その中に、また別の感情も、滲んでいる。その、感情は……――

「さっさと消えて……?」

 ロシャは黒い魔力をシストに向かって放った。しかし、シストは動かない。ロシャは驚いたようにその様子を見つめていた。
 シストが動かないのは諦めたからではない。信じているからだ。仲間(アル)が守ってくれることを。
案の定、アルの障壁がロシャの魔力を弾き返した。シストはアルの方へ視線を向け、笑みを浮かべる。

「……ありがとな、アル」

 助かったよ、と彼は笑う。

「えぇ……」

 そう応じながら、アルは心配そうにシストを見つめた。
 既にシストは肩で息をしている。彼の傷を塞いだアルの魔術はあくまで応急処置。傷が完全に塞がった訳ではなく、シストは立っているのがやっとのはず。長時間戦い続ければ、間違いなくシストの命が危ない。

―― 早く……早く……っ!

 アルは必死で祈りながら、シストの戦闘を見守っていた。
 
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