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第五章 Mary Pickford

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Mary Pickfprd (Liberté 137)

 冴え冴えと降り注ぐ、青白い月明かり。ひやり冷えた空気。それを感じながら長い銀髪を靡かせて、騎士は歩く。
 夕方までの任務を終えた後、彼……リスタが向かうのはディアロ城ではなかった。向かう先……そこにあるのは大きな屋敷。彼にとっては見慣れた屋敷だ。それを見て、リスタはそっと、溜息を吐き出す。

「嫌だな……」

 思わずそう呟く声は静かな夜の空気に吸い込まれて、消える。誰も聞く者がない独り言。ふっと息を吐き出したリスタは一度、自分の頬をぴしゃりと叩いた。まるで、気合を入れるように。
 それから彼は真っ直ぐに前を向いた。

「……良し、いこうか」

 真っ直ぐに見据える屋敷。それが彼の自宅……実家であることに気が付く者はきっといないことだろう。それ程に、少年の表情は硬く、強張っていた。

***

 彼が屋敷に入ると、すぐに数人の人間が出てきた。

「リスタ」
「お帰りなさい、リスタ」

 そう声をかけてきたのは、リスタの父親と母親。父親は険しい表情で、母親は幾分柔らかな表情で、彼の名を呼ぶ。リスタはそんな二人を見て軽く頭を下げた。

「ただいま帰りました」

 短く、固い声で返答する。かなり他人行儀に。
 そんな彼を連れて、二人はリビングルームに向かった。そこには年老いた男と女……リスタの祖父母にあたる人物が椅子に腰掛け、待っていた。そんな彼らを見て、リスタは心の中で溜息を吐き出した。

―― この堅苦しい空気が苦手なんだ。

 そう思いながら彼はもう一度頭を下げる。ただいま帰りました、と彼が言うと、彼の祖父がゆっくりと頷いてから、口を開いた。

「聞かせてくれ、お前の話を」
「どんな任務をこなしてきたのだ?」

 そう、彼の父親も問いかける。リスタはそれを聞くと、彼らの前の椅子に腰を下ろした。そして、騎士としての仕事を語る。密偵部隊風隼。そこに所属する一騎士としての仕事を。
 騎士団に入ってから、大分実績を積んだと思う。幾つも任務をこなした。優れた功績も残した、と思う。そう話をしながら、彼はちらりと両親の、祖父母の様子を窺った。
 リスタの活躍を聞きながらも眉一つ動かさない彼ら。それはきっと、子供の……それもまだ十歳になったばかりの子供の近況を聞く親の、祖父母の様子とは違っているのだろうな、とリスタは思う。幼い頃は全くと言って良いほどわからなかったが……ある程度成長したいまとなっては、そんな自分の家が特殊、悪く言えば異常であることは、リスタにもわかっていた。

 ある程度話し終えたところで、彼の父はふっと息を吐いた。真っ直ぐに、見据えられる。その視線にリスタは居住まいを正した。

「お前は一族の中でも稀有で優秀な魔力の持ち主だ」

 静かな声でそう告げられる。向けられる視線は期待に満ちたもの。今までに何度も投げかけられた言葉。

「クオンのためにも、規範を示すのだぞ」

 今度は祖父に強い言葉でそう告げられる。労いの言葉はなしに、ただ更なる努力を求められるのだ。

「……わかりました」

 リスタはそういって頭を下げると、すぐに立ち上がり、部屋を出ていった。部屋を出る間際、ちらと見た母も、祖母も、何も言わずに、ただリスタを見ていた。彼女らは、男親程物を言わない。過度な期待もきっとしてはいない。けれども、リスタのことを思いやるような発言も決してしないのだ。
これが、リスタにとっての当たり前。"異常な家"での、当たり前だった。
 普通の家に憧れなかったといえば嘘になる。もっと普通の家に生まれたかった。普通に両親に愛され、普通の人間として育ちたかった。こんな期待もされたくなかったし、家をこんなにも居心地の悪いものと思いたくなかった。嗚呼、自分が生まれついたのが普通の家であったならば……そう思わずにはいられなかった。
 けれども、悲しい、寂しい、とはもう思わなくなった。普通の家庭に期待するだけ無駄であると理解しているから。
 しかし全てを諦めたわけではない。自分は強くあらねばならないと、そう思っていた。どうあっても自分がしっかりしなければ、と思う。その理由は……――

「にいさん!」

 甘えるような声で呼ばれて、リスタは視線を声の主に方へ向ける。そこにいたのは柔らかな銀の髪をした少年。その姿を見てリスタは穏やかに目を細める。

「クオン」

 そう呼んでやれば、彼……クオンはぱたぱたとリスタに駆け寄ってきた。リスタはそんなまだ幼い弟をよいしょっと抱き上げる。
 リスタの弟、クオン。彼はリスタの七つ下の弟で、まだ三歳になったばかりだ。重たくなったなぁ、とリスタが呟くと、無邪気に微笑んで、クオンはいう。

「おかえりなさい、にいさん」
「良い子にしてたか? クオ」

 そう問いかけながら、頭を撫でる。すると彼は嬉しそうな顔をして、力強く頷いた。

「うん、いい子にしてたよ。にいさん、見て」

 彼はそういうと、リスタの腕から降りた。そして見ていてね、ともう一度言うと、魔力を放出した。強い、彼の魔力。リスタはそれに思わず一瞬、目を閉じる。彼が目を開けると、眼前に居るのは艶やかな銀の毛並みの猫だった。

―― 変身魔術。

 それはクオンが使う、魔術。特殊な魔術の一種で、使える人間は決して多くない。特殊複合型魔術を使うロゼル家の人間でも珍しいのだ。そんなクオンに、両親も祖父母も期待している。そのことはリスタも良くよく知っていた。近い将来、彼もきっと騎士団に入団することになるだろう、ということも。
 まだ何も知らない、無邪気な弟。両親との接触は主に魔術の訓練なのだろうから両親からの愛情らしい愛情を注がれているとは言い難いのだろう。
 きっと寂しい思いをしているはずだ。そう思いながらリスタはそんな猫姿の弟を抱き上げる。そして頭を撫でながら、言った。

「凄いなあクオ、もうそんな魔術が使えるようになったのか」

 そう褒めてやるとその猫は嬉しそうに目を細めた。そしてすぐに、元の人間の姿に戻り、張り切ったように、言った。

「あしたはもっとすごいのを……」

 みせてあげるね、と言いたかったであろう弟。リスタはすまなそうに眉を下げた。そして弟の頭を撫で、言う。

「ん、ごめんな。仕事もあるし、すぐに戻らないといけないんだ」

 彼がそう言うと、クオンは酷く悲しそうな顔をした。しょんぼりとした表情を浮かべたままに、彼は呟く。

「……にいさんと、おはなし、したかったのに」

 ぽつり、とクオンは呟く。寂しそうな声音。リスタはそれを聞いて大きく目を見開いた。久し振りに家に帰ってきた兄。彼とゆっくり話をしたいと、この幼い弟は思っていたらしい。やはり、寂しいのだ。……それも、当然だろう。まだまだ親に甘えたい年頃の子供なのだから。そう思いながらリスタはそんな彼の頭を撫でてから、ぎゅっと抱きしめて、言った。

「ごめんな」

 もっと一緒に居てあげられたら良いのだけれど。そう思いながらリスタは溜息を吐く。
 実際一緒に居ようと思ったら居られる。休みを取ろうと思えば取れた。けれども……正直、この家に長く留まりたいとは思えなかった。可愛い弟と一緒に過ごすのはともかく、あの両親と、祖父母と過ごす時間は、なるべく少なくしたかったのだ。
 きっと幼いながらにクオンもそれを理解しているのだろう

「……ううん」

 ゆっくり首を振った彼はリスタから離れた。そしてにっこりと笑って、言う。

「ぼくは、だいじょうぶ。おしごと、がんばってね、にいさん」

 無邪気な表情、優しい微笑み。本当はもっと我儘を言いたいだろうに、自分が困ると思ってだろう、聞き分けよくそういってのける可愛い弟。そんなクオンの表情にリスタは穏やかに表情を綻ばせた。

―― 自分は、この笑顔を護るために。

 そう、思う。
 本来十歳の子供が背負うような事でない期待を背負っても真っ直ぐに立っていられるのは、彼のため。自分が折れてしまえばきっと、この重圧を背負うのはクオンになる。それは避けたいと、リスタはそう思っていた。
 きっとクオンもいずれ"ロゼル家"の名を背負うことになるだろうけれども、少なくとも長男である自分のような過度な期待をされることはないはずだ。それなりに、子供らしい生活を送ってほしいと、リスタはそう願っている。だから、頑張ることが出来た。

―― 愛しい弟のため。

 そう思えば、訓練も、こうした辛い帰省にも、耐えられる。リスタはもう一度クオンを抱きしめた後、その頬に軽くキスをして、言った。

「頑張ってくる、ありがとうなクオ」

 そう言って軽く頭を撫でると、リスタは家の外に出る。門の前で振り向けば、愛しい弟が手を振っているのが見えた。

***

 城に戻り、一息吐く。軽く休憩しようと食堂に入るが、既に深夜……誰も居なかった。少し寂しく、心細い心地はするが、致し方ない。最近は家よりも余程気持ちが安らぐ。そんなことを考えて、苦笑する。自分の家に戻るより職場である城の方が落ち着くというのも可笑しな話だ。
 そう思った時、目の前にことりと、紅茶が入ったカップが置かれた。リスタは少し驚いて、大きく目を見開く。

「お帰り、リスタ」

 そう声をかけて微笑んだのは、長い緑髪の少年……クレースで。驚いたリスタは幾度か瞬きをして、彼の名を紡いだ。

「クレース……」
「遅くに、大変だったね」

 お疲れ様、と言ってクレースは微笑む。リスタはそれを見ると微笑んで、言った。

「ありがと、でも大丈夫だよ。任務の後で実家に帰ってて少し疲れただけだから」

 リスタがそういって笑うとクレースは少し眉を寄せた。それからふぅっと息を吐き出して……むにっと彼の頬を摘まんだ。

「んむっ?!」

 大きく見開かれる銀灰色の瞳。それを見つめながら、クレースは頬を膨らませる。そして少し拗ねたような声音で呟いた。

「大丈夫、って言葉は大丈夫そうな顔をしながら言って、ってカルにもよく言ってるんだけどな」

 クレースはそう言ってから彼は手を離す。摘ままれた頬を軽く擦って、リスタは溜息を一つ。
 どうやら、この心優しい同僚には心情を見抜かれているらしい。かなり敏い彼の恋人……カルセにはバレるだろうと思っていたが、まさか彼にもバレるとは。そう思いながらリスタは苦笑する。

「やっぱりバレるかぁ」

 そう言って肩を竦めるリスタ。クレースはそんな彼を見て困ったような笑みを浮かべた。

「君の家が有名な魔術師家系なのは知ってたし……そもそもこんな深夜にわざわざお城に戻ってくることからして可笑しいよ。実家に帰ってたなら、明日の朝なりなんなりに帰ってくれば良いのにさ。そうしたくないくらい家にいたくないってことなのかなと思って」

 クレースはそう言うと、心配そうにリスタを見つめた。

―― あぁそこまでバレているのか。

 そう思いながらリスタはふっと息を吐き出して、言った。

「……実際大丈夫だよ、慣れてるから」

 俺の家は昔からそうだしな、と呟くように、半ば吐き捨てるようにリスタがそういうと、クレースは少し眉を下げた。そして首を傾げて、問いかける。

「やっぱり昔から、そうだったの?」
「まぁ、な……ロゼル家の一員として、ってさ。もう耳タコだよ」

 クレースががあまりに心配そうな、悲しそうな顔をするものだからわざとお道化たように言ったが、どうやら失敗したらしい。彼の悲し気な表情は晴れない。寧ろそれが空元気だとバレたようで、一層辛そうな顔をしている。それを見るとリスタは無理をして笑うのをやめて、目を伏せた。

「……正直嫌なこともあるさ、でも俺が放りだしたらクオが割を食うだろうからさ」

 そう言って、リスタは肩を竦める。クレースは彼の言葉に不思議そうな顔をした。

「クオ?」

 聞きなれない名前にクレースはきょとんとする。そう言えば話していなかったか、そう思いながらリスタは笑った。

「あぁ、俺の弟だよ。可愛いんだ」

 リスタはポケットから小さな懐中時計を取り出して、クレースに差し出す。
懐中時計の中には小さな写真が貼りつけてある。そこに写っているのはリスタと、彼によく似た少年だった。無邪気に笑う、二人の少年。仲の良い兄弟の、一コマ。
 それをみてクレースは目を細めた。

「あぁ可愛い子だね。それに、リスタによく似てる」

 リスタも得意げに微笑んで頷くと、懐中時計を握りしめて、言った。

「俺は、彼奴のためにも強いお兄ちゃんでいてやりたいのさ」

 彼を護るために、強くありたい。自分が笑っていないと彼は、きっと心配する。自分が親たちの期待に応えられなかったら割を食うのは彼だ。そんな事態は避けたい。
 彼を、クオンを、幼い弟を守りたい。リスタは力強く、そういった。
 彼の想いが本気であることはクレースにもよくわかった。それと同時、彼のことが心配になる。
 弟を守りたいだの家のためにだのというリスタではあるが、彼もまたまだ幼い子供。十歳になったばかりの子供に、そうした境遇はあまりに……気の毒な気がした。
 けれどもそんなことを自分が言ったところで、どうもならない。彼の家の事情に口を出すことは出来ないし、彼の現状を変えてやることも出来ない。そんな自分が歯痒くもなるけれど……――

「……無理、し過ぎないようにね?」

 せめて、彼を支えられれば良い。そう思いながらクレースはそういって、心配そうにリスタを見つめ、首を傾げる。
 リスタはそれを見ると穏やかに笑って、力強く頷いて、言った。

「わかってる。大丈夫だ。それに」

 そこで一度、言葉を切るリスタ。クレースが不思議そうに首を傾げるのを見つめて苦笑した後、彼はクレースの額を軽く小突いて、言った。

「無理をするなはこっちの台詞でもあるよ、クレース」
「え?」

 何で僕? そう言いたげな彼を見てリスタは溜息を一つ。そして食堂の壁にかかった時計を指さして、言った。

「何でこんな時間まで起きてるんだ?」

 既に時刻は深夜。てっきりもう誰もが寝ていると思っていた。それなのに起きているのはどうしてか。そうリスタが問うと、クレースはあからさまに視線を揺るがせた。そして明後日の方角を見ながら、彼は言う。

「……他にやることも、あったから」

 上ずった声でそういう彼。馬鹿正直な彼は嘘が吐けない。嘘を吐いている時は大体視線が泳ぐのだ。

―― 本当にわかりやすい……

 そう思いながら苦笑して、リスタは言った。

「またカルセに怒られるぞ」

 同室者のカルセを起こさないようにこっそり抜け出してきたのだろう。けれどもどうせ、バレるはずだ。そうしたら怒られるぞ、とリスタは言う。
 クレースはそれを聞くと盛大に眉をよせ、肩を竦めた。

「う……それは、そうだけど」

 でも、心配だったんだもの。ぽつりと呟くクレース。リスタはそれを聞くとふっと表情を綻ばせた。
 心配、気遣い、優しい心遣い。そんなものを与えられたのは、騎士団に来てからだ。それがあるだけでもきっと、実家よりずっとこの場所の方が、良い。リスタはそう思いながら、ありがとう、とクレースに礼を言った。それから、ふっと笑って、言う。

「お前もちゃんと休まないと駄目だからな」

 俺もちゃんと休むから、とリスタは言う。それを聞いてクレースは少し拗ねたように唇を尖らせて、言った。

「むぅ……何か上手く言いくるめられた気がする」
「事実だろう?」

 くすくすと、リスタは笑った。その笑みは先刻までの疲れ果てたようなそれとは違う。クレースはそれを感じ取るとふわりと安心したように微笑んだ。

「ほら、早く部屋に戻って休もう」
「そうだな」

 流石に疲れた、とリスタも伸びをする。そんな彼を見て"ゆっくり休んでね"と微笑んだクレースは彼と共にゆっくりと、歩みを進めたのだった。





第五章 Fin
(メアリーピックフォード:羨望)
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