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メスガキ、覚悟する
しおりを挟む「さ、31歳って事!? で、でもおかしいよ! だって!」
男性で31歳ならわたしの呪詛が発動しないのはおかしい! 明らかに効果対象なんだから!
辛そうな顔をしながら呼吸を整えるガウラさんは、こちらに視線だけを送り、口を開く。
「気持ちはわかります⋯⋯話すのも辛いので端的に言いますね。呪詛の影響で⋯⋯老化速度が半減しているんです」
「老化速度の半減⋯⋯」
ガウラさんの言葉を繰り返す。
老化するのが普通の人の2分の1になっているって事だよね。つまり、31年生きてれば⋯⋯身体は15歳? くらい! だからわたしの呪詛が発動しなかったんだ! なるほとなるほど。
「理解が早くて助かります」
表情から察したのか、わたしが納得している事が分かったみたい。
でも、呪詛の効果がそれだけな訳ないよね。他にもあるんだろうけど、今は辛そうだしそのうち聞いてけばいっか。なんて事を考えながらガウラさんの横に座る。
「まだ辛い? 水⋯⋯は無いんだった」
水どころか自分の装備以外、何も持っていない。呪詛の影響とはいえ、こういう時に荷物が持てないのは、自分の足手纏いさが際立って自己嫌悪してしまう。
なんでも良いからガウラさんの役に立ちたい。
「お気持ちだけで十分、嬉しいですよ」
また顔に出てたのかな。そんなにわたしって顔に出やすい?
「うん、ありがとう。⋯⋯よし! ガウラさんの休憩終わったら次の階層行こう!」
今はくよくよするのやめよう! いつ、何を求められても応えられるようにしとかなきゃ!
「はい。それでは行きましょうか」
「え!? 早くない!? 無理しなくていいんだよ!?」
「もう問題ありません。持久力もですが、疲労の回復に掛かる時間も半減されているので」
たしかにガウラさんの顔色は、さっきまでの疲弊が嘘のように良くなっていた。
疲れやすいのも呪詛の影響だったんだ⋯⋯。さらっと言ってるけど、呪詛をここまで受け入れてるのは正直、すごいと思う。わたしなんてずっと嫌なのに。
「どうぞ」
目の前に立つガウラさんがわたしに手を差し伸べる。
か、かっこよすぎる⋯⋯。男性と分かってもこの美しさは衰えるどころか、更に魅力的に映ってる。
「あ、ありがと⋯⋯」
「いえいえ」
手を借りて、立ち上がる。自分のお尻の土を軽く払って向き直す。
あれ、よく考えたら見た目も好きで中身も好きな男性って初めてな気がする。今まで出会った人達って子供っぽい人とか、おじさんとかばっかだったし。
塔に挑む人ってロマンばっか追い求めてて子供っぽい人多いんだよね。
⋯⋯え? やばい、ずっと女の人だと思ってたから意識してなかったけど、そう考えると途端に意識しちゃう。
「あの、どうかしましたか?」
ガウラさんがやや下を見ていたわたしの顔を覗き込む。
ぐっ、良い⋯⋯顔が⋯⋯顔が良すぎる⋯⋯! 胸が苦しい。脈拍も上がってる気がする。顔も熱い。
「ううん!? な、なんか今日は全然ゴブリン居ないな!? って! 普通ならもう何匹か遭遇しててもおかしくないのになぁ!? なんてぇ、あはは~⋯⋯」
「ああ、それでしたら私の友人のお陰ですね。こういった効果もあるとは」
友達のおかげ⋯⋯? モンスターとの遭遇率を下げるなんて事例、聞いた事ない。もしそんな事が可能なら、塔の攻略が大幅に改善できる。でも、現に繁殖力が高くて数が生息数が多いはずのゴブリンとは1匹しか会ってない。
「いずれ、ハートさんにもご紹介したいですね」
「うん! 楽しみにしてるね!」
「ふふ。ええ、楽しみにしていて下さい」
会話をしながら歩いていると、時間はあっという間に過ぎる。細長い通路を辿っていくと、曲がり角から淡い緑色の光が見えてきた。
あ! あれって帰還水晶の光だよね! 緑色って事は、次の階層に行ける!
「あった、あったよ! ガウラさん!」
喜びを隠せず、飛び跳ねてしまう。でも、ガウラさんのわたしを見る目が生暖かいのはなんだろう。
しかたないじゃん。前までは外に出さないように必死に抑えて喜んでたんだから。ろくに活躍もしてない奴が喜んでたらパーティの人も嫌でしょ。ガウラさんなら許してくれるだろうから、ちゃんと喜びたいよ。
「では次の階層、行きましょう」
「うん!」
2階層からはとんとん拍子に事が進んでいった。モンスターとの遭遇率を下げる効果はとんでもなく、わたし達が5階層に到達するまでの間、1度も戦闘が起きる事がなかった。
楽しすぎて、どんどん前に進んじゃったもんね。帰還水晶も簡単に見つかるし、気が付いたら5階層だよ。
いやいやいや、凄すぎるでしょ⋯⋯。いくらなんでも絶大すぎるって。5階層にこんな簡単に辿り着けるなんて⋯⋯。
しかも到達しただけじゃなくて5階層を結構歩いてるけど全くスケルトンに遭遇しない。このまま5階層も突破しそう⋯⋯。
「ふむ。ピンゾロというものは、こうも露骨に効果を発揮するものなんですね」
たぶん、独り言なんだろう。わたしにギリギリ聞こえるかどうかの声量で、ガウラさんの言葉が聞こえてきた。
「ピンゾロ」? 一体、何の話をしてるんだろう? もしかして、それがこの状態を生み出した何かの正体なのかな?
「しかし、まずいですね」
同時にガウラさんの身体から、金色の光が溢れ出たと思うと、霧となって消えていった。
びっくりした。いきなりで驚いたけど、すごく綺麗だった。
「今のなに?」
嫌な予感。なにも確証はないけどザワザワと胸の奥が騒ぐ。塔内の魔力が肌を撫でる感覚が走る。
おかしいと思った。さっきまで周りに魔力がほとんど存在してなかったんだ。スケルトンが居なかった理由が理解できた。
正確には居なかったんじゃない。スケルトン自体はずっとそこに眠っていたんだ。この地面の下に。
「カタ、カタカタカタ」
地面から這い上がってくる人型の骨のモンスター。スケルトンがわたし達を包囲する形で大量に出現した。
片手に剣を持っている個体もちらほらいる。
嘘でしょ⋯⋯! こんな量、どうしようもないよ! ぱっと見で30体近くいるし周りを囲われてる⋯⋯!
「非常に危機的な状況ですね⋯⋯申し訳ありません、油断していました」
「違うよ! わたしが調子に乗ってどんどん前に進んじゃったから! 悪いのはわたしだよ!」
ああ、わたしはどこまでいっても役立たずだ⋯⋯スキルを使わなくてもこうやって足を引っ張るんだ⋯⋯。どうせ足を引っ張るなら!
「ガウラさん! いい案があるよ!」
「お断りします」
⋯⋯え?
「ま、まだ何も言ってないよ!?」
「申し訳ありません。貴女の考えは分かります」
わたしのこと理解してくれてるのは嬉しいけど、喜んでる場合じゃない。
「貴女のスキルを使い、理性を失わせて同士討ちさせよう⋯⋯ですよね」
いい作戦だと思うけど⋯⋯。
「勘違いしないで下さい。作戦が悪いと言っている訳ではないです」
「じゃあ⋯⋯」
「一先ず、この包囲を抜ける策は考えました。話はそれからにしましょう。私の後ろをしっかりと着いてきてください」
有無を言わせない言動に、わたしは黙って着いて行かざるを得なかった。
今までのガウラさんと違って少し強引な印象だな。何か考えがあっての事なのかな。
少しずつ少しずつ、スケルトンの包囲が近づいて来ていた。
「今です」
声を合図にガウラさんが走り出す。置いて行かれない様にしっかりと背中に着いていく。
走る先には一本道がある。よく見ると道の前にはスケルトンが1匹しか立っていなくて、ここだけ包囲が薄い。
この1匹をどうにかすれば道が拓く! これが狙いだったんだ! でも、ガウラさんの攻撃力じゃ骨にダメージは与えられないんじゃ⋯⋯。
「退いてもらいますよ!」
ガウラさんが走りながら指先で剣身をなぞる。指先には魔力が集中していて、なぞった剣身が魔力で覆われた。魔力付与だ。
「快刀乱麻!」
目の前のスケルトンに目掛けて切先を向ける。切先は膝の関節を狙って突き出され、魔力の筋を切り裂く。片脚を失ったスケルトンはバランスを崩して倒れ込む。
「急いで! また塞がれてしまいますよ!」
「う、うん!」
何とか包囲を脱出する事に成功した。ただ、これで問題が終わるはずがなく⋯⋯。しばらくの間、走り続けると。
「事態は最悪のままですね」
「そんな⋯⋯行き止まり⋯⋯」
目の前には岩の壁があるだけだった。戻ろうにもスケルトンの波が押し寄せていた。
「ハートさん」
「なに!? あっ、ごめ⋯⋯ん」
つい声を荒げてしまった。焦ったり混乱すると、わたしはいつも口調が荒くなって冷静な判断が出来なくなる。悪い癖だ。
「こちらへ」
「え!? ちょっ⋯⋯!」
腕を引かれ、わたしの身体がすっぽりと収まる窪みに押し込まれる。
「私が⋯⋯ここで壁になります⋯⋯はっ、はっ⋯⋯私の死体を壁にして隠れ続けて下さい」
短時間の戦闘だけでも呼吸が乱れるのに、更にその後しばらく走り続けたせいか、ガウラさんはさっきの比にならない程に疲弊していた。まともに呼吸も出来ていない様に思える。息を吐く度にゼーゼーと喘鳴が聞こえて来る。
「死体⋯⋯? なに言ってるの!? そんなの絶対にダメだよ!」
ガウラさんの胸を押して、外に出ようとするけど胸に力を加えた瞬間、苦しそうに咳き込む音が聞こえる。
「ご、ごめんなさい⋯⋯! わたし⋯⋯」
しばらくの沈黙が続く。何も考えていない訳じゃなかった。自責の念でずっと頭の中がいっぱいだった。
苦しそうな声が耳から離れない。違う。違うの。苦しめたかった訳じゃない。違う、違う違う違う。でも、外に出ないとガウラさんは死ぬ気だ⋯⋯わたしなんかを守って。どうすればいいの⋯⋯分かんないよ⋯⋯。
「先程の話ですが⋯⋯」
「え?」
回復時間の短縮効果で、さっきよりも呼吸が落ち着いてきているのが分かる。喘鳴が聞こえなくなっているのが証拠だ。
こんな時にさっきの話なんていいよ! 全部わたしが悪いんだから、どうにかしないと! ガウラさんだけでも助けたい!
「聞いてください」
両肩を掴まれる。弱々しく震える手から伝わる振動が、胸の奥を引っ掻く。わたしのせいで疲弊させてしまった。わたしのせいでこんな危険に巻き込んでしまった。わたしのせいで⋯⋯。
「聞いてください!」
肩を掴む手に力が入る。思わずガウラさんの目を見る。瞳に映るガウラさんの顔は絶望してなんていなかった。遥か未来を見ている。そんな瞳をしていた。
なんて綺麗な瞳なんだろう。銀色に輝く虹彩に吸い込まれそう。瞳に映ったわたしが見える。怯えた表情で今にも泣き出してしまいそうな姿をしている。ガウラさんにはこういう風に見えてるんだ。
「落ち着きましたか」
「う、うん⋯⋯」
返事を聞くと、一呼吸置いてガウラさんが話し始める。
「私に命令されれば、使いたくないスキルを使う。貴女がそう考えているのが分かりました。それが断った理由です」
「それは⋯⋯」
たしかに、さっきはそう言うつもりだった。「ガウラさんが命令してくれれば、幾らでも使う」って。本音を言えば、これまでの経験がわたしの心に深い傷を残していた。
スキルを使えば迷惑をかけ、誰1人としてこの力を必要としない。終わった後のみんなの失望の態度。ずっと、ずっと心に残ってた。スキルを使う前に身体が震える理由なんて当に分かってた。
でも、ガウラさんに命令されるなら、こんな独りよがりな気持ちなんていくらでも無視できる。
例え、身体が震えようとも。心が砕けようとも。「スキルを使え」その一言でわたしは自身の気持ちにだって蓋をする。
「私は貴女の意思を尊重したい。ですが、今の貴女は自身の気持ちを押さえ込み、無理をしようとしている」
なんでこの人は、ここまでわたしなんかの事を考えてくれるんだろう。
「貴女に軽々しく命令なんて出来ない。私の我儘で申し訳ありません。せめて、この命をもって貴女を守ります」
「嫌だ! 死なないでよ! わたしなんかどうなってもいいから!」
「気にしないでください。死ぬのが少し早くなっただけです。どうせ死ぬのであれば、意義のある死を遂げたい。これも私の我儘です
それと、「なんか」なんて言わないでください。貴女は素敵な人だ。もっと自信をもって下さい」
覚悟をした瞳は斯も美しいのか。なんて言葉が頭を過ぎる。ガウラさんは死ぬ覚悟を決めている。
我儘なんて言ってるけど、この精神がこの人の本質を表してるんだろう。他人を慮り、自分と他人の命を天秤にかけて自分を犠牲にする。
覚悟。わたしに足りないものだったんだ。
死にたくない。死なせたくない。
「来ましたね。しっかりと隠れて下さい」
通路の奥から骨同士がぶつかる音が幾つも聞こえてくる。ゆっくりと通路を通って、こっちに近づいてくるのが隙間から見える。
スケルトンの持つ剣が松明の光を反射し、怪しく光る。
その剣がガウラさんを切り裂き、血塗れになる姿が目に浮かんでしまう。
人は死の間際に本性を表す。それは自分の死だけではなく、他人の死でも同じだったのかもしれない。
「ガウラさん」
「どうしま⋯⋯うぐっ」
思いっきりガウラさんの胸を押し、倒す。倒れたガウラさんに馬乗りになったわたしは、「ごめんね」とだけ口にして立ち上がる。
向き直した先には骨の集団。背後には倒れ込む仲間と岩の壁。
死にたくないし、死なせたくない。どっちかを選べと言われるなら、わたしは死なせない方を選ぶ。
どちらも選べる程、わたしは強くない。
せめて、弱いなりに最期くらい足掻いてやる。
不思議と身体の震えはなかった。
「ハートさん!」
祝福「メスガキ」 挑発スキル『ざぁこ』
──発動
「ざぁ~こ♡群れなきゃただのザコ♡骨しか取り柄なし♡子供1人に大人数とかだっさぁ♡」
もう発動した。後戻りは出来ない。
「ざぁこ♡ざぁこ♡」
スケルトン達が理性を失う。味方同士で争い殴り合う個体も居れば、手に持つ剣で一方的に切り倒す個体もいる。
全てがそうだったら楽だったんだけど、前方に居た数匹のスケルトンがこちらに向かってくる。
マズイ⋯⋯まだ数が多い。このままスキルを解く訳にはいかない。
ガウラさんだけでも逃げれる位には減らさなきゃ。
「くっさぁ♡こっちくるな♡」
ガウラさんがどうしてるか分からない。知力が高い人は理性を失うのを通り越して、ただぼーっとするだけの人もいるからそのパターンかもしれない。後ろを見れないのが歯痒い。
目の前までスケルトンが迫りくる。振り上げた剣の影がわたしの顔にかかり、ただただ見上げるしかなかった。
このまま斬られる。痛いのは嫌だから、一撃で楽にしてほしいな。
「貴女は本当に突拍子もない事をしますね」
肩に乗せられた手と同時に、とても冷静な声が耳に入ってくる。
理性を失うでも茫然自失とするでもなく、平然としているガウラさんが視界の端に映る。
「ふっ!」
剣を振り上げていたスケルトンの頭蓋骨をレイピアが貫く。剣を落とし、力を失ったスケルトンが塵になる。
えっ? えっ? なに? 何が起きてるの?
「あと6体ですね。すぐに片付けます」
悠然とスケルトンに近付き、魔力付与されたレイピアで1体目の首を切り落とす。次は2体並んでいるスケルトンの頭を次々と貫く。
背後に剣持ちのスケルトンが! 危ない!
「背後取るとか卑怯♡騎士道精神のかけらもない♡」
これで伝われ!
「後ろですね」
振り返らずスケルトンの振り上げた剣を持った手を掴み、そのまま正面のスケルトンへと振り下ろす。
頭蓋骨が砕かれ、塵になる。掴んでいるスケルトンには、ナイフを逆手で刺してトドメを指す。
最後の1体はレイピアで頭を貫き、終了。
すごい。瞬く間に合計7体のスケルトンを退治した。ゴブリン1匹に苦戦していたとは思えない素早さと威力だった。
「ふぅ⋯⋯向こうは全滅ですか。凄まじいですね。貴女のスキルは」
視線の先には塵の山が小さく出来ていた。こっちに来たスケルトン以外は同士討ちで全滅してたみたい。
「ご、ごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
「どうし⋯⋯ああ、いえ、その様なスキルでしたね」
言いたい事は色々あるけど、ひとまずこれは聞きたい。
「なんで何ともないの!?」
「これが私の祝福「完全耐性」のスキル。『金剛不壊』の効果だからです。全ての精神的デバフを無効化する便利なスキルなんですよ」
腰が抜けた。地面にへたり込む。緊張の連続だったし、死ぬのも覚悟してたから反動がきた。
最悪、暴走したガウラさんに後ろから刺される覚悟もあった。平然としたガウラさんを見て気が抜けちゃった。
「わ、わたし、ガウラっ⋯⋯さんが⋯⋯本当にしぬ気、だと思って⋯⋯がんばったんだよ⋯⋯?」
安堵感から涙腺が緩み、堪えながら話す。今にも涙が溢れそう。
「本気でしたよ。貴女を守って死ぬ気でした。ハートさんが覚悟をしてくれたお陰で戦えました。ありがとうございます」
屈んでわたしの手を握るガウラさんの微笑みと、感謝の言葉が胸に刺さる。
他の人達は戦闘後、いつも蔑みや失望の視線ばかり向けてきた。感謝の言葉をかけられる事なんて1度もなかった。
「う、うう⋯⋯うぁああああああ」
感極まったわたしは大声で涙を流しながら泣き出す。
これは悲しくて泣いてる訳じゃないからいいんだ。嬉し泣きだから我慢しなくていい。
「今までよく頑張りましたね」
慰めと称賛の意味を込められた言葉と共にわたしを抱き寄せる。
思う存分、胸の中で泣き続けた。やっと報われたんだ。51回目にしてやっと会えた。何回諦めかけたか覚えてない。遂に⋯⋯。
そこでわたしの意識は途切れた。
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