僕を拾ってくれたのはイケメン社長さんでした

なの

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先生からの電話

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「あれ?樹も奈月くんも寝てるよ」
卓也の声で目が覚めた。
「悪い、寝ちまったな」
「なんだか2人とも幸せそうに寝てたよ。こっちこそ起こして悪かったな」
「いや……寝るつもりもなかったし」

「あら、やっと起きたの?ご飯できたわよ」
母さんの声が聞こえて奈月を起こした。奈月起きて、ご飯だよ。
まだ眠いのか樹さん、まだ眠い……と聞こえてきたが、まだ少食の奈月にご飯を食べずに寝かすわけにはいかない。抱っこして無理やり起こした。
なんとなくぼーっとしてる奈月の口元にスプーンを当てた。奈月、口開けて茶碗蒸しだよ。みんながいる前でいちゃついてるようにするのは少し恥ずかしかったが、みんなは見て見ぬふりをしてくれた。奈月は抵抗もなく素直に口を開けてくれた。
「美味しい」一口食べて言うとハルさんが大袈裟なくらい喜んでくれた。

「奈月くん、いっぱい食べてね」
奈月は頷いてその後はフォークを使って左手で食べ始めた。せっかく食べさせてあげれると思ったのに…と少し残念がって手が止まってしまった。
「樹さんも疲れた?早く食べて早く寝ましょうね」
笑顔で言う奈月はとても可愛かった。

ご飯を食べソファーで一休みしてると卓也がまた明日。と帰っていった。
「奈月、そろそろお風呂に入るか、やっとギプスも取れてよかったよな」
ギプスをしてて痒かったんだろう。腕には定規などで隙間から掻いた跡が見られた。家に帰ってからも洗ったが見ると掻きむしりそうになっていた。薬をもらってるのでお風呂から上がったら塗ろうな。と言ってお風呂に入った。最近は俺との風呂に慣れたのか、恥ずかしがることも少なくなったが、その代わり性的な話も一切しなくなった。触れられたくないんだろう。俺も理性を総動員させて奈月の前では紳士に務めた。結構大変なんだが仕方がない。まだ奈月とそういう関係になるのは難しいだろうし、奈月のトラウマが癒えない限りは無理だろう。
ただ、一緒にお風呂に入って奈月を抱きしめて寝るぐらいは許してほしい。
奈月の腕に傷薬を塗ってから、念のためサポーターも巻いた。そしていつものようにポカポカの奈月を抱きしめて背中を撫でてやるとすぐに寝息が聞こえてきた。余程、疲れたんだろう。車に長時間乗るのも初めてだったに近いだろう。俺もウトウトとしかかった時、スマホの通知音が聞こえた。目をこすりながら、こんな時間に……と画面を切ると八巻先生からの着信だった。
奈月を起こさないようにベットから抜け出して書斎に行きながら電話を取った。
「もしもし先生」
「樹、悪いな遅い時間に」
「いえ、こちらこそすみません。連絡取れたんですか?」
「まぁな。自分に役に立つのならって引き受けてくれたが、まだ学生だから資格を持ってる先輩も連れて行きたいと言われてるんだが大丈夫か?」
「先輩……ですか?」
「うん。彼の2個上らしくて、リハビリ専門の病院で働いているそうだ。彼も信頼してるみたいでな」
「わかりました。いつにしますか?」
「今度の日曜って言われたが、予定はどうだ?」
「大丈夫です」
「じゃあ10時ごろに行くようにするよ。俺の事務所で待ち合わせてるんだ」
「わかりました。卓也に聞いて可能なら迎えに行きます」
「そうか、それは助かるよ。じゃあまたな」
「ありがとうございました」

奈月のリハビリが始まるのは助かるが、彼たちは本当に信頼して大丈夫なんだろうか?少し心配になりながらベットに戻ると奈月は俺の枕を抱きしめて眠っていた。
「寂しかったか?」
枕を取って腕枕をしてやると胸元に擦り寄ってきた。
「本当に可愛いな」
温かい奈月を抱きしめると本当に幸せな気持ちが湧き起こる。このままずっと一緒にいたい。奈月のおでこにキスをした。

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