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フラッシュバック
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「奈月くん、そろそろおやつの時間だよ」
ハルさんの声で目を覚ました。ずいぶん眠っちゃったような感じがする。
「よく寝てたわね。顔色もいいし、そろそろおやつにしましょ」
テーブルの上にはプリンがあってその上には生クリームが乗っていてキウイとミカン、りんごもあった。
「うわぁ~コンビニスイーツで見たことがあったプリンパフェに似てる。美味しそう」
「あんまりいっぱい食べたら晩ごはんが食べられないかもしれないから少しだけね」
そうハルさんは言ってくれたけどおやつには十分だ。硬めのプリンに生クリームと少し苦めのカラメルがよく合っていてすごい美味しかった。
「じゃあ落ち着いたら餃子作りましょうね」
そう言うとハルさんが餃子の用意をしてるのを横で見ていた。今日は2種類の粉を使うのよ。と粉と塩、お湯を入れて箸で混ぜてから今度は手でコネ始めた。片手では難しそうだなって見ていたら
「じゃあいったんお休みさせましょう?」
「おやすみですか?」
「そう。美味しくなぁ~れってお願いしながらね」
そう言って、その生地を冷蔵庫に寝かせた。
それからハルさんは餃子の中身を作り始めた。
お肉にキャベツやニラをいっぱい刻んでからボールに入れて混ぜていた。僕は左手ではうまくできそうになかったから側で見ていた。
「じゃあそろそろかな?」
少し休んだ生地をハルさんが丸い形にのばしてくれた。
「奈月くん、ここに生地と具材を入れて押すとできるのよ。やってみようか?」
ハルさんに言われてやってみる。でも具が多かったのかはみ出してしまった。
「あら、少し多かったのね。大丈夫、次は少なめにしようね」
ハルさんは僕が失敗しても怒らない。次は少なめにっとこれくらいかな?普通の餃子もキムチやチーズを入れた餃子もたくさん作った。
「奈月くん凄いね。手が疲れてないかな?」
「大丈夫です」
「じゃあハルさんはこれから他の用意をするから待っててね」
その時チャイムがなって中島さんが来た。
「奈月くんもよかったらお散歩行かない?イトちゃんもいるかもよ」
里佳さんに言われて、あのもふもふのイトちゃんに会いたくて一緒に行くことにした。
「奈月くん気をつけてね。帰ったらみんなで餃子食べようね」
「ハルさん行ってきます」
ココのリードを持った里佳さんと一緒にゆっくり歩いた。昨日も行ったドックランに行くとイトちゃんの姿は見えなくて少し残念だなと思ったけど他にもたくさんのわんちゃんたちが走っていた。その中にマックと同じ柴犬を連れた男性2人が見えた途端、僕は家の方向に走った。なんだか怖くて昔を思い出しそうで…お散歩に行かないで家で待ってればよかったのに…後ろで里佳さんの声が聞こえたけど…走ってる途中で樹さんの声が聞こえたようで立ち止まった。すると車から降りてきた樹さんの姿を見て安心した僕の記憶はそのまま途切れた。
〈side ハルさん〉
奈月くんは頑張り屋さんで、でも無理しちゃうところがあるから心配してたけど、一緒に餃子作りをして楽しそうで安心していた。中島さんとのお散歩も行かないと思っていたけど昨日会ったわんちゃんに会いたいみたいで元気に行ってきます。と言って出でったけど大丈夫かな?と心配していたら、奥様の郁子さんが帰ってきた。
「ハルさんただいま」
「奥様おかえりなさい」
「あれ?奈月くんは?」
「それが…」
中島さんたちとお散歩に出かけたと話してる途中で電話がなった。相手は中島さんで、奈月くんが急に逃げるように家の方向に行ってしまったと…奥様と奈月くんを探しに玄関のドアを開けたら奈月くんを抱えた樹さんが帰ってきた。
「奈月くんっ」
「とりあえず、ソファーに…」
奈月くんは額に汗をかいていた。途中で転んだのだろうかズボンの膝に土がついていた。
「何があったんですか?」
樹さんに言われて中島さんからの電話を伝えると、もしかしたら奈月くんのフラッシュバックの原因になる人と接触したのかもしれないんじゃないかと…
「とりあえず、中島さんがきたら話を聞いてみます」
そう言って奈月くんの汗を拭いていると奈月くんの目が開いた。
「樹さん…僕……」
「奈月くんもう家だから安心していいよ。転んじゃったかな?服が汚れてるから着替えようか?」
樹さんが声をかけると頷いて樹さんと一緒に部屋に戻っていった。
「奥様……」
「とりあえず中島さんがきたら待っててもらって」
「わかりました」
そのあとすぐに中島さんが犬達を連れて帰ってきた。
奈月くんは部屋で私と一緒に待ってる間に奥様と樹さんが中島さんとお話ししているようだった。
「ハルさんごめんなさい」
「奈月くんが謝ることはしてないでしょ?」
「でも…僕またみんなに迷惑かけちゃって…」
「大丈夫よ」
涙目で言う奈月くんを抱きしめた。この子がこれ以上辛い思いをしないようにみんなで支えてあげたいと強く思った。
しばらくすると樹さんが戻ってきた。きっと話も終わったんだろう。あとは樹さんに任せて部屋を後にした。
ハルさんの声で目を覚ました。ずいぶん眠っちゃったような感じがする。
「よく寝てたわね。顔色もいいし、そろそろおやつにしましょ」
テーブルの上にはプリンがあってその上には生クリームが乗っていてキウイとミカン、りんごもあった。
「うわぁ~コンビニスイーツで見たことがあったプリンパフェに似てる。美味しそう」
「あんまりいっぱい食べたら晩ごはんが食べられないかもしれないから少しだけね」
そうハルさんは言ってくれたけどおやつには十分だ。硬めのプリンに生クリームと少し苦めのカラメルがよく合っていてすごい美味しかった。
「じゃあ落ち着いたら餃子作りましょうね」
そう言うとハルさんが餃子の用意をしてるのを横で見ていた。今日は2種類の粉を使うのよ。と粉と塩、お湯を入れて箸で混ぜてから今度は手でコネ始めた。片手では難しそうだなって見ていたら
「じゃあいったんお休みさせましょう?」
「おやすみですか?」
「そう。美味しくなぁ~れってお願いしながらね」
そう言って、その生地を冷蔵庫に寝かせた。
それからハルさんは餃子の中身を作り始めた。
お肉にキャベツやニラをいっぱい刻んでからボールに入れて混ぜていた。僕は左手ではうまくできそうになかったから側で見ていた。
「じゃあそろそろかな?」
少し休んだ生地をハルさんが丸い形にのばしてくれた。
「奈月くん、ここに生地と具材を入れて押すとできるのよ。やってみようか?」
ハルさんに言われてやってみる。でも具が多かったのかはみ出してしまった。
「あら、少し多かったのね。大丈夫、次は少なめにしようね」
ハルさんは僕が失敗しても怒らない。次は少なめにっとこれくらいかな?普通の餃子もキムチやチーズを入れた餃子もたくさん作った。
「奈月くん凄いね。手が疲れてないかな?」
「大丈夫です」
「じゃあハルさんはこれから他の用意をするから待っててね」
その時チャイムがなって中島さんが来た。
「奈月くんもよかったらお散歩行かない?イトちゃんもいるかもよ」
里佳さんに言われて、あのもふもふのイトちゃんに会いたくて一緒に行くことにした。
「奈月くん気をつけてね。帰ったらみんなで餃子食べようね」
「ハルさん行ってきます」
ココのリードを持った里佳さんと一緒にゆっくり歩いた。昨日も行ったドックランに行くとイトちゃんの姿は見えなくて少し残念だなと思ったけど他にもたくさんのわんちゃんたちが走っていた。その中にマックと同じ柴犬を連れた男性2人が見えた途端、僕は家の方向に走った。なんだか怖くて昔を思い出しそうで…お散歩に行かないで家で待ってればよかったのに…後ろで里佳さんの声が聞こえたけど…走ってる途中で樹さんの声が聞こえたようで立ち止まった。すると車から降りてきた樹さんの姿を見て安心した僕の記憶はそのまま途切れた。
〈side ハルさん〉
奈月くんは頑張り屋さんで、でも無理しちゃうところがあるから心配してたけど、一緒に餃子作りをして楽しそうで安心していた。中島さんとのお散歩も行かないと思っていたけど昨日会ったわんちゃんに会いたいみたいで元気に行ってきます。と言って出でったけど大丈夫かな?と心配していたら、奥様の郁子さんが帰ってきた。
「ハルさんただいま」
「奥様おかえりなさい」
「あれ?奈月くんは?」
「それが…」
中島さんたちとお散歩に出かけたと話してる途中で電話がなった。相手は中島さんで、奈月くんが急に逃げるように家の方向に行ってしまったと…奥様と奈月くんを探しに玄関のドアを開けたら奈月くんを抱えた樹さんが帰ってきた。
「奈月くんっ」
「とりあえず、ソファーに…」
奈月くんは額に汗をかいていた。途中で転んだのだろうかズボンの膝に土がついていた。
「何があったんですか?」
樹さんに言われて中島さんからの電話を伝えると、もしかしたら奈月くんのフラッシュバックの原因になる人と接触したのかもしれないんじゃないかと…
「とりあえず、中島さんがきたら話を聞いてみます」
そう言って奈月くんの汗を拭いていると奈月くんの目が開いた。
「樹さん…僕……」
「奈月くんもう家だから安心していいよ。転んじゃったかな?服が汚れてるから着替えようか?」
樹さんが声をかけると頷いて樹さんと一緒に部屋に戻っていった。
「奥様……」
「とりあえず中島さんがきたら待っててもらって」
「わかりました」
そのあとすぐに中島さんが犬達を連れて帰ってきた。
奈月くんは部屋で私と一緒に待ってる間に奥様と樹さんが中島さんとお話ししているようだった。
「ハルさんごめんなさい」
「奈月くんが謝ることはしてないでしょ?」
「でも…僕またみんなに迷惑かけちゃって…」
「大丈夫よ」
涙目で言う奈月くんを抱きしめた。この子がこれ以上辛い思いをしないようにみんなで支えてあげたいと強く思った。
しばらくすると樹さんが戻ってきた。きっと話も終わったんだろう。あとは樹さんに任せて部屋を後にした。
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