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大円団
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ロビーには小倉さんと優太さんが待ってくれていた。
「遅かったね?」
「どうせ、いちゃいちゃしてたんだろ?」
「まあな」
「否定しないのかよ。それより、出しに行くんだろ?パートナーシップの紙。終わったら学の店に来いよ。みんなでお祝いしてやるから」
「いいのか?」
「何年お前の友達やってると思ってるんだよ。2人が結婚したんならお祝いするだろ」
「ありがとうな」
「それにしても勝手に名字変えやがって、なんて呼べばいいんだよ」
「別に浅井でもいいから」
「僕はずっと透って呼んでるから別にいいけど」
「まぁ…いいか。何だって。じゃあ先に言ってるから」
そう言って2人は行ってしまった。
「海斗、荷物だけ部屋に預けようか、それから出しに行こう16時に予約してるから」
「はい。でもいいんですか?部屋までプレゼントしてもらって」
「いいんだよ。2人からの結婚のお祝いと海斗への誕生日プレゼントだって言ってたぞ」
僕たちはチェックインして部屋に向かうと、そこはスイートルームだった。
「綺麗。豪華ですね。1泊なんてもったいないです」
「そうだな。夜が楽しみだ」
そう言って透さんは抱きしめてキスをしてくる。
「海斗はもう俺のものだからな」
「じゃあ透さんは僕のもの?」
お互い見つめ合って笑ってしまった!
「もちろん!学の店で飲み過ぎるなよ」
「透さんもですよ。あっ、もう行かないと遅刻しちゃいますよ」
「そうだな。デザートは最後にとっておこうか。じゃあ行くぞ」
手を繋いで2人で区役所に向かった。手続きはすんなり終わり、パートナーシップ宣誓書受領カードを受け取った。これからは病院で家族同様の扱いを受けることができる。他にもちゃんとパートナーとして認められる。本当に透さんのパートナーになったんだと実感が湧いてきた。
それから僕たちは、透さんのお店に向かった。店のドアを開けると「おめでとう」の声がかかった。
学さんと悠人、小倉さんと優太さん、四ノ宮さんと西原さん。いつものメンバーが待っていてくれた。
「2人の結婚と海斗くんの誕生日のお祝いをしようぜ」四ノ宮さんの掛け声でロゼのスパークリングワインで乾杯した。
「海斗、誕生日と結婚おめでとう」
学さんと悠人からワイングラスと僕の大好きな銘柄のワインをプレゼントをもらった。
「ありがとう」
「幸せになれよ」
「俺たちも」と小倉さんと優太さんからは色違いのネクタイをもらった。
「シルクだから結びやすいしシワになりにくいから」
「ありがとうございます」
「じゃあ、これは俺と涼太から」
「これ…いいんですか?」
四ノ宮さんと西原さんからはブランドのキーケースだった。透さんと僕で色違いでネームも入っていた。
「まぁ…結婚祝いも兼ねてだから。幸せになれよ」
「ありがとうございます」
「じゃあ最後に俺から。海斗26歳の誕生日おめでとう。そして俺の一生のパートナーになってくれてありがとう」そう言って、青いリボンが付いている箱を渡された。リボンを解いて中を開けて見ると「わぁ~」
「前に一緒に買い物に行った時、見てたから」
「ありがとうございます」
透さんからは腕時計だった。秘書になって時間で動くことが多くなって新しい腕時計が欲しいと思っていた。この前、一緒に買い物をしてる時に見ていたものだった。
みんなから、たくさんのプレゼントをもらってお祝いしてくれて嬉しかった。みんなで飲んで、たくさん話して、学さんの美味しい料理を食べていた。
ふと悠人が隣に来ていた。
「海斗、おめでとう。まさか本当に結婚するとは思わなかったよ。よかったな。これからもっと幸せになれよ」
「うん。幸せになるね」
そうだ、あの雨の日に悠人と会ってここに連れてきてもらった。そして気がついたら鬼上司と呼ばれてた透さんの部屋にいたのだ。行く場所がなくなった僕を住まわせてくれて、たくさんの愛をくれた。
父さんと母さんのこと、自分の過去のことも話した。
嫉妬して苦しい思いも、悲しい思いもいっぱいして、たくさんの涙をこぼしたこともあった。
透さんの秘書になるためにスクールにも通った。まだ結果は出てないけど…受かるといいな。
たくさんの思い出がある。
きっとこの先も、お互いの気持ちがわからなくなったり、嫉妬したりして、ぶつかることも、言い合うこともあるだろう。
それでも明日も明後日も、そしてこれから先、何十年先の未来も…透さんと手を取り合って、同じ歩幅で足音を響かせながら未来へと生きていきたい。
隣にいた透さんにもたれながら
「透さん、僕幸せです」と言うと
「海斗、これからもっと2人で幸せになろう。愛してるよ」と言ってくれた。
そして…耳元で
「海斗、今日はどんな風に俺に愛されたい?」と囁かれた。そういえば、前もそう言われたことがあった。
幸せになることを、愛されることを怖がっていた過去の自分に教えてあげたい。
君はもっと、もっと幸せになれるよ。
君のことが大好きで、愛してくれる人がいるんだよと。
僕たちの未来への1歩は踏み出したばかりだ。
Fin.
約3ヶ月、透と海斗の物語を読んで頂きありがとうございました。紆余曲折ありましたが、ハッピーエンドで一旦終了です。
海斗が1級秘書検定は合格するのか?学さんからもらった旅行券は?その後の2人は?とまだまだ2人の物語は続きます。
いずれ番外編として、その後の2人を書けたらと思っております。
気長にお待ちください。
この2人とはまた違った感じのBL小説を今後も書く予定です。これからも応援よろしくお願いいたします。
「遅かったね?」
「どうせ、いちゃいちゃしてたんだろ?」
「まあな」
「否定しないのかよ。それより、出しに行くんだろ?パートナーシップの紙。終わったら学の店に来いよ。みんなでお祝いしてやるから」
「いいのか?」
「何年お前の友達やってると思ってるんだよ。2人が結婚したんならお祝いするだろ」
「ありがとうな」
「それにしても勝手に名字変えやがって、なんて呼べばいいんだよ」
「別に浅井でもいいから」
「僕はずっと透って呼んでるから別にいいけど」
「まぁ…いいか。何だって。じゃあ先に言ってるから」
そう言って2人は行ってしまった。
「海斗、荷物だけ部屋に預けようか、それから出しに行こう16時に予約してるから」
「はい。でもいいんですか?部屋までプレゼントしてもらって」
「いいんだよ。2人からの結婚のお祝いと海斗への誕生日プレゼントだって言ってたぞ」
僕たちはチェックインして部屋に向かうと、そこはスイートルームだった。
「綺麗。豪華ですね。1泊なんてもったいないです」
「そうだな。夜が楽しみだ」
そう言って透さんは抱きしめてキスをしてくる。
「海斗はもう俺のものだからな」
「じゃあ透さんは僕のもの?」
お互い見つめ合って笑ってしまった!
「もちろん!学の店で飲み過ぎるなよ」
「透さんもですよ。あっ、もう行かないと遅刻しちゃいますよ」
「そうだな。デザートは最後にとっておこうか。じゃあ行くぞ」
手を繋いで2人で区役所に向かった。手続きはすんなり終わり、パートナーシップ宣誓書受領カードを受け取った。これからは病院で家族同様の扱いを受けることができる。他にもちゃんとパートナーとして認められる。本当に透さんのパートナーになったんだと実感が湧いてきた。
それから僕たちは、透さんのお店に向かった。店のドアを開けると「おめでとう」の声がかかった。
学さんと悠人、小倉さんと優太さん、四ノ宮さんと西原さん。いつものメンバーが待っていてくれた。
「2人の結婚と海斗くんの誕生日のお祝いをしようぜ」四ノ宮さんの掛け声でロゼのスパークリングワインで乾杯した。
「海斗、誕生日と結婚おめでとう」
学さんと悠人からワイングラスと僕の大好きな銘柄のワインをプレゼントをもらった。
「ありがとう」
「幸せになれよ」
「俺たちも」と小倉さんと優太さんからは色違いのネクタイをもらった。
「シルクだから結びやすいしシワになりにくいから」
「ありがとうございます」
「じゃあ、これは俺と涼太から」
「これ…いいんですか?」
四ノ宮さんと西原さんからはブランドのキーケースだった。透さんと僕で色違いでネームも入っていた。
「まぁ…結婚祝いも兼ねてだから。幸せになれよ」
「ありがとうございます」
「じゃあ最後に俺から。海斗26歳の誕生日おめでとう。そして俺の一生のパートナーになってくれてありがとう」そう言って、青いリボンが付いている箱を渡された。リボンを解いて中を開けて見ると「わぁ~」
「前に一緒に買い物に行った時、見てたから」
「ありがとうございます」
透さんからは腕時計だった。秘書になって時間で動くことが多くなって新しい腕時計が欲しいと思っていた。この前、一緒に買い物をしてる時に見ていたものだった。
みんなから、たくさんのプレゼントをもらってお祝いしてくれて嬉しかった。みんなで飲んで、たくさん話して、学さんの美味しい料理を食べていた。
ふと悠人が隣に来ていた。
「海斗、おめでとう。まさか本当に結婚するとは思わなかったよ。よかったな。これからもっと幸せになれよ」
「うん。幸せになるね」
そうだ、あの雨の日に悠人と会ってここに連れてきてもらった。そして気がついたら鬼上司と呼ばれてた透さんの部屋にいたのだ。行く場所がなくなった僕を住まわせてくれて、たくさんの愛をくれた。
父さんと母さんのこと、自分の過去のことも話した。
嫉妬して苦しい思いも、悲しい思いもいっぱいして、たくさんの涙をこぼしたこともあった。
透さんの秘書になるためにスクールにも通った。まだ結果は出てないけど…受かるといいな。
たくさんの思い出がある。
きっとこの先も、お互いの気持ちがわからなくなったり、嫉妬したりして、ぶつかることも、言い合うこともあるだろう。
それでも明日も明後日も、そしてこれから先、何十年先の未来も…透さんと手を取り合って、同じ歩幅で足音を響かせながら未来へと生きていきたい。
隣にいた透さんにもたれながら
「透さん、僕幸せです」と言うと
「海斗、これからもっと2人で幸せになろう。愛してるよ」と言ってくれた。
そして…耳元で
「海斗、今日はどんな風に俺に愛されたい?」と囁かれた。そういえば、前もそう言われたことがあった。
幸せになることを、愛されることを怖がっていた過去の自分に教えてあげたい。
君はもっと、もっと幸せになれるよ。
君のことが大好きで、愛してくれる人がいるんだよと。
僕たちの未来への1歩は踏み出したばかりだ。
Fin.
約3ヶ月、透と海斗の物語を読んで頂きありがとうございました。紆余曲折ありましたが、ハッピーエンドで一旦終了です。
海斗が1級秘書検定は合格するのか?学さんからもらった旅行券は?その後の2人は?とまだまだ2人の物語は続きます。
いずれ番外編として、その後の2人を書けたらと思っております。
気長にお待ちください。
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