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秘書のお仕事
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「では社長、本日のスケジュールをお伝えいたします。」
角谷さんの声で身を引き締めて持っていたタブレットに目を落とした。
「本日は副社長と2社挨拶周り、その後会食へと続きます……
じゃあ社長、本日もよろしくお願いいたします」
「角谷、あまり海斗くんに無理させるなよ。そうじゃないと…」
「わかってます。透さんは怖いですから」
「透さんが…?」
「大丈夫です。心配しなくても本日からは私と一緒ですから。じゃあ次は副社長室に行きましょうか」
「あっ…はい」
「社長、失礼いたしました」
僕と角谷さんは新しくなった副社長室…透さんの部屋に足を進めた。
「小沢さん、副社長にスケジュールをお伝えしていただけますか?」
僕の持っているタブレットにも副社長の今日のスケジュールが載っている。さっき角谷さんが社長に伝えたようにすればいいのか…
「わかりました」
トントントン
「はい」
「副社長、よろしいでしょうか?小沢です」
ドアの前で声をかけると
「どうぞ」と声がかかった。
「失礼いたします」
角谷さんと2人で入った。
いつもと違う雰囲気を纏っている透さんは見惚れてしまうほどだった。しばらく透さんを見ていたら
角谷さんに肩を叩かれて我に返った。
「あっ…失礼いたしました。副社長、今日のスケジュールをお伝えいたします。あと1時間後に社長と共に2社挨拶周りに行きます。その後、お昼の会食にアシェンタホテルに行きます。午後は…」
「小沢さん、小沢さんも本日は同行していただけるんですか?」
「えっ?同行ですか?」
思わず角谷さんを見上げた。
「もちろんです。副社長と副社長の新しい秘書として各社にご挨拶回りで行きますよ」
「そうか…よかった。社長と角谷さんとじゃ緊張してしまいますよ」
「そんなことないでしょ。では後ほどお迎えにまいります。小沢さん行きますよ」
「はい。副社長、失礼いたしました」
副社長室を出るとホッと息を吐いた。
「緊張しましたか?」
「はい…なんだか、いつもの透さんじゃないみたいで…」
「きっと透さん…いや…副社長もそうだと思いますよ。では少し仕事をしてから同行いたしましょう。運転手の手配は私の方で終わっていますから、1時間半後にお迎え行きましょうね。エレベーターで待ち合わせです」
「わかりました。角谷さん」
それから僕はメールのチェックをしてるうちに時間がたってしまった。
「室長…これから社長と副社長の同行に行ってまいります」
「小沢さん頑張ってくださいね」
「ありがとうございます」
室長にはあれから特に何か言われることもなく平和に過ごしていた。
トントントン
「副社長失礼いたします。小沢です」
「どうぞ」
「お迎えにまいりました」
「ありがとう海斗」
そう言って抱きしめてきたのでつい手を伸ばした。
「あの…会社なので…」
「わかってるよ」
「じゃあ…」
「でも俺も緊張してるから少しだけ…」
そっと抱きしめてくれる背中に僕も抱きついた。
ほんの数十秒抱きしめあってから触れるだけのキスをして部屋を出た。エレベーターの前で社長と角谷さんに会って4人でエレベーターを降りた。
1階のエントランスに着くと、色んな人が社長達にお辞儀をしてるのを見ながら足を進めた。
運転手がドアを開けてくれて社長が先に乗り込んだ。
僕は助手席に…と思ったら、社長が小声で「海斗くん乗って」と言われて、思わず透さんを見ると頷いてくれたので、そのまま社長の隣に僕、そして透さんが乗った。助手席には角谷さんが乗って、車は出発した。
「社長、僕がこの席でいいんですか?」
思わず聞いてしまった。
「透が隣より海斗くんが隣の方がいいじゃん」と笑われてしまった。
角谷さんの声で身を引き締めて持っていたタブレットに目を落とした。
「本日は副社長と2社挨拶周り、その後会食へと続きます……
じゃあ社長、本日もよろしくお願いいたします」
「角谷、あまり海斗くんに無理させるなよ。そうじゃないと…」
「わかってます。透さんは怖いですから」
「透さんが…?」
「大丈夫です。心配しなくても本日からは私と一緒ですから。じゃあ次は副社長室に行きましょうか」
「あっ…はい」
「社長、失礼いたしました」
僕と角谷さんは新しくなった副社長室…透さんの部屋に足を進めた。
「小沢さん、副社長にスケジュールをお伝えしていただけますか?」
僕の持っているタブレットにも副社長の今日のスケジュールが載っている。さっき角谷さんが社長に伝えたようにすればいいのか…
「わかりました」
トントントン
「はい」
「副社長、よろしいでしょうか?小沢です」
ドアの前で声をかけると
「どうぞ」と声がかかった。
「失礼いたします」
角谷さんと2人で入った。
いつもと違う雰囲気を纏っている透さんは見惚れてしまうほどだった。しばらく透さんを見ていたら
角谷さんに肩を叩かれて我に返った。
「あっ…失礼いたしました。副社長、今日のスケジュールをお伝えいたします。あと1時間後に社長と共に2社挨拶周りに行きます。その後、お昼の会食にアシェンタホテルに行きます。午後は…」
「小沢さん、小沢さんも本日は同行していただけるんですか?」
「えっ?同行ですか?」
思わず角谷さんを見上げた。
「もちろんです。副社長と副社長の新しい秘書として各社にご挨拶回りで行きますよ」
「そうか…よかった。社長と角谷さんとじゃ緊張してしまいますよ」
「そんなことないでしょ。では後ほどお迎えにまいります。小沢さん行きますよ」
「はい。副社長、失礼いたしました」
副社長室を出るとホッと息を吐いた。
「緊張しましたか?」
「はい…なんだか、いつもの透さんじゃないみたいで…」
「きっと透さん…いや…副社長もそうだと思いますよ。では少し仕事をしてから同行いたしましょう。運転手の手配は私の方で終わっていますから、1時間半後にお迎え行きましょうね。エレベーターで待ち合わせです」
「わかりました。角谷さん」
それから僕はメールのチェックをしてるうちに時間がたってしまった。
「室長…これから社長と副社長の同行に行ってまいります」
「小沢さん頑張ってくださいね」
「ありがとうございます」
室長にはあれから特に何か言われることもなく平和に過ごしていた。
トントントン
「副社長失礼いたします。小沢です」
「どうぞ」
「お迎えにまいりました」
「ありがとう海斗」
そう言って抱きしめてきたのでつい手を伸ばした。
「あの…会社なので…」
「わかってるよ」
「じゃあ…」
「でも俺も緊張してるから少しだけ…」
そっと抱きしめてくれる背中に僕も抱きついた。
ほんの数十秒抱きしめあってから触れるだけのキスをして部屋を出た。エレベーターの前で社長と角谷さんに会って4人でエレベーターを降りた。
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運転手がドアを開けてくれて社長が先に乗り込んだ。
僕は助手席に…と思ったら、社長が小声で「海斗くん乗って」と言われて、思わず透さんを見ると頷いてくれたので、そのまま社長の隣に僕、そして透さんが乗った。助手席には角谷さんが乗って、車は出発した。
「社長、僕がこの席でいいんですか?」
思わず聞いてしまった。
「透が隣より海斗くんが隣の方がいいじゃん」と笑われてしまった。
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