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試食会は緊張です。
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「海斗、お袋からメッセージきてた。今日は海斗借りるって、なんだか喜んでたぞ」
「うん。僕にも届いてて…でも大丈夫ですかね?」
「ん?何かあったか?」
「僕、なんかやらかしそうで…」
「なんとかなるだろ。気にしなくてもいいから。楽しんでこいよ」
「はい。楽しんできます。行ったことないホテルですし…料理も皆さんが喜んでくれるのを選んできます。じゃあ、お先に行ってきます」
そうは言ったものの、ため息が溢れてしまう。とにかく僕は秘書課の1人、透さんの元部下。本当に気をつけないと…お義母さんにも打ち合わせしておいた方がよかったかな?そんなことを考えてるうちに会社に着いてしまった。
「え~今日は試食会&打ち合わせに小沢と他数名が行くが、社長の奥様の幸子さんと、佐伯常務の奥様の智子さんが一緒に行ってくれることになった。幸子さんと智子さんは姉妹です。行くメンバーはお2人に失礼のないようにしてください。小沢、頼んだぞ」
「はい。承知いたしました」
智子おばさんもわざわざ来てくれるのか…久しぶりに会うけど元気にしてるかな?
あのホテルの前を通ったことしかなくて行ったことがないから緊張するけど…本当に大丈夫かな僕?でも、デルも平井も一緒に行ってくれるんだから頑張らないと…そう思いながら、午前中の仕事をこなしていった。そろそろ時間かな?ある程度終わったところでホテルに行く準備を始めた。試食会が1時間、その後1時間半の打ち合わせの予定だ。
行くメンバーは正面玄関に12時半に待ち合わせて行くので僕は少し早いかなと思いながら玄関に向かうと、お義母さんと智子おばさんがもう来ていた。
「あら海斗くん、久しぶり元気だった?」
「そういえば仮縫いに行ったみたいね。林さんから連絡もらったわよ」
「姉さん、仮縫いって?」
「当日の着る衣装をプレゼントしたの」
「えーそうなの。私も何かプレゼントしたいから、今度ゆっくりと話しようね」
「2人とも、ありがとうございます。あと……今日はみんなにバレないように僕、気をつけるので、よろしくお願いします」
「心配しなくても大丈夫よ。私たち女優だから。あっ、室長よ。海斗くん呼びはこれで封印するからね」
「本日はお忙しいのに、わざわざお2人にも来ていただき本当にありがとうございます。あの小沢が何か失礼でもしませんでしたか?」
「あら、大丈夫よ。可愛い子だねって智子とも話していたの。営業から秘書課なんて大変なのに、秘書検定のこれから試験もあると伺ってね。私たちも元秘書だったから、試験勉強大変だったよねって話してたところなの」
「それはそうでしたか…メンバーも集まったので向かいましょうか。ご婦人たちはタクシーで向かわれますか?」
「あら、そんなに気をつかって頂かなくても大丈夫よ。私たちも皆さんと一緒で地下鉄に乗るから、2個先だから大丈夫よ」
「それでは、皆さん行きましょうか」
僕はデルと平井のところに行って2人から離れないからと伝えると
「海斗、透にやきもち焼かれるぞ」
「そうそう、俺たちが行くって報告したら、めちゃ睨んで何かあったら、すぐに報告しろだって」
「愛されてるね」
「そんなんじゃないよ。僕がミスしちゃうか心配してたから、それでだよ」
そんな会話をしてるうちにホテルに着いた。
やっぱり格式あるホテルは入った雰囲気から違うなーなんて呑気に考えてたら
「幸子~」とお義母さんを呼ぶ声が聞こえてきた。
「栄子、久しぶり。今日はありがとう。よろしくね」
「初めまして、みなさまホテルリゾティアにようこそお越しくださいました。ただいま会場の方にご案内いたします。支配人」
「初めまして支配人の大場と申します。本日は当日ご利用していただく大宴会場、天空の間にご案内いたします。地下1階にございますので、エレベーターにみなさまお乗りください」
支配人に案内されて僕たちは地下に降りた。
宴会場は3つあり、その1つが天空の間。収容人数は立食の場合1000人強入るので、当日も大丈夫そうだ。
テーブルにはお花の装飾や当日のメニューの一部が乗っていた。
こんなに素敵な会場で透さんのお祝いができるなんて凄いって思ってたら、お義母さんがやってきた。
「小沢さん、当日の装飾はこんな感じでいいのかしら?他に要望があったら言っていいのよ」
「あっ…はい。僕、ホテルのパーティー初めてなのでイマイチよくわからなくて」
「そういえば、食べてみた?」
「いえ…まだ」
「食べてないの?」
「なんか…皆さんに圧倒されて…」
「じゃあ取ってくるから待ってなさい」
「いえ…自分で取りに行くので大丈夫です」
「小沢、何してる?奥様すみません。慣れてないものに担当にしてしまって…」
「いいのよ室長、それに、そうそうあるものじゃないんだから」
「いや…でも、せっかくのご子息様の就任パーティーなので、こちらもしっかりと対応させて頂きたいと思っております。小沢、これから打ち合わせも兼ねてるが質問事項等、ちゃんとまとめてあるのか?」
「はい。大丈夫です」
「ちゃんとやってくれよ。社長や部長の顔を潰さないように、しっかり頼んだからな」
最近、室長の当たりが強く感じるのはなぜだろう?
ホテルの予約を取れた話をした頃から感じてる違和感があった。気にしないようにしてたけど…もしかして僕が透さんのパートナーだとバレたのかな?それで似合わないって思われてる?相応しくないって…そんなことを考えてしまってるうちに頭痛がしてきて薬を飲むためにトイレに向かった。
「うん。僕にも届いてて…でも大丈夫ですかね?」
「ん?何かあったか?」
「僕、なんかやらかしそうで…」
「なんとかなるだろ。気にしなくてもいいから。楽しんでこいよ」
「はい。楽しんできます。行ったことないホテルですし…料理も皆さんが喜んでくれるのを選んできます。じゃあ、お先に行ってきます」
そうは言ったものの、ため息が溢れてしまう。とにかく僕は秘書課の1人、透さんの元部下。本当に気をつけないと…お義母さんにも打ち合わせしておいた方がよかったかな?そんなことを考えてるうちに会社に着いてしまった。
「え~今日は試食会&打ち合わせに小沢と他数名が行くが、社長の奥様の幸子さんと、佐伯常務の奥様の智子さんが一緒に行ってくれることになった。幸子さんと智子さんは姉妹です。行くメンバーはお2人に失礼のないようにしてください。小沢、頼んだぞ」
「はい。承知いたしました」
智子おばさんもわざわざ来てくれるのか…久しぶりに会うけど元気にしてるかな?
あのホテルの前を通ったことしかなくて行ったことがないから緊張するけど…本当に大丈夫かな僕?でも、デルも平井も一緒に行ってくれるんだから頑張らないと…そう思いながら、午前中の仕事をこなしていった。そろそろ時間かな?ある程度終わったところでホテルに行く準備を始めた。試食会が1時間、その後1時間半の打ち合わせの予定だ。
行くメンバーは正面玄関に12時半に待ち合わせて行くので僕は少し早いかなと思いながら玄関に向かうと、お義母さんと智子おばさんがもう来ていた。
「あら海斗くん、久しぶり元気だった?」
「そういえば仮縫いに行ったみたいね。林さんから連絡もらったわよ」
「姉さん、仮縫いって?」
「当日の着る衣装をプレゼントしたの」
「えーそうなの。私も何かプレゼントしたいから、今度ゆっくりと話しようね」
「2人とも、ありがとうございます。あと……今日はみんなにバレないように僕、気をつけるので、よろしくお願いします」
「心配しなくても大丈夫よ。私たち女優だから。あっ、室長よ。海斗くん呼びはこれで封印するからね」
「本日はお忙しいのに、わざわざお2人にも来ていただき本当にありがとうございます。あの小沢が何か失礼でもしませんでしたか?」
「あら、大丈夫よ。可愛い子だねって智子とも話していたの。営業から秘書課なんて大変なのに、秘書検定のこれから試験もあると伺ってね。私たちも元秘書だったから、試験勉強大変だったよねって話してたところなの」
「それはそうでしたか…メンバーも集まったので向かいましょうか。ご婦人たちはタクシーで向かわれますか?」
「あら、そんなに気をつかって頂かなくても大丈夫よ。私たちも皆さんと一緒で地下鉄に乗るから、2個先だから大丈夫よ」
「それでは、皆さん行きましょうか」
僕はデルと平井のところに行って2人から離れないからと伝えると
「海斗、透にやきもち焼かれるぞ」
「そうそう、俺たちが行くって報告したら、めちゃ睨んで何かあったら、すぐに報告しろだって」
「愛されてるね」
「そんなんじゃないよ。僕がミスしちゃうか心配してたから、それでだよ」
そんな会話をしてるうちにホテルに着いた。
やっぱり格式あるホテルは入った雰囲気から違うなーなんて呑気に考えてたら
「幸子~」とお義母さんを呼ぶ声が聞こえてきた。
「栄子、久しぶり。今日はありがとう。よろしくね」
「初めまして、みなさまホテルリゾティアにようこそお越しくださいました。ただいま会場の方にご案内いたします。支配人」
「初めまして支配人の大場と申します。本日は当日ご利用していただく大宴会場、天空の間にご案内いたします。地下1階にございますので、エレベーターにみなさまお乗りください」
支配人に案内されて僕たちは地下に降りた。
宴会場は3つあり、その1つが天空の間。収容人数は立食の場合1000人強入るので、当日も大丈夫そうだ。
テーブルにはお花の装飾や当日のメニューの一部が乗っていた。
こんなに素敵な会場で透さんのお祝いができるなんて凄いって思ってたら、お義母さんがやってきた。
「小沢さん、当日の装飾はこんな感じでいいのかしら?他に要望があったら言っていいのよ」
「あっ…はい。僕、ホテルのパーティー初めてなのでイマイチよくわからなくて」
「そういえば、食べてみた?」
「いえ…まだ」
「食べてないの?」
「なんか…皆さんに圧倒されて…」
「じゃあ取ってくるから待ってなさい」
「いえ…自分で取りに行くので大丈夫です」
「小沢、何してる?奥様すみません。慣れてないものに担当にしてしまって…」
「いいのよ室長、それに、そうそうあるものじゃないんだから」
「いや…でも、せっかくのご子息様の就任パーティーなので、こちらもしっかりと対応させて頂きたいと思っております。小沢、これから打ち合わせも兼ねてるが質問事項等、ちゃんとまとめてあるのか?」
「はい。大丈夫です」
「ちゃんとやってくれよ。社長や部長の顔を潰さないように、しっかり頼んだからな」
最近、室長の当たりが強く感じるのはなぜだろう?
ホテルの予約を取れた話をした頃から感じてる違和感があった。気にしないようにしてたけど…もしかして僕が透さんのパートナーだとバレたのかな?それで似合わないって思われてる?相応しくないって…そんなことを考えてしまってるうちに頭痛がしてきて薬を飲むためにトイレに向かった。
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