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誰に何を言われても
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昨日の夜、透さんから明日の朝は少し早く起きてと声をかけられた。何かと思ったらデルを一緒に迎えに行こう…って。
そうか…明日はデルさんのホテルに迎えに行って一緒に会社に行かないと行けないのか…少し戸惑ってしまっていると…
「海斗?まだ疑ってる?俺は本当に海斗だけだから心配しないで」
そう声をかけられたが、そうではない。それは解決したし、僕は透さんに愛されてるってわかったから大丈夫なんだけど…
僕が戸惑っていたのは、透さんとデルさんが一緒に歩いていたら、ますます人気が上がってしまいそうなほど、2人は容姿がいいのだ。
そこに僕がいたらなんで?って絶対に言われてしまう。どう言っていいのかわからない。
「海斗、どうした?」
「僕、2人と一緒に行けません」
「どうして?」
「だって……」
「どうした?何かあったか?」
僕は悩みながら打ち明けた。2人の間には入れないと…だって…2人はかっこいいから。
そう言うと透さんは笑ってそんな事ないって言ってくれた。
でも本当は…まだ僕は透さんのパートナーと公表してないのだ。それなのに一緒にいたらみんなにバレてしまうのが怖かった。
透さんに相応しくない。そんなことを言われてしまったら僕はその場で泣いてしまうだろう。
だから公表するまでは一緒に行けない。そんなことを言う僕を宥めて透さんは今日はいいよ。でも明日からはずっと一緒に出勤だからね。そう言って抱きしめてくれた。
透さんの隣はやっぱり安心できるしよく眠れる。あれほど少し早く起きてと言われたのに…僕は結局、透さんに起こしてもらった。
透さんに言われてデルさんをホテルまで迎えに行った。
「かいとーおはよう」目を輝かせて両手を広げて挨拶をされて僕は思わず後ずさりをした。海外の挨拶はTVで見たことがある。透さんの前で抱き合うなんてできない。
すると透さんは僕を庇うように立つと「デル海斗には、おはようの言葉だけでいいから」
するとデルさんは口を尖らせ
「えーいいじゃん。向こうじゃハグは普通だよ」
「ここは日本だからな…ここは」
「はぁーい」
「じゃあ透さん、僕行きます」
そう言うとデルさんが僕の手を掴んだ。
「どういうこと?かいとは行かないの?」
「うん…ごめんなさいデルさん。僕は1人で…」
「待って昨日、一緒に行くって…何があったの?透とのことなら本当にないよ。心配しなくても」
「そうじゃないんです。僕が弱虫だから」
透さんは僕の代わりにデルさんに説明してくれた。
まだ公表もしてないのに一緒には行けないこと。もし誰かに似合わない、相応しくないと言われたら辛いから…って…
デルさんはしばらく黙ってから口を開いた。
「かいと、似合うとか似合わないって誰かの意見を気にするのは間違ってるよ。似合わないって言われたら辛いかも知れないけど。透とは似合わないって言われたら透と別れられるの?もし俺と海斗が似合うって言われたら俺と付き合うの?そうじゃないでしょ?人の価値観や物の見方で自分の気持ちは変えられない。好きな人はどんなことを言われても好きだし、嫌いな人は嫌いなんだよ。だから心配しないで一緒に行こう。今日は俺と一緒、誰にも文句は言わせないからit's all right.大丈夫だ」
デルさんの言葉が嬉しかった。透さんは頷いて肩を抱いてくれた。人の言葉を気にしても透さんと別れることはできない。別れたくない。
「ほらほら早く行こう。Let's go!」
透さんとデルさん、そして僕の3人は会社に向かった。大丈夫!大丈夫!そう思いながら…
2人の少し後ろを歩いていた。会社が近づいてくると余計に不安になっていった。
会社のエントランスに着くと佐伯常務と弁護士の里中さんまでいて僕はびっくりしてしまった。
「おはよう」
「元気だったか?」
2人に声をかけられて唖然としてしまった…だって、みんな見てるし、僕は1人でアワアワしていると
「叔父さん、こちらがデル・ランドル、まだ向こうでの手続きが終わってないから顔見せだけだけど連れてきた」
「デルくん。よく日本に来ることを決断してくれたね。ありがとう。これからよろしく頼むな」
そう言って常務と握手をして話始めていた。
僕はそれを見ながら周りに集まっている人の視線を感じて俯いてると平井に声をかけられた。
「小沢おはよう」
「あっおはよう」
「ねぇ、あの彼だれ?めちゃくちゃイケメンじゃん」
「あ!デルさん、とお…部長が高校の時に交換留学生として来てたみたいで、向こうで会って、ここで一緒に働くことになったんだ」
「へぇー日本語喋れる?」
「あっうん。フランス語も喋れるって言ってたよ」
「すげーかっこいいな。俺にも紹介してよ」
「うん。いい人だよ」
「かいとー」
平井と話をしてたらデルさんがきてくれた。
「あ!初めまして、小沢の同期の平井 翔です」
「かけるーかっこいい名前だね。俺はデル・ランドルよろしくね」
気さくなデルは平井にも挨拶してくれた。
そんな様子を見ていた女性たちや男性に囲まれて、すっかりデルさんの周りには人だかりができてた。その隙に僕は平井と営業部に足を向けた。
そうか…明日はデルさんのホテルに迎えに行って一緒に会社に行かないと行けないのか…少し戸惑ってしまっていると…
「海斗?まだ疑ってる?俺は本当に海斗だけだから心配しないで」
そう声をかけられたが、そうではない。それは解決したし、僕は透さんに愛されてるってわかったから大丈夫なんだけど…
僕が戸惑っていたのは、透さんとデルさんが一緒に歩いていたら、ますます人気が上がってしまいそうなほど、2人は容姿がいいのだ。
そこに僕がいたらなんで?って絶対に言われてしまう。どう言っていいのかわからない。
「海斗、どうした?」
「僕、2人と一緒に行けません」
「どうして?」
「だって……」
「どうした?何かあったか?」
僕は悩みながら打ち明けた。2人の間には入れないと…だって…2人はかっこいいから。
そう言うと透さんは笑ってそんな事ないって言ってくれた。
でも本当は…まだ僕は透さんのパートナーと公表してないのだ。それなのに一緒にいたらみんなにバレてしまうのが怖かった。
透さんに相応しくない。そんなことを言われてしまったら僕はその場で泣いてしまうだろう。
だから公表するまでは一緒に行けない。そんなことを言う僕を宥めて透さんは今日はいいよ。でも明日からはずっと一緒に出勤だからね。そう言って抱きしめてくれた。
透さんの隣はやっぱり安心できるしよく眠れる。あれほど少し早く起きてと言われたのに…僕は結局、透さんに起こしてもらった。
透さんに言われてデルさんをホテルまで迎えに行った。
「かいとーおはよう」目を輝かせて両手を広げて挨拶をされて僕は思わず後ずさりをした。海外の挨拶はTVで見たことがある。透さんの前で抱き合うなんてできない。
すると透さんは僕を庇うように立つと「デル海斗には、おはようの言葉だけでいいから」
するとデルさんは口を尖らせ
「えーいいじゃん。向こうじゃハグは普通だよ」
「ここは日本だからな…ここは」
「はぁーい」
「じゃあ透さん、僕行きます」
そう言うとデルさんが僕の手を掴んだ。
「どういうこと?かいとは行かないの?」
「うん…ごめんなさいデルさん。僕は1人で…」
「待って昨日、一緒に行くって…何があったの?透とのことなら本当にないよ。心配しなくても」
「そうじゃないんです。僕が弱虫だから」
透さんは僕の代わりにデルさんに説明してくれた。
まだ公表もしてないのに一緒には行けないこと。もし誰かに似合わない、相応しくないと言われたら辛いから…って…
デルさんはしばらく黙ってから口を開いた。
「かいと、似合うとか似合わないって誰かの意見を気にするのは間違ってるよ。似合わないって言われたら辛いかも知れないけど。透とは似合わないって言われたら透と別れられるの?もし俺と海斗が似合うって言われたら俺と付き合うの?そうじゃないでしょ?人の価値観や物の見方で自分の気持ちは変えられない。好きな人はどんなことを言われても好きだし、嫌いな人は嫌いなんだよ。だから心配しないで一緒に行こう。今日は俺と一緒、誰にも文句は言わせないからit's all right.大丈夫だ」
デルさんの言葉が嬉しかった。透さんは頷いて肩を抱いてくれた。人の言葉を気にしても透さんと別れることはできない。別れたくない。
「ほらほら早く行こう。Let's go!」
透さんとデルさん、そして僕の3人は会社に向かった。大丈夫!大丈夫!そう思いながら…
2人の少し後ろを歩いていた。会社が近づいてくると余計に不安になっていった。
会社のエントランスに着くと佐伯常務と弁護士の里中さんまでいて僕はびっくりしてしまった。
「おはよう」
「元気だったか?」
2人に声をかけられて唖然としてしまった…だって、みんな見てるし、僕は1人でアワアワしていると
「叔父さん、こちらがデル・ランドル、まだ向こうでの手続きが終わってないから顔見せだけだけど連れてきた」
「デルくん。よく日本に来ることを決断してくれたね。ありがとう。これからよろしく頼むな」
そう言って常務と握手をして話始めていた。
僕はそれを見ながら周りに集まっている人の視線を感じて俯いてると平井に声をかけられた。
「小沢おはよう」
「あっおはよう」
「ねぇ、あの彼だれ?めちゃくちゃイケメンじゃん」
「あ!デルさん、とお…部長が高校の時に交換留学生として来てたみたいで、向こうで会って、ここで一緒に働くことになったんだ」
「へぇー日本語喋れる?」
「あっうん。フランス語も喋れるって言ってたよ」
「すげーかっこいいな。俺にも紹介してよ」
「うん。いい人だよ」
「かいとー」
平井と話をしてたらデルさんがきてくれた。
「あ!初めまして、小沢の同期の平井 翔です」
「かけるーかっこいい名前だね。俺はデル・ランドルよろしくね」
気さくなデルは平井にも挨拶してくれた。
そんな様子を見ていた女性たちや男性に囲まれて、すっかりデルさんの周りには人だかりができてた。その隙に僕は平井と営業部に足を向けた。
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