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第2章
第100話
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あれから俺たちは会場には戻らずに2人で肩を寄せ合って雪が降るのをただ見ていた。
◇◆◇◆◇
あれから5年の月日が流れた。過ぎてしまえばあっというまだと思うが本当に色んなことがあった。たまたま3年前ノアと一緒に行ったパーティーでのことだ。ノアが席を外したときに目の前を歩いていた女性がつまづいて咄嗟に手を引いて女性が転ぶのを回避をしたのだが腕を引っぱったことの反動で女性が俺に抱きつくような形になってしまったのだがタイミング悪くノアが戻ってきてその場面を見てしまったようだ。周りからも悲鳴のような声が聞こえてきた。俺はノアを探したがノアはそのまま黙っていなくなってしまって大騒ぎだった。ノアは早い足で走って森の奥にある小屋の中にいた。季節はちょうど暑くなる少し前なのでよかったものの……ノアは湧水を飲んだだけで何も食べてはいなかった。ただ泣いたのだろう。見つけた時は目が真っ赤になっていた。
本当なら俺や他の獣人の嗅覚で探せていたのだがノアはパーティーでベリーにあった時に山椒をもらっていた。あれからキノコ狩りが好きになったノアはたまにジェイク爺さんやベリーと山に行っていた。たまに2人が行けない時はリアムたちと行くこともあるからと定期的に山椒をもらっていて、たまたまもらった日と重なってしまった。途中で山椒を振りかけたんだろう。そのせいでなかなか見つけてあげることができなかった。しかも母上達は不在で魔法で探すことはできなかった。
ノアはいまだに俺と結婚することを躊躇している。それは年齢差や人間ということもあるが本当の理由を知っている。ノアは父上や母上にも申し訳ないからと……いよいよ来週には結婚式を執り行うのに……本当のことは結婚するまではノアには話せないが……
「ねぇカイル、やっぱりカイルは女の人と結婚した方がいいよ。だっていずれは国王になるんでしょ?カイルの後継はどうするの?他にいないと困るでしょ?いくら僕が運命の伴侶だとしてもそんなの関係ないよ。ちゃんと後継を産んでくれる人と……」
「ノア、前にも言ったが大丈夫だ。いずれわかるが……結婚したら何もかも教えてやる。ノアが俺の運命の伴侶なんだから今さら違うと交換はできない。一体、俺が何年……いや10年も待ったんだ。ノア……頼むからもう諦めてくれないか?」
ノアの言葉を遮るように俺はノアに懇願した。高等部に上がってから俺の跡取りを心配するようになった。きっと誰かに言われたのか聞いたのか何も答えてはくれないが……
「あらあらノアはまたその話?」
いつの間にか母上がきたんだろうノアに声をかけていた。まだ腑に落ちない顔をしているが結婚式でその答えがわかるだろう。その時、どんな顔をしてくれるか嫌がりはしないかと不安ではあるがなんとか1週間後の式に備えなくては。俺はノアを母上に託して父上のいる執務室に向かった。
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あれから5年の月日が流れた。過ぎてしまえばあっというまだと思うが本当に色んなことがあった。たまたま3年前ノアと一緒に行ったパーティーでのことだ。ノアが席を外したときに目の前を歩いていた女性がつまづいて咄嗟に手を引いて女性が転ぶのを回避をしたのだが腕を引っぱったことの反動で女性が俺に抱きつくような形になってしまったのだがタイミング悪くノアが戻ってきてその場面を見てしまったようだ。周りからも悲鳴のような声が聞こえてきた。俺はノアを探したがノアはそのまま黙っていなくなってしまって大騒ぎだった。ノアは早い足で走って森の奥にある小屋の中にいた。季節はちょうど暑くなる少し前なのでよかったものの……ノアは湧水を飲んだだけで何も食べてはいなかった。ただ泣いたのだろう。見つけた時は目が真っ赤になっていた。
本当なら俺や他の獣人の嗅覚で探せていたのだがノアはパーティーでベリーにあった時に山椒をもらっていた。あれからキノコ狩りが好きになったノアはたまにジェイク爺さんやベリーと山に行っていた。たまに2人が行けない時はリアムたちと行くこともあるからと定期的に山椒をもらっていて、たまたまもらった日と重なってしまった。途中で山椒を振りかけたんだろう。そのせいでなかなか見つけてあげることができなかった。しかも母上達は不在で魔法で探すことはできなかった。
ノアはいまだに俺と結婚することを躊躇している。それは年齢差や人間ということもあるが本当の理由を知っている。ノアは父上や母上にも申し訳ないからと……いよいよ来週には結婚式を執り行うのに……本当のことは結婚するまではノアには話せないが……
「ねぇカイル、やっぱりカイルは女の人と結婚した方がいいよ。だっていずれは国王になるんでしょ?カイルの後継はどうするの?他にいないと困るでしょ?いくら僕が運命の伴侶だとしてもそんなの関係ないよ。ちゃんと後継を産んでくれる人と……」
「ノア、前にも言ったが大丈夫だ。いずれわかるが……結婚したら何もかも教えてやる。ノアが俺の運命の伴侶なんだから今さら違うと交換はできない。一体、俺が何年……いや10年も待ったんだ。ノア……頼むからもう諦めてくれないか?」
ノアの言葉を遮るように俺はノアに懇願した。高等部に上がってから俺の跡取りを心配するようになった。きっと誰かに言われたのか聞いたのか何も答えてはくれないが……
「あらあらノアはまたその話?」
いつの間にか母上がきたんだろうノアに声をかけていた。まだ腑に落ちない顔をしているが結婚式でその答えがわかるだろう。その時、どんな顔をしてくれるか嫌がりはしないかと不安ではあるがなんとか1週間後の式に備えなくては。俺はノアを母上に託して父上のいる執務室に向かった。
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