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第2章

第95回

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「ノア待って止まって」
俺の呼びかけに走るのをやめることなくタッチの差でノアは部屋に入ってしまった。ガチャと鍵が閉まる音が聞こえて俺はドアノブを握ったが開かない。
「ノア、ノアここを開けて」
ノアは部屋に閉じこもってしまった。今日は夕方からパーティーが始まるのにどうしたらいいだろう。

「王子何があったんですか?」
俺がノアの部屋の前でドアを叩いて大声をあげてるのを見てライナスとリアムが飛んできてくれた。

「ノアが閉じこもってしまってね」
母上に言ったらすぐに魔法で鍵を解いてくれるかもしれないが……それは最後の最後にしよう。今はノアの気持ちを尊重してあげよう。きっと父上に言われて昨日のことを思い出してしまったのだから……ライナスとリアムも声をかけてくれたが部屋からは何の音も聞こえないかと思ったが、耳をすますと微かに聞こえてきたノアのすすり泣く声が……俺はドア越しでノアに話しかけるため他の使用人も含めここに近づかないようにライナスとリアムに指示をした。恥ずかしくて人に相談できる内容ではないため他のものに聞かせたくなかった。

「ノア聞こえる?聞こえたらドアをノックしてくれないか?頼む。他の人はここには近づいてこないようにしたからドア越しだけど、ここには俺とノアしかいない頼むから」
するとトントンと控えめなノックをする音が聞こえてきて少しだけ安心した。

「ノア昨日はごめんな。あんなの見たらびっくりしたよな。それでのぼせてしまったことちゃんと謝るよ本当にごめん。顔見て謝らなかったこと許してくれるか?実は今までノアに言ってなかったことがあるんだ。まぁ恥ずかしくて顔を見ていうことができなくてごめんな。ノアは昔から俺の尻尾を掴んだり撫でたりしてくれるだろ?それなんだけど……ノアは性的興奮って言葉の意味は知ってる?わかったら1回、わからなかったら2回ドアを叩いて」
2回ドアの音が鳴った。そりゃそうだ。まだわからないよな。どうやって説明しよう。ノアにわかってもらうには……

「動物に例えると発情期っていえばわかるかな?動物たちが交尾っていって子どもを作ろうとすることなんだけど……動物は発情期の期間が決まっているんだ。オスはその発情期の期間メスを見ると興奮してメスの体の中に自分の性器を入れようとして大きくなる。そうじゃないと入ることができないから。それで交尾をすると性器から白い液体が出てうまくいくと子どもができる。俺たち獣人は発情期はない代わりに感情がある。尻尾はその感情と繋がっているんだ。だから好きな人に尻尾を触られると興奮するし好きな人を見るだけで勃ってしまうこともある。俺は大好きなノアと一緒にお風呂に入るだけでも興奮してたのに触ってもらってしまって嬉しくてあんな風になってしまったけど生理現象だから抑えることは難しいんだ。でもノアが怖いならこれから先、一緒のお風呂には入れないと思う。きっとノアとお風呂に入ることを考えただけでも勃っちゃう自身があるからさ」
ノアからはすすり泣く声はいつの間にか聞こえなかった。俺の話をどこまで理解をしてくれてるかわからないが……これ以上ノアにどういえばいいだろうと思っていたら

「何の感情がなくても大きくなるものなの?」
ノアからそんな質問が聞こえてきた。そんなわけ……と思って思い出した。

「あぁ……たまに朝起きたら勃ってることもあるな。でもそれは自然現象で男ならみんな経験あるぞ。朝勃ちしたことないって人、聞いたことないし……みんな大人になる時までには経験してるからな。エッチな夢なんか見なくてもなるから」
すると大人か……と小さな声が聞こえた。これでノアが疑問だったことは解決したのかもしれない。俺も獣人と人間は同じだとわかった。ただ……ノアはこれから先、子どもは産めるかどうかはわからない。一応、獣人と人間の間で子どもができると聞いたことはあるが……もしノアが俺との子どもを産めるのならきっと可愛い子が生まれるんじゃないかと思ってつい顔が綻んだ。

「ノア疑問は解けたか?もし大丈夫ならご飯を食べに行こう?腹が減っただろう?」
しばらく待っていると鍵を開ける音がして俺はドアを開けた。
ドアの前にはノアが立っていた。きっと泣いたんだろう目元が少しだけ赤かった。
「ノアごめんな。また俺はノアを泣かせてしまったな」
するとノアは首を横に振ってカイルは悪くないって言ってくれた。ノアの頭を撫でてソファーに2人で座った。

「他にノアが気になってることはある?この際だから何でも聞いていい。俺が知ってることなら何でも答えるから」
ノアは恥ずかしそうに両手を膝の上でもじもじとさせながら考えているようだった。俺は無理に聞き出そうとせずにノアの背中を撫でていた。そして尻尾でノアを包むように抱きしめるとノアは優しく尻尾を撫でながら俺の方を向いて微笑んだ顔が可愛くて思わず抱きしめた。俺に抱きしめられた姿勢のままノアが話しかけてきた。

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