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第2章

第88話

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「いつまで見てんだほらいくぞ」
ノアが楽しそうにしている姿に今までの不安感はすでに消えていた。でもノアが何を採っているのかはよく見えなかった。ノアたちもそろそろ帰るらしので俺もカールに声をかけられて立ちあがろうとしたのだが。変な態勢で見ていたからか足がもつれてその場に倒れてしまった。
「いたっ」

「えっカイルなんで?」
ノアたちに俺とカールがいることがバレてしまった。まずいと一瞬思ったが仕方がない。とりあえずノアに謝った。

「ごめんノア」
俺が謝ったのにノアは嘘を言ったことを逆に謝られてしまった。

「カイル嘘ついてごめんね……でもどうしてもキノコを採りたかったの」

「キノコ?」
ノアが嘘をついて出かけたのはキノコを採りに行ってたのか……でもなぜキノコ?と不思議に思っていたら

「ノアもうバレてしまったんだ理由は爺さんが話してやるからそんなに落ち込むな」
うなだれているノアの頭をポンと叩いてジェイク爺さんが教えてくれた。

王子、ノアがなんでキノコを採りにきたのは王子の誕生日にプレゼントしたいってノアからお願いされたんですよ。ノアは嫌いなキノコなのに頑張って採ったので叱らないでくださいね」
俺のためにと考えてキノコ採りを頑張ってくれていたのかと思ったら嬉しくてノアを抱きしめた。

「ありがとうノア。本当にありがとう。まさかそんなサプライズを考えてくれてたなんて思っても見なかったよ。まぁ嘘つかれてたのは残念だったけどな。ノアたちもそろそろ帰るんだろ?ノアはカールの背中に乗って俺と空から帰らないか?」
あれからノアも大きくなったから急に立ち上がったりしないだろう。ノアは少し怖がりだけど乗るのが好きって言ってたからな。ノアは目を輝かせてカイル本当に乗ってもいいの?カール乗せてくれる?カールは待ってましたとばかりに胸を叩いた。

「いいよ。じゃあこれから変身するからノアは目を瞑ってくれないか?」
昔のように声をかけた。ノアはもう大きくなったし俺の獣人の姿も見てるけどカールはノアの前で変身はしたくないようだった。ノアが目をつぶって手のひらで目を隠すとカールは手を大きく広げてドラゴンへと変身した。
「リアム、とりあえず俺たちは先に屋敷に戻る父上と母上も戻ってるのか?」
もしかしたらノアを迎えに来るのかもしれないと思い聞いてみると……

「2時間後に迎えに来ると言ってましたのでふもとでお待ちしているかと思います。先に王子と帰ったと報告しておきます」

「よろしく頼む。ジェイク爺さん今日はノアが世話になった。明後日のパーティーにはぜひベリーも一緒に来てくれ」

「王子ありがとうございます。明後日は楽しみにしております。ノアこれ……大事なキノコだ気をつけて持って帰りなさい」
大きなカゴにたくさんの種類のキノコが入っていた。ノアは笑顔で受け取ろうとしたが重かったらしく咄嗟に支えた。

「ありがとうジェイク爺さん、ベリーもまた明後日ね」
笑顔で2人に手を振ってるノアと一緒にカールの背中に乗った。

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