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第2章

第80話

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ノアを抱っこしてリビングに行くと父上はもう席に着いて俺たちがくるのを待っていてくれた。きっとあれから眠れなかったんだろう。でもノアの隣で寝るのは俺だけと思いながら席についた。
「ノアおはよう。足はまだ痛むか?」
ノアは昨日よりは痛くないから大丈夫なのにカイルもパパと一緒で抱っこしたがるんだよ。もう僕、大きくなったのにさぁ~と頬を少し膨らましながら言う姿が可愛くて頭を撫でてやると子どもじゃないと怒られた。俺の伴侶は怒った姿も可愛いなぁ~きっと父上も同じ気持ちだろう。朝のノアの態度にはびっくりしたが、その姿もいつか見られるだろうか……本音を言ってほしいが色んなことがありすぎてノアは少し卑屈になってる部分もあるのかもしれない。今のところは素直になれないけど仕方がない。さて今日は俺は1日休みだ。ノアと何をしようと考えていたら……

「あのパパとカイルにお願いがあるの」
ノアが小さな声で言い出した。どんなお願いかと思ったら……
「僕また学校に通いたいんだけど、いいかな?」

「別に無理して行かなくても大丈夫だぞ」
父上がそう言ってもノアは首を横に振った。

「色々考えて、このまま逃げてちゃダメな気がするんだ。正式に発表するのに学校にも通ってない子だって思われるの嫌なんだよね。今度はちゃんと頑張るし気をつけるからさ」
まさかそんなことを考えていたなんて思わずに父上と目を合わせてしまった。

本当に大丈夫なんだろうか?ノアはあの出来事がトラウマになってしまって学校に行けなくなったというのに……でもここで否定をしてしまったらノアは2度と俺たちに行きたいと言わなくなるだろう。人間界で友達がいなかったノアにたくさんの友達を作ってあげたいからと学校に通わせようと思ったんだ。だから今度はノアの好きにさせてあげよう。それでもやっぱり行けなくなったりしたのならその時はその時だと父上はわかったけど準備をしたいから明日から行こうとノアに提案した。ノアは嬉しそうな顔はしなかったが頷いてくれた。

それから父上は学校やら使用人たちを集めて明日からのノアの警護について話をしていた。

「ねぇカイル、僕が学校に行くの嬉しい?」
突然そんな質問をされてしまった。正直いうと嬉しいような……でもノアが悲しむことは嫌だと思う気持ちもあり答えられず考えてしまっていたら

「僕、カイルの側にいて本当にいいのかな?いくらママが僕とカイルが運命だって言ったけどカイルは王子様だから本当はもっとカイルに相応しい人がいたかもしれないのにごめんね。でも僕、頑張るよ。今はまだ他の人にお似合いだって言われなくても、いつかお似合いだって言われるように……その為に勉強も頑張らないとね」
無理して笑いながら言うノアは本当は学校に行くのが辛いんだろう。でも俺が王子だから無理してまで頑張ってくれるんだろう。なんとかノアが悲しまず辛くない学校生活を送れるように……


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感想 8

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