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第2章

第76話

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「そうかノアはキノコが嫌いなのか?美味しいぞ。あの香りがまたいいんだけどな……」
ジェイク爺さんが言うとノアは
「その匂いが嫌いなの。見た目は別に嫌いじゃないんだけど……」
ノアは料理長が色々と作ってくれたが食べれなかった。きっとあの食感も嫌なんだろう。本当はカイルが好きなものをノアも好きになってくれたらいいが無理はできない。ジェイク爺さんも大きくなったら食べれるようになるかもしれないなと笑ってくれた。

気がついたらもうお昼になる時間だった。もっと話ができると思ったが用事があると2人は帰ってしまった。帰る前にキノコ狩りに行く約束をしていた。最初はノアに対してどう接していいのかわからなそうだったジェイク爺さんもノアが笑う姿に心奪われたようだ。帰るときには、あの鋭かった目が目尻が下がって笑ってくれたのだから。本当に俺の息子は可愛いな。そんな息子とまだまだ2人だけで一緒にいられると思うと嬉しくなる。

「パパ、これからどうするの?何かするの?」
本当はノアと出かけようかとも思った。ずっと抱っこしてるわけにはいかず……かといって歩かすのも……と思って考えてるとリアムがやってきた。

「国王、そういえばカイル王子の誕生日会にノアのお披露目もするんですよね?そのときの衣装は決めてあるんですか?」
言われて気がついた!!それだ。

「ノア、カイルには騎士用の正装といってかっこいい衣装があるんだ。でもノアにはないだろ?学校の制服ってわけにもいかないから、そのとき披露する衣装を作ってもらおう。どんな服にしようかな?街に服を作ってくれる人がいるんだ。少し遠いから馬車に乗って行こうな」
ノアは服に興味があまりない。家にいるときはスウェットの上下だし、パジャマも似たようなのしか着ない。どんな服を着せたらいいだろうかと思いながらノアを見ると気分が乗らないのか嫌々俺に抱っこされていた。ノアは馬車の中ではおとなしかった。きっと連れて行ったことがないから少し不安なのかもしれない。俺は仕立て屋の羊獣人のエラとミラの姉妹の話をしながら2人のところに向かった。

「国王、お待ちしておりました」
馬車から降りる前にエラと妹のミラが頭を下げた。

「悪かったね。急に来ることになって忙しくはなかったか?」
エラは俺の膝に乗っているノアに一瞬目線を向けて微笑んでくれた。そう言えば紹介はしたことなかったな。

「大丈夫ですよ国王、それよりも可愛らしい方ですね。お名前は?」
ノアは少し恥ずかしそうにしながらノアですと答えた。

「ノア、いいお名前ですね。さぁさぁこんなところではなんですので、国王も馬車から降りてください」
ミラが店のドアを開けて待っていてくれた。ノアを抱き上げようとしたら恥ずかしいから降りると言い出したのでそれは止めた。

「ノア、歩いたら早くよくならないぞ。明日帰ってくるカイルにどうやって説明する?キノコ狩りに勝手に行って足を捻ったなんて本当のこと言ったらパパもみんなも怒られるが……きっとノアは当分の間、外出禁止って絶対に言われるぞ。そしたらジェイク爺さんたちと約束したキノコ狩りはできなくなってもいいのか?」
ノアは悲しそうな顔をしてそれは困る。パパ絶対にカイルには言わないでとお願いしてきた。まぁ……ノアの足のことはなんとか誤魔化すしかない。だから俺は今日はずっとパパの抱っこな約束したもんなと笑顔で返した。これでノアは何も言わなくなるだろう。それはきっとキノコ狩りに行きたいからだと思うとカイルはこんなにもノアに思われてるのかと嫉妬してしまう。

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