76 / 99
第2章
第76話
しおりを挟む
「そうかノアはキノコが嫌いなのか?美味しいぞ。あの香りがまたいいんだけどな……」
ジェイク爺さんが言うとノアは
「その匂いが嫌いなの。見た目は別に嫌いじゃないんだけど……」
ノアは料理長が色々と作ってくれたが食べれなかった。きっとあの食感も嫌なんだろう。本当はカイルが好きなものをノアも好きになってくれたらいいが無理はできない。ジェイク爺さんも大きくなったら食べれるようになるかもしれないなと笑ってくれた。
気がついたらもうお昼になる時間だった。もっと話ができると思ったが用事があると2人は帰ってしまった。帰る前にキノコ狩りに行く約束をしていた。最初はノアに対してどう接していいのかわからなそうだったジェイク爺さんもノアが笑う姿に心奪われたようだ。帰るときには、あの鋭かった目が目尻が下がって笑ってくれたのだから。本当に俺の息子は可愛いな。そんな息子とまだまだ2人だけで一緒にいられると思うと嬉しくなる。
「パパ、これからどうするの?何かするの?」
本当はノアと出かけようかとも思った。ずっと抱っこしてるわけにはいかず……かといって歩かすのも……と思って考えてるとリアムがやってきた。
「国王、そういえばカイル王子の誕生日会にノアのお披露目もするんですよね?そのときの衣装は決めてあるんですか?」
言われて気がついた!!それだ。
「ノア、カイルには騎士用の正装といってかっこいい衣装があるんだ。でもノアにはないだろ?学校の制服ってわけにもいかないから、そのとき披露する衣装を作ってもらおう。どんな服にしようかな?街に服を作ってくれる人がいるんだ。少し遠いから馬車に乗って行こうな」
ノアは服に興味があまりない。家にいるときはスウェットの上下だし、パジャマも似たようなのしか着ない。どんな服を着せたらいいだろうかと思いながらノアを見ると気分が乗らないのか嫌々俺に抱っこされていた。ノアは馬車の中ではおとなしかった。きっと連れて行ったことがないから少し不安なのかもしれない。俺は仕立て屋の羊獣人のエラとミラの姉妹の話をしながら2人のところに向かった。
「国王、お待ちしておりました」
馬車から降りる前にエラと妹のミラが頭を下げた。
「悪かったね。急に来ることになって忙しくはなかったか?」
エラは俺の膝に乗っているノアに一瞬目線を向けて微笑んでくれた。そう言えば紹介はしたことなかったな。
「大丈夫ですよ国王、それよりも可愛らしい方ですね。お名前は?」
ノアは少し恥ずかしそうにしながらノアですと答えた。
「ノア、いいお名前ですね。さぁさぁこんなところではなんですので、国王も馬車から降りてください」
ミラが店のドアを開けて待っていてくれた。ノアを抱き上げようとしたら恥ずかしいから降りると言い出したのでそれは止めた。
「ノア、歩いたら早くよくならないぞ。明日帰ってくるカイルにどうやって説明する?キノコ狩りに勝手に行って足を捻ったなんて本当のこと言ったらパパもみんなも怒られるが……きっとノアは当分の間、外出禁止って絶対に言われるぞ。そしたらジェイク爺さんたちと約束したキノコ狩りはできなくなってもいいのか?」
ノアは悲しそうな顔をしてそれは困る。パパ絶対にカイルには言わないでとお願いしてきた。まぁ……ノアの足のことはなんとか誤魔化すしかない。だから俺は今日はずっとパパの抱っこな約束したもんなと笑顔で返した。これでノアは何も言わなくなるだろう。それはきっとキノコ狩りに行きたいからだと思うとカイルはこんなにもノアに思われてるのかと嫉妬してしまう。
ジェイク爺さんが言うとノアは
「その匂いが嫌いなの。見た目は別に嫌いじゃないんだけど……」
ノアは料理長が色々と作ってくれたが食べれなかった。きっとあの食感も嫌なんだろう。本当はカイルが好きなものをノアも好きになってくれたらいいが無理はできない。ジェイク爺さんも大きくなったら食べれるようになるかもしれないなと笑ってくれた。
気がついたらもうお昼になる時間だった。もっと話ができると思ったが用事があると2人は帰ってしまった。帰る前にキノコ狩りに行く約束をしていた。最初はノアに対してどう接していいのかわからなそうだったジェイク爺さんもノアが笑う姿に心奪われたようだ。帰るときには、あの鋭かった目が目尻が下がって笑ってくれたのだから。本当に俺の息子は可愛いな。そんな息子とまだまだ2人だけで一緒にいられると思うと嬉しくなる。
「パパ、これからどうするの?何かするの?」
本当はノアと出かけようかとも思った。ずっと抱っこしてるわけにはいかず……かといって歩かすのも……と思って考えてるとリアムがやってきた。
「国王、そういえばカイル王子の誕生日会にノアのお披露目もするんですよね?そのときの衣装は決めてあるんですか?」
言われて気がついた!!それだ。
「ノア、カイルには騎士用の正装といってかっこいい衣装があるんだ。でもノアにはないだろ?学校の制服ってわけにもいかないから、そのとき披露する衣装を作ってもらおう。どんな服にしようかな?街に服を作ってくれる人がいるんだ。少し遠いから馬車に乗って行こうな」
ノアは服に興味があまりない。家にいるときはスウェットの上下だし、パジャマも似たようなのしか着ない。どんな服を着せたらいいだろうかと思いながらノアを見ると気分が乗らないのか嫌々俺に抱っこされていた。ノアは馬車の中ではおとなしかった。きっと連れて行ったことがないから少し不安なのかもしれない。俺は仕立て屋の羊獣人のエラとミラの姉妹の話をしながら2人のところに向かった。
「国王、お待ちしておりました」
馬車から降りる前にエラと妹のミラが頭を下げた。
「悪かったね。急に来ることになって忙しくはなかったか?」
エラは俺の膝に乗っているノアに一瞬目線を向けて微笑んでくれた。そう言えば紹介はしたことなかったな。
「大丈夫ですよ国王、それよりも可愛らしい方ですね。お名前は?」
ノアは少し恥ずかしそうにしながらノアですと答えた。
「ノア、いいお名前ですね。さぁさぁこんなところではなんですので、国王も馬車から降りてください」
ミラが店のドアを開けて待っていてくれた。ノアを抱き上げようとしたら恥ずかしいから降りると言い出したのでそれは止めた。
「ノア、歩いたら早くよくならないぞ。明日帰ってくるカイルにどうやって説明する?キノコ狩りに勝手に行って足を捻ったなんて本当のこと言ったらパパもみんなも怒られるが……きっとノアは当分の間、外出禁止って絶対に言われるぞ。そしたらジェイク爺さんたちと約束したキノコ狩りはできなくなってもいいのか?」
ノアは悲しそうな顔をしてそれは困る。パパ絶対にカイルには言わないでとお願いしてきた。まぁ……ノアの足のことはなんとか誤魔化すしかない。だから俺は今日はずっとパパの抱っこな約束したもんなと笑顔で返した。これでノアは何も言わなくなるだろう。それはきっとキノコ狩りに行きたいからだと思うとカイルはこんなにもノアに思われてるのかと嫉妬してしまう。
194
お気に入りに追加
903
あなたにおすすめの小説
婚約者の貴方が「結婚して下さい!」とプロポーズしているのは私の妹ですが、大丈夫ですか?
初瀬 叶
恋愛
私の名前はエリン・ストーン。良くいる伯爵令嬢だ。婚約者であるハロルド・パトリック伯爵令息との結婚を約一年後に控えたある日、父が病に倒れてしまった。
今、頼れるのは婚約者であるハロルドの筈なのに、彼は優雅に微笑むだけ。
優しい彼が大好きだけど、何だか……徐々に雲行きが怪しくなって……。
※ 私の頭の中の異世界のお話です
※ 相変わらずのゆるふわ設定です。R15は保険です
※ 史実等には則っておりません。ご了承下さい
※レナードの兄の名をハリソンへと変更いたしました。既に読んで下さった皆様、申し訳ありません
独身おじさんの異世界ライフ~結婚しません、フリーな独身こそ最高です~
さとう
ファンタジー
町の電気工事士であり、なんでも屋でもある織田玄徳は、仕事をそこそこやりつつ自由な暮らしをしていた。
結婚は人生の墓場……父親が嫁さんで苦労しているのを見て育ったため、結婚して子供を作り幸せな家庭を作るという『呪いの言葉』を嫌悪し、生涯独身、自分だけのために稼いだ金を使うと決め、独身生活を満喫。趣味の釣り、バイク、キャンプなどを楽しみつつ、人生を謳歌していた。
そんなある日。電気工事の仕事で感電死……まだまだやりたいことがあったのにと嘆くと、なんと異世界転生していた!!
これは、異世界で工務店の仕事をしながら、異世界で独身生活を満喫するおじさんの物語。
ご期待に沿えず、誠に申し訳ございません
野村にれ
恋愛
人としての限界に達していたヨルレアンは、
婚約者であるエルドール第二王子殿下に理不尽とも思える注意を受け、
話の流れから婚約を解消という話にまでなった。
ヨルレアンは自分の立場のために頑張っていたが、
絶対に婚約を解消しようと拳を上げる。
運命を変えるために良い子を目指したら、ハイスペ従者に溺愛されました
十夜 篁
BL
初めて会った家族や使用人に『バケモノ』として扱われ、傷ついたユーリ(5歳)は、階段から落ちたことがきっかけで神様に出会った。
そして、神様から教えてもらった未来はとんでもないものだった…。
「えぇ!僕、16歳で死んじゃうの!?
しかも、死ぬまでずっと1人ぼっちだなんて…」
ユーリは神様からもらったチートスキルを活かして未来を変えることを決意!
「いい子になってみんなに愛してもらえるように頑張ります!」
まずユーリは、1番近くにいてくれる従者のアルバートと仲良くなろうとするが…?
「ユーリ様を害する者は、すべて私が排除しましょう」
「うぇ!?は、排除はしなくていいよ!!」
健気に頑張るご主人様に、ハイスペ従者の溺愛が急成長中!?
そんなユーリの周りにはいつの間にか人が集まり…。
《これは、1人ぼっちになった少年が、温かい居場所を見つけ、運命を変えるまでの物語》
拾ったものは大切にしましょう~子狼に気に入られた男の転移物語~
ぽん
ファンタジー
⭐︎コミカライズ化決定⭐︎
2024年8月6日より配信開始
コミカライズならではを是非お楽しみ下さい。
⭐︎書籍化決定⭐︎
第1巻:2023年12月〜
第2巻:2024年5月〜
番外編を新たに投稿しております。
そちらの方でも書籍化の情報をお伝えしています。
書籍化に伴い[106話]まで引き下げ、レンタル版と差し替えさせて頂きます。ご了承下さい。
改稿を入れて読みやすくなっております。
可愛い表紙と挿絵はTAPI岡先生が担当して下さいました。
書籍版『拾ったものは大切にしましょう〜子狼に気に入られた男の転移物語〜』を是非ご覧下さい♪
==================
1人ぼっちだった相沢庵は住んでいた村の為に猟師として生きていた。
いつもと同じ山、いつもと同じ仕事。それなのにこの日は違った。
山で出会った真っ白な狼を助けて命を落とした男が、神に愛され転移先の世界で狼と自由に生きるお話。
初めての投稿です。書きたい事がまとまりません。よく見る異世界ものを書きたいと始めました。異世界に行くまでが長いです。
気長なお付き合いを願います。
よろしくお願いします。
※念の為R15をつけました
※本作品は2020年12月3日に完結しておりますが、2021年4月14日より誤字脱字の直し作業をしております。
作品としての変更はございませんが、修正がございます。
ご了承ください。
※修正作業をしておりましたが2021年5月13日に終了致しました。
依然として誤字脱字が存在する場合がございますが、ご愛嬌とお許しいただければ幸いです。
異世界に来たけど、自分はモブらしいので帰りたいです。
蒼猫
BL
聖女召喚に巻き込まれた就活中の27歳、桜樹 海。
見知らぬ土地に飛ばされて困惑しているうちに、聖女としてもてはやされる女子高生にはストーカー扱いをされ、聖女を召喚した王様と魔道士には邪魔者扱いをされる。元いた世界でもモブだったけど、異世界に来てもモブなら俺の存在意義は?と悩むも……。
暗雲に覆われた城下町を復興支援しながら、騎士団長と愛を育む!?
山あり?谷あり?な異世界転移物語、ここにて開幕!
18禁要素がある話は※で表します。
侯爵令息セドリックの憂鬱な日
めちゅう
BL
第二王子の婚約者候補侯爵令息セドリック・グランツはある日王子の婚約者が決定した事を聞いてしまう。しかし先に王子からお呼びがかかったのはもう一人の候補だった。候補落ちを確信し泣き腫らした次の日は憂鬱な気分で幕を開ける———
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
初投稿で拙い文章ですが楽しんでいただけますと幸いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる