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第2章
第60話
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「王子、大変です」
ノアを学校に連れて行けずに仕事をしていたときだった。
ライナスがリアムから電話がきたが何も話さないらしい。掛け直してもドンドンと音が鳴るだけでおかしいと……
意味が分からずに学校に連絡すると電話が繋がらない。何か嫌な予感がして俺たちは急いで学校に向かった。念のためと家にいた護衛3人を連れていった。
今は授業中だろうか?校庭には違う学年の生徒たちがマラソンをしているのが目に入ってきた。
俺は久しぶりに自分の能力である匂いを嗅ぎ分けようとしたが……何か薬品の匂いが鼻についたのを感じた。俺とライナスはノアのクラスに行こうとした時だった。
校庭の隅にある物置小屋から微かだが物音が聞こえてきた。
「王子、離れていてください」
ライナスに言われ少し離れたところで見ていた。ライナスがドアの鍵をこじ開けドアを開けると縛られて、口輪をされているリアムとムーンが座っていた。護衛たちが縛られている2人の紐を解き、口輪を外した。
「王子、やられました。すみません」
「何があった」
リアムの話では昼休みが終わる少し前に担任に呼ばれたので向かう途中に後頭部を何かで殴られて気を失っていたが、しばらくしてムーンが同じ場所に連れてこられて気がついた。急いで電話をしたが口輪をしてるせいで喋れなかったと……
ムーンにも話を聞いたが俺が学校に来ないことに対して女子が何も反応を示さなかったからおかしいとは思っていてノアに1人にならないように注意をしたのに
「俺がボブと話してる間にノアはいなくなってて、休み時間も終わりそうだからトイレに探しに行こうとしたら僕も後頭部を殴られて……気がついたらここにいました」
「何か思い出すことはないか?」
ムーンはしばらく考えてから
「僕がトイレに行こうとしたら聞こえてきたんです。このトイレさっきは工事中の看板があったって、誰がそんなイタズラしたのって。もしノアがその看板を見ていたら一番端にあるトイレだと思う」
必死に思い出しながら言ってくれたムーンにお礼を言って護衛たちに2人を頼み俺たちは端のトイレに向かってるときだった。火災報知器の音が鳴りだしたが俺たちは構わずに向かうと1つだけドアが閉まっている扉を見つけた。その扉は接着剤か何かでくっついていてライナスと2人がかりでドアを破壊すると全身びしょ濡れのノアが真っ青な顔でうずくまっていた。
「カイ……ル」
ノアを抱きしめるとそのまま力が抜けて目を瞑ってしまった。
「王子、転移魔法ですぐにお帰りください。こちらは私が事態の把握をいたします」
「頼んだライナス」
俺は急いでノアを連れて屋敷に戻った。使用人に温かいお風呂を準備してもらいノアをゆっくりとお風呂に入れた。ノアの身体は氷のように冷たく小刻みに震えていたが、徐々に暖かくなって固く握りしめていた手は少しずつ開いていった。
「ノアごめん」
きっと俺の運命の相手がノアだと知られたんだろう。ノアを普通の子として育てたかったからこの国の王子であるけれど、ノアのクラスメートには距離
が近かったのかもしれない。それにしても何があったのか、このままノアをあの学校に行かせてもいいのかと悩んでいるとノアの目が開いた。
「ノア大丈夫か?痛いところは?」
ノアは大丈夫、大丈夫と呟いてまた目を閉じてしまった。身体も温まったのを確認して風呂から上がりノアをベットに寝かせた。念のためホルト先生を呼ぼうと連絡を入れたとき、外出していた父上が帰ってきた。
「カイルどういうことだ何があった。ノアはどうしたんだ」
「申し訳ありません父上。多分ですが俺の相手がノアだと気づいたクラスメートがノアに意地悪をしたらしくて水をかけられて全身ずぶ濡れだったのでお風呂に入れておりました」
「ずぶ濡れ?」
父上の右の眉が上がったと思ったら凄まじい怒りのオーラを感じとった俺はその場にしゃがみ込んでしまった。
ノアを学校に連れて行けずに仕事をしていたときだった。
ライナスがリアムから電話がきたが何も話さないらしい。掛け直してもドンドンと音が鳴るだけでおかしいと……
意味が分からずに学校に連絡すると電話が繋がらない。何か嫌な予感がして俺たちは急いで学校に向かった。念のためと家にいた護衛3人を連れていった。
今は授業中だろうか?校庭には違う学年の生徒たちがマラソンをしているのが目に入ってきた。
俺は久しぶりに自分の能力である匂いを嗅ぎ分けようとしたが……何か薬品の匂いが鼻についたのを感じた。俺とライナスはノアのクラスに行こうとした時だった。
校庭の隅にある物置小屋から微かだが物音が聞こえてきた。
「王子、離れていてください」
ライナスに言われ少し離れたところで見ていた。ライナスがドアの鍵をこじ開けドアを開けると縛られて、口輪をされているリアムとムーンが座っていた。護衛たちが縛られている2人の紐を解き、口輪を外した。
「王子、やられました。すみません」
「何があった」
リアムの話では昼休みが終わる少し前に担任に呼ばれたので向かう途中に後頭部を何かで殴られて気を失っていたが、しばらくしてムーンが同じ場所に連れてこられて気がついた。急いで電話をしたが口輪をしてるせいで喋れなかったと……
ムーンにも話を聞いたが俺が学校に来ないことに対して女子が何も反応を示さなかったからおかしいとは思っていてノアに1人にならないように注意をしたのに
「俺がボブと話してる間にノアはいなくなってて、休み時間も終わりそうだからトイレに探しに行こうとしたら僕も後頭部を殴られて……気がついたらここにいました」
「何か思い出すことはないか?」
ムーンはしばらく考えてから
「僕がトイレに行こうとしたら聞こえてきたんです。このトイレさっきは工事中の看板があったって、誰がそんなイタズラしたのって。もしノアがその看板を見ていたら一番端にあるトイレだと思う」
必死に思い出しながら言ってくれたムーンにお礼を言って護衛たちに2人を頼み俺たちは端のトイレに向かってるときだった。火災報知器の音が鳴りだしたが俺たちは構わずに向かうと1つだけドアが閉まっている扉を見つけた。その扉は接着剤か何かでくっついていてライナスと2人がかりでドアを破壊すると全身びしょ濡れのノアが真っ青な顔でうずくまっていた。
「カイ……ル」
ノアを抱きしめるとそのまま力が抜けて目を瞑ってしまった。
「王子、転移魔法ですぐにお帰りください。こちらは私が事態の把握をいたします」
「頼んだライナス」
俺は急いでノアを連れて屋敷に戻った。使用人に温かいお風呂を準備してもらいノアをゆっくりとお風呂に入れた。ノアの身体は氷のように冷たく小刻みに震えていたが、徐々に暖かくなって固く握りしめていた手は少しずつ開いていった。
「ノアごめん」
きっと俺の運命の相手がノアだと知られたんだろう。ノアを普通の子として育てたかったからこの国の王子であるけれど、ノアのクラスメートには距離
が近かったのかもしれない。それにしても何があったのか、このままノアをあの学校に行かせてもいいのかと悩んでいるとノアの目が開いた。
「ノア大丈夫か?痛いところは?」
ノアは大丈夫、大丈夫と呟いてまた目を閉じてしまった。身体も温まったのを確認して風呂から上がりノアをベットに寝かせた。念のためホルト先生を呼ぼうと連絡を入れたとき、外出していた父上が帰ってきた。
「カイルどういうことだ何があった。ノアはどうしたんだ」
「申し訳ありません父上。多分ですが俺の相手がノアだと気づいたクラスメートがノアに意地悪をしたらしくて水をかけられて全身ずぶ濡れだったのでお風呂に入れておりました」
「ずぶ濡れ?」
父上の右の眉が上がったと思ったら凄まじい怒りのオーラを感じとった俺はその場にしゃがみ込んでしまった。
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