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第2章

第56話

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目が覚めたら自分の部屋じゃないことに気がついた。そうか……僕、カイルの部屋に昨日は泊まったんだ。なんだか昨日は夢を見ているようだった。カイルの結婚相手が僕なんて信じられなかったし、このままカイルを好きでいていいんだと言われたけどでもやっぱり不安ではある。今だって僕が目が覚めたらカイルはいなかった。どこ行っちゃったんだろう……昨日のことが全部夢だったらどうしようか……なんだか急に不安になってきて自分の身体を抱きしめていた。

「ノア起きてたか?」
カイルが部屋に入ってきて僕はベットから飛び降りてカイルに抱きつこうとしたが足が布団に絡まり倒れそうなところを抱きしめられた。

「どうしたノア?もしかして寂しかったか?」
そう言われて自分でも感情がわからなくなって頷きながらカイルの胸に顔を埋めた。自分でも呆れてしまうほど僕は薄情な人間だ。つい昨日まではカイルのことを嫌いになろうと頑張ってたし、大っ嫌いって言ったのに僕とカイルは運命の伴侶だとか僕のことが好きって言ってくれて嬉しかったし、僕もカイルのことを好きでいたいのに……おじさんたちがカイルに結婚相手がいるって僕は邪魔な存在だって言ってたのが思ったよりもショックだったのかもしれない。そのために嫌われる努力をしてきたから……なんだが心の中がぐちゃぐちゃでカイルのことを信用したいのに自分の気持ちをどう整理すればいいのかわからなかった。するとカイルは何も言わずに僕を横抱きにしてベットに腰掛けた。

「ノア、これからは言いたいことを我慢をしないで言ってくれないか?言葉にできなければ俺に八つ当たりでもなんでもしてもいい。きっと昨日いろんなことがあってまだ頭の中なんて整理はできないだろ?でもこれだけは覚えててくれないか?俺はノアが大好きだ。ノアがもう少し大きくなったら夫夫ふうふになって本当の伴侶になるんだ。俺はノアがいてくれればそれでいいから。ずっと俺のそばにいてくれ」
僕がカイルを信用したいけど信用できないのにカイルはそんな嬉しいことを言ってくれた。カイルの胸はいつもより鼓動が速く感じて顔を上げるとカイルは困った顔をしながら僕の頭を撫でてくれた。

「僕、カイルのこと信用してもいい?これからは絶対に大丈夫?」
不安になってついそんな言葉が口から出てしまった。あっと口を押さえたけど、こんなこと聞くのはまずかったかな?と思ったけどカイルは笑って、これからノアに信用してもらえるように頑張るよと言ってくれた。カイルのことをこれから先も信用したい。誰に何を言われても跳ね返すくらいの力がほしい。

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