47 / 101
第2章
第47話
しおりを挟む
「ノア?何を言ってるんだ?誰がノアのこと出て行けなんて言ったんだ?誰もそんなこと言うはずないだろ?」
俺の言葉を途中から耳を塞ぎイヤイヤと首を振り始めたので俺はその手を掴もうと手を伸ばしたらホルト先生に止められた。
「先生っ!」
「王子、少し落ち着いてください。ノアの気持ちが落ち着くまで少し向こうで待っててください。お願いします」
そう言われて俺たちは先生に追い出されてしまった。
「母上、一体なんなんですか?勝手に迎えにきたかと思えば部屋から出て待ってろって。それにノアとホルト先生の2人きりでいいんですか?」
「仕方がないじゃない。ノアがあなたを拒否するんだから……」
疲れた顔でため息まじりで母上が言葉を吐き出した。
一体ノアに何が起こってるのかもわからず、かと言って戻るわけにもいかず俺は廊下の壁に寄りかかって天井を見上げていた。
「ノアは何かあったのかもしれないわね」
母上もノアの最近の変化に気がついていたようだが人間ということもあり、ホルト先生からも思春期になると反抗期になるということを聞いていたが、そうではない何かがあると思っているんだろう。
「ノアとは話したんですか?」
そう聞くと、ノアが今朝から高い熱があって学校を休ませてホルト先生に往診を頼んだの。カイルが訓練なんだって?て聞いた途端にノアが怒り出したの。
「カイルは訓練なんかじゃないみんな騙されてるって。それとも僕に嘘をついてるの?って言われてびっくりしてたらやっぱり僕はいらない子だの邪魔ならすぐに出ていくとかそうすればカイルは幸せになれるって言ったと思ったら気絶してしまって……ホルト先生がまずいことになるから急いであなたを連れ戻してくれっていうからクラリスに頼んだのよ」
母上の話を聞いても俺はますます訳がわからなかった。どういうことだ?ノアが出ていって俺が幸せになれるはずないのに……そのあと母上から聞いた話は衝撃だった。
ホルト先生が人違いで連れて来られたっていうのはずいぶん前に聞いていた。それで荒れていたとも……でもまさか人違いされた相手が双子の弟さんだったとは……しかも先生は捨てられて育った過去があるからノアのこともかわいそうだと思っていたんだな。でもあの頃のノアは俺たちがいるから寂しくないと言ってくれたし先生とも誤解が解けてノアの主治医としてお願いしていたし、俺が大怪我をした時に俺とノアとの関係を知ってもそうだと思ったと言って笑ってくれていたけど…まさか運命の伴侶はすれ違いで離ればなれで暮らしていたら衰弱していくなんて……そんな話初耳だった。でも先生の弟さんがそうだったと言われれば信じがたいが本当なのだろう。俺がノアから離れようとしたからノアは熱を出したのか?それにしてもあのままのノアじゃどうにもならないだろう。いったいどうすれば…考えても答えがでない。とりあえず今はホルト先生に任せようと思っていた。
俺の言葉を途中から耳を塞ぎイヤイヤと首を振り始めたので俺はその手を掴もうと手を伸ばしたらホルト先生に止められた。
「先生っ!」
「王子、少し落ち着いてください。ノアの気持ちが落ち着くまで少し向こうで待っててください。お願いします」
そう言われて俺たちは先生に追い出されてしまった。
「母上、一体なんなんですか?勝手に迎えにきたかと思えば部屋から出て待ってろって。それにノアとホルト先生の2人きりでいいんですか?」
「仕方がないじゃない。ノアがあなたを拒否するんだから……」
疲れた顔でため息まじりで母上が言葉を吐き出した。
一体ノアに何が起こってるのかもわからず、かと言って戻るわけにもいかず俺は廊下の壁に寄りかかって天井を見上げていた。
「ノアは何かあったのかもしれないわね」
母上もノアの最近の変化に気がついていたようだが人間ということもあり、ホルト先生からも思春期になると反抗期になるということを聞いていたが、そうではない何かがあると思っているんだろう。
「ノアとは話したんですか?」
そう聞くと、ノアが今朝から高い熱があって学校を休ませてホルト先生に往診を頼んだの。カイルが訓練なんだって?て聞いた途端にノアが怒り出したの。
「カイルは訓練なんかじゃないみんな騙されてるって。それとも僕に嘘をついてるの?って言われてびっくりしてたらやっぱり僕はいらない子だの邪魔ならすぐに出ていくとかそうすればカイルは幸せになれるって言ったと思ったら気絶してしまって……ホルト先生がまずいことになるから急いであなたを連れ戻してくれっていうからクラリスに頼んだのよ」
母上の話を聞いても俺はますます訳がわからなかった。どういうことだ?ノアが出ていって俺が幸せになれるはずないのに……そのあと母上から聞いた話は衝撃だった。
ホルト先生が人違いで連れて来られたっていうのはずいぶん前に聞いていた。それで荒れていたとも……でもまさか人違いされた相手が双子の弟さんだったとは……しかも先生は捨てられて育った過去があるからノアのこともかわいそうだと思っていたんだな。でもあの頃のノアは俺たちがいるから寂しくないと言ってくれたし先生とも誤解が解けてノアの主治医としてお願いしていたし、俺が大怪我をした時に俺とノアとの関係を知ってもそうだと思ったと言って笑ってくれていたけど…まさか運命の伴侶はすれ違いで離ればなれで暮らしていたら衰弱していくなんて……そんな話初耳だった。でも先生の弟さんがそうだったと言われれば信じがたいが本当なのだろう。俺がノアから離れようとしたからノアは熱を出したのか?それにしてもあのままのノアじゃどうにもならないだろう。いったいどうすれば…考えても答えがでない。とりあえず今はホルト先生に任せようと思っていた。
266
お気に入りに追加
962
あなたにおすすめの小説

迷子の僕の異世界生活
クローナ
BL
高校を卒業と同時に長年暮らした養護施設を出て働き始めて半年。18歳の桜木冬夜は休日に買い物に出たはずなのに突然異世界へ迷い込んでしまった。
通りかかった子供に助けられついていった先は人手不足の宿屋で、衣食住を求め臨時で働く事になった。
その宿屋で出逢ったのは冒険者のクラウス。
冒険者を辞めて騎士に復帰すると言うクラウスに誘われ仕事を求め一緒に王都へ向かい今度は馴染み深い孤児院で働く事に。
神様からの啓示もなく、なぜ自分が迷い込んだのか理由もわからないまま周りの人に助けられながら異世界で幸せになるお話です。
2022,04,02 第二部を始めることに加え読みやすくなればと第一部に章を追加しました。
国を救った英雄と一つ屋根の下とか聞いてない!
古森きり
BL
第8回BL小説大賞、奨励賞ありがとうございます!
7/15よりレンタル切り替えとなります。
紙書籍版もよろしくお願いします!
妾の子であり、『Ω型』として生まれてきて風当たりが強く、居心地の悪い思いをして生きてきた第五王子のシオン。
成人年齢である十八歳の誕生日に王位継承権を破棄して、王都で念願の冒険者酒場宿を開店させた!
これからはお城に呼び出されていびられる事もない、幸せな生活が待っている……はずだった。
「なんで国の英雄と一緒に酒場宿をやらなきゃいけないの!」
「それはもちろん『Ω型』のシオン様お一人で生活出来るはずもない、と国王陛下よりお世話を仰せつかったからです」
「んもおおおっ!」
どうなる、俺の一人暮らし!
いや、従業員もいるから元々一人暮らしじゃないけど!
※読み直しナッシング書き溜め。
※飛び飛びで書いてるから矛盾点とか出ても見逃して欲しい。
異世界転移で、俺と僕とのほっこり溺愛スローライフ~間に挟まる・もふもふ神の言うこと聞いて珍道中~
兎森りんこ
BL
主人公のアユムは料理や家事が好きな、地味な平凡男子だ。
そんな彼が突然、半年前に異世界に転移した。
そこで出逢った美青年エイシオに助けられ、同居生活をしている。
あまりにモテすぎ、トラブルばかりで、人間不信になっていたエイシオ。
自分に自信が全く無くて、自己肯定感の低いアユム。
エイシオは優しいアユムの料理や家事に癒やされ、アユムもエイシオの包容力で癒やされる。
お互いがかけがえのない存在になっていくが……ある日、エイシオが怪我をして!?
無自覚両片思いのほっこりBL。
前半~当て馬女の出現
後半~もふもふ神を連れたおもしろ珍道中とエイシオの実家話
予想できないクスッと笑える、ほっこりBLです。
サンドイッチ、じゃがいも、トマト、コーヒーなんでもでてきますので許せる方のみお読みください。
アユム視点、エイシオ視点と、交互に視点が変わります。
完結保証!
このお話は、小説家になろう様、エブリスタ様でも掲載中です。
※表紙絵はミドリ/緑虫様(@cklEIJx82utuuqd)からのいただきものです。

恐怖症な王子は異世界から来た時雨に癒やされる
琴葉悠
BL
十六夜時雨は諸事情から橋の上から転落し、川に落ちた。
落ちた川から上がると見知らぬ場所にいて、そこで異世界に来た事を知らされる。
異世界人は良き知らせをもたらす事から王族が庇護する役割を担っており、時雨は庇護されることに。
そこで、検査すると、時雨はDomというダイナミクスの性の一つを持っていて──
【奨励賞】恋愛感情抹消魔法で元夫への恋を消去する
SKYTRICK
BL
☆11/28完結しました。
☆第11回BL小説大賞奨励賞受賞しました。ありがとうございます!
冷酷大元帥×元娼夫の忘れられた夫
——「また俺を好きになるって言ったのに、嘘つき」
元娼夫で現魔術師であるエディことサラは五年ぶりに祖国・ファルンに帰国した。しかし暫しの帰郷を味わう間も無く、直後、ファルン王国軍の大元帥であるロイ・オークランスの使者が元帥命令を掲げてサラの元へやってくる。
ロイ・オークランスの名を知らぬ者は世界でもそうそういない。魔族の血を引くロイは人間から畏怖を大いに集めながらも、大将として国防戦争に打ち勝ち、たった二十九歳で大元帥として全軍のトップに立っている。
その元帥命令の内容というのは、五年前に最愛の妻を亡くしたロイを、魔族への本能的な恐怖を感じないサラが慰めろというものだった。
ロイは妻であるリネ・オークランスを亡くし、悲しみに苛まれている。あまりの辛さで『奥様』に関する記憶すら忘却してしまったらしい。半ば強引にロイの元へ連れていかれるサラは、彼に己を『サラ』と名乗る。だが、
——「失せろ。お前のような娼夫など必要としていない」
噂通り冷酷なロイの口からは罵詈雑言が放たれた。ロイは穢らわしい娼夫を睨みつけ去ってしまう。使者らは最愛の妻を亡くしたロイを憐れむばかりで、まるでサラの様子を気にしていない。
誰も、サラこそが五年前に亡くなった『奥様』であり、最愛のその人であるとは気付いていないようだった。
しかし、最大の問題は元夫に存在を忘れられていることではない。
サラが未だにロイを愛しているという事実だ。
仕方なく、『恋愛感情抹消魔法』を己にかけることにするサラだが——……
☆描写はありませんが、受けがモブに抱かれている示唆はあります(男娼なので)
☆お読みくださりありがとうございます。良ければ感想などいただけるとパワーになります!

ヒロイン不在の異世界ハーレム
藤雪たすく
BL
男にからまれていた女の子を助けに入っただけなのに……手違いで異世界へ飛ばされてしまった。
神様からの謝罪のスキルは別の勇者へ授けた後の残り物。
飛ばされたのは神がいなくなった混沌の世界。
ハーレムもチート無双も期待薄な世界で俺は幸せを掴めるのか?
緑宝は優しさに包まれる〜癒しの王太子様が醜い僕を溺愛してきます〜
天宮叶
BL
幼い頃はその美貌で誰からも愛されていた主人公は、顔半分に大きな傷をおってしまう。それから彼の人生は逆転した。愛してくれていた親からは虐げられ、人の目が気になり外に出ることが怖くなった。そんな時、王太子様が婚約者候補を探しているため年齢の合う者は王宮まで来るようにという御触書が全貴族の元へと送られてきた。主人公の双子の妹もその対象だったが行きたくないと駄々をこね……
※本編完結済みです
※ハピエン確定していますので安心してお読みください✨
※途中辛い場面など多々あります
※NL表現が含まれます
※ストーリー重視&シリアス展開が序盤続きます

運悪く放課後に屯してる不良たちと一緒に転移に巻き込まれた俺、到底馴染めそうにないのでソロで無双する事に決めました。~なのに何故かついて来る…
こまの ととと
BL
『申し訳ございませんが、皆様には今からこちらへと来て頂きます。強制となってしまった事、改めて非礼申し上げます』
ある日、教室中に響いた声だ。
……この言い方には語弊があった。
正確には、頭の中に響いた声だ。何故なら、耳から聞こえて来た感覚は無く、直接頭を揺らされたという感覚に襲われたからだ。
テレパシーというものが実際にあったなら、確かにこういうものなのかも知れない。
問題はいくつかあるが、最大の問題は……俺はただその教室近くの廊下を歩いていただけという事だ。
*当作品はカクヨム様でも掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる