転移したら獣人たちに溺愛されました。

なの

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第2章

第47話

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「ノア?何を言ってるんだ?誰がノアのこと出て行けなんて言ったんだ?誰もそんなこと言うはずないだろ?」
俺の言葉を途中から耳を塞ぎイヤイヤと首を振り始めたので俺はその手を掴もうと手を伸ばしたらホルト先生に止められた。

「先生っ!」
「王子、少し落ち着いてください。ノアの気持ちが落ち着くまで少し向こうで待っててください。お願いします」
そう言われて俺たちは先生に追い出されてしまった。

「母上、一体なんなんですか?勝手に迎えにきたかと思えば部屋から出て待ってろって。それにノアとホルト先生の2人きりでいいんですか?」
「仕方がないじゃない。ノアがあなたを拒否するんだから……」
疲れた顔でため息まじりで母上が言葉を吐き出した。

一体ノアに何が起こってるのかもわからず、かと言って戻るわけにもいかず俺は廊下の壁に寄りかかって天井を見上げていた。

「ノアは何かあったのかもしれないわね」
母上もノアの最近の変化に気がついていたようだが人間ということもあり、ホルト先生からも思春期になると反抗期になるということを聞いていたが、そうではない何かがあると思っているんだろう。

「ノアとは話したんですか?」
そう聞くと、ノアが今朝から高い熱があって学校を休ませてホルト先生に往診を頼んだの。カイルが訓練なんだって?て聞いた途端にノアが怒り出したの。

「カイルは訓練なんかじゃないみんな騙されてるって。それとも僕に嘘をついてるの?って言われてびっくりしてたらやっぱり僕はいらない子だの邪魔ならすぐに出ていくとかそうすればカイルは幸せになれるって言ったと思ったら気絶してしまって……ホルト先生がまずいことになるから急いであなたを連れ戻してくれっていうからクラリスに頼んだのよ」
母上の話を聞いても俺はますます訳がわからなかった。どういうことだ?ノアが出ていって俺が幸せになれるはずないのに……そのあと母上から聞いた話は衝撃だった。

ホルト先生が人違いで連れて来られたっていうのはずいぶん前に聞いていた。それで荒れていたとも……でもまさか人違いされた相手が双子の弟さんだったとは……しかも先生は捨てられて育った過去があるからノアのこともかわいそうだと思っていたんだな。でもあの頃のノアは俺たちがいるから寂しくないと言ってくれたし先生とも誤解が解けてノアの主治医としてお願いしていたし、俺が大怪我をした時に俺とノアとの関係を知ってもそうだと思ったと言って笑ってくれていたけど…まさか運命の伴侶はすれ違いで離ればなれで暮らしていたら衰弱していくなんて……そんな話初耳だった。でも先生の弟さんがそうだったと言われれば信じがたいが本当なのだろう。俺がノアから離れようとしたからノアは熱を出したのか?それにしてもあのままのノアじゃどうにもならないだろう。いったいどうすれば…考えても答えがでない。とりあえず今はホルト先生に任せようと思っていた。
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