42 / 101
第2章
第42話
しおりを挟む
なんとか今日1日終わってノアに帰ろうと声をかけようとしたのだがノアはムーンのところに行ってしまった。
「ねぇムーン美味しいっていうクレープ屋さんができたんだって知ってる?ムーンは昔から甘いの好きだよね?一緒に行こうよ」
ニコニコしながらムーンに声をかけていた。ムーンはかなりビックリした顔で
「えっ?いいのか?クレープかぁー食べたいな。何にしよう。フルーツと生クリームいっぱいもいいけどシンプルにバターと砂糖っていうのもアリだよな」
そんな2人の会話を聞きながら私は焦っていた。いやいや寄り道は王子から固く止められてるはずなのになんでムーンと約束しちゃってるんだ?どうやって止める?仕方がないからついていく?それにクレープ屋ってこの前アリーサ様が話してたよな?なんで今日思い出すんだよ。そう思っていたら
「えっあそこのクレープ屋行くの?私たちも行ってもいい?」
クラスメイトの女の子たちが近づいてきた。
「今日はノアと2人で行くから無理だよ」
そうムーンが言っても女の子たちはもしかしたら王子様が来るかもしれないから私たちがいると嫌なの?と言いだした。するとノアが怒り出した。
「もう~リアム、僕ムーンと2人だけで行くからその子たち屋敷に連れて帰ってよ。王子様に会いたいんだって会わせてあげればいいじゃん」
かなり怒って言ってきたが内容がおかしい
「はい?何言ってるんですか、そんなこと…」
王子に会いたいから連れて行けって?そんなことしたら絶対に俺が怒られるだろ。
「いいの。僕が決めたのダメって言ったら今日はムーンの家に泊まるから、行こうムーン」
あっという間にかけ足で学校を飛び出してしまった。ノアは歩けるようになってからムーンにかけっこのコツを教えてもらっているので逃げ足が早い流石うさぎ族だって感心してる場合じゃない。ノアがそんなことを言うもんだから女の子たちが寄ってきた。
「リアムさん、屋敷に連れてってもらえるの?」
「ノアがいいって言ったんだもんいいんでしょう」
「早く行きましょう」
「嫌だって言ってもついていきますね」
その子達をそっけなくすることができずに仕方なくいつもの通学路を誰にも会わずに歩いて帰った。そりゃそうだ。だって通行禁止なんだもんこの道は…ノアのためにそうしてるんだから。だから他の獣人たちはこの時間は通らないようにもしくは回り道してるんだから…俺の後ろでは女の子たちが楽しそうに会話をしているのが聞こえてくる。やばい、どうしよう。こういう時、魔法が使えたら…と空を見上げたら王子を乗せたカール様の姿が見えた。咄嗟に隠れようにも隠れる場所もない2人が通り過ぎるのを待っていようとしたら…やっぱり気づくよね……カール様が降りてきてしまった。
「リアム、ノアはどうした。なぜ一緒じゃないんだ」
怒ってる?怒ってるよその顔は
「すみません。ムーンと2人でクレープ屋に…」
すると
「なんだって?」
王子が怒っているのを肌で感じる。やばい、どうしようそう思ったとき。
「王子様、どうして最近学校に来てくれないんですか?ノアに止められてるの?」
「みんな王子様に会いたがってるんです。また来てくださいね」
「ノアがリアムさんに私たちお屋敷に連れてってもいいって言ってくれたんです」
「王子様も一緒に帰りましょうよ」
後ろから俺たちの空気を読めない女の子たちが楽しそうに王子に話しかけてきた。
「悪いが今日は忙しいからまたね。気をつけて帰ってね」
頑張って笑顔を貼り付けて王子が言うと「は~い。また今度ね」と女の子はすんなりと帰っていった。
王子は俺の腕を痛いくらい握ってカール様の背中に乗せてくれた。
「リアム、一体どういうことなんだ」
カール様に乗せてもらって俺は問いただされた。
「すみません。ムーンと2人で行くことは自分が決めたと…もしダメなら今日はムーンの家に泊まると全速力で走って行ってしまって…」
「追いかけなかったのか?」
「思ったよりも速くて…」
ノアが逃げ足が速くなったのは王子も知ってるだろう。と心の中で叫んでしまった。
「おいおいカイル、お前ノアに嫌われてるのか?案外、運命なんてやっぱりおとぎ話なんだな」
「そんなことない。俺とノアは運命の伴侶だ」
「でもさーならどうしてノアはお前が嫌がることばかりするんだよ。この前だって1週間も前から一緒に買い物行こうと約束したのに当日になってお腹が痛いから行かないって言ったことがあっただろ?でもお前知らないだろ?そのあとお前が国王に呼ばれたら速攻でラーメンとチャーハン食べてたってバルトが言ってたぞ。お腹が痛いって言ったから朝からゼリーしか食べてないからお腹すいたって。なんでそんな嘘ついたのか聞いたら行きたくなかったけど面倒だから嘘ついたって」
あ~とうとうバレてしまった。王子にそのことは知られたくなかったのに…
王子が戻ってくると食べていたものをバルト様の前に置いて今日は寝てるねって部屋に戻っていったあの日だよな。そのあとバルト様はお腹が痛いって言ってるノアの前で何をそんなものを食べてるんだって怒られたよね。
「どうしてノアはそんな嘘を…そんなに俺とは一緒に歩きたくないのか?」
そう言って王子はかなり落ち込んだ様子で項垂れてしまった。
「ねぇムーン美味しいっていうクレープ屋さんができたんだって知ってる?ムーンは昔から甘いの好きだよね?一緒に行こうよ」
ニコニコしながらムーンに声をかけていた。ムーンはかなりビックリした顔で
「えっ?いいのか?クレープかぁー食べたいな。何にしよう。フルーツと生クリームいっぱいもいいけどシンプルにバターと砂糖っていうのもアリだよな」
そんな2人の会話を聞きながら私は焦っていた。いやいや寄り道は王子から固く止められてるはずなのになんでムーンと約束しちゃってるんだ?どうやって止める?仕方がないからついていく?それにクレープ屋ってこの前アリーサ様が話してたよな?なんで今日思い出すんだよ。そう思っていたら
「えっあそこのクレープ屋行くの?私たちも行ってもいい?」
クラスメイトの女の子たちが近づいてきた。
「今日はノアと2人で行くから無理だよ」
そうムーンが言っても女の子たちはもしかしたら王子様が来るかもしれないから私たちがいると嫌なの?と言いだした。するとノアが怒り出した。
「もう~リアム、僕ムーンと2人だけで行くからその子たち屋敷に連れて帰ってよ。王子様に会いたいんだって会わせてあげればいいじゃん」
かなり怒って言ってきたが内容がおかしい
「はい?何言ってるんですか、そんなこと…」
王子に会いたいから連れて行けって?そんなことしたら絶対に俺が怒られるだろ。
「いいの。僕が決めたのダメって言ったら今日はムーンの家に泊まるから、行こうムーン」
あっという間にかけ足で学校を飛び出してしまった。ノアは歩けるようになってからムーンにかけっこのコツを教えてもらっているので逃げ足が早い流石うさぎ族だって感心してる場合じゃない。ノアがそんなことを言うもんだから女の子たちが寄ってきた。
「リアムさん、屋敷に連れてってもらえるの?」
「ノアがいいって言ったんだもんいいんでしょう」
「早く行きましょう」
「嫌だって言ってもついていきますね」
その子達をそっけなくすることができずに仕方なくいつもの通学路を誰にも会わずに歩いて帰った。そりゃそうだ。だって通行禁止なんだもんこの道は…ノアのためにそうしてるんだから。だから他の獣人たちはこの時間は通らないようにもしくは回り道してるんだから…俺の後ろでは女の子たちが楽しそうに会話をしているのが聞こえてくる。やばい、どうしよう。こういう時、魔法が使えたら…と空を見上げたら王子を乗せたカール様の姿が見えた。咄嗟に隠れようにも隠れる場所もない2人が通り過ぎるのを待っていようとしたら…やっぱり気づくよね……カール様が降りてきてしまった。
「リアム、ノアはどうした。なぜ一緒じゃないんだ」
怒ってる?怒ってるよその顔は
「すみません。ムーンと2人でクレープ屋に…」
すると
「なんだって?」
王子が怒っているのを肌で感じる。やばい、どうしようそう思ったとき。
「王子様、どうして最近学校に来てくれないんですか?ノアに止められてるの?」
「みんな王子様に会いたがってるんです。また来てくださいね」
「ノアがリアムさんに私たちお屋敷に連れてってもいいって言ってくれたんです」
「王子様も一緒に帰りましょうよ」
後ろから俺たちの空気を読めない女の子たちが楽しそうに王子に話しかけてきた。
「悪いが今日は忙しいからまたね。気をつけて帰ってね」
頑張って笑顔を貼り付けて王子が言うと「は~い。また今度ね」と女の子はすんなりと帰っていった。
王子は俺の腕を痛いくらい握ってカール様の背中に乗せてくれた。
「リアム、一体どういうことなんだ」
カール様に乗せてもらって俺は問いただされた。
「すみません。ムーンと2人で行くことは自分が決めたと…もしダメなら今日はムーンの家に泊まると全速力で走って行ってしまって…」
「追いかけなかったのか?」
「思ったよりも速くて…」
ノアが逃げ足が速くなったのは王子も知ってるだろう。と心の中で叫んでしまった。
「おいおいカイル、お前ノアに嫌われてるのか?案外、運命なんてやっぱりおとぎ話なんだな」
「そんなことない。俺とノアは運命の伴侶だ」
「でもさーならどうしてノアはお前が嫌がることばかりするんだよ。この前だって1週間も前から一緒に買い物行こうと約束したのに当日になってお腹が痛いから行かないって言ったことがあっただろ?でもお前知らないだろ?そのあとお前が国王に呼ばれたら速攻でラーメンとチャーハン食べてたってバルトが言ってたぞ。お腹が痛いって言ったから朝からゼリーしか食べてないからお腹すいたって。なんでそんな嘘ついたのか聞いたら行きたくなかったけど面倒だから嘘ついたって」
あ~とうとうバレてしまった。王子にそのことは知られたくなかったのに…
王子が戻ってくると食べていたものをバルト様の前に置いて今日は寝てるねって部屋に戻っていったあの日だよな。そのあとバルト様はお腹が痛いって言ってるノアの前で何をそんなものを食べてるんだって怒られたよね。
「どうしてノアはそんな嘘を…そんなに俺とは一緒に歩きたくないのか?」
そう言って王子はかなり落ち込んだ様子で項垂れてしまった。
273
お気に入りに追加
962
あなたにおすすめの小説

迷子の僕の異世界生活
クローナ
BL
高校を卒業と同時に長年暮らした養護施設を出て働き始めて半年。18歳の桜木冬夜は休日に買い物に出たはずなのに突然異世界へ迷い込んでしまった。
通りかかった子供に助けられついていった先は人手不足の宿屋で、衣食住を求め臨時で働く事になった。
その宿屋で出逢ったのは冒険者のクラウス。
冒険者を辞めて騎士に復帰すると言うクラウスに誘われ仕事を求め一緒に王都へ向かい今度は馴染み深い孤児院で働く事に。
神様からの啓示もなく、なぜ自分が迷い込んだのか理由もわからないまま周りの人に助けられながら異世界で幸せになるお話です。
2022,04,02 第二部を始めることに加え読みやすくなればと第一部に章を追加しました。
国を救った英雄と一つ屋根の下とか聞いてない!
古森きり
BL
第8回BL小説大賞、奨励賞ありがとうございます!
7/15よりレンタル切り替えとなります。
紙書籍版もよろしくお願いします!
妾の子であり、『Ω型』として生まれてきて風当たりが強く、居心地の悪い思いをして生きてきた第五王子のシオン。
成人年齢である十八歳の誕生日に王位継承権を破棄して、王都で念願の冒険者酒場宿を開店させた!
これからはお城に呼び出されていびられる事もない、幸せな生活が待っている……はずだった。
「なんで国の英雄と一緒に酒場宿をやらなきゃいけないの!」
「それはもちろん『Ω型』のシオン様お一人で生活出来るはずもない、と国王陛下よりお世話を仰せつかったからです」
「んもおおおっ!」
どうなる、俺の一人暮らし!
いや、従業員もいるから元々一人暮らしじゃないけど!
※読み直しナッシング書き溜め。
※飛び飛びで書いてるから矛盾点とか出ても見逃して欲しい。
虐げられている魔術師少年、悪魔召喚に成功したところ国家転覆にも成功する
あかのゆりこ
BL
主人公のグレン・クランストンは天才魔術師だ。ある日、失われた魔術の復活に成功し、悪魔を召喚する。その悪魔は愛と性の悪魔「ドーヴィ」と名乗り、グレンに契約の代償としてまさかの「口づけ」を提示してきた。
領民を守るため、王家に囚われた姉を救うため、グレンは致し方なく自分の唇(もちろん未使用)を差し出すことになる。
***
王家に虐げられて不遇な立場のトラウマ持ち不幸属性主人公がスパダリ系悪魔に溺愛されて幸せになるコメディの皮を被ったそこそこシリアスなお話です。
・ハピエン
・CP左右固定(リバありません)
・三角関係及び当て馬キャラなし(相手違いありません)
です。
べろちゅーすらないキスだけの健全ピュアピュアなお付き合いをお楽しみください。
***
2024.10.18 第二章開幕にあたり、第一章の2話~3話の間に加筆を行いました。小数点付きの話が追加分ですが、別に読まなくても問題はありません。

光る穴に落ちたら、そこは異世界でした。
みぃ
BL
自宅マンションへ帰る途中の道に淡い光を見つけ、なに? と確かめるために近づいてみると気付けば落ちていて、ぽん、と異世界に放り出された大学生が、年下の騎士に拾われる話。
生活脳力のある主人公が、生活能力のない年下騎士の抜けてるとこや、美しく格好いいのにかわいいってなんだ!? とギャップにもだえながら、ゆるく仲良く暮らしていきます。
何もかも、ふわふわゆるゆる。ですが、描写はなくても主人公は受け、騎士は攻めです。
【奨励賞】恋愛感情抹消魔法で元夫への恋を消去する
SKYTRICK
BL
☆11/28完結しました。
☆第11回BL小説大賞奨励賞受賞しました。ありがとうございます!
冷酷大元帥×元娼夫の忘れられた夫
——「また俺を好きになるって言ったのに、嘘つき」
元娼夫で現魔術師であるエディことサラは五年ぶりに祖国・ファルンに帰国した。しかし暫しの帰郷を味わう間も無く、直後、ファルン王国軍の大元帥であるロイ・オークランスの使者が元帥命令を掲げてサラの元へやってくる。
ロイ・オークランスの名を知らぬ者は世界でもそうそういない。魔族の血を引くロイは人間から畏怖を大いに集めながらも、大将として国防戦争に打ち勝ち、たった二十九歳で大元帥として全軍のトップに立っている。
その元帥命令の内容というのは、五年前に最愛の妻を亡くしたロイを、魔族への本能的な恐怖を感じないサラが慰めろというものだった。
ロイは妻であるリネ・オークランスを亡くし、悲しみに苛まれている。あまりの辛さで『奥様』に関する記憶すら忘却してしまったらしい。半ば強引にロイの元へ連れていかれるサラは、彼に己を『サラ』と名乗る。だが、
——「失せろ。お前のような娼夫など必要としていない」
噂通り冷酷なロイの口からは罵詈雑言が放たれた。ロイは穢らわしい娼夫を睨みつけ去ってしまう。使者らは最愛の妻を亡くしたロイを憐れむばかりで、まるでサラの様子を気にしていない。
誰も、サラこそが五年前に亡くなった『奥様』であり、最愛のその人であるとは気付いていないようだった。
しかし、最大の問題は元夫に存在を忘れられていることではない。
サラが未だにロイを愛しているという事実だ。
仕方なく、『恋愛感情抹消魔法』を己にかけることにするサラだが——……
☆描写はありませんが、受けがモブに抱かれている示唆はあります(男娼なので)
☆お読みくださりありがとうございます。良ければ感想などいただけるとパワーになります!


ヒロイン不在の異世界ハーレム
藤雪たすく
BL
男にからまれていた女の子を助けに入っただけなのに……手違いで異世界へ飛ばされてしまった。
神様からの謝罪のスキルは別の勇者へ授けた後の残り物。
飛ばされたのは神がいなくなった混沌の世界。
ハーレムもチート無双も期待薄な世界で俺は幸せを掴めるのか?
異世界転移で、俺と僕とのほっこり溺愛スローライフ~間に挟まる・もふもふ神の言うこと聞いて珍道中~
兎森りんこ
BL
主人公のアユムは料理や家事が好きな、地味な平凡男子だ。
そんな彼が突然、半年前に異世界に転移した。
そこで出逢った美青年エイシオに助けられ、同居生活をしている。
あまりにモテすぎ、トラブルばかりで、人間不信になっていたエイシオ。
自分に自信が全く無くて、自己肯定感の低いアユム。
エイシオは優しいアユムの料理や家事に癒やされ、アユムもエイシオの包容力で癒やされる。
お互いがかけがえのない存在になっていくが……ある日、エイシオが怪我をして!?
無自覚両片思いのほっこりBL。
前半~当て馬女の出現
後半~もふもふ神を連れたおもしろ珍道中とエイシオの実家話
予想できないクスッと笑える、ほっこりBLです。
サンドイッチ、じゃがいも、トマト、コーヒーなんでもでてきますので許せる方のみお読みください。
アユム視点、エイシオ視点と、交互に視点が変わります。
完結保証!
このお話は、小説家になろう様、エブリスタ様でも掲載中です。
※表紙絵はミドリ/緑虫様(@cklEIJx82utuuqd)からのいただきものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる