転移したら獣人たちに溺愛されました。

なの

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第1章

第27話

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ノアを抱っこして馬車に乗ると不安そうに見つめてきた。
「ノア大丈夫だ。俺と一緒だからな」
そう言うと安心したように頷いてくれた。
そろそろ学校に着きそうだな。そう思いながら外を見てみると……

「ノア見てごらん」
門の前にはムーンを初め多分ノアのクラスメイトと思われる子どもたちが俺たちの乗っている馬車に向かって手を振っていた。

「今日、学校に来てよかったな。みんな待っててくれてたんだな」
ノアは少し緊張しているんだろう身体が強張っていた。大丈夫と言いながら身体をさすってやる。昨日の今日だ。緊張するのは仕方がないが、これからきっと学校生活が楽しくなるだろう。
馬車から降りると子どもたちが一斉に駆け寄ってきた。
「ノアおはよう」
「今日も王子様と一緒だったんだね」
「今日は音楽の時間があるんだよ」
ノアは一言も話さず俺の胸に顔を埋めて服を掴む手は少し震えていた。ストレスを与えてしまっただろうか…このまま教室に連れてっていいのかと思い悩んでいたら

「みんなおはよう。ノアはね、みんなが待っていてくれて少しびっくりしてるみたいだからちょっと待ってて…それより早く教室行こうか。お兄さんと競争だ。よーいどん」
そんな掛け声をしてリアムがみんなを連れてってくれた。

「ノア大丈夫か?学校に行けるか?」
その様子を見ながら声をかけるとようやく顔を上げてくれた。
「カイくん、びっくりしちゃった。あんなにいっぱいの動物さんがいるのはまだ慣れないよ」
「そうか、そうか動物さんか…本当はうちの邸にもたくさん働いてるが、ノアには一部の人しか会わせてないからな」
「うん。でもこの世界にいるなら慣れないといけないんだよね。僕みたいな人間の方が珍しいんだからさ」
「そうだな。でもゆっくりでいいんだぞ。じゃあ学校行こうか?」
「うん」
少し笑顔が見れて安心した。そりゃそうだ。きっと人間の世界では俺たち獣人は不思議な生き物だと思うだろう。それにしても、もしノアが元々こっちの世界で生きていたらどんな獣人だろうか?やっぱりウサギか?それとも猫かな?そんなことを考えながら歩いていると

「ねえカイくん、僕も動物さんのお耳と尻尾があればみんなと仲良くできるかな?」
と不思議なことを言い出した。
「え?なんでそんなこと」
「だってそしたら見た目で言われることないでしょ?」
そうだけど…もう既にみんなノアが人間だってわかってるのに…ただ俺の願望としてはそんなコスプレも見てみたいが…そんなことはノアに言えないが…

「大丈夫だよ。ノアはこのままで可愛いからな。むしろ耳とか尻尾とかつけたらもっと可愛くなって、誰かに連れさられたら大変だ」
そう言うと、僕はそんなに可愛くないです。とほっぺを膨らましていた。その顔がまた可愛くてほっぺをツンツンしてしまった。

「カイル王子、そろそろ教室に着きますよ」
俺たちの前を歩いていたライナスに声をかけられて少しふざけすぎたか?と反省してると
「僕、降りる」
とノアが言い出した。どうして?と聞くと歩けないけど抱っこされてるのは少し恥ずかしいと…そうか、昨日も言われてたからな。後ろから車椅子を押していたサイモン先生に合図を送りノアを乗せた。目線がだいぶ下になってしまったからノアの目線に膝を曲げて頭を撫でた。

「ノア、一緒にいるから午前中は頑張ろうな」
少し緊張しながら頷いて教室に入った。

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