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第1章

第26話

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目が覚めると隣にノアが寝ているのを見てなんだか安心した。
今日は学校に行けるかな?とノアの寝顔を見ながら考えているとノアの目が開いた。

「ノアおはよう」
「カイ…くん。もう朝?」
「うん。もう起きれるか?」
まだ眠たそうに擦り寄ってくるノアを抱きしめて声をかけるともうちょっと…眠たい…と声が聞こえてきた。

「かわいいな」
思わず心の声が出てしまう

「僕は可愛くないよ。でもカイくんはかっこいいね」
嬉しいことを言ってくれる。ノアがこのまま大きくなるまで我慢をしないといけないのはかなり辛い。最低でもあと10年か?それまでの間にノアは俺を好きでいてくれるだろうか?
気持ちがザワザワしてきて、つい尻尾をパタパタと動かしてしまった。

「カイくん尻尾パタパタしてる。凄い。触ってもいい?」
今、触られると心のざわめきが大きくなるが、仕方がない。起き上がって両手と尻尾でノアを抱っこすると

「カイくんの尻尾はふわふわして気持ちがいい」
ノアの小さな手で撫でられるだけで大声を出したくなってしまった。
朝ということもあって少し大きくなっていた自分自身は欲を吐き出したくて疼き始めた。これ以上ノアに触られてしまったら…シャワーを浴びて欲を出さなければ…その時ノック音が鳴って父上と母上がやってきた。

「ノアおはよう。起きてたか?」
「パパ、ママおはよう」
「おはよう。じゃあご飯食べよう」
父上は俺の手からノアを抱っこして連れて行ってくれた。助かった…急いでシャワーを浴びてダイニングルームに向かうとノアの笑い声が聞こえてきた。

「そうか、そうか。そうだな」
父上が穏やかな声でノアと話していた。

「楽しそうだね」
「うん。昨日のトランプの話をしてたの。僕がいっぱい勝ったって話をしたら今度パパもやりたいって」
「うん。ノアは強いからね」
「またみんなでやりたいなぁ~」
「ノア学校のお友達ともやってみたら楽しいよ」
父上が言うと一瞬、顔が強張った。

「ノア今日は学校どうする?行きたくなければ休んでもいい。でも今日頑張ったら明日も頑張れるよ。どうする?」
俺の顔を見つめて一生懸命考えている。きっと悩むだろう。友達は欲しいけど、それでも自分は人間で同じ人間がいない。そんな中で自分はいちゃいけないんじゃないかって悩んでたくらいだもんな。俺が助け舟を出そうとしていたら

「カイくん一緒に行ってくれる?僕…まだ…」
「いいよノア。俺と一緒なら絶対に大丈夫だからな」
「うん…」

まだ不安そうなノアに父上が
「ノアはいい子だな。ノアが学校頑張って行ったらご褒美をあげないとな。ノアは何が欲しい?なんでも買ってあげるよ。ノアにプレゼントなんかしたことなかったもんな」
そう言うと。
「欲しいのないよ。お誕生日とクリスマスしかプレゼントはもらっちゃいけないって言ってたもん。学校行ったからってプレゼントなんかもらえないよ」
昔を思い出したのかもしれない。そうか…今まで特別な時しかプレゼントをもらったことなんかなかったんだろう。それも本当のお父さんとお母さんが亡くなってからはプレゼントなんてもらったことがなかったんだろう。そういえばノアの誕生日は3月って言ってたな。その時は盛大にみんなでお祝いしてやろう。

「じゃあ今日のお昼はノアの好きなフレンチトーストにしましょう。だから頑張っていってらっしゃいね」母上が声をかけると、フレンチトースト甘くて好きっと笑顔が溢れていた。

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