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第1章
第16話
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長い廊下をみんなで進んでいくとその先には大きな階段が見えて、階段の下に熊さんと狼さんと虎さんかな?の3人が見えた。僕は後ろを振り向いて
「リアムさん、もしかしてこの階段を登るんですか?」
「そうですが大丈夫ですよ。私とあそこにいる使用人3人でこの椅子のまま持ち上げますから、ノア様はそのまま動かないでくださいね」
そんな…僕が歩けないからってこのまま持ち上げるなんて重たいのにダメだと思った僕は咄嗟にリアムさんの手を握った。リアムさんはびっくりした顔をして動いていた椅子が止まった。
「ノア様いかがいたしました?」
「あの…リアムさん、そんなことしなくていいです。僕、いつもの場所で1人でご飯食べられます。僕が歩けないからって…」
僕のためにこんなことしてもらうのは…いくら僕を食べないって教えてくれたけど、こんなにみんなに優しくしてもらってるのに僕は何もお返しもお礼もできないのに…するとママが僕の頭を撫でてくれた。
「ノア、そんなこと言わないの。みんなでご飯食べましょうよ。この4人はみんな力持ちなのよ。ノアより体も大きいでしょ?しかもノアは軽いんだから…それに見てパパも待ちくたびれてるわよ。ほら…あそこ」
ママの指さす方向を見ると、カイルさんによく似た切れ長の目を細めて微笑んでいる人が見えた。
「ノア、おいで。一緒にご飯食べよう。ほらみんな頼んだぞ」
そう言うとリアムさんと他の3人が僕の椅子を持ち上げて階段の上まで連れてってくれた。
「ノア初めまして、今日からパパと呼んでくれるか?」
見上げるほど大きいパパがしゃがんでくれた。
「初めましてノアです。パパ…ありがとう」
そう言うとパパが僕を抱っこしてくれてノアは可愛いなと言ってくれた。
あ!この感じ、小さい頃にお父さんに抱っこしてくれた感じに似ていた。僕はなんだか心がポカポカしてきて嬉しくて幸せで涙が出てきてしまった。泣き顔をみんなに見られたくなくて、ついパパの肩に顔を乗せているとパパは
「ノア、泣きたいときには我慢しなくて泣いていいんだよ。今まで辛かったな。寂しい思いもたくさんしたんだよな」
そう言われて僕は泣き出してしまった。それなのにパパは何も言わずに僕の頭や背中を撫でてくれた。
「ノア、これからいつでも抱っこしてあげるからね。パパの抱っこは嬉しいかい?」
そう言われて頷いた。するとパパは
「そっか、そっか…俺はカイルに勝ったかな?」
なんて不思議なことを言っていた。
僕も落ち着いてきたとき、じゃあみんなで食べましょう。とママの声が聞こえてきた。
顔を上げるとテーブルの上にはたくさんの料理が並んでいた。美味しそうだとは思うけど、まだ僕は食べられないと思っていたらリアムさんがリゾットを持ってきてくれた。
「ノア様、お椅子に座って食べられそうですか?」
そう言われて僕はまだパパの膝の上にいると気がついて身動きすると
「今日はパパがノアに食べさせてあげたいんだ。ノア口を開けてごらん。美味しいよ」
口を開けると優しい味のリゾットは美味しかった。
「美味しいです」
「そうか…よかった。食べられるだけ食べような」
それからもパパは僕のペースに合わせてご飯を食べさせてくれた。僕はお腹がいっぱいになってきた。するとパパがデザートがあるんだ。少し食べようか?そう言って口に入れたのは
「あ、プリンだね。美味しい」
「うん。柔らかくて美味しいだろ?パパも大好きなんだよな」
パパと同じものが嬉しくて笑顔になった僕をみんなが一緒に笑ってくれた。その後、パパにお薬も飲ませてもらった。みんなで食べるご飯は美味しくていっぱい食べた気がした。でも薬を飲んだせいかみんなの話を聞いているうちに僕は眠くなってしまった。するとパパがノアもう寝てもいいからね。明日もきっと楽しいことがあるよ。と言ってくれた言葉に安心して大きくて太いパパの腕の中で眠ってしまった。
「リアムさん、もしかしてこの階段を登るんですか?」
「そうですが大丈夫ですよ。私とあそこにいる使用人3人でこの椅子のまま持ち上げますから、ノア様はそのまま動かないでくださいね」
そんな…僕が歩けないからってこのまま持ち上げるなんて重たいのにダメだと思った僕は咄嗟にリアムさんの手を握った。リアムさんはびっくりした顔をして動いていた椅子が止まった。
「ノア様いかがいたしました?」
「あの…リアムさん、そんなことしなくていいです。僕、いつもの場所で1人でご飯食べられます。僕が歩けないからって…」
僕のためにこんなことしてもらうのは…いくら僕を食べないって教えてくれたけど、こんなにみんなに優しくしてもらってるのに僕は何もお返しもお礼もできないのに…するとママが僕の頭を撫でてくれた。
「ノア、そんなこと言わないの。みんなでご飯食べましょうよ。この4人はみんな力持ちなのよ。ノアより体も大きいでしょ?しかもノアは軽いんだから…それに見てパパも待ちくたびれてるわよ。ほら…あそこ」
ママの指さす方向を見ると、カイルさんによく似た切れ長の目を細めて微笑んでいる人が見えた。
「ノア、おいで。一緒にご飯食べよう。ほらみんな頼んだぞ」
そう言うとリアムさんと他の3人が僕の椅子を持ち上げて階段の上まで連れてってくれた。
「ノア初めまして、今日からパパと呼んでくれるか?」
見上げるほど大きいパパがしゃがんでくれた。
「初めましてノアです。パパ…ありがとう」
そう言うとパパが僕を抱っこしてくれてノアは可愛いなと言ってくれた。
あ!この感じ、小さい頃にお父さんに抱っこしてくれた感じに似ていた。僕はなんだか心がポカポカしてきて嬉しくて幸せで涙が出てきてしまった。泣き顔をみんなに見られたくなくて、ついパパの肩に顔を乗せているとパパは
「ノア、泣きたいときには我慢しなくて泣いていいんだよ。今まで辛かったな。寂しい思いもたくさんしたんだよな」
そう言われて僕は泣き出してしまった。それなのにパパは何も言わずに僕の頭や背中を撫でてくれた。
「ノア、これからいつでも抱っこしてあげるからね。パパの抱っこは嬉しいかい?」
そう言われて頷いた。するとパパは
「そっか、そっか…俺はカイルに勝ったかな?」
なんて不思議なことを言っていた。
僕も落ち着いてきたとき、じゃあみんなで食べましょう。とママの声が聞こえてきた。
顔を上げるとテーブルの上にはたくさんの料理が並んでいた。美味しそうだとは思うけど、まだ僕は食べられないと思っていたらリアムさんがリゾットを持ってきてくれた。
「ノア様、お椅子に座って食べられそうですか?」
そう言われて僕はまだパパの膝の上にいると気がついて身動きすると
「今日はパパがノアに食べさせてあげたいんだ。ノア口を開けてごらん。美味しいよ」
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「うん。柔らかくて美味しいだろ?パパも大好きなんだよな」
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