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第1章

第2話

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目を開けると背中が痛くて、何か硬いものの上で寝ている感じがした。
息を吸うと森のような匂いがしてきて、周りをみると木々が鬱蒼と茂っている中で僕は横になっていた。起きあがろうとしたら全身に痛みが走った。

ここはどこ?確かおじさん家の庭で殴られていたけど…そうか僕は動けないからそのままどこかに捨てられたのかもしれない。

パタパタパタと小さい足音が聞こえてきた。目線を向けると見たこともない人?ではない僕と同じくらいの年齢の男の子が僕を見下ろしていた。
「大丈夫?痛いの?頭、血出てるよ」

「だ…いじょうぶ…」
思った以上に声が掠れて出なかった。でも声をかけてくれたその子は耳がうさぎのように長く垂れていたけど2本足で立っていて、当たり前だが手も指もあった。見た目は人間なのに耳だけうさぎ?ここは…そういう街なの?それともそういう子が前からいたのかな?僕はおじさん家に引っ越してきてから外にあまり出たことがないから知らなかっただけ?一体僕は…どうしよう…そう思っていたら

「ねぇねぇ…こんな所に寝てないでバァバさまのところに行こうよ。きっと治してくれるから」
さぁ早く起きて。そう言って僕を起こそうとしてくれたけど身体が痛くて今は起き上がれそうになかった。

「大丈夫、もう少ししたら起きるから、まだこのままでいいよ」
そう言うとそのうさぎの耳を持った男の子はそうなの?でも痛そうだよと一瞬、寂しそうな顔をしたけどじゃあねバイバイ。と跳ねるように行ってしまった。後ろ姿はうさぎのような丸い尻尾が付いていた。

僕はなんとか動かせる右腕を持ち上げて自分の耳を触ったけど、いつもと一緒でなんのかわりばえもない形の耳が顔の横に付いていた。僕はウサギにはなってはないのかな?と思って少し安心した。なんとなく喉が渇いたような気がするが起き上がることができない僕はこのままでいるしかなかった。

しばらくすると明るかった空がだんだんと暗くなってきた。きっとこれから夜になるんだろう…僕はこれからどうなっちゃうんだろう?誰にも見つからずにこのまま…不安で胸が苦しくなってきて涙がこぼれてきた。震える身体を右腕でさすった。また足音が聞こえてきたけど、その足音は僕に気づくことなく遠くに行ってしまった。
誰か助けて…そう声を出そうとしたが口が乾いて声も出なくなった。
だんだんと目が開けられなくなった僕は素直に目を瞑った。もういいやと諦めた。
きっと今度こそ目が覚めたら、お父さんとお母さんに会えますようにと神様にお願いしながら。
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