闘え☆桂ちゃん!

くにざゎゆぅ

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闘えわたし! 平和のために!

絶対これ女の子がすることじゃない(泣)

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 ぼんやりと透流さんが消えた場所を見つめていると、紘一先輩がせかせるようにわたしの頭を小突いてきた。

「ほら、桂ちゃん。オレたちも急がなきゃ。いいところを凪先輩や透流さんに持っていかれちゃうよ」
「そういうんだったら、紘一先輩も手伝ってくださいよぉ」
「だってオレ、桂ちゃんほどのパワーがないもん」

 また同じような会話を繰り返す羽目になりながら、仕方なくわたしは壁に向かって、右手を大きく振りかぶった。



 ようやく迷路から抜けだしたわたしと紘一先輩と留城也先輩は、出入り口が封鎖された建物へとたどりつく。
 この建物は、迷路に隣接したレストランとなっていた。

「中で爆発音がしたよね」
「厨房のほうでガスに引火でもしたのかな」

 ささやき合う声とともに、心配そうに集まっているアミューズメントパークの利用者たちが遠巻きに見守るなかで、わたしと留城也先輩は紘一先輩の先導で裏のほうへと回る。
 周囲に人影がなくなったとき、紘一先輩がおもむろに口を開いた。

「現場へ近づいたら、集まったみんなの意識情報から細かい状況がわかったけれど。留城也が起こしたシステムダウンのせいじゃないみたいだね。迷路の中でもあった小さな爆発みたいなものが、あっちこっちでもあったみたいだ。その影響でレストランの出入り口がロックされちゃったんだね」

 それを聞いた留城也先輩が、短時間とはいえ紘一先輩から非難の目を向けられていたためか、あからさまに口を尖らせる。
 その視線をかわすように、紘一先輩は立ちどまってわたしへと振り返った。

「ってことで中の利用客を救出するために、桂ちゃん、よろしくお願いいたします!」

 さあどうぞと、大きなシャッターがおりた状態となるレストラン裏のトラック搬入口らしきところを、紘一先輩は手のひらを上にして指し示す。

「ちょっと待って! ここもわたしが壊すんですかぁ?」
「操作パネルが爆破されたらしくて中からはすべての出入り口にロックがかかっちゃって、前からも後ろからも閉じこめられている状態なんだ。表はギャラリーが多いから裏に回ってきたんだけれど、結局このシャッターも開かないから、ここはひとつ、桂ちゃんの手で」

 紘一先輩は、涼しい顔で説明する。

 ああ、わたし、どんどん理想の可愛い女の子から離れている気がする……!
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