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闘えわたし! 平和のために!
クラス会がはじまる!
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待ち合わせ時間に余裕をもって着いたわたしだったけれど、同じように早めに晴香も家をでてきたようで、お互いに待たずに駅前で出会うことができた。
私服の晴香は、細身の体型に合わせた生成り色のブラウスにダークブラウンのロングスカート。
さらさらとした黒髪の上には、つばの広い帽子を乗せている。
出会ったとたんに、わたしは羨望のまなざしを晴香へと向けた。
そうよ。
わたしの求めている女の子らしさは、きっと見た目には、この晴香のようなお嬢さまらしい感じなのよ!
「どうしたの? 桂ちゃん。そんなにまじまじ見ないでよ。わたしの格好って、そんなに不思議? 桂ちゃんも可愛いわよ」
なんて少し照れたような表情を浮かべる晴香の様子から、わたしは、先に電車を降りた紘一先輩や留城也先輩に気づいていないのだと感じた。
そうだよね。まさかいると思っていないもの。
よほど近づかなきゃ気づかないだろうし、先輩たちも晴香がいることを知っているから警戒しているはず。
そんなことを考えながら、わたしは晴香とふたりそろって、クラスとしての待ち合わせ場所となるアミューズメントパークの入口へと向かった。
「女子はこっちから班分けのクジをひけよ」
クラス会の幹事役である上田くんが、アミューズメントパークの入口の前から声をかけてきた。
背の高い彼は、人ごみの中から手際良くクラスメイトをみつけては大声をあげる。
彼の声につられて、わたしと晴香は近寄っていった。
すでにクラスの半分が集まっているようだ。
「男子と女子でふたりずつ組んで、四人のグループになるんだ」
そう説明しながら、わたしと晴香の目の前へ、折りたたまれた紙片がいくつか入った封筒を突きだしてきた。
どうやら家から作ってきたらしい。
今回の幹事も立候補したと聞く彼は、こういうイベントが本当に好きなのだろう。
わたしと晴香は、封筒へ手を突っ込んでひとつずつ紙片を取る。
開いてみると、偶然にも同じ数字が書かれていた。
わたしと晴香は、思わず顔を見合わせて、ほっと息をつく。
「その数字なら、さっき藤井と柳瀬がひいていたよ」
わたしたちの手もとをのぞきこみながら上田くんはそういって、少し離れたところに立っていた男子ふたりを指さした。
私服の晴香は、細身の体型に合わせた生成り色のブラウスにダークブラウンのロングスカート。
さらさらとした黒髪の上には、つばの広い帽子を乗せている。
出会ったとたんに、わたしは羨望のまなざしを晴香へと向けた。
そうよ。
わたしの求めている女の子らしさは、きっと見た目には、この晴香のようなお嬢さまらしい感じなのよ!
「どうしたの? 桂ちゃん。そんなにまじまじ見ないでよ。わたしの格好って、そんなに不思議? 桂ちゃんも可愛いわよ」
なんて少し照れたような表情を浮かべる晴香の様子から、わたしは、先に電車を降りた紘一先輩や留城也先輩に気づいていないのだと感じた。
そうだよね。まさかいると思っていないもの。
よほど近づかなきゃ気づかないだろうし、先輩たちも晴香がいることを知っているから警戒しているはず。
そんなことを考えながら、わたしは晴香とふたりそろって、クラスとしての待ち合わせ場所となるアミューズメントパークの入口へと向かった。
「女子はこっちから班分けのクジをひけよ」
クラス会の幹事役である上田くんが、アミューズメントパークの入口の前から声をかけてきた。
背の高い彼は、人ごみの中から手際良くクラスメイトをみつけては大声をあげる。
彼の声につられて、わたしと晴香は近寄っていった。
すでにクラスの半分が集まっているようだ。
「男子と女子でふたりずつ組んで、四人のグループになるんだ」
そう説明しながら、わたしと晴香の目の前へ、折りたたまれた紙片がいくつか入った封筒を突きだしてきた。
どうやら家から作ってきたらしい。
今回の幹事も立候補したと聞く彼は、こういうイベントが本当に好きなのだろう。
わたしと晴香は、封筒へ手を突っ込んでひとつずつ紙片を取る。
開いてみると、偶然にも同じ数字が書かれていた。
わたしと晴香は、思わず顔を見合わせて、ほっと息をつく。
「その数字なら、さっき藤井と柳瀬がひいていたよ」
わたしたちの手もとをのぞきこみながら上田くんはそういって、少し離れたところに立っていた男子ふたりを指さした。
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