闘え☆桂ちゃん!

くにざゎゆぅ

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そして立ちはだかる敵の影

先輩とふたりきりで下校です

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 保健室の掃除が終わったあと、ちょうどこの場に透流さん以外のメンバーがそろっていることもあり、改めてわたしは届いた脅迫状のことや見かけた人影のことを報告した。
 脅迫状の内容が初耳だったらしい留城也先輩が、あからさまに嫌な顔をする。

 そして、凪先輩と矢吹先生が小声で相談をはじめたとき、突然紘一先輩が右手をあげながら大声で叫んだ。

「はぁい! それならオレが護衛で、このあと桂ちゃんを家まで送っていってもいい?」

 とたんに、それまで黙っていた留城也先輩が声をあげた。

「嬉しそうに手をあげてんじゃねぇよ。送っていくのは凪先輩や先生のほうがいい」

 紘一先輩は、凪先輩が口をはさむ前に言い返す。

「そりゃあオレも留城也と同じくらいの護衛力しかないよね。体術にしても能力にしても。けれど、オレは読める。悪意を持って近づく連中がわかるから、あらかじめ回避することができるよ」

 たたみかけるように言葉を続けながら、紘一先輩は留城也先輩に指を突きつける。

「桂ちゃんは、それで危険から回避できるけれど、脅迫状に名指しで襲う宣言をされた留城也のほうが危ないって。それこそ、凪先輩や先生の護衛をつけるべきだ」

 やりとりを聞いていた矢吹先生は、あごに手を添えながら思案する表情を浮かべる。
 それから、おもむろにどきりとするような流し目を送ってきた。
 慌ててわたしは、艶やかな視線を避けるようにうつむく。

「そうですねぇ。少々留城也を痛めつけすぎたこともありますし、私が彼を送りましょう。ただ、学校側へ凪と今日一日の報告などしなくてはなりません。あまり彼女を遅くまで引きとめるのも問題ですし、今回は紘一に送ってもらいましょうか」
「やったね!」

 先生の言葉が終わるやいなや、紘一先輩は嬉しげにわたしのほうへ振り向いた。

 本当は、紘一先輩のアプローチを考えると、ふたりっきりは避けるべきなのかもしれないけれど。
 もしかしたら、組織のことについて、いろいろ知りたいことも聞かせてくれそうな気がする。
 そう思ったとたん、紘一先輩はピシッと親指を立ててウインクを送ってきた。

 ――ああ。うっかり考えちゃったから読まれてる。
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