闘え☆桂ちゃん!

くにざゎゆぅ

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どうやら歓迎されていないようです

サラブレットの能力者

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 凪先輩は、含みがある言い方をした。
 いつものような、わたしをからかうための、もったいぶった雰囲気ではない。

「そんな風に言われたら、もっと気になりますけど!」
「ああ、そうだな」

 わたしは上目づかいになって不満そうに言うと、凪先輩は、そのまま黙りこんだ。
 どう口にするべきか、迷っているというような表情だ。
 なにかしら話してくれる気配がするため、わたしは歩きながら、凪先輩のほうから口を開くのを待った。

「紘一は、サラブレッドなんだよ」

 ようやく口にした凪先輩の言葉は、それがどういうことをあらわすのか、わたしには、すぐにはわからなかった。
 首をかしげたわたしへ、凪先輩は続けた。

「心が読める能力を一族の長男が先祖代々継いでいて、彼はその直系にあたる。苗字の『左部』は、人の心が読めるという『さとり』という伝説の妖怪からきているそうだ。ぼくも苦労したクチだが、皆の期待を背負うということに対して彼はその比ではない」

 そこまで口にした凪先輩は、わたしのほうを向いて、なんとも言えない困ったような表情を見せた。

「きみは素直な性格だ。それ自体は良いことなのだが、あまり他人を信用するな。そういう意味では、好き嫌いがはっきりしていて態度にもでている留城也のほうが、わかりやすく扱いやすいだろうな」
「――それって、結局わたしは、どうすればいいんですか?」

 わたしは聞き返す。
 凪先輩はようやく、いつもの真面目な表情になって、わたしに言った。

「ここで聞いたことは忘れろ。気にするな。きみの単独行動をとめるために話したが、中途半端に思いだすと、紘一に考えを読まれることになる」

 だったら、こんな話で釘を刺さないで欲しい。
 遠回しな理由を言わずに、勝手な行動をとるなって言い方だけにしてくれなきゃ!
 そうじゃないと、絶対わたしは紘一先輩の前で、この会話を頭の中に思い浮かべちゃう気がするじゃない?

「まったく。このチームは癖のあるメンバーばかり集まる」

 そうつぶやきながらこちらを流し見た凪先輩へ向かって、わたしは思いっきり心の中で叫んだ。


 それは凪先輩も一緒ですから!
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