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【第三章】サイキック・バトル編『ジプシーダンス』
第77話 ほーりゅう
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目の前ではじけ飛ぶ、殺気のかたまり。
あまりの出来事に、声がでないわたしを右腕で固定したまま、ジプシーがささやいた。
「さっき一度、おまえは能力発動を抑えたせいで、いまの彼女の攻撃のタイミングには間に合わなかった。やはりおまえの超能力は発動するまで、数秒のタイムラグがあるな」
そして、考えをまとめるようにつぶやく。
「朝の彼女の視線での術には防御結界が有効だったし、音にはそれ以上の音で掻き消せる。今回のPKも充分結界で防げた。畑違いだが、彼女の五感を使っての術は、おそらく俺の陰陽術で、ほぼ対抗できるってことだ」
――いまのジプシーの言葉の含みに、勘の悪いわたしでも気がついた。
「まさか、試した? 防ぎ切れるかどうかわからないのに、わたしを盾にして試した?」
「いや、そんなことはない」
「ちょっと! わざとらしくわたしから視線を外しての棒読み、しないでくれる?」
「ほら、ほーりゅう、前。第二弾がくるぞ」
ジプシーの言葉に、あわてて前方を向く。
すると、なにやら先ほど以上の威圧的な気を感じた。
「なんだか、この感じ、さっきの攻撃の数倍は威力がありそうだな」
「そんな! もうやだよぅ」
「おい、貴様らは本当に、バカップルだな」
急に横から聞こえた声に、わたしはドキリとする。
声のほうを見ると、なんと、階段を数段おりたところから見物をしていたらしい生徒会長が楽しそうにこちらを眺めていた。
「江沼、貴様はわかってやっているのだろう? わざと貴様らのバカップルぶりを見せつけることで、あちらの彼女を挑発して逆上させ、攻撃力をあげているつもりだろう?」
え?
わざと?
わたしはジプシーの顔を仰ぎ見ると、彼は満面の笑みを浮かべて、にっこりと微笑み返してきた。
この男、こんな顔もできるんだぁ……。
なんて見惚れてはいけない。
この笑顔は前に散々騙されたフェイクだ。
ってことは、本当に会長の言う通り、わざとなんだ!
「ほーりゅう、次も能力をだせなかったら、発動するまでこの状態で練習」
思った通り、すっと無表情に戻ったジプシーに告げられ、わたしは顔面蒼白になる。
「ほら、前見て集中。次は、おまえの能力が発動するぎりぎりまで防御しない」
この男の性格の悪さを考えると、たぶんジプシーは本気だ。
練習は続くし、本当に防御もしてくれないかも。
ひぇ~ん。
わたしは仕方なく、自分自身の超能力を発動するための気持ちを作る。
でも、集中するったって、どうすればいいんだろう?
昔から制御不能な超能力だし。
急に使う練習って言われても。
いま、向かい合っている彼女から、敵意むきだしの殺気を浴びていることを思ってみる。
きっかけはそれしかないものね。
わたしは、ジプシーから以前、能力発動の媒体かもって聞いた石が埋めこまれたロザリオを服の上から握りしめ、彼女の殺気を探る。
集中。
集中。
――お? なんかいい感じかも。
内側の身体の奥が、さざ波がたつように、ざわめく。
徐々に総毛立つ気配がしてきた。
いつもの能力発動の前兆と似ている。
ロザリオの石も、わたしに反応して熱を持ってきたかも。
このままいけば、超能力発動できそうな予感。
「OK。そのままの状態でしばらくキープしろ。この状態からなら、力をためるタイムロスなしで攻撃できる」
わたしの様子から、状況がわかったのだろう。
後ろからわたしを抱きしめている両腕の力は抜かずに、耳もとでジプシーがささやいてきた。
――いや。
なんか、それはむずかしいかも。
横ばいキープじゃなくて、どんどん力の気配が大きくなっている。
もう少しで、やめろって言われても急に止まらないくらいに、身体の内側の力が膨れあがってきているような。
やばい。
暴発、暴走しそうな気配。
つまり、発動できるようになっても、結局はいままでと同じで、力の制御ができないってことじゃん。
ジプシーどうしましょう。
マジやばいです。
そう思ったとき、ジプシーがささやいた。
「能力発動までの感覚は覚えたか? その感じを忘れないようにして、力を抜いて能力を抑えてみろ」
「無理。もう出そう」
「止めろ」
「止まんない」
「止めろ」
「止まんないって」
どのあたりが生徒会長のツボに入っているのか、階段の陰で必死に声をたてないようにして大笑いしている姿が、目の端に映る。
わたしたちのバカップルなやりとりが伝わってしまったのか、前方にいる彼女の殺気が、一気に高まる。
そして、彼女のPKが先ほどの数倍の威力となって、こっちに放たれた気配がした。
来る!
「わたしもやる!」
「駄目だ。抑えろ。今回も俺が防御する」
「だから、止まらないんだって!」
そうわたしが言ったとたん、急にジプシーは、後ろからわたしを抱きしめていた両腕をはずした。
同時にわたしは、そのせいではない別の理由で、両足から力が一気に抜けて崩れ落ち、床に膝がつく。
慌てて前に倒れこまないように、わたしは両手も床について身体を支えた。
自分自身になにが起こったのかわからなくて、唖然としたわたしは思考停止する。
とたんに集中も途切れ、周囲から能力発動の気配が掻き消えた。
両腕が自由になったジプシーは、左手に武器を持ったまま真言をつぶやくと同時に、両手でいくつかの形をすばやく作る。
そして、先ほどより数倍の威力のありそうな彼女の力を、今度は四方に砕き飛ばすのではなく、武器を握った左手を斜めに振り下ろして跳ね返した。
おそらく、能力者同士の闘いがはじめての彼女と違って、場数を踏んで闘い慣れているジプシーだからこそできる、絶妙のタイミング。
一直線に彼女のほうへ力が跳ね返ったらしく、その直後に、彼女の気配が消えた。
「彼女、逃げたな」
しばらく、そのまま様子をうかがっていたジプシーが、緊張をといた。
それを見計らって、わたしは叫ぶ。
「ひどい! あの場面で、後ろから膝カックンはないじゃん!」
そう。
ジプシーは膝で、わたしの膝の後ろを押したんだ。
「一気に拍子抜けしただろ。問題ない」
相変わらずの無表情で、ジプシーは返事をする。
この男!
後ろから羽交い絞めプラス膝カックン。
女の子に対して、そんな恥ずかしいこと、普通はしないでしょ!
あまりの出来事に立ちあがれないわたしへ向かって、ジプシーは、追い打ちをかけるように告げた。
「いまの感覚、忘れるな」
「膝カックンで、全部頭から飛んじゃったわよ!」
「――もう一度、同じ目に遭わせてやろうか」
「覚えました。遠慮します」
階段の下から、会長の、呼吸困難直前のような息絶え絶えの、楽しげな笑い声が響いた。
あまりの出来事に、声がでないわたしを右腕で固定したまま、ジプシーがささやいた。
「さっき一度、おまえは能力発動を抑えたせいで、いまの彼女の攻撃のタイミングには間に合わなかった。やはりおまえの超能力は発動するまで、数秒のタイムラグがあるな」
そして、考えをまとめるようにつぶやく。
「朝の彼女の視線での術には防御結界が有効だったし、音にはそれ以上の音で掻き消せる。今回のPKも充分結界で防げた。畑違いだが、彼女の五感を使っての術は、おそらく俺の陰陽術で、ほぼ対抗できるってことだ」
――いまのジプシーの言葉の含みに、勘の悪いわたしでも気がついた。
「まさか、試した? 防ぎ切れるかどうかわからないのに、わたしを盾にして試した?」
「いや、そんなことはない」
「ちょっと! わざとらしくわたしから視線を外しての棒読み、しないでくれる?」
「ほら、ほーりゅう、前。第二弾がくるぞ」
ジプシーの言葉に、あわてて前方を向く。
すると、なにやら先ほど以上の威圧的な気を感じた。
「なんだか、この感じ、さっきの攻撃の数倍は威力がありそうだな」
「そんな! もうやだよぅ」
「おい、貴様らは本当に、バカップルだな」
急に横から聞こえた声に、わたしはドキリとする。
声のほうを見ると、なんと、階段を数段おりたところから見物をしていたらしい生徒会長が楽しそうにこちらを眺めていた。
「江沼、貴様はわかってやっているのだろう? わざと貴様らのバカップルぶりを見せつけることで、あちらの彼女を挑発して逆上させ、攻撃力をあげているつもりだろう?」
え?
わざと?
わたしはジプシーの顔を仰ぎ見ると、彼は満面の笑みを浮かべて、にっこりと微笑み返してきた。
この男、こんな顔もできるんだぁ……。
なんて見惚れてはいけない。
この笑顔は前に散々騙されたフェイクだ。
ってことは、本当に会長の言う通り、わざとなんだ!
「ほーりゅう、次も能力をだせなかったら、発動するまでこの状態で練習」
思った通り、すっと無表情に戻ったジプシーに告げられ、わたしは顔面蒼白になる。
「ほら、前見て集中。次は、おまえの能力が発動するぎりぎりまで防御しない」
この男の性格の悪さを考えると、たぶんジプシーは本気だ。
練習は続くし、本当に防御もしてくれないかも。
ひぇ~ん。
わたしは仕方なく、自分自身の超能力を発動するための気持ちを作る。
でも、集中するったって、どうすればいいんだろう?
昔から制御不能な超能力だし。
急に使う練習って言われても。
いま、向かい合っている彼女から、敵意むきだしの殺気を浴びていることを思ってみる。
きっかけはそれしかないものね。
わたしは、ジプシーから以前、能力発動の媒体かもって聞いた石が埋めこまれたロザリオを服の上から握りしめ、彼女の殺気を探る。
集中。
集中。
――お? なんかいい感じかも。
内側の身体の奥が、さざ波がたつように、ざわめく。
徐々に総毛立つ気配がしてきた。
いつもの能力発動の前兆と似ている。
ロザリオの石も、わたしに反応して熱を持ってきたかも。
このままいけば、超能力発動できそうな予感。
「OK。そのままの状態でしばらくキープしろ。この状態からなら、力をためるタイムロスなしで攻撃できる」
わたしの様子から、状況がわかったのだろう。
後ろからわたしを抱きしめている両腕の力は抜かずに、耳もとでジプシーがささやいてきた。
――いや。
なんか、それはむずかしいかも。
横ばいキープじゃなくて、どんどん力の気配が大きくなっている。
もう少しで、やめろって言われても急に止まらないくらいに、身体の内側の力が膨れあがってきているような。
やばい。
暴発、暴走しそうな気配。
つまり、発動できるようになっても、結局はいままでと同じで、力の制御ができないってことじゃん。
ジプシーどうしましょう。
マジやばいです。
そう思ったとき、ジプシーがささやいた。
「能力発動までの感覚は覚えたか? その感じを忘れないようにして、力を抜いて能力を抑えてみろ」
「無理。もう出そう」
「止めろ」
「止まんない」
「止めろ」
「止まんないって」
どのあたりが生徒会長のツボに入っているのか、階段の陰で必死に声をたてないようにして大笑いしている姿が、目の端に映る。
わたしたちのバカップルなやりとりが伝わってしまったのか、前方にいる彼女の殺気が、一気に高まる。
そして、彼女のPKが先ほどの数倍の威力となって、こっちに放たれた気配がした。
来る!
「わたしもやる!」
「駄目だ。抑えろ。今回も俺が防御する」
「だから、止まらないんだって!」
そうわたしが言ったとたん、急にジプシーは、後ろからわたしを抱きしめていた両腕をはずした。
同時にわたしは、そのせいではない別の理由で、両足から力が一気に抜けて崩れ落ち、床に膝がつく。
慌てて前に倒れこまないように、わたしは両手も床について身体を支えた。
自分自身になにが起こったのかわからなくて、唖然としたわたしは思考停止する。
とたんに集中も途切れ、周囲から能力発動の気配が掻き消えた。
両腕が自由になったジプシーは、左手に武器を持ったまま真言をつぶやくと同時に、両手でいくつかの形をすばやく作る。
そして、先ほどより数倍の威力のありそうな彼女の力を、今度は四方に砕き飛ばすのではなく、武器を握った左手を斜めに振り下ろして跳ね返した。
おそらく、能力者同士の闘いがはじめての彼女と違って、場数を踏んで闘い慣れているジプシーだからこそできる、絶妙のタイミング。
一直線に彼女のほうへ力が跳ね返ったらしく、その直後に、彼女の気配が消えた。
「彼女、逃げたな」
しばらく、そのまま様子をうかがっていたジプシーが、緊張をといた。
それを見計らって、わたしは叫ぶ。
「ひどい! あの場面で、後ろから膝カックンはないじゃん!」
そう。
ジプシーは膝で、わたしの膝の後ろを押したんだ。
「一気に拍子抜けしただろ。問題ない」
相変わらずの無表情で、ジプシーは返事をする。
この男!
後ろから羽交い絞めプラス膝カックン。
女の子に対して、そんな恥ずかしいこと、普通はしないでしょ!
あまりの出来事に立ちあがれないわたしへ向かって、ジプシーは、追い打ちをかけるように告げた。
「いまの感覚、忘れるな」
「膝カックンで、全部頭から飛んじゃったわよ!」
「――もう一度、同じ目に遭わせてやろうか」
「覚えました。遠慮します」
階段の下から、会長の、呼吸困難直前のような息絶え絶えの、楽しげな笑い声が響いた。
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