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第5章 すべての命に感謝を
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(たまきside)
私がイングリッシュマフィンを焼いていると、ドアチャイムの音がした。
昼下がりの時間帯に珍しいなと思い玄関の方を見ると、そこにはひとりの女性が立っていた。
その女性は入り口に立ったまま、私の方を上から下までしっかり見てくる。険しい表情のまま口を開き、
「ルックス、制服、良し。
アクセサリー、まあ無くても良いか。似合わないし。
お化粧......」
私の身だしなみチェックをしていた彼女は、ここでうーんと首をかしげてしまった。
「たまきさあ、お化粧くらいしようよー」
げんなりした表情で、茶化してくる。
彼女は私の大学時代の親友、三上 麻衣 ─私はいつもミカちゃんと呼ぶ─ だった。
「う......、うっすらくらいしてるわよ。
化粧水とかクリームくらいは......」
ムキになって返したけれど、答えはしぼんでしまった。ミカちゃんはそんな私をみて楽しそうだった。
後ろ手に結っているウェーブの髪と秋物のコート姿が同い年とは思えないような大人びた感じに思えて、私は見とれてしまった。
ミカちゃんは私と大学の同じ学部で、偶然にも選択講義のほとんどが重なっていた。だけども、そのほとんどを寝ている彼女にはあきれるしかなかった。よく寝た、それが彼女の口ぐせだったのだ。
「はい、今日の授業のコピーだよ」
私から彼女にノートを見せるのがお決まりになっていた。それからお昼のランチを食べながら説明するのが日課のように続いたのだ。ちなみに、彼女は学食を私は自分で作ったお弁当を良く食べていた。
それでいて、彼女はどの単位を落とすこともなかった。
私のノートのコピーを書き写しただけで作り上げるレポートが、そこそこの出来だったからだ。吸収力のある子なんだな、それが私の印象だった。
ミカちゃんの真骨頂は学力のレベルの高さではなく、演技で自分を表現することだった。小さな演劇の楽団に入っていて、透き通るような美声を聞かせてもらったことがある。そのたびに私は感動して拍手を送っていた。
ある日、大学の中にあるベンチで私は彼女にノートのコピーを渡していた。
いつものことなのに、この時ばかりは"ありがとう"と言ってくれた。珍しいこともあるものだと思って彼女のほうを見ていると、いつもは見せない自然な笑顔を木漏れ日がスポットライトの様に照らしていた。
「私、悩んでいるんだよね」
そう言いながらほほ笑む彼女の表情をつい見つめてしまった。どこか切なさを感じたからだった......。
・・・
ミカちゃんはあの頃のことを思い出しながら語ってくれた。
私はキッチンの椅子に腰を掛けて話を聞いている。ちなみに、お店は臨時休業ということにして、プレートを<CLOSED>に裏返した。
カウンター席に座っている彼女の前には、エッグベネディクトが置かれている。私が焼いていたイングリッシュマフィンを見て、こればかりと注文してきたわけだ。
私の賄い料理が......。
「まあ、ミカちゃんはよく悩んでいたよね。
演劇に本格的に行くかどうかって」
「そう、大学の頃から小さな演劇ユニットをやってたけど。
大学止めようかって何度も言ってたじゃない。
それをたまきがしっかり引き留めてくれたからさ」
感謝してるよ、と彼女がウインクを飛ばしてきた。文化祭の日に見た公演で、思わず立ち上がって拍手を送り続けたのは今でも忘れない。
私たちは、いわゆる<就職しなかった組>だ。私はこのお店に、彼女は演劇の道に。それぞれ将来を決めていたとはいえ、先生に心配されていた。
「私だって感謝しているよ、先生にどう説明すれば良いか~って困ってた」
「それは君が正直すぎるんだよ」
まあ、そうかもしれない。
社会人になってからは彼女の方からメールは来なかった。私もお店のことを覚えるのに精一杯で彼女に連絡をすることを忘れてしまった。
「君はこの店じゃなくても、就職できそうだけどね。
きちんと皆勤賞を取ったからなあ」
私は指で頬をかいた。私の真面目な性格を掘り起こすような展開は恥ずかしいので、慌てて話題を変えてみた。
「私の作ったベネディクト、美味しい?」
「うん。
ベーコンの香ばしさと、卵のとろけ具合が上手だよ。
高級ホテルみたい」
彼女は丁寧にナイフで切って食べてくれている。その所作は特別素晴らしいものではないけれど、丁寧で好印象を持てる雰囲気だ。
「エッグベネディクトはイングリッシュマフィンの上にベーコンや野菜など、その上にポーチドエッグを乗せて作る料理だよ。
発祥は色々あるけど、ニューヨーカーの住人が二日酔いを直すためにこのようなスタイルの料理を食べたんだって。
ポーチドエッグは基本だけど、それ以外の具材によって名前も変わる......」
ここまで言うと、彼女は手で制した。
「話があってもなくても、十分美味しいよ」
そっか。それじゃあ、そろそろコーヒーを出してあげよう。
「コーヒー、サービスで入れてあげるよ」
でも、私の作業しようとしていた手は、ミカちゃんの台詞によって止まってしまった......。
・・・
え、今なんて言った? 私は彼女の方に顔を向けながら固まった表情をしていた。
「もっかい言ってくれるかな?」
「私、演劇止めるんだ。
だから、今日は最後に食べに来たんだ」
私は手を止めたまま顔をうつむけてしまった。ミカちゃんは顔を背けて語ってくれた。その表情はやはり憂いが浮かんでいる。
「親が体調良くないから、一旦帰ることにするんだよ」
「え......、でも」
言いよどむ私に対して、彼女は話のトスを受け止めてくれた。
「君が何か言いたいか、わかるよ。
そりゃあ、手を出すひどい親だったから施設に入ったんだけどさ。
でも、親は親なんだよ」
彼女の言いたいことは分かる。
どんなに離れていても、どんな関係であっても。親御さんを心配することには変わらない。血縁関係は切っても切れないものなのだ。
「そうなんだね」
役者のたまごが羽をたたんでしまった。それがどんなに悲しいことか。
「演劇やってるときは楽しかったな......。
施設で育った私が輝く、青春だったと思うんだ。
それが、どんなにうれしいことか」
立ち上がってカーテンコールを期待することは遠い思い出になってしまった。もう見られることもないんだ。
私は涙ぐんできた。だけども、それを止めることはできずに自分の目からあふれ出してしまう。
「う......、ミカちゃあん!」
「泣くなって。
このお店が残ってれば、私は嬉しいんだから」
......その通りだよね。
「最後にコーヒーちょうだい、それで悔いはないわ」
そう言った彼女の笑顔は、あの木漏れ日の下で見たように切なかった。
・・・
ミカちゃんが立ち去って、一人きりの店内。
なんだか不思議と広く感じられて、寂しさがエアコンにあおられて舞っているようだった。
彼女の話は痛く私の心に突き刺さった。家族のつながり、いつか私の関係も変わる日がくるのだろうか。
私がイングリッシュマフィンを焼いていると、ドアチャイムの音がした。
昼下がりの時間帯に珍しいなと思い玄関の方を見ると、そこにはひとりの女性が立っていた。
その女性は入り口に立ったまま、私の方を上から下までしっかり見てくる。険しい表情のまま口を開き、
「ルックス、制服、良し。
アクセサリー、まあ無くても良いか。似合わないし。
お化粧......」
私の身だしなみチェックをしていた彼女は、ここでうーんと首をかしげてしまった。
「たまきさあ、お化粧くらいしようよー」
げんなりした表情で、茶化してくる。
彼女は私の大学時代の親友、三上 麻衣 ─私はいつもミカちゃんと呼ぶ─ だった。
「う......、うっすらくらいしてるわよ。
化粧水とかクリームくらいは......」
ムキになって返したけれど、答えはしぼんでしまった。ミカちゃんはそんな私をみて楽しそうだった。
後ろ手に結っているウェーブの髪と秋物のコート姿が同い年とは思えないような大人びた感じに思えて、私は見とれてしまった。
ミカちゃんは私と大学の同じ学部で、偶然にも選択講義のほとんどが重なっていた。だけども、そのほとんどを寝ている彼女にはあきれるしかなかった。よく寝た、それが彼女の口ぐせだったのだ。
「はい、今日の授業のコピーだよ」
私から彼女にノートを見せるのがお決まりになっていた。それからお昼のランチを食べながら説明するのが日課のように続いたのだ。ちなみに、彼女は学食を私は自分で作ったお弁当を良く食べていた。
それでいて、彼女はどの単位を落とすこともなかった。
私のノートのコピーを書き写しただけで作り上げるレポートが、そこそこの出来だったからだ。吸収力のある子なんだな、それが私の印象だった。
ミカちゃんの真骨頂は学力のレベルの高さではなく、演技で自分を表現することだった。小さな演劇の楽団に入っていて、透き通るような美声を聞かせてもらったことがある。そのたびに私は感動して拍手を送っていた。
ある日、大学の中にあるベンチで私は彼女にノートのコピーを渡していた。
いつものことなのに、この時ばかりは"ありがとう"と言ってくれた。珍しいこともあるものだと思って彼女のほうを見ていると、いつもは見せない自然な笑顔を木漏れ日がスポットライトの様に照らしていた。
「私、悩んでいるんだよね」
そう言いながらほほ笑む彼女の表情をつい見つめてしまった。どこか切なさを感じたからだった......。
・・・
ミカちゃんはあの頃のことを思い出しながら語ってくれた。
私はキッチンの椅子に腰を掛けて話を聞いている。ちなみに、お店は臨時休業ということにして、プレートを<CLOSED>に裏返した。
カウンター席に座っている彼女の前には、エッグベネディクトが置かれている。私が焼いていたイングリッシュマフィンを見て、こればかりと注文してきたわけだ。
私の賄い料理が......。
「まあ、ミカちゃんはよく悩んでいたよね。
演劇に本格的に行くかどうかって」
「そう、大学の頃から小さな演劇ユニットをやってたけど。
大学止めようかって何度も言ってたじゃない。
それをたまきがしっかり引き留めてくれたからさ」
感謝してるよ、と彼女がウインクを飛ばしてきた。文化祭の日に見た公演で、思わず立ち上がって拍手を送り続けたのは今でも忘れない。
私たちは、いわゆる<就職しなかった組>だ。私はこのお店に、彼女は演劇の道に。それぞれ将来を決めていたとはいえ、先生に心配されていた。
「私だって感謝しているよ、先生にどう説明すれば良いか~って困ってた」
「それは君が正直すぎるんだよ」
まあ、そうかもしれない。
社会人になってからは彼女の方からメールは来なかった。私もお店のことを覚えるのに精一杯で彼女に連絡をすることを忘れてしまった。
「君はこの店じゃなくても、就職できそうだけどね。
きちんと皆勤賞を取ったからなあ」
私は指で頬をかいた。私の真面目な性格を掘り起こすような展開は恥ずかしいので、慌てて話題を変えてみた。
「私の作ったベネディクト、美味しい?」
「うん。
ベーコンの香ばしさと、卵のとろけ具合が上手だよ。
高級ホテルみたい」
彼女は丁寧にナイフで切って食べてくれている。その所作は特別素晴らしいものではないけれど、丁寧で好印象を持てる雰囲気だ。
「エッグベネディクトはイングリッシュマフィンの上にベーコンや野菜など、その上にポーチドエッグを乗せて作る料理だよ。
発祥は色々あるけど、ニューヨーカーの住人が二日酔いを直すためにこのようなスタイルの料理を食べたんだって。
ポーチドエッグは基本だけど、それ以外の具材によって名前も変わる......」
ここまで言うと、彼女は手で制した。
「話があってもなくても、十分美味しいよ」
そっか。それじゃあ、そろそろコーヒーを出してあげよう。
「コーヒー、サービスで入れてあげるよ」
でも、私の作業しようとしていた手は、ミカちゃんの台詞によって止まってしまった......。
・・・
え、今なんて言った? 私は彼女の方に顔を向けながら固まった表情をしていた。
「もっかい言ってくれるかな?」
「私、演劇止めるんだ。
だから、今日は最後に食べに来たんだ」
私は手を止めたまま顔をうつむけてしまった。ミカちゃんは顔を背けて語ってくれた。その表情はやはり憂いが浮かんでいる。
「親が体調良くないから、一旦帰ることにするんだよ」
「え......、でも」
言いよどむ私に対して、彼女は話のトスを受け止めてくれた。
「君が何か言いたいか、わかるよ。
そりゃあ、手を出すひどい親だったから施設に入ったんだけどさ。
でも、親は親なんだよ」
彼女の言いたいことは分かる。
どんなに離れていても、どんな関係であっても。親御さんを心配することには変わらない。血縁関係は切っても切れないものなのだ。
「そうなんだね」
役者のたまごが羽をたたんでしまった。それがどんなに悲しいことか。
「演劇やってるときは楽しかったな......。
施設で育った私が輝く、青春だったと思うんだ。
それが、どんなにうれしいことか」
立ち上がってカーテンコールを期待することは遠い思い出になってしまった。もう見られることもないんだ。
私は涙ぐんできた。だけども、それを止めることはできずに自分の目からあふれ出してしまう。
「う......、ミカちゃあん!」
「泣くなって。
このお店が残ってれば、私は嬉しいんだから」
......その通りだよね。
「最後にコーヒーちょうだい、それで悔いはないわ」
そう言った彼女の笑顔は、あの木漏れ日の下で見たように切なかった。
・・・
ミカちゃんが立ち去って、一人きりの店内。
なんだか不思議と広く感じられて、寂しさがエアコンにあおられて舞っているようだった。
彼女の話は痛く私の心に突き刺さった。家族のつながり、いつか私の関係も変わる日がくるのだろうか。
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