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3章 希う大学生編
いつもの僕とは違うんだ
しおりを挟む啓吾がイきそうになったところで、舌のザラザラを、つるつるもちもちの亀頭へ押しつけるようにベロンと舐め上げる。
啓吾は一度ピクッと腰が引けて、イク為に腰を突き上げようとする。僕の喉奥へ突き刺す勢いで。だけど、そうはさせない。
僕は、軌道を逸らして啓吾のおちんちんを頬で受けた。そのまま、横からカリ溝へ舌を這わせる。
おちんちんの根元を両手でギュッと握り、一気に亀頭を舐め回す。咥えると僕もイッちゃうから、それ以上は口に含まない。
啓吾は甘い声を漏らし、下腹部に力が入っておちんちんをビクビクさせる。イキたいんだ。そこで僕は、口を離し握る指に力を込めた。
「へへ♡ イかせてあげないよ」
僕がしたり顔で言うと、啓吾は無表情で僕を押し倒した。
「んわぁっ····あっ、やぁっ··け、ご··だめぇ──んあ゙ぁ゙ぁ!!」
啓吾は僕の首筋へ吸いつき、一瞬離れて今度は思いきり肩に噛みついた。僕のおちんちんから、とぷっと精液が溢れる。
ぼーっとしたまま、啓吾の乱暴なキスを受け入れる。僕は無意識に、僕と啓吾のおちんちんを合わせて握った。
そして、僕の精液をローション代わりにして、力いっぱい握り一緒にシコシコする。なんだっけこれ、兜合わせ?
啓吾は夢中で僕の口を犯す。僕は、必死に啓吾へ寸止めを仕掛ける。お互いに余裕のない中、加減など忘れて貪り合う。
「ン··結人待って、イク」
「へぁ····僕も、イッちゃ······あっ」
ようやく唇を離した啓吾が、苦しそうな表情を浮かべて申告してくれた。快楽に堕ちていた僕は、いつしか寸止めを忘れてイかせようと奮闘していたのだ。危ないところだった。
「ははっ···くっそぉ····寸止めじょーず」
眉間に皺を寄せ、険しくも雄々しい表情で精一杯の優しいキスをくれる啓吾。凄くカッコイイ。
啓吾の首に腕を回し、ぐしょぐしょのまま抱き寄せる。ぺちょっとお腹がくっつくと、啓吾は『うわぁ♡』と歓喜した。
「もー、結人がイッてちゃダメじゃん」
そう言って、さっき噛んだ所を甘噛みする。
「った··。ごめ、なさい。でもね、噛んだ啓吾が悪いんだよ?」
「あは♡ そだね。だーってさぁ、あんな意地悪で可愛い結人ハジメテだったし、イケなくて辛いしでもうバグっちった。まぁ、結人のスイッチも入ったみたいだし、結果オーライじゃん?」
てへっと笑う啓吾の無邪気さに、一瞬前までの雄っぽさを見失う。まるで別人のように軽い。
これならまだやっても大丈夫そうかな。そう思い、僕はもう一度啓吾のおちんちんに手を伸ばす。
「んぇ、まだヤんの? 結人ってば意外と鬼畜ぅ」
「どの口が言ってるのさ。皆、いつも僕にどれだけ鬼畜なことしてると思ってるの?」
皆、僕が泣いて頼んでもやめてくれないじゃないか。それに、それぞれの回数は二桁に近い一桁だとしても、皆合わせると余裕で数十回は寸止めをされるんだ。
2日目だって、結局ロクにイかせてもらえないままだった。朔が助けてくれなかったら、またバカみたいに泣きじゃくったまま眠っていただろう。
僕は、あの苦しみを皆に身をもって思い知ってほしい。だから、そう、これはただの意地悪じゃなくて仕返しなんだ。
啓吾には、日頃のお返しも込めて多めに5回くらい寸止めをプレゼントした。調子に乗って続けようとする僕だったが、八千代に『もうやめとけ』と言われて終わった。
実は少し前から啓吾がキレていて、犯される寸前だったらしい。ハッとした僕は、慌てて啓吾を宥める。必死に呼吸を整える啓吾に、『意地悪しすぎたね。ごめんね』と言って優しく抱き締めた。
暫くすると啓吾は落ち着き、早々に八千代が僕を回収した。
向かい合って座り、柔らかくねちっこいキスを首元に落としながら僕を見上げる。えっちな八千代に、僕の心臓が強く跳ねた。
「んじゃ、最後俺な。俺の寸止めも余裕?」
大変だ、今日の八千代は甘々モードらしい。やりにくいなぁ。
「よ、余裕····」
「余裕、ねぇ····。なぁ、お前のミスでイッちまうんはしゃーねぇよな」
「み、ミスったりしないもん!」
啓吾との一部始終を見て出た煽りだろう。僕が喚くと、八千代は僕を抱き寄せて耳元で囁く。
「へぇ、楽しみ。なぁ、早くヤれよ」
「ひぁっ··! なっ、なんでそんなに甘いの!? もう! 泣いてもやめてあげないからねっ!」
「おー、泣かしてみろ。つか甘くねぇわ。いつも通りだろうが」
いつもの自分がどんななのか、自覚がないのだろうか。そんな分からんちんは絶対泣かせてやる。
なんて無謀な目標を胸に、僕は八千代のそそり立つおちんちんを握った。
僕が一生懸命扱いているのに、八千代は顔を見せろだの煽ってみろだの、ごちゃごちゃと煩い。腰に響くような甘い声で強請るように強いてくる。それに逆らえないのだから、僕は困り果てて『煩いなぁ』と言ってキスで口を塞いだ。
舌先を少しだけ絡めてきて、文句を言った僕にお仕置きでもするかのように、焦れったいキスで僕の舌を待つ八千代。だけど、あれだけやっても未だ、僕のキスは上達しないまま。
それはもう、半ば諦めているからいいのだけど。僕は開き直って、拙いキスで逆に八千代を誘う。
焦れったくなった八千代は、根負けして舌をねじ込んでくる。僕は蕩けたしたり顔で、キスをしながら少し笑みが零れた。
だって、下手くそなキスと同時におちんちんを扱く手を速めると、大概昂って激しくなるのを知っていたから。
僕は皆のことをあまり知らない。えっちなことに関しては殊更。そんな事を思ってヘコむ時もあるけれど、こうして触れ合えば知っている事も沢山あって安心する。
僕の舌を堪能している八千代の亀頭を、親指の腹でくりくり撫で回す。先走りでぬるぬるしているからよく滑って、八千代の腰が時々ピクッと動く。
それだって、八千代のイイ所を知っているからできるのだ。
僕の上体を持ち上げるように抱き寄せ、迷う事なくお尻に手を伸ばす八千代。僕は『まだダメだよ』と制止して、八千代に跨り兜合わせをする。
両手で握らないといけないから、僕の身体は八千代が支えてくれる。身を任せて、僕は扱く事に集中する。
「あっ··んっ····八千代、まだイけない?」
「ん、お前見てたらイきそ」
「へぁ··? ばか··。そんなこと言ったら、僕のほうがイッちゃうよぉ」
「しゃーねぇだろ。必死こいて俺の扱いてるお前が可愛いんだからよ。なぁ、なんかエロいこと言えよ。したらすぐイクかも」
そう言って、意地悪く熱っぽい視線を僕に刺してくる。エロい事ってなんだよ····。
台詞を考えて黙りをキメこんでいると、啓吾とりっくんが両脇に来て耳打ちをしてくれた。
「ぇ··? そんな事····むぅ····八千代のおちんちんと僕のおちんちん、お··おと····大人と子供みたいで悪い事シてるみたいだね。····啓吾ばーーーーーっか」
与えられた台詞で終えられなかった。折角、屈辱を振り払って言ったのに台無しだ。けど、我慢できなかったんだもん。
「おま····エロいけど、それは酷ぇな。結人のコンプレックス抉りすぎだろ」
朔が引き気味で言ってくれた。朔にとっても、言ってもらいたいセリフ集のひとつではあるらしいが、気を遣ってくれていたようだ。ブツブツと啓吾に棘を放つ。
それよりも、言ってもらいたいセリフ集というのが気になる。今度、暇な時にでも聞いてみよう。
「啓吾のばか。それはいくらなんでもゆいぴが傷つくでしょ。思ってても言うなよな」
薄々、そう思われているのは分かっていた。自覚だってある。見れば誰だって思うだろう。
けれど、今は追い打ちをかけてくるりっくんにも腹が立つ。
「りっくんも啓吾も、ばかぁ····」
「あぁぁ~ごめんねゆいぴ、俺は思ってないよ。ゆいぴの可愛い所のひとつではあるんだけど、子供ちんぽだなんて思ってないからね」
「俺、流石に“子供ちんぽ”とは言ってないんだけど。りっくんひど~い」
「りっくん言うなキモい。つぅかちゃんとゆいぴ慰めろよ!」
皆の認識では『子供ちんぽ』らしい。もう、こんなお粗末なおちんちんなんてちょん切りたい気分だ。
言わずもがな、僕はしょぼりしてしまった。
「テメェら、アドバイスしに来たんか邪魔しに来たんかどっちだよ。返答次第じゃはっ倒すぞ」
「は? アドバイスに決まってんじゃん。お前がゆいぴ困らせるような我儘言うからだろ」
「まぁ任せろよ。結人が絶対言わねぇようなエッロいこと言わせてやっから☆」
「えぇ····」
一体、何を言わされるのだろう。僕に拒否権はないのだろうか。
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