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3章 希う大学生編
加減を忘れて
しおりを挟むお腹が破れてしまいそうだと、可愛く訴える猪瀬くん。けれど、冬真は聞く耳を持たない。僕は、猪瀬くんを案じて視線を下ろす。
猪瀬くんを心配するのが気に食わない八千代は、りっくんのおちんちんを置き去りにしてズンッと奥へ押し込んだ。
「んぉ゙····ぅ゙、は··八千代、そこ、らめぇ····」
僕は八千代の胸に落ちて、奥の限界まで達した事を知らせる。
「ナカ、ンっなビクつかせてダメじゃねぇだろ。怖がんねぇで気持ちぃって言えよ。ぉら、イケ」
八千代に耳元で囁かれ、ゾワゾワが全身を駆け抜けてイッた。僕がイクと、八千代はいつもフッと笑う。そのやらしさとイッた余韻で、僕はもう一度甘くイク。
反対の耳にはりっくんが。荒い息遣いで『可愛い♡ 好き♡ いっぱい噴いて』なんて呟いている。小さな声で『お尻捥いで食べちゃいたいな』と、お尻を掴んで言われた時には、違うゾワゾワが背筋を走った。
この状態のりっくんは手に負えない。昂りがコントロールできないのか、りっくんはブツブツ気持ち悪い事を呟きながら、どこまでもピストンを速めていく。
これ以上ナカを掻き回されると、意識を飛ばしてしまいそうだ。そう思った僕は、八千代の頬に手を添え、もう片方の手でりっくんの手を握り、頑張ってお強請りをしてみる。
「やち····りっく····お腹、苦し··の··。早く··2人の精液れ、孕ましぇてぇ····」
八千代は、奥へ捩じ込んでグポグポしながらおちんちんをビクンと跳ねさせる。もう間もなくだろう。
そこへ、りっくんが力任せに奥を狙う。とうとう、同時に奥を抜くつもりなのだろう。それを、八千代が慌てて止める。
けれど、りっくんの腰は止まらず、奥の扉に届いた。2本ともがこんなに深く入っているなんて、僕の身体はどうなっているのだろう。
不安が涙として溢れた時、りっくんの昂りが最高潮を迎えたらしい。八千代のおちんちんへ沿わせるように、ぐぽっと奥へ入ってきた。
お腹の底、お尻の奥の奥、どちらとも言えるそこに、これまで味わった事のない衝撃が突き抜け脳を穿つ。
「ぁ··がッ····」
「あ゙ッ··これヤバ····イッ··く····」
「ん゙··、痙攣やべぇな。結人、もうちょい気張れよ」
りっくんは最奥に精液を流し込み、その最中に八千代が奥深くでピストンする。どうやら、僕の奥が痙攣しているらしい。お腹のナカが変な感じだ。
いつものぐぽぐぽとは違い、痛みを伴う快感。けれど、この痛みが快楽へと変わる瞬間は、何ものにも代えがたい愉悦を感じられる。
僕のふわふわも最高潮を迎え、八千代の強引なぐぽぐぽにも慣れてきた。痛みはとっくに快感へと変換され、涎を垂れ流すほど蕩けている。
りっくんが再び動き出すと、八千代は僕の両手に指を絡めて繋ぎ、上手い具合に上体を起こさせる。角度を調節すると、2人で交互に奥をぐぽぐぽする。
(も··らめ····気持ち良しゅぎて死んぢゃう····)
上体を八千代に委ねそうになった時、りっくんが後ろから乳首を抓り上げた。
「んあ゙あ゙ぁぁぁっっ!! ひだっ、いだいぃっ! り゙っぐ、ん゙ん゙ん゙!! 乳首取れ゙る゙ッ! 取ぇぢゃうっ!!」
「んー、取っちゃおっか。ゆいぴのかぁいい乳首、俺の部屋に飾っとこうかな~♡」
「「きっも····」」
冬真と啓吾が声を揃える。僕も同感だが、痛すぎて声が出ない。本当に千切ってしまうつもりだろうか。
りっくんは爪を立て、浅く乳首をカリカリする。擽ったいような、ピリピリと緩い快感に意識をもっていかれる。
「結人、ケツに集中しろ。俺らので腹んナカいっぱいしてやっからよ」
「ふ、ぅ··イク? 僕のお腹··、いっぱいにすぅの?」
「ゆいぴのお腹んナカ、俺らの精液でいーっぱいにして孕ませてあげる♡」
耳元で、息を吹きかけるように囁くりっくん。あまりの甘さに、耳がボッと熱くなる。
「ひぁっ、あっ、ひゃいっ♡ りっくんと、八千代の赤ちゃん、んんっ、は、孕むぅ♡」
2人は容赦なく奥で射精し、痛いのか気持ちがいいのか分からないまま、僕は気を失ってしまった。
目を覚ますと、猪瀬くんが心配そうに僕を覗き込んでいた。相変わらず、顔が良いんだから。
「あ、起きた。武居、大丈夫?」
「ん····大丈··んっ····」
下腹部がズクンと痛む。なんだか重い。
「皆は?」
部屋には、僕と猪瀬くんしか居ない。僕を置いて、どこへ行ってしまったのだろう。
猪瀬くん曰く、八千代とりっくんは朔にお説教されているらしい。僕が休めるよう別の部屋で。
啓吾と冬真は、僕に甘いものでもとコンビニへ行っているそうだ。皆、僕をとても心配してくれているみたいで申し訳ない。
「折角のお泊まり会なのに、心配かけちゃってごめんね」
「大丈夫だよ、ヤッてるだけだし。こっちこそごめんな。冬真が勝手ばっか言って」
「んへへ。なんかさ、猪瀬くん奥さんみたい」
「へ? なんだよそれ··。それ言うなら武居の方が奥さんっぽいじゃん」
「んぇ? そうなの? 僕、ちゃんと奥さんできてるのかな····。皆に甘やかしてもらってばっかりでさ。僕が弱っちぃから、いつも心配かけちゃうし」
「それはアイツらが悪い! 加減してるとか言ってるけど、興奮したらいつも無茶すんだろ? つぅか、あんなの4人も相手してんのってマジで凄いからな。武居は弱くなんかないよ」
そう言って、猪瀬くんは優しく頭を撫でてくれた。お兄ちゃんって、こんな感じなのだろうか。
「あーっ! 駿が浮気してる~!」
「冬真··のバカ! 浮気なんかするわけないだろ!? バカ冬真!」
「うぇぇ····めっちゃ怒んじゃん。生理? ──ぶわっ」
猪瀬くんは、冬真の顔面にクッションを投げつけた。それも、少し固めのやつを。
冬真も、普段から猪瀬くんに無理を強いるらしい。自分と僕を重ね、結果、冬真に腹を立てたのだろう。けど、今のは冬真が全面的に悪いと思う。
「いってぇな~。うちの嫁、マジツンかわ」
ツンかわって何だろう。冬真は時々、意味のわからない単語を織り交ぜてくる。造語なのだろうけど、僕には理解できない。
まぁ、スルーしても問題ないみたいだから全く気にしないけど。
「あれ? 啓吾は?」
「結人にあったかい物飲ませるつって、今コンポタ作ってる。つーか、ンな事より腹大丈夫? ケツは? 生きてる?」
「お腹は····ちょっと違和感があるかな。痛いのは喋ってるうちになくなっちゃった。ケツ····お尻はいつもの事だから大丈夫だと思う」
「え····、アレしょっちゅうやってんの? マジでケツ締まんなくなるよ? あと、しんどい時とか嫌な時はちゃんとダメって言わなきゃダメだぞ? 俺が言えた事じゃないけどさ、気持ちぃ事に流されすぎだよ?」
猪瀬くんが、心底心配してくれているのが分かる。けれど、これではまるで····
「んははっ。猪瀬くん、お母さんみたい」
「俺の子孕んでんじゃね? てくらい母性凄いよな。あ、結人が俺らの子になる? 絶対可愛がるよ」
「お前のことお義父さんとか呼びたくねぇよ。関係複雑にするんじゃありませんー」
そう言って部屋に入ってきたのは啓吾だ。
人数分のコンポタを、トレーに乗せて運んできた。扉の開閉は足で、お行儀が悪いけど今は目を瞑ろう。
僕にコンポタを手渡すと、隣に座ってお腹を撫でてくれる。
「触って平気? 痛くねぇ?」
「ん、大丈夫。啓吾の手、あったかくて気持ちぃ」
僕は、熱すぎないコンポタを啜り、啓吾の肩に寄り掛かる。しっかりと肩を抱き、フラつく僕を支えてくれる啓吾。その優しさに、心が溶けていくようだ。
「もうちょい寝てな。覗いてきたけど、朔の説教まだ終わりそうにないからさ」
「瀬古って結構ねちっこいのな。つぅかさ、あの場野が正座させられてんの超オモロかったんだけど」
「俺も最初スゲーって思った。今でもさ、場野に正座させれんの朔と結人だけだかんね。場野ってほら、親に怒られてもふんぞり返ってるタイプじゃん?」
「知らねーけど絶対そう。俺なんか、未だにちょっと怖ぇんよ? オーラっつぅかさ、威圧感?」
「高校の時に比べればかなり丸くなったけどね。武居のおかげだよねぇ」
「ホンット、あれ手懐けてんだから結人はすげぇよなぁ~」
僕は寝ずにお説教終わるのを待ちながら、懐かしい話やお互いの知らなかった話で盛り上がった。八千代の変化に驚き、りっくんの変態さが悪化しているという話で持ち切りだったけど。
2人の近況や学校での様子も知れた。2人が以前にも増して仲良くしていると分かったのが、何よりの収穫だ。
それから1時間後、ようやく解放された八千代とりっくんが、少しやつれた顔でヤリ部屋に戻ってきた。その後ろを歩く朔は、怒りが収まらないのか険しい顔をしている。
けれど、僕が起きているのを見るなり、とても心配そうに駆け寄ってきた。
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