ちっこい僕は不良の場野くんのどストライクらしい

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3章 希う大学生編

僕だって頑張りたい

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 ピアスホールの貫通式を終え、少し痛みがあると言ったらえっちはおあずけに。気分転換がてら、夕飯を食べに行くにした。今日も今日とて、八千代のお母さんのお店へ。


「ねぇ、生活費だけどさ──」

「ほら、もっと肉食え」

「ねぇ八千代、生活費ね──」

「結人、サラダも食えよ。チョレギとシーザー、どっちがいい?」

「ねぇ朔、待って。話聞いてよ。生活費──」

「ゆいぴ、ご飯のおかわりは?」

「ほしいけど、違うの、聞いて。生活h──」

「なぁなぁ、これめっちゃ美味いよ。どこの部位?」

「それはイチボだな。ケツのえくぼの辺りだ」

「ねぇ! ちゃんと聞いてよ! 僕も生活費入れるからバイトする!!」

「「「「却下」」」」

「きゃ····っ、なんで!?」

「危ねぇ」

 真面目な顔で八千代が即答する。あんな大きな家、光熱費だけでも凄そうなのに、僕だけ何もさせてもらえないなんて。そんな事があってたまるものか。

「危なくないように頑張るから! 僕だけなんにもできないのヤだよぅ····」

「気持ちは嬉しいんだけどな。····そうだな、生活が苦しくなった時は頼む。まぁ、そんな事にはならないように頑張るけどな」

 フッと笑ってイイ笑顔を見せてくれる朔。そうじゃないんだよ。
 僕も働いて、もっと一緒に頑張ってるんだと感じたい。ただのエゴかもしれない。けど、僕だけ大切に保管されるような、ぬくぬくとした生活を送るなんて嫌なんだ。

 僕がむくれていると、朔が現状を話してくれた。
 少し前から始めている子会社での業務にも慣れ、来年には朔に任せるという話になっているらしい。と言うか、朔が経営していくつもりで作った会社らしい。それも、朔が殆ど1人で立ち上げたのだとか。
 この間、家具のお礼を言いに行った時、お父さんがとてもご機嫌だったのはこれが理由なんだそうだ。そりゃ、こんなできた息子が、それも溺愛してる朔が、お父さんの意に沿って頑張ってるんだもん。嬉しくないわけがないよね。

 で? だから、それまでは家で大人しくしてろって? 結局じゃないか。
 
「結人が俺の秘書やってくれるんだよな? だったら、来年から徐々に始めていけばいいだろ」

「そうそ。それに、ゆいぴは実習とかで年明けから忙しくなるじゃん」

「「実習····?」」

 朔と八千代が鋭い視線を向けてくる。ヤバい、言うのを忘れてた。

「おい、なんだよ実習って。聞いてねぇぞ」

「マジか。結人言ってなかったの?」

「で、どっちと行くんだ?」

 この圧に逆らって言うのは心苦しい。本当に、心臓が握りつぶされそうなくらい苦しい。

「ひ····1人です」

「「はぁ?」」

「お前らどっちかとじゃねぇのかよ」

 八千代が、りっくんと啓吾を睨んで言う。それを鼻で笑ったりっくんが、煽り混じりに返す。

「バーカ。1人1ヶ所だよ。中高生の職場体験じゃないんだから、皆で仲良くなんて行けるわけないでしょ」

「よく言う~。お前、先生にめっちゃ抗議してたじゃん。『ゆいぴに何かあったら責任取ってもらいますから』つって。すっげぇ剣幕で。先生ビビりまくってて面白かったけど」

「当ったり前でしょ。あのオヤジ····ゆいぴに何かあったらタダじゃおかないから」

 それは、先生が悪いワケじゃないんだけどな。激高したりっくんに何を言っても無駄だろうから、何も起きないように気をつけよう。
 と言っても、行くのは幼稚園なんだけどね。

「でもさぁ、心配とかは置いといてよ? 結人が子供に囲まれてるトコは見たいな」

 啓吾の発言に、皆が深く共感した。どうせ、僕と園児の区別がつかないとか言い出すんだろうな。想像しただけで悔しい。
 と思ったが、予想外の反応に僕はまた顔を熱くする。

子供天使に囲まれた結人は女神みたいなんだろうな」

 朔が静かな笑みを浮かべて言う。おバカなのかな。

「そう、それ、控えめに言って女神だよね。んぁー、俺も園児になりたい。ゆいぴに甘やかされて癒されたいなぁ」

「な、何言ってんの? もう、ホントおバカなんだから。····だったら、バイトから帰ったらいっぱい甘やかしてあげる。僕が働けるようになるまで、家ですっごい奥さんしてやるんだから!」

「んふっ、すっごい奥さんて何よ····。なぁ結人ぉ、ずーっと家で奥さんやっててくんねぇの?」

「働きながら奥さんやればいいでしょ。普通の家じゃないんだから、維持費だって大変だろうし。僕だけ何もできないなんて嫌だもん」

 僕は、頬を膨らませてそっぽを向く。けれど、すぐ八千代にお肉をあーんされて膨れっ面を終えた。

「それさぁ、俺と莉久も一緒だぜ? バイトの給料なんて、あの家の光熱費にもなんねぇの」

「朔の株とかと場野の怪しい仕事がないと、あんな凄い家住めないよ」

「おぅ、上等だテメェ。表出ろ」

「えー、ヤダよめんどくさいな。これでも感謝してるんだけど? 俺らが気ぃ遣わないように色々理由つけて、ちょびーっとずつ支払える額で色々担当くれてんの」

「学業優先だとか言って、バイトも最低限とかさ。ホント、すげぇ感謝してるよ。けどさ、朔の仕事は知ってっけど、場野のほうは頑なに言わねぇんだもん。不安ではあるわけよ」

 啓吾の言うことにも一理ある。説明できないのか、ただ単に面倒なだけなのか、それすら分からない。
 誰も口にはしないが、実家がヤクザ屋さんだという先入観は少なからずある。何より、あのなんでもござれな杉村さんが教えた稼ぎ方だと言われれば、失礼だが心配にはなる。
 よく知らないというだけで、不安や心配は尽きないものなのだ。

「前に軽く説明しただろ。別に隠してるつもりもねぇわ」

「え、説明ってしたか? 俺も知らねぇぞ」

「ぁんでだよ。お前にはちゃんと説明しただろうが」

「······あぁ、あれか。お前、言葉足らずにも程があるぞ」

 一体、何の話だろう。お金の事は2人に任せてしまったから、あまり関われずにいたけれど、一応把握はしておきたい。

 僕たちは、勢い任せに聞いて後悔した。全く話についていけない。八千代のやっている事は、とりあえず合法でものではない。
 俗に言う、汚い金ではないと強調しまくっていた。けど、そこを疑っていたわけではない。八千代のことだから、危険が伴ったりしていそうで心配だったのだ。
 そうでないと分かれば安心できる。それに、投資がどうのこうのと、聞き慣れないような小難しい話を聞いていると眠くなってきた。

(そう言えば八千代って、すっごく頭良いんだよね····中学の頃からなのかな。凄いなぁ)

「おい、聞いてっか? 寝んなよ。まだ肉残ってんぞ」

「んー····八千代、食べさしてぇ」

「ンなら口開けろ」

「んぁ····」

 ダメだ。お腹が膨れてきて、余計に瞼が重くなってきた。でも口は動くんだよね。不思議だなぁ。

「すげ。寝ながら食ってんじゃん。かーわい~」

「結人、喉詰めるぞ。ちゃんと起きて食え」

「場野もどんどん放り込むなよな。ゆいぴのもぐもぐ追いついてないじゃん」

(なんか··揉めてる? きっと僕の所為だ。もぐもぐ····もぐもぐしなきゃ····)

 もう瞼が上がらない。口の中のお肉を飲み込んで、八千代に寄り掛かるが早いか、すぅっと眠りに落ちた。


 ふわっと身体が浮く。あったかい。八千代の背中だ。今日はお姫様抱っこじゃないんだ。
 背中の温もりと一定の揺れが気持ち良くて、とてもじゃないけど瞼が開かない。僕は、より深い眠りへといざなわれる。


 皆の話し声で目が覚め、薄らと目を開ける。見慣れない天井だ。ここは何処だろう。

「ねぇゆいぴ、えっちする?」

「ん····するすゆぅ」

「んはは、めっちゃ寝ぼけてる」

 啓吾が笑ってる。なんだろう、可愛いな。
 そうか、ここヤリ部屋なんだ。昨日の今日じゃ、流石にまだ慣れないや。

「おい、まだ耳痛いんじゃねぇのか?」

「大丈夫だろ。さっきも俺の指ヤラシくしゃぶってたしな。シてぇんじゃねぇか?」

「寝ながら指しゃぶるとか可愛すぎんね」

 僕が··八千代の指を? そんなの知らないや。····あれ? けど、八千代の指を握ってる。
 いくら寝ぼけていたとはいえ、本当にそんなはしたない事をしてたのかな。恥ずかしいから、もう少し寝よう。

「あ、ゆいぴ寝るの? 俺とえっちシたくない?」

「んぇ······シたい」

「じゃ、しゃぶって勃たせて」

「あぃ。いたらきます」

 顔に跨ってきたりっくんの、差し出されたおちんちんを口に含む。勃たせてと言うが、いつも突っ込む前から勃っているじゃないか。全部口に挿れるの、大変なんだからね。
 なんて、こちらの事情など知らないりっくんは、僕の頭を持って遠慮なく喉をオナホの様に使う。

「や、ぁ··んぅ゙··」

 美味しかったお肉を、また吐いてしまうのか。そう思った矢先、僕のお腹が鳴る。どういうわけか、もうお腹が空いている。

「結人、腹減ってんのか?」

「そりゃもう朝方だかんね」

 なんだって? もう朝方だなんて、そんな····。
 けど、どうして起こさなかったのだろう。いつもなら、寝ていたってお構いなしで犯してくるのに。

「ゆいぴさ、引越しとかで疲れてたでしょ。ハードだったもんねぇ。よく寝れた? あ、耳痛くない?」

「ふ··ぅ、ん····」

 僕は、小さく頷く。一旦おちんちんを抜き、りっくんは僕をひっくり返すと、四つ這いにしてもう一度咥えさせた。
 すると、誰かが僕のお尻を持ち上げ、アナルにおちんちんを滑らせる。そして、馴染ませると先を押し込み、ぐぷっと亀頭まで挿れた。

「だーれだ」

 りっくんが聞いてくるけど、喉奥まで捩じ込まれているのに答えられるわけがないじゃないか。僕は、りっくんをべしべしタップして一旦抜いてもらう。

「はふぅ····んぁ··えっとね、八千代やちぉ

「ん、正解。ご褒美やんねぇとな」

 そう言って、八千代は奥の扉をグリグリして解ぐし、『愛してる』と言葉を添えてぐぽっと貫いた。耳元で弾ける甘い快楽に驚き、射精もせず潮を噴き上げてしまった。
 それを見た八千代が、僕の腰を掴んで強く腰を打ちつけ始める。寝起きの身体には、いささか辛いほどの深い快感だ。
 その上、りっくんが喉に流し込むものだから、早くも痙攣を伴う連続イキが始まった。

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