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3章 希う大学生編
浮かれてるから
しおりを挟む僕に覆い被さった八千代から、熱烈なキスを受ける。段々と絡める舌が激しさを増し、キスだけで軽イキを繰り返す。
「ンっとに敏感な。これ、普段から我慢すんの大変じゃねぇんか?」
「んぇ? 大変··なのかな、分かんない。皆が触ってくれるの気持ちぃからスキ····」
僕は、八千代の首に腕を回し引き寄せた。首筋や鎖骨に吸い付いては、また軽イキさせてくる。これじゃ、えっちと変わらないじゃないか。
「まぁ外では感じさせねぇように気ぃつけてっけど、最近また酷くなってきてねぇか? モロ感すぎんだろ」
「もろかん····」
「んぁー··いい。与えられるまま感じとけ。俺らが気ぃつけっから気にすんな。それよか、これからは帰る時間気にしなくていいって分かってっか? お前、色々覚悟できてんだろうな」
また僕の知らない言葉で、呆れたように僕を愛でる。そして、雄の顔で僕を捕らえたのだと宣言した。鋭い眼に力強い腕、本当に狼みたいだな。今すぐ喰われてしまいそうだ。
なのに、バカな僕は素直に気持ちを漏らして煽ってしまう。
「覚悟··できてる····。皆に毎日いっぱいシてもらうの····た、楽しみにしてたんだよ」
恥ずかしくなって、ふいっと顔を逸らす。
「おま····今すぐ犯すぞ」
耳元で凶悪に囁く八千代。僕の腰を持ち上げ、硬いモノを押し当ててくる。本当にえっちシてるみたいで、堪らずお尻がキュンキュンしてしまう。
「んぅ··はぁ··八千代、ダメ····おちんちん欲しくなっちゃう」
「へぇ、まだ欲しくなってねぇんだな?」
狡い。そういう意味で言ったんじゃないのに。
「ほ、欲しい。八千代のおちんちん、今すぐ欲しい」
「ふはっ··、必死かよ。けど今はシねぇ。もうすぐアイツらも来んだろ。流石に今日は抜けがけしてたらキレられるわ」
ここまで煽っておいて酷いじゃないか。僕だって、この2年で多少は成長したんだぞ。煽って、今すぐ僕を襲わせるくらいには。
八千代のおちんちんにズボン越しで触れる。優しく、けどしっかり包むように。ホントにおっきいなぁ····。
手に収まりきらないおちんちんを、軽く扱くように撫でる。
「おい、やめろ」
「やだよ。おちんちん大好きだもん。これでね、お腹の奥とか前立腺潰されたいな····。あのね、喉の奥突かれるのも好き。皆になら、何されても気持ちいいんだもん。あとね、僕を壊そうとしてる顔も好き。····見たいなぁ」
本当に好きなのは少し違う。僕が見たいのは、僕を壊したいけど壊さないように抑えている、理性と本能が戦っているかの様な渋い顔だ。
それにしても、僕はなんて破廉恥な事をしているのだろう。おちんちんを触って『これ好き』って、変態すぎるじゃないか。いくらなんでも、はしたなかっただろうか。
「テメェ、分かっててやってんな」
首筋や額に青筋を浮かべた八千代を見て、瞬時にやりすぎたと気付く。途中からはただ本心を言っただけだったのだが、もはやどれが1番マズかったのかも分からない。
「で··でも、今はシないんでしょ? 残念だなぁ」
焦っていても、口が勝手に意地悪を放つ。今はシないという確信があるからだけど、この勢いじゃ夜が怖いや。
「シてやろっか? お前イカせるだけだったら、秒で堕としてやんぞ」
減らず口が八千代を怒らせてしまったらしい。本当に食べられちゃいそうだし、雄みが強すぎて顔が怖い。
「ひぇっ····」
八千代はズボンとパンツをひっぺがす。そして、指で僕の口を犯して濡らすと、アナルを撫でたりぴとぴと指に吸い付かせる。
穴がヒクつくと、ほんの少し指の腹だけ挿れて弄ぶ。それだけなのに、僕は甘イキが止まらなくなって蕩けてしまう。
とんでもない仕返しだ。やっぱり、まだまだ皆には勝てそうにないや。
「ごめ··なしゃ··、まだ綺麗にしてにゃいからぁ····そぇに、片付けできなくなっちゃうから、ね、許ひてぇ」
「フゥーッ····そうだな。今日くらいはちゃんと洗浄してからヤッてやりてぇ····けど、これ以上煽ったら綺麗にしないまま犯し潰してやっからな」
弄っていた指を舐め、僕を見下ろして言う八千代。本気なんだろうな。『今日くらいは』っていうのが引っかったけど、丁度引越し屋さんが来てしまったから聞けなかった。
引越し屋さんが荷物を運び入れていく。皆、ダンボールが幾つかと、ちょっとした家具があるだけ。朔は花も持ってきたんだ。
すぐに皆が来て、凜人さんも手伝ってくれた。凜人さんは主に、掃除と夕飯の支度をしてくれる。凄くありがたいし、凜人さんのご飯を食べられるのが嬉しい。
広いウォークインクローゼットがあって、衣替えの必要がないのは助かる。それでもりっくんと啓吾は、全部出すといっぱいになったと言っていた。確かに、2人だけ衣類と書かれたダンボールが、僕の倍くらいあったもんね。
それぞれ片付けを終えて集まる。中庭のガラス扉をスライドすると、縁側のようになるんだ。もう日が暮れて少し寒いけれど、お日様が当たれば気持ちいい。お昼寝スポットになりそうだな。
「ここ良いなぁ~。すげぇ気持ちぃ」
啓吾が中庭に足を放り出して寛いでいる。僕も隣に並ぶ。秋を感じさせる中庭の草木に、ひんやりとした風。もうすぐやってくる冬を感じさせる。
季節折々の景色を楽しめるようにするんだと、朔が言っていた。一緒に庭いじりなんかも楽しそうだ。
八千代はマンションを引き払いに、一旦元の家に行ってしまった。その間に、夕飯の支度をしてくれている凜人さんのお手伝いする。邪魔にならないように注意しながら、与えてくれる仕事をこなしていく。
「結人様は随分落ち着かれましたね。昨年の旅行の折には何事にも一生懸命で、皆様ヒヤヒヤしておられましたものね」
「まぁ、皆と居ると肝が据わるっていうか、僕一人わたわたしてるのが恥ずかしくなってくるんです。だから、一生懸命平常心を保とうって気をつけてて····」
「ふふっ。朔が仰っていましたよ。結人様が頑張っている姿を見ると、ご自分も頑張ろうと勇気づけられるのだと」
「えぇ····逆ですよ。勇気を貰ってるのは僕のほうです」
「お前ら、何恥ずかしい話してんだ。やめてくれ」
顔を赤くした朔がキッチンに入ってきた。僕が抱えていた取り皿を奪い取ると、キスをしてから並べに行った。
八千代の家に居る時もこんな感じだったけど、これからは四六時中イチャついていいんだ。そう思うと、ついつい顔が緩んでしまう。
「結人様、幸せそうですね」
「んへへ♡ 幸せです」
「なーに言ってんの。これからもっと幸せにすっから覚悟してろよ」
いつの間にか背後に立っていた啓吾が、僕の肩に手を添え耳元で囁いた。耳が熱を帯びて、身体が跳ねてしまう。
「ぼ、僕だって、皆のこと幸せにするんだからね!」
「俺はもう幸せだよ。ゆいぴが傍に居てくれるだけでちょー幸せ♡」
「俺も~♡」
「もー、そんなので満足しないでね。もっともっーと幸せにするもん」
「楽しみだな。他には運ぶものねぇか?」
正面切って近づいてきた朔が、ふわっと抱き締めて言った。皆、いつも以上に近い。浮かれているのは僕だけじゃないんだ。そう思うと少し安心する。
夕飯ができあがった頃、丁度八千代が帰ってきた。入り浸ったあの家に、もう行くことはないのだと思うとやはり寂しい。
だけど、これからはここで沢山の思い出を作っていくんだ。寂しがっている暇などない。
ありがたい事に、僕たちが大学に行っている間、凜人さんが時々来て掃除などをしてくれるらしい。ハウスキーパーの様なものだと思って欲しいと言われた。
けれど、時々朔を感じたいのだと、後でこっそり本音を聞かせてくれた。そんなの大歓迎だ。
凜人さんが帰ると、いよいよ僕たちだけの時間。お風呂を済ませると、問題のヤリ部屋と称した我が家のラブホテルに連れ込まれる。
「ね··ねぇ、皆ちょっと落ち着いて? 待って、怖いよ····」
「お前、昼間あんだけ煽っといてビビってんじゃねぇぞ。まずは俺からな」
そう言って、首筋に噛みつかれた。甘噛みだとて痛い。
「ひぁぁっ··ごめんなしゃ····優しくシてください」
「安心しろ。あと2日あっからな。まだ潰しゃしねぇよ」
あと2日····? この連休ずっとするつもりなのか。
「だから初日に引越し終わらせたんだもんな。楽しみ~」
「楽しみすぎて、今日1日落ち着かなかったよ。最終日まで潰さないように気をつけなくちゃね」
「あぁ。時間はたっぷりあるから、これからは余裕もってセックスしねぇとな。本当に結人が潰れちまうぞ」
僕は、ようやく身の危険を感じ始めた。一時の昂りで、バカみたいに八千代を煽っている場合じゃなかったんだ。
皆の、必死で余裕を持とうとする余裕のなさが、僕の身に降りかかる危うさを感じさせる。そんな最中、八千代は僕のお尻を解ぐすのに大忙し。
話にも入ってこず、無言でひたすら僕を貪っている。文字通り、指でお尻を弄りながら、全身を食べそうな勢いで舐めるわ吸うわ噛むわ。
早くもヘロヘロになりそうだが、僕ばかりヨくシてもらっているのはもう嫌だ。完全にグデグデになる前に、僕だってシたい。
「ね····、八千代待って。僕もシたい。八千代のおちんちん食べる」
「ンなら跨れ」
シックスナインという恥ずかしいやつだ。皆、本当にこれ好きだなぁ。
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